コミックマヴォVol.5

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2006/06/16

【著作権】平沢進インタビューが面白い

ITmediaで小寺信良氏が執筆している平沢進インタビューが面白い。平沢氏はテクノユニットP-MODELのリーダーとして、もうかれこれ四半世紀も活動している大ベテランのミュージシャン。彼はまた、音楽出版社とJASRACに「支配」されている音楽業界のありかたに疑問を持ち、自分の曲は自分で管理したうえで、自分のサイトでの音楽配信を1999年から続けていることでも有名です。

http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0606/12/news005.html
↑「保証金もDRMも必要ない」音楽家・平沢進氏の提言(聞き手・小寺信良)

俺もつねづね出版界のシステムには疑問を持っているわけですが、音楽界の著作権管理のことは正直いってよくわかりませんでした。JASRACが著作権管理を「代行」していることは知ってましたが、実際にはミュージシャンとJASRACとの間がここまで複雑怪奇なものだとは思わなかったです。

平沢さんの話で、はじめて知ったんですが、ミュージシャンはいったん音楽出版社に自作の権利を「譲渡」したうえで、今度はその出版社がJASRACと著作権代行の契約を結ぶ仕組みになっているのだとか。ミュージシャンが本当の著作権者であるにも関わらず、自分の曲を自分で自由にすることができないという、極めておかしなことが音楽業界にはまかり通っているらしい、ってんでさすがに驚きました。

《平沢氏: 例えばメジャーなレコード会社で活動してたとしますよね。レコーディングが終わるとある日突然、出版会社から契約書が届くんですよ。で、契約してくれと。契約条項にいろいろ書いてあるんですけど、契約書が送られて来た時点で、JASRACにもう勝手に登録されているんです。残念ながらアーティストは、著作権に関してまったく疎い。同時に私自身も疎かったがために、そういうものだと思いこんでいたわけですね。それによって、出版会社に権利が永久譲渡されている曲というのがあったりするんですよ。で、JASRACで集金されたお金は、この出版会社を通るだけで50%引かれて、アーティストへ戻るという構造があるんですね。出版会社は“プロモーションに努める”と言いますが、成果は保障せず、どんなプロモーションをするのか何度説明を求めても、回答しないことがほとんどです。》(平沢進氏の提言)

その「音楽出版会社」は、レコード会社が「経営」していることがほとんどで、一度ここと「契約」してしまうと、自動的にレコード会社-音楽出版社-JASRACの三重構造に取り込まれてがんじがらめになる。ここから作者が自作の権利を取り戻すことが大変面倒になるとのことです。

出版界でも、近年JASRACに似た組織を作ろうという動きがチラホラ聞こえてきますが、さすがにここまでの構造はまだ、できていない。こういう構造って、結局は「作家の権利を守る」と称する中間搾取団体が作家よりおいしい思いをすることが多いわけですので、あまり信用してないのであります。

でもまあ、なんというか、権利に疎いのはマンガ家も同じなんですけどもね。こないだも、ある版元から作品のデジタル化権のための契約書というのが送られてきたんですが、書類をよく読むと、具体的にいつ、どのようなかたちでデジタル化するのかが書かれていない。たんに、

将来もしかするとあなたの作品をデジタル化して商売するかもしれないので、今のうちにここに署名してハンコ押しといてくれ、

としかないわけです。

一度これにハンコ押したら最後、もうこちらの判断では自作を「たけくまメモ」にアップすることもできなくなるし、あるいは別の会社が良い条件の話を持ってきたとしても、こちらの一存では何もできなくなってしまうではないですか。

それで冗談じゃない、と思って放ったらかしにしてるのです。だけど、同じ版元で仕事していた知り合いの作家に聞いたら、「ああ、よくわからないけどハンコ押して送っておいた」なんて返事だったんで、もうダア、となりましたけどね。

平沢氏の話に戻ると、氏は音楽家として、自分のサイトで自分の曲をMP3配信しておるわけです。今年で7年目なので、もうパイオニアといってもいいですね。このやり方のいいところは、中間団体を廃した産地直送になるところ。しかもそれによって、平沢さんの作品からの収入は、むしろ伸びているというのです。

《平沢氏: メジャーレーベルを辞めて自分で配信するようになってからは、作品の売れ行きは伸びて、マーケットも広がってます。無料のMP3配信を監視していると、ダウンロードが24時間止まらないんです。そうしているうちに、次は世界中からCDの注文が入ってくる。そう考えると、無料で音楽を配信すること、コピープロテクトをかけないことは、プロモーションにつながるんです。(中略)

