今年の多摩美のイカした問題作
映像の一部をまだ残してますが、多摩美課題の採点もほぼ終わり、昨日、なんとか講評会にこぎ着けることができました。
今年は全体に低調だったという意見は変わりませんが、最終的には何本か評価しうる作品に遭遇することもでき、ほっとしております。面白いもので、毎年同じ課題(マンガかアニメを作って提出)を出しているんですが、その年ごとの「傾向」があるんですよね。
たとえば最初の年は、ドラえもんとかジョジョのパロディが悪目立ちしたりとか、それを注意したら、今年はパロディ系がぐっと減ったかわりに、自殺ネタが目立ちました。
アレですよ、青春の苦悩を抱えた主人公が、短い人生を回想しながら身投げしたりする。青春の一ページとはいえ、みんなそんなに死にたいんでしょうかねえ。首つりは大小便垂れ流しになりますし、飛び降りは痛いですよ~。
まあそれはともかく、本年度の課題で、個人的に一番ひっかかった学生さんのマンガを特別にご紹介したいと思います。日本画一年のM・Aさん(女性)の「城」という作品なんですけど。なんか個人的にひどく感動してしまったので、みなさんとこの想いを分かち合いたい。もちろん本人の了承は得ております。
左が表紙。「君の夢は何?」というセリフで作品が始まります。
黒髪と金髪の二人の少年が登場。名前がわからないので舞台が判然としませんが、ドイツのギムナジウムかなんかでしょうか。70年代の萩尾望都か竹宮惠子の美少年マンガの雰囲気ですね。
一方、金髪少年の「夢」とは…。
イカは星くずを食べて最後に空に浮かぶ逆さの城になるんだ……。
と、イカへの限りない愛を語る少年。
イカに惹かれている金髪と、イカにだけはなって欲しくない黒髪……。なぜならば……。
そう、黒髪は金髪を愛していたのだった……。
しかし黒髪の愛もむなしく金髪はイカに。
イカになった少年と黒髪の少年の愛の交流……。ここまでくるとよくわかりませんがとにかく感動的であることは確かだ。
イカがでしたか? これは問題作だと思うのは俺だけ? ちなみに作者のM・Aさんに「なんでこの作品を描いたのか」と聞いたところ、彼女の親戚筋に本当にイカに憧れるイトコだか甥っ子だかがいたんだそうですよ。
その少年の純粋さを表現しようとしたら、この作品になったとか。イカした話です。少なくとも俺は採点中この作品に出会って、頭の中がイカでいっぱいになってしまいましたよ!
それからこれがこの人のほぼ最初に描いたマンガになるというのもすごいです。なぜ70年代風美少年ものなのかと聞くと、そういうのを普通に読んで育ったんだそうですよ。今彼女は大学1年なので、親がマンガ好きなら、確かにその世代ですわね。
なんだかんだいって、こういう面白い作品に出会えるのだから大学講師も捨てたものではないですね。近いうちに過去の優秀作品をアップするWEBサイトを作る予定です。お楽しみに!
(つづく)
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竹熊さんの「少なくとも俺は採点中この作品に出会って、頭の中がイカでいっぱいになってしまいましたよ!」の台詞、大好きです。
↓↓ココクリックで、今年の多摩美のイカした問題作に飛びます。
今年の多摩美のイカした問題作
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コメント
イカす。畏れ入りやの鬼子母神。
投稿: い | 2006/01/12 19:09
マンガ界の深堀骨になるかも。
投稿: う | 2006/01/12 20:02
作者がウケを狙っていないらしいのも、いいですねぇ。天然というか。
往年の原律子に似ている?
投稿: MT | 2006/01/12 20:11
>>なかには就職する人もいるけど、やっぱり美大の就職率は悪い。10パーセント前後くらいか。なんでやっぱりみんあ「卒業したらどうするの?」が一番きになる。僕はもっとアートを武器に闘って行こうと思った。卒業は始まりだなとぼーっと思って。
美大に入れても、就職率って低いんですね…
投稿: | 2006/01/12 20:15
この作品、続きはないんですか?
