【業務連絡】第一四半期「たけくまメモ」ベストセラー報告
『ゴルゴ13はいつ終わるのか?』のアマゾンでの扱いですが、ようやく24時間発送になったようです。今後も在庫状況で変動するとは思いますが、よろしくお願いします。
ところで、昨日(3月31日)がアマゾンでのアフィリエイトの第一四半期締め日でした。今年の1月1日から、3月31日まで、当「たけくまメモ」からどのような本が売れたか、ベスト10形式で紹介したいと思います。なおこれから発表する数は注文数でして、実売数ではありません。キャンセルとかあれば、これより数は減りますけど、いまのところベスト10に関してはないみたいです。注文数発表のほうがなにかと見栄えがいいので、今回はこれで発表します。
では……(ドラムロール)……
●第10位 『ビアス短編集』 アンブロウズ・ビアス (28冊)
意外でしょ? 俺も意外でした。これは『夢オチはなぜ悪いのか?(3)』でチョロッと紹介しただけなんですけどね。それも百年くらい前の作家だし、なぜこんなに? と思わないでもないですが。確かに傑作ですけども。文庫で、値段が手頃なのがいいのかもしれないです。
●第9位 『夕凪の街・桜の国』 こうの史代 (29冊)
地味ながらも力がある、いい作品が評判になるのは自分のことのように嬉しいですね。作者の努力もさることながら、作者を励ましつつこういう作品を最後まで描かせた双葉社の担当編集者もエライ。俺がいうところの「共犯関係」が成り立ったいい例だと思う。作者のこうの史代さんには、自分のペースを崩さずにこれからも描き続けて欲しいです。
●第8位 『電波男』 本田透 (37冊)
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!って感じですが、3月12日からの発売でこの成績は立派の一言。こういうネット時代ならではの本は、通常の取次ルートでは売れ行きがまったく読めないわけです。この本は、長年にわたって培った著者のネット内での信用が、売れ行きにつながったわけでこれは新しい傾向でしょう。今後どこまで伸びるか楽しみです。
●第7位 『マンガ原稿料はなぜ安いのか?』 竹熊健太郎 (40冊)
どうもありがとうございます。まあ、本拠地としてはこんなものかと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
●第6位 『ゴルゴ13はいつ終わるのか?』 竹熊健太郎 (56冊)
なんかアマゾンの仕入れ状況が当初、変だったわりには、このくらいのご注文をいただきました。まだ届いてない人も、必ず届くはずですので今しばらくお待ちください。なお本日以降ご注文の人には、スムーズに届く(はず)です。
●第5位 『御緩漫玉日記 (1) 』 桜玉吉 (62冊)
この本が出た翌日に、たまたま玉吉に電話したら退院の翌日だったんだよね。というか、本が出た日が退院日。詳しくはココ参照。とにかくあんだけ楽しそうに入院生活を語る奴も初めて見ました。そろそろその成果が作品に反映する頃でしょう。
●第4位 『監督不行届』 安野モヨコ (89冊 特別版含む)
『庵野さん何やってんですか』をアップしたとき、あ、そういえば奥さんのマンガも出ていたなと思って併せて紹介したところ、タイミングがバッチシでよく売れてくださいました。実は紹介時に俺、この本をまだ読んでなかったんですが(汗)、その後読んだら大傑作だったのでほっとしました。まあ、あの奥さんがあの旦那をネタにしてつまらないわけがないんですけども。
●第3位 『知的生産の技術』 梅棹忠夫 (98冊)
こういう本が長く売れ続けるのはスゴイよね。だからこそ古典なのだけれども。岩波書店永遠のロングセラーはやはり強かったです。はっきり言って、岩波はこの本と「広辞苑」と「夏目漱石全集」でもっているようなもの…は言い過ぎか。梅棹忠夫は70年代からコンピュータ社会の到来を予期して、自分が館長をつとめる民族博物館でも一早くメインフレーム機を導入した実績があります。エライ人でした。
そして栄光の……(ドラムロール)……第2位は!?
●第2位 『失踪日記』 吾妻ひでお (252冊)
き、き、来ました! もうぶっちぎり、というかケタが違います! 1位こそ譲りましたが、3月の頭に発売されてから約1ヶ月でこの成績は異常です。というか、これ、俺のサイトだけのデータですからね! どうやら4刷りも決まったらしく、ベストセラーの気運もマジにたちこめてきました。ネットでの評判が後押ししたのはもちろんですが、今後マスコミレベルでどう紹介されるかで、売れ行きが決まるでしょう。イーストプレスは完全に発狂状態です!
