今週は本業強化週間につき…
よくいるじゃないですか。俺の同業者とかが、ブログで忙しさ自慢するようなの。いかに自分が忙しいかを縷々、書いたあげく、「そんなわけでしばらく更新できません」とか言い訳するようなやつ。ああいうのはみっともないし、なんかブログ読者に対して失礼だと思っていたんですよ。
それだけは、俺はやるまいと。たまに忙しいときは、愚痴ったりしますけども。
そんなわけで、おかげさまでここんとこ本業が忙しく、今週も毎日、どこかの取材(されるんじゃなくて、するほう)か締め切りが襲ってきて大変なんですが、こうなると反対に意地と申しましょうか、なにがなんでもブログを更新し続けてやろうと思うから不思議です。
俺に原稿を発注している編集さんは、気が気じゃないかもしれませんけど。
そんなわけで、本日もこれから某氏の取材に向かうんですが、
帰りに『スターウォーズ』を観に行ってブログのネタにしようとか、夢にも考えたことはありません。
ついこないだも『バットマン・ビギンズ』を観に行ったんですけど、以下多少ネタバレ含むなので観てない人は決してクリックしないで欲しいんですが、とにかくあの渡辺…
謙さんの出番ってタッタあれだけ? なんかチョイ役もいいとこなんですけど? まるで『アルマゲドン』に出た松田聖子を思い出しました。とか、
モーガン・フリーマンはハリウッド映画のすべてに出演してるんじゃないかとか。いや、いい役者ですけどね。俺は好きですよ。でもこんだけ出てると、だんだん大杉漣みたいに見えてきます。日本映画は全部大杉漣が出てて、ハリウッドはモーガンフリーマン。もうどの映画観てもこの二人。いつか二人には競演してもらいたいものです。インド映画かなんかで。
でも『ビギンズ』は、娯楽映画としてはよく出来てましたよ。バットマンのなりかけというか、なるほど、こういうことがあってバットマンになったのね、ということがよくわかりました。
前日談というのは難しいんですよ。今日観る予定の『スターウォーズ』もそうですけど、起承転結の結がわかっていて、起承転、へたすると起承だけでお話を作らなければならないわけですから。
「ああ、あのヒネたガキが将来ダース・ベイダーになって、実の息子に殺されるのね」
とか、全部わかっちゃうわけでしょう。これは監督や脚本家にとっては、地獄みたいなものですよ。これで面白くしろというのは。
それで『バットマン』のほうは、ある意味全員オチがわかっていることを承知の上で、オチ(バットマン誕生)に向けての無数のつじつま合わせを、もうこれでもかと異常なくらいやっていて感心しました。バットマンは、なぜ生身の人間なのにあんなに強いのか、とか、なんでコウモリのコスプレをするのとか、お屋敷の地下の洞窟になんで秘密基地を作ったのかとか、全部わかる。
バットマンに関する「なぜ?」は、この一作で全部答えきってやるという製作者の気魄がビンビン伝わってきます。
ある意味、すごい脚本ですよ。つじつま合わせが芸になってます。たぶん原作のアメコミでも、そこまで考えてなかったと思いますよ。なんでコウモリなのったって、なんとなくでしょうしね。磯野家の人間が全員、海産物の名前みたいなものですよ。なぜと言われても、それはそういうものだと言うしかないでしょう。
それを誰もが「なるほど」と思うように説明して、そのうえでちゃんと娯楽映画としても面白く作っているからさすがですよ。入場料ぶんの価値はあるんじゃないでしょうか。でもバットマンのコスチュームとか秘密兵器のすべてをモーガン・フリーマンが作ったとはビックリしたなあもう。
そんなわけで、スターウォーズも楽しみにしています。もちろん本業もがんばります。
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コメント
ベイダー卿を殺したのってルークでしたっけ? 確か皇帝のビリビリ電撃攻撃みたいなのにやられたような。
投稿: えびす | 2005/06/26 11:55
> ベイダー卿を殺したのってルークでしたっけ?
ルークが暗黒皇帝に殺されかけたときに「お父ちゃん、助けてー」と叫んで、それを聞いたアナキンが、情にほだされて、皇帝と無理心中したのでは無かったでしょうか?