成長して造船技師になった黒髪くんが、イカを経て城になった金髪くんに、自分の船で会いに行くとかありそうなんですが。
投稿: フニクラ | 2006/01/12 20:54
イカんともしがたいですな。
計算のない作りのモノを見ると心が洗われます。イカにも。
投稿: | 2006/01/12 21:02
こう、ストーリーを追ったりしちゃいけないんでしょうね。
感じるままに、意識の流れるままに、感覚の中を漂って、、、イカのようにただ。。。
投稿: エルモ | 2006/01/12 21:17
あれれ~~~ッ!
ぼく、今日は大垣女子短大で
「死」と「自殺」のマンガを取り上げました。
「死」の方は、ちょっと古めの
岡崎京子『恋愛依存症』。
「自殺」の方は
浅野いにおの
『ひかりのまち』(小学館IKKIコミック)。
不登校少年の助が
<自殺見届け人>になる連作。
解説は致しません。
どなたかお願い致します。(笑)
投稿: 長谷邦夫 | 2006/01/12 21:21
嗚呼、感動しますね、
何になのかはぼんやりとしているんですが。
イカんせんこういった作者さんは、
現在の漫画海では生きてイカれないのが残念ですけど。
投稿: 三本脚の蛙 | 2006/01/12 21:22
ヤバイ!今べた塗りしている投稿用漫画とイカがかぶりました。どうしよう。
投稿: 永田電磁郎 | 2006/01/12 22:17
面白いっすねこれ
自殺した漫画家で言うと、ねこぢるさんは惜しかった!
投稿: 匿名氏 | 2006/01/12 22:22
よみながら吉田戦車の伝染るんですの中の、
先生に希望する進路を聞かれて
「イギリス人になりたいと思う」と言った生徒の
お話を思い出しました。
投稿: ビクトリードリーム | 2006/01/12 22:25
他の作品が読みたい。
投稿: 穂の方 | 2006/01/12 23:11
イカ臭い美少年ハァハァ
投稿: まろ | 2006/01/12 23:27
課長バカ一代の「フェラーリになりたい」を思い出しました。
投稿: 15 | 2006/01/12 23:54
やられた!
この作品に魂を揺さぶられました。
作者の才能の煌きを感じます。
そういえば新潟市主催のにいがたマンガ大賞の作品集を読んで同様の経験をしたことがあります
素人作品と甘く見ていたら不覚にも涙してしまった作品があって。
商業主義から隔離された所にも稀に物凄い物がありますね。ホントいいモン見せてもらいました
投稿: 永宗 | 2006/01/12 23:56
マンガ奇想天外に載っていた作品です、と紹介されてもなんの不自然もない。
そんな感想を抱きました。
投稿: ちびげ | 2006/01/13 00:22
具象とシュールな画面が最高です。
少女漫画的美少年の原型というべき絵も味があります。線が美しい。
プロットやテーマの表現は故・岡田史子さんを想起させます。
若いときしか描けないんですよね。
こういうの。
投稿: トロ~ロ | 2006/01/13 00:42
さかさの城というと少女革命ウテナでしょうか
ウテナのそれにも元ネタがあるのでしょうが
投稿: daimong | 2006/01/13 00:53
初めて書き込みます。
スゴイ感動しました!イカなのに美しい!
イカなのにー!!