――つまり音楽配信においても、DRMなど必要ないのだと。

平沢氏: 必要を感じてないですね。つまり私は音楽がデジタルコンテンツ化以前と今とでは、さほど変わりはないと思っているわけですね。昔はカセットでコピーして友達同士でやりとりしていたし、オンエアされたものをエアチェックしてコピーしていたわけですよね。それがデジタルコンテンツになったところで、何を騒ぐんだということですよ。不思議に思うのは、客を泥棒扱いして、オマエが泥棒ではないということを証明するために補償金を払えと、言ってるわけですよね。これ自体私には理解できません。プロテクトや補償金の話はビジネスの問題であって、コピーするしないは倫理の問題じゃないですか。彼らは倫理を大儀にして、ビジネスしているだけなんですよ。》(同)

平沢さんのような活動が可能になったのも、インターネットがあるからですね。それ以前は、作品をユーザーに届けるためには、複雑な流通経路をとらねばならなかった。それがネットによって、一種の「流通の中抜き」による利益が発生しているわけです。その場合の利益は、作者と、ユーザーの双方にあるわけで。「中抜き」されるほうはたまったものではないかもしれませんが、作者とユーザーからすれば、それは本来「要らないもの」なわけです。

中間業者にすれば「作者にかわって著作権を守る」というのがタテマエなのですが、平沢さんによれば、それも必要ないと。かりにコピーされたとしても、それ自体が宣伝に繋がるし、むしろ作者から見た売上げは伸びるのだと断言しているところが面白いです。

ただし、ダウンロード販売は、今のところ音楽の特権みたいなもので、それ以外のジャンルではうまく行ってないことは確か。音楽配信が成功した理由には、いろいろあるわけですけども、ひとつは、気に入った音楽なら何回でも聴けること。これが大きい。一曲150円でダウンロードしても、何十回も聴けばコストは限りなくゼロに近づいていくわけですね。つまり、お得感がある。

それからポップスの場合、一曲が短い(3~5分)というのも大きい。これが即、何回でも聴ける理由にもなっている。アニメやマンガなんかだと、なかなかこうはいかないわけですが、ただ最近のFLASHアニメなんかは、短い作品が多いしデータとしても軽いので、ダウンロード販売に向いている。小さい画面で見ても成立しますしね。蛙男商会さんなんかは、明らかにその方向を狙っているな、と思います。

文字ベースのテキストの場合、たとえばこのブログみたいに短いのはいいですが、『ドグラ・マグラ』みたいな長いのは、自宅のディスプレイでも、ましてや携帯みたいな小さい画面では読む気がおきない。こういうのは、やはり本のかたちがいいわけですね。俺が、新聞や雑誌は遠くない将来消滅して、単行本だけは残る、といっているのは、ひとつにはこういった理由もあるわけです。

http://www.chaosunion.com/
↑平沢進公式サイト

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コメント

小寺さんはブログもやってて、ここで裏話を披露してます。


http://plusdblog.itmedia.co.jp/koderanoblog/

「インタビューこぼれ話」「著作者人格権」の項

投稿: 小形 | 2006/06/16 22:43

ちょっと違いますけどこんなページもありますねえ
ちょっとだけわかりやすい音楽著作権のページです

http://upfrontgroop.web.infoseek.co.jp/copy-index.html

投稿: pec | 2006/06/16 22:55

おお。有益なリンクが一挙に2つも!

投稿: たけくま | 2006/06/17 00:34

こんにちは、はじめまして。
たまーにこちらは読ませていただいております。
丁度同じような時期に関連するような記事が別の方からここにも書かれてますね。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0615/mobile345.htm

しかしまぁ、全部読んでみると「JASRAC」も「音楽出版会社」もやってることはヤクザと変わりませんな。
いや、表向き著作権者の代行みたいな世間的には良いことやってるような風に見えるので余計タチ悪いかも。

投稿: Gilles | 2006/06/17 02:58

>新聞や雑誌は遠くない将来消滅して

お言葉ですが、これはかなり疑わしいと思います。

これが本当なら、西暦2006年の未来世界ではとっくに消えているのではないでしょうか。

投稿: Aa | 2006/06/17 04:55

音楽業界は、音楽の持つ文化的な背景や、なぜ人は音楽を聴くのかという、音楽市場の核となる部分を全く育ててこなかったのである。(ITmedia +D LifeStyle:「補償金もDRMも必要ない」――音楽家 平沢進氏の提言 (4/4))
この部分はどうなのでしょう?
音楽出版社の利権構造と無関係な、別問題のように思いますが。