投稿: | 2005/06/26 20:35
↑あ。そういえばそんな話だったかも。
昔観たっきりなので、すっかりストーリー忘れてました。
投稿: たけくま | 2005/06/26 22:50
心中はしてないと思うのですが
手描き透過光でルーク相手にびりびり攻撃をする皇帝陛下 → うわーん父ちゃ~んヘルプミー → どっちにつくかで迷うベイダー(お面かぶっていて表情が分からないので、それをカバーすべくやたら左右に首を振って心の揺れを表現) → おせっかいにも盛り上げていくJ・ウィリアムズの音楽 → ベイダー、意を決したように皇帝の体を抱え挙げる → うわ何をするベイダーはなせ~ → ベイダーにびりびりびりー → 底なしシャフトに落っことされる皇帝 → うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ~ ぶちっ → 時計塔がベルを乱打しはじめる → 崩壊 → 無益な殺生はせぬ
投稿: ああ | 2005/06/27 00:03
> 磯野家の人間が全員、海産物の名前みたいなものですよ。
> なぜと言われても、それはそういうものだと言うしかないでしょう。
おそらくこれは、志賀直哉の小説『赤西蠣太』に着想を得たものでしょう。主人公の赤西蠣太、友人の銀鮫鱒次郎を初め、登場人物が魚介類ばかりなのです。中でもヒロインの名前が小江(さざえ)ですので、これはほぼ間違いないと思います。
もっとも、これは問題の先送りに過ぎず、志賀直哉がそのようにした理由を問われると、また答えがなくなってしまうのですが。
投稿: no-name | 2005/06/27 03:20
ああ氏のネタを理解するのに数秒かかってしまいました…まだまだ未熟!
投稿: 三葉虫男 | 2005/06/27 04:53
ただの思いつき
投稿: ああ | 2005/06/27 07:36
>なにがなんでも...
あはははははは... 忙しい時ほど更新してまう弘史左衛門。
一種の逃げであるかも。ま〜息抜きになるわいね〜(^^)
投稿: 弘史左衛門 | 2005/06/27 09:52
>弘史左衛門先生
↑いや、実は先生の単行本用インタビューの締め切りが明日までなんですよ! なんとか今夜中にまとめてそちらに送りますのでよろしくお願いします!
そんなわけで、今日は更新できないかもしれません>みなさん
スターウォーズは観ました。けっこう面白かったですが、感想はまた後日。
投稿: たけくま | 2005/06/27 10:53
アメコミはつじつま合わせが面白いと言っていいぐらい連続性(コンティニュー)を重視します。
映画でのつじつま合わせは、膨大な原作の設定をリアル方向でうまくまとめたって感じです。
ただ、原作ではチベットに忍者はいません。素直に日本で学んでいます。
投稿: | 2005/06/27 13:31
昔読んだバットマンだと北朝鮮で武道を習った設定だったような気が。
投稿: あれ | 2005/06/27 15:02
弘史左衛門様。
『大垣藩治水魂』なる作品が
御座いますね。
みどもは、この大垣へ毎週
マンガ論の講義に参っており
ます。
先週、当市のバーで「輪中」の
話題になったのでございますが、
何と、この「輪中」は現在でも
尾を引いていて、大垣市の
商店街は仲が悪く、一つに
まとまれないということです。
いやはや、歴史の怨念とは
オソロシヤ!
師匠の先見の明とでも申しましょうか。
投稿: 長谷邦夫 | 2005/06/27 19:18
れっくするーさーにかんぱい
投稿: ああ | 2005/06/27 20:49
>ただ、原作ではチベットに忍者はいません。素直に日本で学んでいます。
バットマンの話ですか?未だ見てないので良く分からないのですが、忍術の祖はインド渡りの禅僧か密教僧ではなかったですか?
チベットに忍者は居ないでしょうが、聖人仙人は沢山居たみたいですね。
投稿: トリル | 2005/06/27 20:58
>no-name
>もっとも、これは問題の先送りに過ぎず、志賀直哉がそのようにした理由を問われると、また答えがなくなってしまうのですが。
海産物にした理由はともかくとして、同系統の名前にすることは、作品の統一感を醸成する技法としては、よく使われますね。
例えば、聖闘士星矢では、聖闘士は皆、正座の宿命を背負っているとか。セーラームーンでは、美少女戦士は、みな惑星にちなんでいるとか。
突然、寅年の聖闘士とか、ひまわり(お花)のセーラー戦士が出てくると、さすがに違和感があると思いますし。
投稿: | 2005/06/27 22:29
直前のエントリーで
>no-name
としましたが
>no-name様
と訂正します
投稿: | 2005/06/27 22:30
くま右衛門殿
ぐわんばってくだされ(^^)
邦夫左衛門 殿
白虎隊の會津と長州は現在も同席せん!と言う険悪な関係である事を「白虎隊」作品描く取材時に知りましたですよ。
でも、先祖が長州人の弘史左衛門は會津人と同席してしまいましたが(^^)
過去は過去で現実は仲良くやってゆく事が望ましいですね。
投稿: 弘史左衛門 | 2005/06/28 00:23
バットマン、見たよ~。
良くできてるわ。
アメリカ人のディティールへのこだわりは凄いね。
マジで『こりゃあねちっこい』と思うくらいだなあ。
日本人にはあのねちっこさはないもんね。
それからこの手の作品に関して、どうも日本人はバカにしてかかる傾向があるような気がするなあ。
もちろん基本的な予算の問題はあるけれど、
執念の違いを感じる。
渡辺謙の扱いにはいろいろ意見があるんだろうけど、
オレ的にはあれで良いかなあ。
あと『影の軍団』っていう訳は、なんとかならなかったのか? どうしても服部半蔵・千葉真一を思い出しちゃうよね~。
投稿: いわと | 2005/07/02 18:39