投稿: | 2006/01/13 01:17
> 彼女は大学1年
…ウチのコゾウと一緒の歳だ…
同じ歳でも、こうも離れてるもんなんですねえ。
投稿: nomad | 2006/01/13 01:22
イカ好きとしてはえんぺらと周りのひらひらを
描いてほしかったなあ。
あれで泳ぐから。
これだとスーパーのイカなんですね。
この漫画のようにイカは鮮度と透明感が命。
透明感のある画質にテーマがたまたま適合したというのもあるのでしょうね。
釣ると啼くんですよイカって。
生簀からあげたばかりのイカの活け作りを食べるとまだ生きてて、体表の色がキラキラ変わるんです。
好みによって、足だけ芯を少し生にした天ぷらにしてもらって、塩カボス。
イカキモは半冷凍でスライス。
イカシュウマイ様でも注文するか。
辛口の白ワインで。
投稿: ぼぼ | 2006/01/13 04:12
最初、たけくまさんが勝手に生徒の提出作の台詞を変えてアップしたのかと思ってしまいました(すいません)。
どんな題材を扱っても「良い話」を描くことはできるんだなぁと改めて認識。
しかしイカて(笑)。
投稿: すけ | 2006/01/13 04:27
僕はサル漫で海底二万里と巨大イカについて延々と語る竹熊キャラを思い出しました。
投稿: アミノ | 2006/01/13 04:53
抜粋でなく全編をよんでみたくなりました。
ネタ元のマジでイカにあこがれているという親戚スジの子に激しく関心をそそられました。一体どんな感性のもち主なのか……w 話をきいてみたい気がする。w
アラン = パーカーというUSAの映画監督の『バーディー』という作品のスジガキを連想しました。『千と千尋の神かくし』には敵をたおして勝利をおさめる云々という要素がなく、それは非ヨーロッパ的すなわち東洋的な話のくみたてで、それなのに、当のそのヨーロッパ人が何かのえらい賞をあたえた──とかいうような意味の論評をどっかできいたような気がしますが、このマンガと『バーディー』とを比較して、それにこの『千と千尋』がもつ意味あたりのことをからめたうえに、もっともらしい社会批評をまぶせば、一応それらしい評論をデッチアゲることができるんじゃないか──などということまで妄想させられました。w
……ヤボで理屈っぽいですな、ワシ。w
そういえば表紙の絵って何なんでしょう? ちょっと見わけにくくて判別できない…… 2匹のガかチョウチョ(みたいなもの?)をむかいあわせてある図?
投稿: | 2006/01/13 05:49
一読して、ジョバンニとカンパネルロを思いうかべました。
そーいう意味では、この作品もまた、今年多かったという「自殺」や「死」へのメタファーという感じもしますね。
投稿: ケースケ | 2006/01/13 09:54
私をはじめ多くの日本人は、イカなどの海洋生物を「食品」と認識してしまうために若干滑稽さを感じてしまうんですね。
でも生き物としてイカを観察した場合、非常に優雅で残酷で美しいです。
半透明の体や、コブシメなどのコウイカの仲間の体色変化。ひれを動かしながら漂う姿。そして捕食の際に見せる俊敏な動き。なかなか魅力的な生き物です。
しかし西洋人のイメージではイカは食品ではなく不気味な化け物として認識されそうで、作品に対してもまた違った印象を受けるのかも・・・
投稿: CAB | 2006/01/13 10:28
重くてみれにゃい。
投稿: aaa | 2006/01/13 11:07
そういえば映画「フォレストガンプ」でエビの話ばかりしてる友人がいたが。
投稿: cyberbob:-) | 2006/01/13 13:04
エビボクサーみたあとはエビを食えなかったがこれみたらイカを食えなくなった。
投稿: | 2006/01/13 13:30
おもしろがって「深読みしてあげる」親切なひとが、まだたくさんいることにびっくりです。いや逆に「深読みしたい」のかな。
そうであるならば「深読みしたい」と思わせることができれば作品としては「勝ち」なのかも。
中身がどうであれ。
投稿: 中の犬 | 2006/01/13 14:09
はい。たけくまメモ恒例の「とりあえずシニカルにふるまってみる中年」さんからヒトコトでした。
投稿: 外の犬 | 2006/01/13 14:58
全体を見ないで安易な感想は言えませんけども。
このくらいちゃんとペン入れてトーン処理して写植までしてる作品がある一方で、エンピツ殴り書き投げっぱなしーみたいのがあったら愚痴りたくもなりますわな
投稿: ノイノイ | 2006/01/13 14:59
外の犬さん
いや、純粋に不思議だからそう言っているのですが。
そういうのをあえて「おもしろがる」のは終わってると思うのは歳のせいなのでしょうか?