投稿: | 2006/06/17 05:58

JASRAQはサービス業であり、マージンに見合ったリターンを提供しているからこそ、多くの会社は楽曲を委託するわけです。

レコード会社も同じ。自分一人で売るよりも良いと思うからこそ、契約する。もしマージンが気にくわなければ、契約しなければいいだけの話。

だからそこを介さずに成功するのは、それはそれで素晴らしいことだけれども、なぜJASRAQやレコード会社の現状を「批判」するのかは理解に苦しみます。

高い。気に入らない、契約しない。自分でやる。それで成功すればまあ立派。それだけでしょう?

投稿: | 2006/06/17 07:52

クラッシックの作曲家さんのページです。
平沢さんなどの手がけるジャンルとは、
条件や環境が全然違うのですが、
お話がリアルでおもしろいです。

http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/~data/I,composer/c-Frameset.html

投稿: | 2006/06/17 08:28


第3章 作曲家の仕事
という部分の後半のあたりです。

投稿: | 2006/06/17 08:30

ぼくの作詞『桜三月散歩道』は、井上陽水さんが
会社をたちあげたとき、管理をさせて下さいと
おっしゃるのでOKしましたが、ホリプロが
OKしなっかた~という報告を受けました。

73年から、現在まで確実にジャスラックの
計算が報告されてきます。
そして印税の5割がホリプロへ~ということ
ですね。25%くらいだろうと、計算書もろくに
見ていなかったんですが…最近知ってビックリ!

これってやはりヘンですね。
ホリプロは何もやっていない。
ジャスラックから、ぼくへ振り込めばいいわけ
ですよ。原版制作に金を出したわけでもないし。

やはり、業界の中抜き構造があるのは
間違いありませんね。
ちなみに『桜三月~』は『井上陽水全曲集』にも
収録されています。

投稿: 長谷邦夫 | 2006/06/17 09:53

バーニング・プロの周防社長が上記のようなやり方で儲けているという話を「山口組若頭暗殺」というドキュメント本で知りました。

投稿: たにしんいち | 2006/06/17 12:28

ご存じの方もいるかもしれませんが
JAS○AC関連のリンクです

作曲家玉木宏樹氏の日記(元JAS○AC評議員)
ttp://www.archi-music.com/tamaki/copyright.html

週刊ダイヤモンドの記事
企業レポート
「日本音楽著作権協会(ジャスラック)使用料1000億円の巨大利権 音楽を食い物にする呆れた実態」
ttp://img.yahoo.co.jp/i/evt/magazine/news/08.pdf

ジャスラックの請求で経営危機に陥ったジャズ喫茶
ttp://www4.ocn.ne.jp/~swan/jasracpage.htm

投稿: 黒曜石 | 2006/06/17 13:20

>JASRACで集金されたお金は、この出版会社を通るだけで50%引かれて、アーティストへ戻るという構造

こういう話を聞くたびにいつも思うのは「今まで日本はモラルによる規制が作用していたのでアメリカのようなルール至上主義を取る必要が無かった。しかし最近は、、、」というよく聞く主張がいかに嘘っぱちであるかと言うことです。
今回の例を見ても、今まではみんながおとなしく騙されていたから問題にならなかっただけで、とりわけお金が絡んだことに日本にモラルなんてはなっから無いことはどう考えても明らかです。
みんなそろそろあきらめて「ルールで自分を守ること」を覚えるべきだと思います。

投稿: 骨男 | 2006/06/17 14:44

JASRACって歴史的に言えば外国の著作権ゴロが日本の著作権法ぜんぜん整備されてないことをいいことにのっとりをかけてきたので急ごしらえで「JASRAC以外音楽著作権代行を禁じた」のが始まりですからね。

どう考えても既に役割は終わってるんですけど、一度こういう団体がでてくると壊すのはそー簡単じゃないんですな。

>http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/~data/I,composer/c-Frameset.html

興味深く読ませていただきました。

しかし「交響曲を書くとビンボウになる」のにゲームという巨大産業に乗っかって交響曲を書いて大もうけしたすぎやまこういち氏が現JASRACの重役というのも皮肉な話ですね。

