コミックマヴォVol.5

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2005/08/20

団塊の世代とプレおたく世代とおたく第一世代

saruman-bigold ちょっと覚え書きのメモを書いておきます。2007年問題というのがありますな。いわゆる団塊の世代で一番数が多いのが1947年(昭和22年)生まれなのだそうで、それが定年(60歳)を迎えるのが2007年なのであると。一度に大量の退職者が出るので、退職金の支払いで企業経営が悪化するのではないかとか、現場での仕事ノウハウの継承がうまくいかないのではないかとか、キオスクで売れているおじさん向け週刊誌の売上げが激減するのではないかとか、特に「ビッグコ●●クオ●●●ル」なんか、読者の大半がその世代らしく、今から戦々恐々としているみたいですよ。

もっともこれには正反対の読みもあって、膨大な退職金がその層に一度に集中するので、これを新たなビジネスチャンスだととらえる向きも多い。まあこの不景気に楽観的な見方に過ぎるかもしれないが、要するに団塊の世代は数が多いうえに戦後最初のレジャー世代、サブカルチャー世代であるので、定年で出来たヒマと退職金を趣味に使う人がそれなりに出るのではないかというわけです。

この考え方にも一理あるので、つまり彼らは戦後最初のマンガ世代だったりしますからね。もちろん別名全共闘世代と呼ばれたくらいで、学生運動、政治の世代でもあったわけだけども。しかしマンガやロックなどのサブカルチャーも、まさにこの世代を受け手・送り手として発展したことは事実。

これが団塊の最末端になるとオタク的要素もたぶんに重なってくるわけですね。1951年生まれのいしかわじゅん氏とか夏目房之介(1950年生)さんとかコミケの米沢嘉博(1953年生)さんとかあのあたりの世代も数年後にはぼちぼち定年ですよ(今名前を挙げた人は定年もへったくれもありませんけど、例として)。この「50年代前半組」になると、政治よりはサブカルチャーの色がだいぶ濃くなってきます。オタクとはまだ言い切れないが、まあ「プレ・おたく世代」くらいは言えるのかもしれない。

ではこのプレおたく世代と、俺(1960年生まれ)みたいなオタク第一世代はどこがどう違うのかと言いますと、アニメがあるかないかじゃないですかね。ここでのアニメはもちろんTVアニメですけど。俺なんか三つの時に虫プロの『鉄腕アトム』が始まりまして、中学・高校あたりまではそういうのにドップリでした。もちろんマンガも読んでましたが、俺にとっては紙媒体のマンガとTVアニメは、ある意味で等価な存在だったんです。このへん米沢さんあたりになると「アトムの偽物が始まった」と思ったらしいですからね。要するに絵が違う、セル画のあれは手塚さんの絵ではないということで。「紙のマンガが本物で、アニメは偽物」と言うあたりが、どうしようもない世代の感性の違いというべきかもしれません。断っておきますが、いい悪いの問題ではないですよこれは。

あとオタク第一世代になると、団塊の世代のような政治意識はない。いや厳密には政治意識は「ある」のだけれど、天下国家がどうしたとか、右と左がどうしたというような政治意識ではないわけです。これについては面倒くさいので考えがまとまったらそのうち書きます。

終戦直後の45年から50年生まれくらいが団塊の世代、50年から55年くらいがプレおたく(または団塊末期)、それ以降の65年生まれくらいまでがいわゆるオタク第一世代ってな感じで一応線が引ける気がします。オタク世代の老後に関しては今度たっぷり触れるつもりですが(実はそちらが本題なんですが)、ものの順序としてはまず団塊の世代からでしょう。

それで2007年問題なんですけどね。やっぱあれでしょうね、サブカル養老院というものができるとすれば、この世代から始まるんじゃないでしょうか。俺が知らないだけで、もう出来ているのかもしれないが。ここでのサブカルは、最近のユリイカがオタクvsサブカル特集を出しましたけどその「サブカル」じゃないですよ。60年代のサブカルチャー。たとえばビートルズとかですね。

