【速報】山松先生に会ってきた
●それから、昨日、東京の福生にてマンガ家の山松ゆうきち先生が「インドで『血だるま剣法』を出版した体験」の詳細をお聞きして参りました。
詳しくは来月発売の『アックス』(青林工藝舎)に載りますが、その一部を紹介すると…。
俺「なぜ、インドで『血だるま剣法』を出版しようと思われたのですか?」
山松「だって、面白いマンガだし。昔から平田さんのファンだったから」
俺「どうしてインドだったのですか」
山松「インドではまだ日本の漫画が出てないって聞いたから。パキスタンでもよかったんだけど」
俺「なにか、現地にお知り合いとか、ツテはありましたか」
山松「全然。言葉もしゃべれないし、空港に着いたら途方に暮れちゃって」
俺「それで、現地で印刷屋さんとか探されたんですか」
山松「そう。町の印刷屋さんみたいなところで」
俺「売れましたか」
山松「11万円くらいで千部作ったんだけど、50部くらいしか売れなかった。本屋に行っても置いてくれないし、仕方がないから広場でゴザ敷いて売ったんだけど。すぐに警官が飛んできてショバ代請求すんの。それで、インド人はマンガはおろか、本も読まないんだよ。あんなに人がいるから、もうちょっと売れると思ったんだけどね。もう、ガッカリしちゃってさ」
だ、そうです。われわれ凡人の想像を百万光年は離脱する壮絶な体験をされていながら、ご本人は山松マンガそのままに、いたって淡々とものすごい話をされていたのが印象的でした。半年間の滞在中、インドの生水を平気でガブガブ飲んで、腹もこわさず生還した日本人は山松先生くらいでしょうか。 とりあえず、平田先生訪問記を完結させてから、山松先生についてはあらためて触れるつもりです。
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コメント
50部くらい!!
インドの萌え聖人たちよ。
えらい!!
山松さん、お元気のようで
何よりです。
投稿: 長谷邦夫 | 2005/05/15 23:12
↑山松さん、『血だるま』が全然売れないので、今度は「セロテープをカットする金具」を作ったら売れると思い、急遽町のブリキ屋に駆け込んで金具を一万個も作らせたそうです。
山松さんがあちらでセロテープを買ったら、金具が付いてないので「これはイケル」と考えたんだそうですが、現地の一般家庭ではそもそもセロテープじたいを使わないので、これも全然売れなかったそうです。
投稿: たけくま | 2005/05/15 23:32
インドに住むインド人と
インド外に住むインド人では
天地ほどの違いがありそう。
いっそ、ケンダマかなんか
売ってみたら??
山松さんというと競輪。
インド人は自転車に乗るのか?
ムカシのマンガ風に象に乗り
IT企業に通っていたりして。
投稿: 長谷邦夫 | 2005/05/16 01:24
「アフリカ人に靴を売る」に近い発想ですね。
しかし発想力はともかく、この実行力は見習わねば。
投稿: | 2005/05/16 12:43
昔、フィジーという太平洋の島に取材にいったことがあります。
そこは、インド人が労働力として大量に導入された島で半分くらいインド人がいるらしいです。街をあるくとサリーを着た人々がたくさんいて、まるでインドにきたみたいなのです。もちろん映画館もインド(映画)だし、お店などもそうでした。そこで購入したマンガはインドの神話を漫画化したアメコミ風(薄いざら紙)のていさいでした。インド人は外国いってもインドっていう感じですね。
あと、宗教学者の山折哲雄が演歌のルーツ探しにインドにいって、そこいらの人に日本の演歌歌手のテープを聴かせたそうですが、まったく無視され、そのかわりテープレコーダーに関してはものすごい関心をよんだそうです。
インドということで書きました。はい。
それにしても何故、インドなのか?
投稿: rosta | 2005/05/16 18:02
↑単純に考えて人口が多いからでは?
投稿: 忍天堂 | 2005/05/17 15:07
買わせていただきました。
ヒンディー語版「血だるま剣法」・・・デリーの日本スーパーなんて軟弱な場所で買ってしまい・・・残念!!!
(一応、普段滅多に行かないのに、「血だるま」目的で行ったのですが)
ご本人から道端で買いたかったです!!!!!!!!
友達のインド人に見せたところ、反応は今ひとつでした・・・。
インドの「マンガ」は「アーチーズ」「スパイダーマン」「チャチャ・チョウドリー(スワデシ漫画代表作)」・・・とお子さま向けなんで、マンガサドゥー養成所の設立を切に希望いたします!
そこでは全員セロテープ使用するべし、というのは駄目ですかね?
投稿: | 2005/05/17 15:30
↑おお、インド在住の方ですか?
ある意味激レア本ですよ。末永く大切にしてやってください。
投稿: たけくま | 2005/05/17 17:38
↑ 人生で初めて書いたコメントに、恐れ多くも竹熊先生からお言葉いただけるなんて!!感激です。
本は家宝にさせていただきます。
竹熊先生、インドにいらっしゃるときはぜひぜひお知らせください!(業務連絡にて・・・?)
投稿: | 2005/05/18 18:44