投稿: | 2006/06/17 21:12

漫画とかも個人でWEB上で配信とかしてページ溜まったら受注販売とかした方が儲かったりするのかなぁ?
(受注数と値段にもよるだろうけど)

投稿: 七四 | 2006/06/17 23:51

>骨男さん
>今まではみんながおとなしく騙されていたから
>問題にならなかっただけで

だまされていたというのは不適切です。音楽出版社との契約すると、著作権が譲渡されると言うのは公開情報ですし、音楽出版社に半分以上マージンがわたるというのはJASRACの約款を見ても分かります。契約書にその旨記載されているはずです。契約書にサインした以上、問題が発生すると言うのは著作者の自業自得と言わざるを得ません。

もし、サインした覚えがないのに契約したことになっているのなら、裁判で白黒するべきでしょうね。これに関しても、自己責任の世界だと思います。

投稿: しか | 2006/06/18 00:26

すぎやま氏はドラクエ以前に充分名を馳せていましたよ。ご存知ありませんか?

投稿: | 2006/06/18 00:30

>自己責任
そう、原稿料なども、安くてイヤならば、
拒否すればいい。それでこそ<自由業>。
しかし、安いまま、言われるまま、書かないと
プロとしてスタート出来ないという弱さのある
のが、物書きの世界。


その弱さを利用して、原稿料をサッパリ
値上げしない版元も多い。
思い切ってクレーム付けたら、大増額された
という話しは聞いたことが無いので
、言い出せないトカ。

そのため、ヒット作・ベストセラーを出すと
途端に積年の鬱積が噴出し、おおいばりで
ふんぞり返る作家も多い。

投稿: 長谷邦夫 | 2006/06/18 00:56

全く同感であります。
このエントリには大変勇気づけられました。

投稿: ななしさん | 2006/06/18 03:06

>「新世紀エヴァンゲリオン」が全4部作で劇場アニメ化?
>TVシリーズに新作カットを加えて再構成した3本+新作1本の全4部作、
>劇場版Zガンダム方式になるらしい。

投稿: G | 2006/06/18 05:00

JASRAQを弁護している人はおかしい。
こんな独占企業に、正当性などあるわけがない。
音楽家には、JASRAQか死しかない。

投稿: | 2006/06/18 05:11

着メロが日本でこんなに普及したのは
JASRACによる版権一元管理のおかげなのですが
この点については本エントリーでは論じられませんね。

投稿: Aa | 2006/06/18 06:48

うーん、JASRAC批判というよりも、今回僕が驚いたのは「音楽出版社が5割抜いていく」って事実のほうなんですけどね。JASRACは、まだしも著作権料の徴収という仕事をしているのだけど、音楽出版社は何もしていないのに5割ですよ。これ、一般には全然知られてないけど、驚きですよね。

問題は、こういう構造そのものにあるので、JASRAC一社を悪者に仕立てるだけでは本質を見失うと思いました。ただJASRACにも、「事実上の独占企業」という問題は大いにあると思います。なんにせよ、独占というのは健全な資本主義とはいえないわけで。

投稿: たけくま | 2006/06/18 10:12

たけくまさんのコメントで、あ!と思って
もう一度、オーケストラの作曲家さんのページを
読み直してみたのですが、以下のような記述がありました。

******
この「使用料」は、作曲家が全額受け取れるものではないんです。
出版契約を結んであれば、楽譜(市販スコアや、指揮者用のスコ
アおよび演奏者用パート譜セット)を制作して供給するのは出版
社ですから、使用料として支払われた額の50%が出版社に分配されます。
つまり、その楽曲の「権利者」として、作品の権利の半分を所有
しているということですね。
 これを「権利譲渡契約」と言うんですが、これを結ぶことで初
めて、著作物を複製して出版楽譜として売ったり、オーケスト
ラに指揮者用のスコアとかパート譜のコピーを貸したり出来る。
逆に言えば、それなしでは、作曲家が全部、演奏するたびに楽譜
を書き写したりオーケストラに郵送したり、終わったら回収した
り費用や経費を計算して請求したりしなければならないわけです。
        ****引用ここまで

つまり演奏済みの完成品を受け取る形態の音楽でも、
楽譜という商品に絡んだ流通に準じてのシステムしか方法が
なかったというのが問題ということですよね。

平沢進さんのネット配信の試みというのは、
その点を指摘している活動ということが、
やっと理解できました。

たけくまさん、このエントリおもしろいです!

