少年マガジンのトラウマ広告
子供の頃ですから、今から30~40年くらい前のことです。俺は「少年マガジン」を愛読しておったわけですが、後ろのほうのページに、なんかもの凄くトラウマチックな広告が載っておりましてね。正直、見るのもイヤだったですよ。
それがですね、なんと「まんが上達のヒミツ」という通信教育の広告なんです。なんですか、ひとめ見て、こんなところで絶対習いたくない、と個人的には強く思わせるものがありましたです。理由は広告に載っている「作例」のせいなんですけど。「つづきをクリック」すると見れますけどね。できればクリックしてほしくないですよ。
一瞬こう、「ウナギ犬?」とか思ってしまいますが、赤塚先生のウナギ犬より前からありました、この広告。
●若いマンガ家はひっぱりだこでスゴイ収入。新時代の新職業です。
なんて書いてありますけど。どんなものなんでしょうね。俺にとって不思議なのは、こういう通信教育受けていた人って、当時どれくらいいたのかということです。結構長い間広告されてたとこを見ると、それなりに需要があったんでしょうが。こういう講座から、売れっ子まんが家が出たことってあるのかな。意外に鳥山明先生とかやってたりして……。マンガ専門学校出身なら、相原コージ先生がいますけどね。
当時の少年雑誌って、広告からして夢の宝石箱でしたね。いや、知り合いが編集デザインした「ちびっこ広告図案帳」という本がありまして、それとか見ると懐かしいですよ。数年前の本だけど、まだ扱っているみたいです。よくこんな本出したよなあ。
それで、↑の広告なんかもよく載ってましたが、このガマロンとワニゴンってのが気になってねえ。ガメラとバルゴンは俺も映画で見て知ってましたが、ガマロンとワニゴン、映画でもテレビでも一度も見たことないんですよ。ずっと後、大人になってから、存在しない架空の怪獣だって知りましたが。いや、怪獣は基本的に架空なんですけど、ガマロン・ワニゴンは、オモチャだけ発売された怪獣なんですよ。
あと、こういうのもね。これの何十年後、「痩せる」に商品価値が出るだなんて、想像できませんでした。昭和40年代の中盤くらいまではこういう広告多かったですよ。それ以前の、昭和20年代くらいの少年雑誌を、なぜか花輪和一先生の家で見せてもらったことがあるんですが、「どんどん太る」とか、「ムジナのワナ販売」みたいな広告ばかりでしたよ。「ムジナを採ってどうするんですかね」と花輪先生に聞いたところ、
「食べるんでしょう」
というお答えでした。
話変わるけど、マンガで思い出しましたが、最近こういうサイトも見つけました。あなたのビジネスをサポートするためにマンガを描く会社だそうです。功成り名を遂げた「社長さん」の「伝記まんが」なんてのも描くそうです。ヒューザーの小嶋社長みたいなのが依頼するんですかね。
http://www.sodateyou.net/kuchicomic/index.html
http://www.sodateyou.net/gekiga-shacho/kyusyu/1_01.html
http://www.sodateyou.net/gekiga-shacho/asakura/1_01.html
1ページ5万円か……。そんなにいただけるなら、俺も描いてみようかなあ。「じんじん君」みたいな絵柄でよろしければ。
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コメント
死に物狂いで、宮下あきら氏や弘兼憲史氏の絵柄を取得するべきです!
オオゴマだけでもかけたらそれでいいと思います!
じんじんくんじゃだめです!