ビートルズ養老院というのは、まず確実に生まれるでしょうね。養老院を選ぶときに、そういう若い頃からの趣味を基準にするのは、団塊の世代にはそう違和感はないんじゃないかと。まあ中にいると大昔のセクトの違いが判明して内ゲバが始まってしまうかもしれんですけど。中核派とか革マルとか、まじでそういうの経営しそうだな、裏で。

とりあえずビートルズ養老院なら、ラブ&ピースの精神でなんとかなりそうです。

それからマンガ養老院。もう全体がマンガ喫茶みたいになってまして、「ゴルゴ13」が全巻揃っていたりしてですね。「あしたのジョー」とかはまだしも、「黄色い手袋X」(桑田二郎)とか、ラインナップが微妙に古いの。最近そのあたりの懐マンが異様な復刻ブームですが、2007年問題を見越して…ってことはないだろうな。

そういえば昔『サルまん』で「老人まんが」の回をやったんですが(上の図版参照)、最近の小学館に行きますと、あそこでパロディにした「ビッグオールド」、本当に出来そうなムードですよ。結局のところ、団塊の世代が戦後史において果たした役割とは、その圧倒的な数でもって若者文化を創り、今また老人文化を打ち立てようとしていることなのではないでしょうか。

そんなわけで、今度は俺にとってより身近な「おたくの老後問題」についてメモしてみたいと思います。おおざっぱな書き方はお許しください、なんせたけくまメモですから。

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コメント

ビートルズ養老院は楽しそうですね、コピーバンドやったり。老化予防にもなるし
でも、ジョン・レノン派とポール・マッカートニー派で内ゲバやったりして。

投稿: tohlm | 2005/08/21 00:07

>ジョン・レノン派とポール・マッカートニー派
ああ、それは分けた方が良い。
隣町くらいに隔てた方が無難です。
加齢によって理性はすっかりなくなりますから。
(病院では老人ばかりの部屋の方がトラブルが多い。)

で。
ジョージ・ハリスン派は自然食系統の養老院で間に合いそうだけど、
「ビートルズの人気NO.2のトップはオレだよ」と言っていた、
リンゴ・スターのファンはどうしたら良いでしょう。
ジョン・レノン派の片隅に入れてあげたいなー。

あ。おいら、オタク第一世代だった(笑)

投稿: トロ~ロ | 2005/08/21 01:33

初めまして。
いつも拝見してますが、特にこのネタの続き楽しみにしてます。
自分もオタク第一世代(1961年生まれ)なもんで。(^^;

で、アレですね、自分がもし養老を選ぶならマンガだけじゃなくアニメのDVDも完備して欲しいですね。(笑

投稿: ワタル | 2005/08/21 01:38

はじめまして。サルまんはスピリッツ誌上で読んでいたのですが、ビッグ・オールドの表紙は懐かしいですね。他の漫画のタイトルがそれらしく変わっているのに、ゴルゴ13だけがそのままというオチに笑わせてもらった覚えがあります。でも「会長 島耕作」は実現するかもしれない感じになってきたかも。

投稿: POP | 2005/08/21 01:49

楽しそうだな〜「ビートルズ養老院」
ストーンズ養老院とかピストルズ養老院とかもね・・。
'70生まれでバンドブームぶち当たってるんで。。

投稿: syuu | 2005/08/21 02:12

う~ん竹熊さん、いいツボ押してくるなぁ(笑
今、僕もけっこうそこいらへんに近いツボ押しながら単行本の加筆してんですよ。おかげで文章増えちゃって手間かかちゃって削る分も増えちゃって・・・・。
すいませんトシとるとグチが多いもんで。

投稿: 夏目房之介 | 2005/08/21 02:23

『ね爺式』、『ダメおや爺』
『巨爺の星』、『めぞん篆刻』
『鉄老28号』、『ど根老ガエル』
『ワイル老7』、『88マン』
『サインは婆!』、『ジャイアント老ボ』
『マカロニ老練荘』などなど、描いて
みたひもんでふ~。
『銀歯鉄老999』でもいいでふぅ。

投稿: 長谷邦夫 | 2005/08/21 02:31

20年以上前に、当時24年組の少女マンガ家たちが、「どうせ自分たちは結婚出来ないから漫画家養老院を作ろう」と座談会で語っていたことがありましたが、今や読み手の方もリアルにそういう状況を考えざるを得ない事に…。そうなると微妙に5年ごとくらいに対象が違うんですかね。「マガジン黄金世代御用達」とか「チャンピオン黄金世代用御用達」とか。