投稿: な | 2006/06/18 10:42

絵描きの世界は皿に厳しく、画商が75パーセント持っていく事が多い。そしてその絵は転売され値が上がったとしても絵描きにはなんの還元もない。例えば10万円で売った絵が、やがて世間的に有名になり100万で売買されるなんて事があっても絵描きには関係がない。その性で絵描きは有名でも、概ね貧乏が多いですね。

50パーセントこっちにもらえると聞くと良心的だと感動したりしますね。

あとイラストも例えば書籍が重版されて、使用されてもギャラはもらえません。また酷い場合は勝手に広告に使用されている場合もある。良心的なところ(余裕のある大手)は別の目的で使用した場合などは使用料を支払ってくださいますが。

投稿: あんとに庵 | 2006/06/18 12:23

をを!たけくまメモで平沢師匠の話題が出るとは!!
ちょっと嬉しかったです。

投稿: くま・極光 | 2006/06/18 12:59

>しかさん
「騙されている」というのを音楽家に非は全くなくって、悪いのは全部JASRACと音楽出版社だという意味に解釈されたのでしょうか?
僕は騙す方も騙される方も両方に非があると考えていますのでもちろん契約書にハンコを押した人の自己責任はあると考えています。
ただ、ここで問題にされているケースは他に良い選択肢があまり存在しなかったこと、長谷邦夫さんが
>そして印税の5割がホリプロへ~ということ
>ですね。25%くらいだろうと、計算書もろくに
>見ていなかったんですが…最近知ってビックリ!
と書かれているように当の本人が内容を明確に理解しないままに契約が結ばれてしまっている傾向がありそうですし、常識で考えると実質何もしない音楽出版社が半分を持っていくとは予想しないでしょうからそのあたりを踏まえて「(モラルを信じて)おとなしく騙されていた」という表現を使いました。
別に不適切では無いと思います。

ところで、逆に指摘させていただきますが、契約書を読んだのであれば騙されることは無いと考えておられるのであればそれは間違っていると思います。契約書をじっくり読んでも「騙される」ことはよくあります。
なぜなら、会社と個人の契約の場合、契約書は大抵会社側が用意してくることが多く、その会社は相手の個人より圧倒的に多数の契約を結んだ経験を持っていますので、契約書をどのように作れば会社が有利になるかを知り抜いています。ですので、シロウトが読んでも気がつかないように小さくこっそりと重大なことが書かれていたりするのが契約書なのです。
そもそも、契約書が長いのは全部読ませないためという事情もあるのです。
もちろん、それに気付かずハンコを押してしまうのも自己責任ですが、「読んだ=騙されない」と考えるのは危険です。
ちなみに、これに対抗するには個人ハンコを押す前に必ずその契約書を誰か専門家に見てもらうようにするべきです。当然お金がかかりますが、最終的にはプラスになるはずです。
アメリカに弁護士が多いのはこういう仕事も弁護士が担っているという事情もあります。

>あんとに庵さん
画廊は75%ですか。
音楽出版社と違って、その絵がその後生み出す利益の75%を継続して得るわけでは無いので少し事情は異なると思いますが、それにしても絵を売る場所代としてはとてつもなく高いですね。

投稿: 骨男 | 2006/06/18 14:04

あと、もうひとつ気になったのは
テレビやラジオであらゆる音楽がかかりまくりなのは
これも一元管理機構があるからなのですね。

高いたか~いとあれこれ言うのは正当ですが
私たちは日常のレベルでそれなりの恩恵も被っております。

昔はFMラジオでエアチェック録音するのが当たり前だったと
平沢氏は言われますが
大量の曲放送ができたのはJASRACのおかげではないのでしょうか。

それから書籍の著作権一元管理システムというのは
過去に検討されたことがあって
でも、これ音楽著作権以上に手間がかかることが分かって
それゆえに実現には至らなかったそうです。

投稿: Aa | 2006/06/18 14:35

海外ではどうなんでしょうか?日本のJASRACのようなものあるんですかね。アメリカにはないような感じがしますが。むこうの売れてるアーティストは日本とはけた違いにもうけてますよね。主な市場が国内だけじゃあないというのもあるでしょうけど。

投稿: ぷーすけ | 2006/06/18 15:37

>Aaさん
Aaさんの指摘にも一理あるのは確かですが、平沢氏が昔はFMラジオでエアチェック録音するのが当たり前だったといっているのはDRMや保証金に関してなので文脈が違うのではないですか?