私も蒼天航路の作者さんに絵描いてもらえるなら、出世がんばろうかな・・・。
投稿: 遥海 | 2006/05/18 20:28
松文館の貴志社長は劇画による社史で財を成して会社を興したそうですが(うろ覚え)、そんなに需要があるもんなんでしょうかね、今。
ぷに絵による社史とか、どうだろう。
投稿: ポン一 | 2006/05/18 20:30
遥か昔、相原コージ氏が「楽!?(な訳ねーだろ)」と突っ込みをいれていた、カット1枚描いて○千円!!の広告、
「日本漫画イラストレーターズセンター」(株式会社SO-NIC)、健在なんですね。
投稿: ほるまりん | 2006/05/18 21:34
ビジネスに漫画で・・・って絵柄の選び方にも企業センスが問われますね。
↓こんなのとか、ドン引きされると思いますし。
http://bluedragon.pos.to/kanban/paper/tukurinusi01.html
http://bluedragon.pos.to/kanban/paper/jigoku01.html
投稿: あんとに庵 | 2006/05/18 21:58
マンガで読むカップヌードル誕生
http://www.nissinfoods.co.jp/com/saiyou/recruit/comic/
投稿: 忍天堂 | 2006/05/18 22:11
カップヌードルはプロジェクトXの漫画版の引用ですな。
会社として受けるなら漫画って1ページ5万でも多分安いぐらいでしょうね。
投稿: | 2006/05/18 22:52
伝記まんが…
コレは酷い。
というか、これで感動はしないだろう絶対に。専門学校生が書いてるんでしょうか。
投稿: | 2006/05/18 23:22
サルまんの包茎手術を、両方の立場から描く
というネタは最高でした。「ブスの壁」を
読んでいたら、そのネタを思い出してしまい
ました。
投稿: 通りすがり | 2006/05/19 00:09
あと、政治以上にお金になるのは宗教でしょうね。
アニメとかも結構良いな予算でやれるとか・・・
その後の作家人生はともかくとして。
投稿: 通りすがり | 2006/05/19 00:19
じんじん君の絵柄で白井取締役の繁性器いや半生記を執筆するとどうかな?
高橋留美子発掘物語とか。
それをネタにゆする。
しかし、
ゲッペル先生のショタのロリ絵を進化させれば萌え絵は系統発生的には可能なのでは?
所謂、「ディフォルメ系萌え絵」になりそうですな。
同じ世代の玉吉さんもディフォルメ系萌え絵なんで
系統発生的に吾妻ラインの延長でなんとかなる「ディフォルメ系萌え絵」の方が80年代感覚に近く古いんでしょうね。
「ぶりっ子」が85年末でしょ、私の一番古い「萌え」の記憶が86年で、すでに吾妻不条理ラインに反旗を翻した高橋留美子の「めぞん一刻」の「管理人さん萌え」はありましたね。
「萌え属性」としては一番古いものの一つじゃないかな。
とまれ、
7月出版だと実作業が今月に終わってないと
間に・・・ry
他の仕事もあるし、相原さんの普段の仕事の締め切りもあるので、多分、いやおそらく、
「もう無理」。<`∀´>
投稿: ぼぼ | 2006/05/19 00:36
>政治以上にお金になるのは宗教でしょうね。
それはそれで大変そうですよ…
『放置新聞』(『封印作品の謎2』著者のblog)
■人間革命が復活?
http://d.hatena.ne.jp/m4n4/comment?date=20060303
■人間革命のDVD化続報
http://d.hatena.ne.jp/m4n4/comment?date=20060426
投稿: naga | 2006/05/19 01:48
ガマロン・ワニロンって、横のものを縦に、縦のものを横にして、背びれ付け替えただけじゃないですか!ホントに作ったんかいな。
うなぎ犬モドキも怪獣か、、、。
何でも怪獣だったんスねぇ、、、、。
投稿: めたろう | 2006/05/19 01:55
>ぼぼさん
来週あたり正式に発表できると思いますが、『サルまん』は8月末発売になりました。いよいよ待ったなしになってきました。
投稿: たけくま | 2006/05/19 03:15
俺の海爆笑しました
終わってるしwww
投稿: make | 2006/05/19 08:43
「俺の海」
下町の工場で
貧乏神がついたような表情の社長が
従業員に配る光景を思い浮かべてみましょう。
投稿: にから | 2006/05/19 10:01
さるまん新装版、中古で買ってしまいましたよ。
こちらから入って買ったんですが、
中古だとたけくま先生にはお金入らないんですよね、きっと。
投稿: apg | 2006/05/19 13:30
「フトリン散」は天野佑吉氏の「嘘八百!」等で
取り上げられていた戦前の広告とほぼ変わらない雰囲気ですね~。
当時のマガジンでは、赤塚不二夫先生の
「カリフォルニアレーズン」の広告マンガがなぜか記憶に残っています。
ポパイよろしく「あっ おいしい! レーズン食べたら 元気が出た!」と言うやつ。
「干しブドウ」じゃなくて「レーズン」だと、これで刷り込まれました。
赤塚先生と言えば、8日コンビニ売りの「赤塚不二夫ベスト 秋本治セレクション」では
DVD-ROM全集を買わない限りなかなか読めなさそうな少女漫画作品が読めて感涙でした。
2週間?で買えなくなってしまうのはもったいない気も。
話題が無理やり繋がりで済みません。
投稿: 田川滋 | 2006/05/19 14:19
八月発売決定おめでとうございます!