投稿: ビリー | 2005/08/21 05:45

「妻をめとらば最終回」当時は大笑いしてたんですが、今読むとしゃれになりません…

投稿: 本田 | 2005/08/21 06:55

61年式の俺ですが、養老院に入ったとき、ガンダム世代には「言ってることが古いんだよ、ジジイ」と言われ、プレおたく世代には「無節操なノンポリ」となじられ、居場所を無くすのでは、と戦々恐々death。

投稿: nomad | 2005/08/21 11:36

おう、一晩寝ておきたらコメントがいろいろと。
このネタはまだ続きますのでお楽しみに!
ただ今日は忙しいので更新できないかも。

投稿: たけくま | 2005/08/21 12:39

ビッグオールドは2010年でしたか…。
当時、会長島耕作とゴルゴ13はギャグだったんだと思いますが、十分ありえるのが恐ろしいですね。ホームは無理なのが残念ですが…。

投稿: まろ | 2005/08/21 12:57

「24年組少女マンガ家養老院」いいですなー。
その周辺には、当然ファンの皆さんの入る養老院が出来るわけで。
24年組の皆さんの誕生日には持ち回りで「お誕生会」が開かれて、先生をゲストでお呼びするんですね。
夏目さんは毎回、花束持参で参加されたりして。
いしかわ先生はアルファ・ロメオで来られるんですよね。

「萩尾先生、今年はお風邪で無理だって」
「えええー、残念。今年はうちの番なのにー。」
などという会話がありそう。

おおー、そうだ。
失くし易い「原稿」をデジタル化しておいて、光ファイバーで、各養老院へオン・デマンド配信できるぞ。
「やったー、新作の開始だってさ。」
なんてね♪

投稿: トロ~ロ | 2005/08/21 16:43

敬老精神のみじんもないレスの山

みんなほんとうは団塊世代が嫌い

投稿: ああ | 2005/08/21 18:36

たけくまメモの読者年齢層ってかなり高かったんですね(汗)

十代二十代の年齢層だと、養老院はメイドさん付きとかでしょうか(;´Д`)ジジイになっても萌えとか言うのだろうか・・・そう思うと全共闘世代がちょっとうらやましい。
だって大学に引きこもれるんですよ(善し悪しは別として)!?

投稿: 情苦 | 2005/08/21 20:51

軽老精神
警老精神
刑老精神…かな。

投稿: 長谷邦夫 | 2005/08/21 21:07

十代二十代の若者はこういう批評系は能書きと切り捨てて世間の全てを敵にしてひたすら徹夜して同人を作るのですよ。「腐った世の中の哀れなジジイどもには世界を変革する力なぞない!」と憤怒に燃えて。
闘えよー、若者たち。

ほんで、僕ももう少したってジジイと言われるようになったら反省して敬老精神を唱えます。ええ。

投稿: nomad | 2005/08/21 22:06

>みんなほんとうは団塊世代が嫌い

確かに団塊の世代って、
団塊の世代の上の世代にも下の世代にも
全世代で嫌われてる様な(笑)

投稿: 忍天堂 | 2005/08/21 22:25

ビッグオールド表紙の白井編集長は今何をしてらっしゃるのでしょう。 サルまんの最後の描かれ方がアレだったので心配になりました。

投稿: アミーゴ寺橋 | 2005/08/21 22:26

団塊の世代って戦艦三笠のZ旗の錦絵をナマで見た世代ですよね。
おめこ白井編集長(現専務)懐かしいですね。
あの頃のスピは面白かった。今はうんこ。

カムイ伝第三部も今構想中だそうで白土さんが5年後まだご存命なら実現するでしょう。

ビートルズはサブ・カルチャーなくて、ポップ・カルチャーって呼んでいいんじゃじゃないかな。メインすぎる。

James Brown Infirmaryとか作って、アフロでファンクなじじばばしか入れないわけですよ。
当然、still like a sex machineなわけです。