それとも、外の犬さんも含め、みなさんベタに「おもしろい」と感じているのですか?
自分は、いわゆる「動物化」が足りんないんでしょうか?犬なのに(笑)
投稿: 中の犬 | 2006/01/13 15:27
賛否両論のようですが
オレは、こういうのアリだと思う。
とりあえず才気あると思うよん。
ただ、これからどうなるかわからんが。
投稿: 狐蓋 | 2006/01/13 15:49
これは『21世紀のねじ式』です。
投稿: 浦嶋嶺至 | 2006/01/13 15:55
本人はすごく育ちのよさそうなお嬢さんなのです。確かにこれ一作ではなんともいえない部分がありますが、マンガの描き方はちゃんとわかっている人なので、次回作も期待したいところです。
投稿: たけくま | 2006/01/13 16:02
「純粋に不思議」に思ったんだったら、そう素直にいえばいいんじゃ? そのほうが言いたいことは相手に伝わりますよ。
わざわざ嫌味な言い回しで言ってみても、その嫌味な芸風を共有してる間でしか通用しないと思います。
投稿: 外の犬 | 2006/01/13 16:18
これからはイカが来るね(断言
投稿: YY | 2006/01/13 16:54
最初はシュールな笑いを狙った漫画かと思ったけど、
イカの美しさと詩的さに「純粋に感動」してしまいました。
わたしは好きです。
作者の意図は正直分かりませんが、
理解できない世界に飛び立ってしまった友人への思いには、つい共感してしまいました。
投稿: いそ | 2006/01/13 17:35
外の犬さん。
嫌みだと感じて、それが不快だったなら素直に「嫌みはやめてください」って言えばい・・(略)
まあ不毛な話はやめておくとして、
外の犬さんはこの作品をどう思っているのですか?
こういう表現が現在でも有効なのかどうか純粋に知りたいのです。
「あえて」ありなのか「ベタ」にありなのか、または、そもそもそんな判断をしてること自体が問題なのか。場合によっては認識を改めなければいけないのかも知れませんし。
あと昔、花輪和一さんの漫画で「オレは亀になる」ってのがあったのを思いだしましたが、詳しい内容は忘れてしまいました。
そのへんからめて、どなたか偉い人解説お願いします。
投稿: | 2006/01/13 18:23
いそさん
>理解できない世界に飛び立ってしまった友人
>への思いには、つい共感してしまいました。
いそさんの表現は、とても適格だと思います。
僕も、なんとも言えない寂しさ、愛おしさ、懐かしさ、を感じました。
寂しさと愛おしさは、主人公の友人に対する(かなわない)思いに共感するところから来ているんだと思います。
懐かしさは、70年代の少女漫画のスタイルを踏襲しているところからも来ているのかもしれません。
なんにしても、ええもん見せてもらいました。
作者さんとたけくまさんに感謝!
投稿: 夜間飛行者 | 2006/01/13 19:19
作者本人にどういう意図があろうと、読者が面白いと感じたならば、その作品には価値が生じるのではないでしょうか?