いつもより多く回ります(何が?)
昔、良く雑誌に出ていた漫画通信講座に出ていた
「プロも認めた実力の持ち主」の絵を描いた通信講座受講生はデビューできたんでしょうか。
髪が後ろに二股に分かれているなんかエスパーっぽい絵の。
投稿: 永田電磁郎 | 2006/05/19 17:44
>カリフォルニアレーズン!
良くご記憶ですね。マガジンでしたか??
「少年」じゃなかったか…。忘れたな。
いずれにしろ、トキワ荘時代。
ぼくもこのアイデアを手伝った記憶があります。
代理店がマッキャンエリクソン博報堂だったかと思います。初めて描いた広告マンガというやつですね。
投稿: 長谷邦夫 | 2006/05/19 21:01
広告マンガ発見(既出?)
http://www.biken-guide.co.jp/wcl/comic/list/001.html
投稿: わお | 2006/05/19 21:44
「少年」に載った赤塚先生の宣伝漫画て
もしかして当時「少年」で連載されていた
「まかせてチョー太」のチョー太とオヤジの
登場するセリフの入った一齣漫画で1P使った
大きなもので、たしかカラーだった記憶が・・・
また、その商品が作中に出てきた覚えが
あるのですが・・・
投稿: 流転 | 2006/05/19 22:39
広告漫画で思い出すのはベネッセのDMに掲載されてたやつですね。20代より下の世代ならほとんどの人が覚えてるんじゃないでしょうか。
中学に入学して勉強も部活も大変になった主人公が、進研ゼミで学力アップ!おまけに部活もばっちり!彼女までゲット!
あの王道な展開が大好きですわ。
投稿: ノイノイ | 2006/05/19 23:01
>カラー
そうでした。
1コマものが有りましたか。
広告マンガではサンデーの「ソニーのビデオデッキ!」とだけ、全ページに書いたものが一番記憶にあります。
楽でナンセンスなので、翌週も連続して描いた。
でもこれは広告ではなく本編!
ソニーの宣伝部が一番驚いたはずです。
そのパロディをぼくが描いた~というあたりは
『赤塚不二夫 天才ニャロメ伝』(マガジンハウス)に書いたわけですが…。
投稿: 長谷邦夫 | 2006/05/19 23:08
だれも興味が無いようですが・・・
>「ムジナのワナ販売」みたいな広告ばかりでしたよ。
ムジナは、美味いらしいですよ。
それとムジナでは無く「テン」「イタチ」なんかは
毛皮を売って小遣いにするって言うのが
少年の生活の一部として、当時はあったようですね
矢口高雄先生の、回想漫画で自作の罠でとった
イタチで稼いだお金で自転車を買うって言う話
がありました。
流れを無視してスイマセン、続きをどーぞ
投稿: へのへのもへじ | 2006/05/20 14:21
いつも楽しく読ませていただいています。
「太る」で思い出したのですが、うちの母親はその昔この薬を買って、自分の母親(私からみたらおばあちゃん)に飲ませたそうです。全然効かなかったらしいですが。
今流行の数多のやせ薬も結局似たようなものなんでしょうねぇ~。
投稿: 本店 | 2006/05/25 07:13
トラックバック失礼致します。
投稿: toshiki | 2006/05/25 15:46
広告といえば60年代のエロ雑誌に透視メガネとか載ってますが
本当に見えるんでしょうか
投稿: ミートランド | 2006/05/31 00:23