●第1位 『アイデアのつくり方』 J・W・ヤング (317冊)
もう……何もいいますまい。昨年の12月22日からアフィリエイトを初めたので、前四半期のぶんも入れると、ゆうに350冊は売れています。毎日、2冊とか3冊コンスタントに売れるのは驚異です。当ブログの読者には広い意味での知的生産に従事している人が多いせいかもわかりませんが、俺もこの事態を説明できません。詳しい記事はココを参照してください。
ええと、本年度第一四半期の報告は以上です。ちなみに申し上げると、注文数で2桁超えたのは全部で19冊で、それ以外は3ヶ月で1~3冊、といった感じです。それだけに『アイデアのつくり方』と『失踪日記』の売れゆきはセンス・オブ・ワンダーな事態だというほかはありません。今後、皆さんのなにかの参考になれば幸いです。
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コメント
アマゾンで注文中及び既に注文済み若しくは自発的に買っていた、と言う状況でエントリーの10冊中5冊は所持と言うことになりますか。吾妻さんの「失踪日記」は今でも寝る前に度々読み返している程傑作であります。竹熊さんの紹介のお陰でいち早く入手出来た事に顔射、いや感謝をば。何より吾妻さんの功績が報われた事がウレしいアヅマニアです。イーストプレスが狂喜乱舞ですかそうですか。
投稿: vio | 2005/04/01 22:17
竹熊さん、いつもお世話になっております!
もう社内はお祭り騒ぎの半狂乱……というより
むしろ不測の事態に戸惑っている、というのが正確な状況ですよー。
刷りすぎても刷らなすぎても大きな支障が出るし、
再販制度はなかなかにやっかいです。
ところで自分が担当したわけじゃないので遠慮なくいいますが、
「ゴルゴ13~」は表題と無関係の後半こそ、
むしろ多くの人に読んでいただきたい良書です。
「私とハルマゲドン」を読みそびれた方もぜひ!
投稿: イースト・プレスの中の人 | 2005/04/01 22:54
『ゴルゴ13はいつ終わるのか?』を漸く地元の書店に注文してまいりました。ひょっとしたらどこかに入荷してるのではないかと探し回った挙句なので、随分遅くなってしまいました。
>「ゴルゴ13~」は表題と無関係の後半こそ、
>むしろ多くの人に読んでいただきたい良書です。
同感でアリマス。もちろん前半も楽しみなのですが、竹熊先生のおたく論(特にエヴァ論)はTINAMIXで何度も繰り返し読ませて頂いてました。
因みにPCのHDDに保存してあった筈…と探したらテキストデータだけが中途半端に(2頁分)残ってたり。何故だ?(;´Д`)
投稿: 三葉虫男 | 2005/04/02 00:51
余談ですが「失踪日記」が、何日か前の読売新聞夕刊にて紹介されていました。
冗談抜きでベストセラーかも?
投稿: あたりめ | 2005/04/02 15:08
「失踪日記」がぶっちぎり1位だと思ってたので
ちょっと意外
投稿: うま | 2005/04/02 18:50
このエントリーを見て思わずベスト3を一気買いしてしまった。
特に1と3はアイデアでなくてもう藁にもすがりたい今の自分には救いの書に見えました(まだ届いてませんが)
投稿: 丸々 | 2005/04/02 21:49
電波男
http://media.excite.co.jp/book/interview/200503/
投稿: | 2005/04/03 07:18
『知的生産の技術』が3位というのもすごい。カードで挫折した人が多いのは、本や雑誌とかの内容まで書き写したから。梅棹さんの使い方は、思いついたアイデアだけをカード化するのです。そこをはっきり書いてくれればよかったのに。
投稿: quimito | 2005/04/03 19:23
>quimitoさん
いいことおっしゃいますね。梅棹さんの本は、今となっては古くさい箇所(和文タイプのすすめなど)もありますが、根幹の部分はPC時代にも通じる考え方だと思いますね。多少の応用力は要求されるかもしれませんが。
投稿: たけくま | 2005/04/04 02:05
読売新聞で掲載されていた失踪日記の書評がwebで公開されてました。
「おたく文化」の祖 体験ギャグで復活
「失踪日記」吾妻ひでおさん
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20050330bk05.htm
ほ~現在6万部ですか。10万部いきますかね?
投稿: 忍天堂 | 2005/04/06 22:55
↑6万というのは3刷りまでの数字で、そろそろ4刷りがかかるみたいなので、このペースだと5刷りで10万越えは確実かと。
投稿: たけくま | 2005/04/07 00:25