水が漏れる『はてなの茶碗』を、「どこからともなく漏れる水がおもしろい」と見るか、「欠陥品だ」と見るかは、人それぞれでしょう。
『はてなの茶碗』を作った職人が、その水漏れを意図してやったかどうかは、「おもしろい」という評価を左右しないでしょう。
それと同じで、この作品の面白さが作者の意図するところでなくとも、作品の価値が下がる事はないように思います。
# ダイビングしていると、金髪君の気持ちが分かるような気がします。
# 海底から水面を見上げた視界で、差し込む光ごしに泳ぐイカの美しさには感動しますから。
投稿: 通りすがり | 2006/01/13 20:38
ウケてますねえ。
私としては、もうひとひねりあったほうがお話としては「面白い」だろうな、とは思います。
正直これぐらいの不思議展開は「夢」レベルではわりとありがちというか、カフカの小説も朝起きて虫になっていたところからむしろ物語ははじまる訳ですから。
何も狙ってない天然で純粋な感じに心洗われるというか、原石の輝きを感じるというか、そういうところに皆さん惹かれるんでしょうね。
投稿: nu | 2006/01/13 20:46
イカシュウマイの包装紙にこういう短いシュール漫画がのってると、鮮度高そうな感じがして、いいかもしれませんね。
しかし、
>イカした問題作
うーん。
投稿: ぼぼ | 2006/01/13 21:36
──「ほぼ最初に描いたマンガ」「ウケを狙っていない」「若いときにしか」と皆さんがおっしゃるように、或る年代が体感する
“生の一回性”
のありようが、絵柄にもテーマにも現れており、両者即しており、しかもちゃんと作品になっているところが、感動を呼ぶのではないでしょうか。ごく自然に70年代の少女マンガを読んでいたという環境もあって、巧まずに。
花輪氏の亀のマンガは傑作ですが、“大人(=プロ)”の作品としてまとまっており、もっと屈折しており(笑)、ちょっと違うと思います。
ホント、全編を読んでみたいです。
投稿: とこなつ少年 | 2006/01/13 22:19
おもしろいと思うけどなぁ、、、
さわさわとくすぐられてるような気分になる作品ですね。
なんかイカになりたいっていう部分にも不思議な説得力を感じるし(私だけか?)
絵のトレーニングをされている方だとしても、はじめて描いた漫画とは思えません。
少なくともトンデモ作品とか電波系な印象を受けないのは題材に合わせて描き方を工夫しているからでしょう?
イカに憧れる甥っ子にグッときた感受性もいい感じではないかと。
もちろん竹熊さんの見せ方のうまさによる部分は大きいと思いますが。
投稿: | 2006/01/13 22:24
(↑)
スイマセン。2重投稿になってしまいました。このコメントと合わせて、削除して下さい。
投稿: とこなつ少年 | 2006/01/13 22:24
ttp://ika.s12.xrea.com/fukuro/index.html
イカはかくも素晴らしかっ・・・た?!
投稿: 匿名 | 2006/01/13 22:28
今までずっと見ているだけでしたが、
イカを研究している人間として黙っていられませんでした。
残念ながらイカの魅力は絵に現せていないと思いますが、こういうシュールさは好きです。
タコじゃだめなんだろうな。イカだからいいんだろうな。
投稿: ミネラル | 2006/01/13 23:24
>タコじゃだめなんだろうな。イカだからいいんだろうな。
貴方もイカ大好き少年のお一人ですよ♪
きっと。
投稿: トロ~ロ | 2006/01/13 23:58
上のほうでも
>理解できない世界に飛び立ってしまった友人
>への思いには、つい共感してしまいました
このように書かれていますが、納得です。
仲良かった友人が新興宗教に旅立っていったときの記憶が蘇りました。
あと、エビボクサーとイカレスラーを立て続けに見たあとだったので余計に素敵に感じたりw
投稿: まえ | 2006/01/14 00:39
たとえばこれがイカではなくてクジラやイルカであったとしても、作品として内容は成立したと思われます。
が、ここに「イカ」という題材を持ってきた感性が、ここを見られた方の心に引っかかりを作ったわけで。
クジラだったら「ああ、若い子にありがちな雰囲気だけのマンガか・・・」で終わりそうですからね。
その辺のセンスはすばらしいかと。
投稿: | 2006/01/14 01:28
いや、まったくアリでしょう。
あなたは作品に対して、まず「中身」があって、それがなんらかの方法で「表現」されたものという二項対立でとらえているようにみえます。
そうじゃなくて、表現されたものそのものに力があるかどうかでみて、私はいいと思いました。抜粋なので多少は推測になりますが。
「あえて」とか、そういうつもりは全然ありません。
投稿: 外の犬 | 2006/01/14 02:55
若い頃(つーかガキの頃)「こーゆーの読んでるとアタマ良くてカッコいいらしい」とかワケワカランこと思い込んで読んだ、24年組系70年代少女マンガの甘酸っぱさが完全に脳内で再現されました!!