投稿: 骨男 | 2006/06/18 16:00

久しぶりに「氷の世界」、アルバム聴いてます。

投稿: | 2006/06/18 18:13

契約がどうというより、メジャーで仕事をするには指定の出版社を通すとか指定の著作権管理団体に委託するとか、そういうシステムが出来てしまっているってことですよね。
だから海外ではミュージシャンが自分で出版社つくって、半分だけ委託するとかあるようですけど、日本のメジャーなミュージシャンがそういうことをやっているとはあまり聞きませんん。
仕事もらえなくなっちゃうんじゃないですかね。

タイアップの曲とか、表示はそのアーティストの(あるいは作家の)作詞作曲でも、著作権表示はテレビ局だったりするのは、印税からそっちに行っちゃうってことですよね。

投稿: エルモ | 2006/06/18 19:52

>ダウンロード販売は、今のところ音楽の特権みたいなもので、それ以外のジャンルではうまく行ってないことは確か。
マンガのページをJPEG化したものをPCのモニターで見るのって案外見やすいですよ。
スライドショ−が出来るアプリケーションでみれば、自分のペースに合わせて次のページにうつれるし。
処分しちゃうようなマンガは、画像化しちゃおうかななんて思ってます。

デジタル書籍はやはりコピー対策で使いづらいってところがのびない原因なんじゃないですかね。ちょっと興味があったときに見ただけなので今はどうか知りませんが。
あと、現物買うのとたいして価格も変わらないものが多いようですし。それなら現物買いますよね。

>「ああ、よくわからないけどハンコ押して送っておいた」

死んだおばあちゃんがハンコだけは。。。と一応。

投稿: エルモ | 2006/06/18 20:10

http://xtc.bz/index.php?ID=298
リンク先の話なんかも面白いですな。

まあ実際のところですね、アーティスト云々と言ってもしスタジオ代、演奏者、マスタリング費用等々はレコード会社が払っていたりするわけで、その場合50%ってのはぜんぜんおかしくないわけですけど。そんなに制作費のかからないモノはゆがみがありそうです。

投稿: | 2006/06/18 20:14

>『氷の世界』
再聴していただき、感謝しております。

この時代、著作権には実にうとい時代でして
契約書は存在しておりません。
ホリプロさんは、しかし、一度も遅滞なく
処理・報告を送ってくださっております。
まあ、高い手数料とは思いますが、自分と
しては、今更クレームをつけたいとは
思いません。

しかし旧世代方式が、改正すべき時代に
なったのは、間違いありませんね。

投稿: 長谷邦夫 | 2006/06/18 21:55

>こないだも、ある版元から作品のデジタル化権のため>の契約書というのが送られてきたんですが

うーん、これ「サル漫」の電子ブック化の話なら、
去年に長文でリクエスト出したのは私だけど。
小さい板で「サル漫mini」は読みたくないからね。

出版社が間に入って利益の中抜きをするので、
電子化に出版社の意図は関係ないから、直接、
作家さんに著作権の話をして、読者には安く提供して、作家は印税を確保するという試みは流通関係ない電子出版でやってみてははどうかというのも要望だしといた。

それかもしれないよ。
今年に小学館で新装版を出す話がでてるんで、
難しいかもしれないとも書いといた。

そこは、「ギャグ漫画」の品揃えがものすごく悪かった。
同時に「ぼのぼの」リクエストしたら、3-2ヶ月ほど前からぼちぼち20巻まで電子化されてるんでうれしい限り。

相手もプロに頼んで契約文面作らせただけの素人じゃないかな。
「独占的な権利」かどうかをキチンと確認すれば?
著作権譲渡ではなく単なる使用許諾にしてあると良心的。
基本的に附合契約は、圧倒的に会社側に有利にフォームが作られるから。

もっとも、著作権関係の判断は文面見てたけくまさんがきめればよいこと。

また、
出版社と作家の契約で、
「著作権譲渡」と一応文面に書いてあっても、通常は、
「単なる使用許諾」と解されるという判例も出ているから調べて覚えておくと良いよ。