ある日、突然お気に入りアニメのDVDが酸化して見れなくなっててショック死したりするわけです。

団塊世代は、結構今、若い世代から粛清されようとしてます。
造反有理で、三角帽被って「革命の」反省させられたりして。子供の世代は親の「あら」が見えますからね。戦後の「つけ」を清算する時代にアプレゲールの申し子であったあの世代が逃げ切って消費文化を形成できるのか「逃げ足」に興味が尽きません。

たけくまさんの老後は、30年後たけくまメモがたけくまメモリーやたけくまミェモになってるだけであんまり変わんない気がします。
ただブログの半分が訃報。

まあオタの人生なんて生、老、病、死にわたり節目やメリハリのないもんかと。
あと老後なんていう贅沢な概念は日本にはなくなるんじゃないかな。

投稿: ぼぼ | 2005/08/21 23:06

 …我々はオタのまま老衰を迎える最初の世代なのかもしれない。

投稿: あばば | 2005/08/22 00:45

弘兼憲史の「黄昏流星群」が始まったとき、
”むかしサルまんで見たビッグオールドの世界がリアルに展開し始めた!”
と思いました。
あれを読んでグロいと思うのは僕が若輩だからでしょうか。

投稿: かないた | 2005/08/22 13:28

年齢層は高いですが、時代劇マンガ(劇画)も静かなブームだそうです。知り合いの編集者に聞くと、資料を読んだり、しなければならないので手間がかかるとか、間違いを指摘する手紙が来たりとかめんどうなことは多いようですが、年齢別マンガでは最高部分のジャンルだと思います

投稿: rosta | 2005/08/22 16:32

「ビッグオールド」といえば20年位前「ビッグゴールド」(?)という雑誌が小学館から出てましたね。
毎号石森章太郎(ママ)が「史記」を100p位ドバッっと描いて連載してた分厚い雑誌で何故か気に入って毎号買ってました。
あれがほとんど最初の中高年向けマンガ雑誌だった気がします。
思えば時代を先取りしすぎてたのか(笑)すぐ潰れたのを覚えています。

投稿: レポレッロ | 2005/08/22 19:34

はじめまして。アメリカでは、いわゆるローリング20'sでダンスやらジャズやらをたしなんだ世代向けにダンスパーティーみたいなものが金持ち向け養老院であったりしますから、ヲタ向けのがあっても違和感感じませんね。

養老院の特定世代向け映画や音楽なら衛星契約すればいいですが、実際に手にとって読む本・マンガなんかは品揃え、投資額の問題もあるんで巡回貸し本屋みたいなのはどうでしょう?

投稿: 0083 | 2005/08/22 20:01

現実にはオールドでは無理ポでしょうから、やっぱり、ゴールド名称を引っ張ってくれば十分実現できますね。シルバーよりずっといい。あとはいかに連載陣の寿命(作品のではなく、本来の意味で)をいかに伸ばすか。どの作家も隔月連載になったりして。ところでジャスト70年生まれの私はガンダム世代なんでしょうか?ガンダムに思い入れが無いのでなんとも複雑な心境です。

投稿: 永田電磁郎 | 2005/08/23 11:57

「会長 島耕作」って当時爆笑した思い出があるんですが、
いまは全然わらえませんね。

投稿: 座二郎 | 2005/08/23 12:20

ナパームデス養老院が出来たら入りたいな…。

投稿: ポン一 | 2005/08/23 20:28

今回の記事、興味深く読ませていただきました。
新しいアプローチで且つリアリティーに富んでいると思います。
もし、竹熊様さえ良ければ弊社SNSサイト「まろジェネ」http://www.marogene.com/にてコミュニティーを作って同じ興味を持つ人々とコミュニケーションしていただけないでしょうか?
確実にかなりニーズの高いテーマと思います。
当サイトは世代間交流をテーマに作った新しいタイプのSNSです。
今なら「新規登録」ボタンより簡単にご登録可能ですのでご興味をもたれたら是非ご参加下さい。
私、サイトネーム「トニー」でおりますのでご参加された暁には一声かけていただけるとうれしいです。
それではよろしくご検討下さい。


投稿: 浅香 敬士 | 2007/05/14 18:34

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