いや、こりゃ〝70年代少女マンガ〟の傑作っスよ!!(いや、〝ケッ作〟かもしらんが…)
投稿: kamikitazawa | 2006/01/14 04:23
おもしろかった!!
商品になるかとはまったく別にして。
投稿: イカ | 2006/01/14 07:33
スゲエイカス。
宮沢賢治かと思ったら
宮沢XX君は人殺しと叫ぶ
ハマコーだった。
ワロタ。涙出た。
お金取れる作品だと思います。
投稿: 仁 | 2006/01/14 10:25
なんとなく昔読んだ「船を建てる」を思い出した。
投稿: | 2006/01/14 11:43
ありきたりの風景に想定外をぶっ放す(この場合イカ)というボケの常道から考えて、
この筆者は芸人向きな気が…
それはさておき、ウケを狙わない奇抜な設定の方が狙ったものより面白いという一例を見た気がします。
投稿: Matrox | 2006/01/14 13:58
外の犬さん
私には過去の表現の形式の上手な組み合わせ(萩尾望都風の絵柄、舞台、登場人物と不条理な展開)としか感じられず、その背後に特別ななにかを感じることができませんでした。
で、この作品に「感動」している人と私の何が違うのか色々考えたのですが、たけくまメモでも取り上げられていた、伊藤剛さんの『テヅカ・イズ・デッド』の中の「キャラ」と「キャラクター」の分別の問題と同じような感じがしたのです。
一言でいうと、この作品自体(登場人物がではなく)が「キャラ」的で、私はいわゆる「キャラ萌え」できなかったということではないかと。
朝日新聞の中条省平さんによる『テヅカ・イズ・デッド』書評から引用します
>キャラクターとは、絵の背後に人生や生活を想像させ、内面を感じさせる人物像である。ひと言でいえば、物語性を生きる存在だ。これに対して、キャラは、固有名をもち、人格的な存在感ももつが、人生や内面をもたない。だから、これまでのマンガの読者はキャラに同一化することができない。にもかかわらず、現在のマンガを支える読者は、現実的な身体性を欠いたキャラに強く感情的に反応する。読者のかなり一方的なこの感情的反応が、「萌(も)え」と呼ばれる。
ttp://book.asahi.com/review/TKY200511150265.html
「キャラは、固有名をもち、人格的な存在感ももつが、人生や内面をもたない。」という定義の
「人格的な存在感ももつが、」という部分は、外の犬さんが言う
>表現されたものそのものに力があるかどうか
に対応し「人生や内面をもたない。」は
>あなたは作品に対して、まず「中身」があって、それがなんらかの方法で「表現」されたものという二項対立
と中身の曖昧さについては暗に認めていることが、対応しているのではないでしょうか。
さらに、未完成で一部抜粋という、作品自体の情報が不足している(=まさに現実的な身体性を欠いている)にもかかわらず「感動」(=強く感情的に反応する)できるということも「キャラ」的です。
つまり「感動」しているみなさんは、この作品自体に「キャラ萌え」しているのではなかろうかと。
うまく伝わらないかもしれませんが、私が感じているのはそのようなことです。そして「キャラ萌え」できない私は確かに旧世代なのかもしれないなと。
投稿: 中の犬 | 2006/01/14 15:55
中の犬さん
最初からそれを書けば良かったのではないでしょうか。
回りくどい言い方で、正直「不快」でした。
そういう書き方はやめていただけないでしょうか。
横レス申し訳ありません。
投稿: だいすけ | 2006/01/14 16:17
大学一年生が授業で提出しただけの作品なんだから、多くの人は、全体はありがちな70年代美少年漫画のパターンなのになぜか「イカ」であること、そして「イカ」でも十分以上に通用してしまうところに表現の面白さを感じているんじゃないですか。絵やコマ割りも上手そうだし。
投稿: スープ | 2006/01/14 17:40