投稿: ぼぼ | 2006/06/18 22:35

↑あ、それとはたぶん関係ないです。
あと小学館での復刊は結局A5サイズに落ち着きましたので、ご心配なく。

著作権譲渡契約というのは、出版界ではあまりきいたことがない。ただ、それ以外の縛りというか、契約以外の「無言の圧力」がけっこう強いので、事実上、著者の意志を通すことが難しいのは事実。

投稿: たけくま | 2006/06/18 23:05

>たけくまさん
ああそうですか。

>著者の意志を通すことが難しいのは事実。
でしょうね。

>出版界ではあまりきいたことがない
ああ、口約束してて別の出版社でも後から出しちゃった事件らしいですよ。
「先行出版社から出版された書籍は3年間他者から出版できないという不文律」というのがあるか争われました。

http://www.softic.or.jp/YWG/reports/tasini2.htm
の許諾の範囲の学説と、「太陽風交点事件」
をご参照ください。

まあ、現実に干される恐怖というのはあるわけで。

投稿: ぼぼ | 2006/06/19 02:11

たけくまさんのエントリから刺激を得て、「あらゆる出版物がフリー媒体化する未来」ってことで、自前のブログのエントリを書いてみました。
http://d.hatena.ne.jp/shields-pikes/20060619/p1
今、広告モデルだけで収益を上げられる媒体が急増しています。
古くはテレビやラジオの放送ですが、MixiやGyaoなどのネット上のサービスだけでなく、フリーペーパーなども、この大きな流れのひとつです。

この流れは、インターネット広告がマス広告の市場を破壊し、ニッチな媒体ほど高く売れる、と言う革命を起こしたことが発端です。

ってな、ことを書いてます。
お読み頂いた方は、ぜひご意見をお寄せ下さい。

投稿: くろいぬ | 2006/06/19 23:37

>平沢氏が昔はFMラジオでエアチェック録音するのが当たり前だったといっているのはDRMや保証金に関してなので

あー、そういう発言は平沢氏はされていないのですけど。

投稿: Aa | 2006/06/20 13:09

>Aaさん
あー、もういいです。

投稿: 骨男 | 2006/06/20 13:44

一応、音楽出版社側の言い分も、元音楽出版社の立場の人間として書かせていただきます。参考にはなるかと。
音楽出版社側からしたら、最初のアーティストとの契約を以下に罠にはめてピンはねするかを前提とした契約書を作ります。理由は単純で、そうしないと育成費用を回収できないためです。また、一人の成功者からは平均して10人ほどの育成費を原盤権から回収します。成功率もそんなもんですし。
かつ、権利を抑えておかないと、回収する前に、育成をしないで管理だけをやる会社に引き抜かれますので、それを防ぐというのもあります。また、その費用からプロモーション費用や営業費用を抜き取ります。個々人で回収するモデルだと、タイアップがほぼ不可能になりますので、大ヒットは生まれないでしょう。かくしてある本のタイトルじゃないですが「スーパースターがいなくなる日」というわけです。
一応、反対側の立場の意見を踏まえるということでひとつ。
・・・まぁ、逆に言えば、いくらでも中抜きできる構造ではありますが。ただ、最初の5年ほどは中抜きしないと会社が持たないってのもありますわね。ただ、JASRAQの手数料は高すぎですので、乗り換えられるなら一部権利は乗り換えたいとは思っています。マイナーのインディーズで、著作権違反にはそう目くじら立てないので、手数料安いほうが重要なものとか。

>骨男様
画商の手数料が高い理由は単純で、普通にやったら売れないからです。はっきり言って絵画ってのは普通に売ったんじゃ売れません。売れる人を探して(これが大変!)その人の元に持ち込んでうまく相手を言いくるめる必要があるわけです。また、絵画は欧米では投資目的で買うのが当たり前ですので、投資と指定化に適格化を説得する必要があります。そのあたりを画商が一手に引き受けるので、手数料は7割を超える次第です。画商の腕の良し悪しは半分以上は、どれだけのお得意様を抱えているかですので。ちなみに、村上隆のように画家自ら画商をやれば、とんでもなく儲かりますが・・・、彼、叩かれているでしょ?でも、あれくらいやらないとだめなんですよ。

投稿: うみゅ | 2006/06/21 02:14

>スタジオ代、演奏者、マスタリング費用等々はレコード会社が払っていたりするわけで

それは制作費から引いてるんじゃないですかい?
1枚のアルバムの価格の中で、おおざっぱに言えば、流通費、宣伝費、制作費、印税とわけて設定してあると思いますけれど。
例えば作曲家印税分はアルバムの場合3%って聞いたことありますが、そこからさらに50%引かれるって話だと思っていましたが。