これ授業中見てたとき痒さともどかしさと可笑しさが爆発して爆笑してしまいましたよ
投稿: スラ | 2006/01/14 20:21
素直に私には共感できないって言えばいいだけなのに。
感性の違いなんだから、共感できない=劣っている、ってことでもないし。
肩肘張らずにラクにいきましょうよ、ラクに。
ちなみに私は「ねじ式」がなぜあれほど評価されているのかまったくわかりません。「紅い花」は好きだけど。いかに理論的に説明されても「フゥ~ン、ナルホドね」と分かった気になるだけで、結局、自分の内面には届かないのです。漫画ってジャンルはそういう部分が特に強いんじゃないかと。
だから、旧世代だなんて卑屈にならないでくださいよ。
投稿: | 2006/01/15 01:39
>おもしろがって
>「深読みしてあげる」
>親切なひと
>中 身 が ど う で あ れ
どう見ても嫌味です。
本当にありがとうございました。
最後の一言が致命的に余計なんだよ、中の犬さん。俺も正直かなり不快になった。
投稿: 煮茶んねら | 2006/01/15 10:50
絵うまいな(*゜∀゜)
↓
イカ!?Σ(゜д゜;)←違うようだ(・∀・)
↓ ↑
なぜイカ(゜∀。)→ウケ狙い?(;´д`)
↓
あれイカ綺麗(´・ω・`)→少年の愛も綺麗?(つД`)
↓
普段きづかないけどイカ綺麗じゃん(゚∀゚)
相原コージの絵でまったく同じもの書いたら、ぜんぜん考えること違ってくると思う。漫画は記号だけど記号じゃないなと思った…。
投稿: bamboohouse | 2006/01/15 11:19
下から二つ目のカット
夜空にイカが浮かんでいても違和感がないのは、イカの形がロケットに似ているからでしょうかね
実際、この世にはロケット噴射で滑空するイキなイカも実在するそうです
ttp://homepage2.nifty.com/ToDo/cate5/ika3.htm
投稿: SGA屋伍一 | 2006/01/15 18:57
素人ですが僭越ながら一言。イカというのはそもそもマンガ的というか
デザイン的に面白いモノだなと私は思うんです。
子供の頃マンガでイカやタコというと、擬人化されて胴体の部分を頭に
見立てられ、顔があって下に脚というデザインにされてました。
でもテレビの記録番組なんかで海中にいる生のイカを見ることが多くなると、
そうではない事を知るじゃないですか。
他の動物との相似だけでは語れないですが、あえて言えば胴体の方が
シッポ的な感じで、その前に顔がありヒゲ的に触手がある。
実は私アノマロカリスの映像を見た時に初めてこの構造に気づきました。
まあイカにもいろいろあるんだろうし、イカの天地を考えても仕方ない
話だとは思うんですが、改めて見るとイカは変で面白い生き物です。
今マンガでイカを描くと、様々なデフォルメ段階別にどうなるのか?
そのへんだけ考えても結構面白いんじゃないかと思うんです。
投稿: 三杯酢 | 2006/01/16 11:49
絵は綺麗でテキストや構成は凝っている。でも「それだけ」だな、と。
魂は震えませんでした。
中の犬さんの最初のコメントに私は特に不快を覚えませんでしたよ。それも人それぞれ。
投稿: j | 2006/01/18 09:17
ぐるっとめぐって昭和のマンガかと思ってしまった私は逆に古いんでしょうか?
もうすこしひねりのある作品を期待していただけにちょっと残念・・・。
中2魂を失っていないのには感心しますけれど。
投稿: 遥海 | 2006/04/12 03:15
はじめまして。
投稿: hiro | 2006/05/04 20:04
絵が描けるだけの漫画家志望者が多くて
おかげで内容的には退屈な漫画が多いと
嘆じています。
それにしても、学生の作品を公開するに際して
著作権者に許諾をとっているのかな?
投稿: 馬鹿屋三品 | 2006/06/09 06:09
↑もちろん許可をとっています。ご心配なく。
投稿: たけくま | 2006/06/09 08:52