投稿: エルモ | 2006/06/21 14:01

>うみゅさん
詳しい解説ありがとうございます。
なるほど、よく考えたら絵画は一品モノなので、大量に(複製を)流通させる通常のマーケットとは根底のルールが違ってきますね。
出版や音楽業界と比べてもかなり特殊な世界ですね。
作家がたくさん集まって合同即売会みたいなのを画商抜きでメディアと共同開催とかすれば、実費はかかるにしても75%も取られなくてもすむんじゃないかと思ったのですが、そういうやり方だとうまくいったとしても「本当に絵が好きで絵のわかる人たち」のマーケットになってしまって、「お金はあるけど何を買えばいいのかわからない」といういわゆるカモを取り込めないのですね。
個人的には村上隆氏のような人が増えたらバランスが変化して面白そうだと思います。

投稿: 骨男 | 2006/06/21 17:22

>骨男さま
ただ、この絵画ビジネスが漫画にまったく無関係というわけでもないと思います。というのも、この需要と供給をうまく調節して高値を維持するという絵画ビジネスは、既に同人誌の業界で成立しているとも考えられる短です。そのため、コンテンツのハイエンドを目指すなら、会がビジネスについて調査することも必要ではないかと考える次第です。
>作家がたくさん集まって合同即売会みたいなのを画商抜きでメディアと共同開催
これは、日展がほぼ同等の役割を果たしています。ここで入選することで、常連のパトロンがついて絵画で飯が食べれるようになるわけです。しかも、入選という推薦状がついた画家が存在することで、自分の目で判断ができない人でもパトロンになれるという・・・。そうゆう意味じゃ、文部省推薦漫画って、やっぱり存在は大きいんですよ。あと、需要と供給を調節することで、古書にも価値が出るようにすることですか。

>村上隆氏のような人が増えたらバランスが変化して面白そう
確かに、彼ほど成功した人が増えると面白そうです。成功していない人は、夏や冬の晴海に数万人単位でいるとは思いますが。

投稿: うみゅ | 2006/06/24 00:50

>うみゅさん
これまたなるほど。
同人誌界というのは確かに普通の流通と絵画のような一品もの流通の中間的な感じがしますね。

>>作家がたくさん集まって合同即売会みたいなのを画商抜きでメディアと共同開催
>これは、日展がほぼ同等の役割を果たしています。ここで入選することで、常連のパトロンがついて絵画で飯が食べれるようになるわけです。

僕がイメージしていたのは少し違うものでした。
例えるなら証券取引所みたいなところ。
あくまでも売買の場であって、作品の良し悪しには一切関知しない。東証が個別の銘柄を推薦とかしないように、即売会組織自体は入選とか判断はしないのです。
その代わり、それとは別の団体が独立して人気投票や批評を行うわけです。株でいうと各証券会社の推奨銘柄やアナリストの推薦情報みたいなものですね。

と、ここまで書いていて思ったのですが、例えばカンヌ映画祭は映画売買の場であると同時に賞も決めますのでうみゅさんの書かれている日展みたいなものですね。
対してロサンゼルスで開催されるアメリカン・フィルム・マーケットは純粋に売買の場であるだけで賞とかは決めないです(と、思う)。また逆にアカデミー賞は賞は決めますが売買の場ではない。
僕の考えていたものはこのアメリカン・フィルム・マーケットとアカデミー賞の組み合わせのようなものです。アカデミー賞に相当するものは美術界には既にたくさんありますから(文科大臣賞とか、笑)絵画専門で、作家が直接参加できる純粋なマーケットがあればいいと思ったわけです。

そういえばコミケで同人誌に"コミケ大賞"とか決めないですよね。とするとコミケはこのアメリカン・フィルム・マーケットに近いポジションなのかな?
同人誌のアカデミー賞みたいなのやっている団体って無いのかな?

>村上隆氏
彼ほど成功するのは大変ですが、もっとみんなが彼のような方向を"意識"するだけでも変わってくるのではないかと思います。実際インタビューでそのようなことを話されていました。
個人的に村上隆氏は最近話題のもう一人の村上氏と同じく、変革の可能性を示したと思いますので(作品の消化とは別に)評価が高いです。

投稿: 骨男 | 2006/06/26 10:03

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