コミックマヴォVol.5

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2007/05/17

「鷹の爪」と「バベル」

GW前から見よう見ようと思っていたこの二本を見て参りましたよ。

蛙男商会さんの『秘密結社鷹の爪・劇場版』、明らかに短編向きの作者に劇場長編はどんなものかな、と危惧していましたが、それは杞憂でした。長編であっても、まんま蛙男節全開で、しかも面白い。主要部分はちゃんとフラッシュで作られていて、ところどころに凝った3DCGが出てくるんだけど、「凝ること」じたいがギャグになってる。

画面の横に「予算メーター」というのが表示されていて、オープニングが押井守『イノセンス』OPのパロディなんですが、ここだけでメーターが半分に減っていて笑った。アニメ作画も声優も、全体の80パーセントくらいを蛙男さん本人がやっているのも相変わらず。間違いなく、劇場アニメ史上もっともお金のかかってないアニメでしょう。この記録は今後破られることはないのではないでしょうか。

『バベル』は、日本パートをブロガーの子飼小飼弾さんの自宅マンションでロケしているので、それを見る目的で見たのだけれど、映画も傑作でした。さすがアカデミー賞にノミネートされたことだけはあります。「バベル」というのも意味深なタイトルですが、人種や夫婦や親子の断絶がテーマになっていて、きわめて個人的な問題を世界四カ国でロケして、スケールの大きい普遍的な映画になっていると思いました。

小飼さんのお宅は一昨年の12月に「たけくまメモ」のオフ会会場に使わせていただいたんですが、「バベル」の役所広司と菊池菊地凛子親子の住むマンションの窓から見える風景が、まんまオフ会で見た光景でしたね。部屋の中は、撮影用にだいぶ変えられていたけど。

映画の中で女子高生役の菊地凛子さんが大胆ヌードを披露するんだけど、こう言っては失礼かもしれませんが、俺はあれほどまで色気のないヌードを見たことがありませんです。もちろん映画のテーマがお色気を目的にしたものではなく、むしろ「生きることの痛み」を表現することにあるので、菊地さんは抜群の演技力で「痛々しさ」を表現したわけであれで百点満点なわけですが。

ともあれ、ふたつとももうすぐ終わっちゃいそうなので、映画館で見られるうちにどうぞ。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

見る!

投稿: たにしんいち | 2007/05/17 23:27

「鷹の爪」は映画館で見るべきなんでしょうけど、
さすがに「バベル」よりも怖いですよね。

なんだか映画のフレームに対して抱いていた幻想がまるごと
溶解してしまって、それ以降の映画館で見る映画が、
全部違って見えてしまいそうな気がするんですよね。

投稿: 名無しさん | 2007/05/18 00:10

名前が間違ってます。
子飼→小飼
が正解です。

投稿: ごろー | 2007/05/18 00:49

長谷先生のブログに「『シェルタリング・スカイ』を連想」という評がありました。

『バベル』未見なんですが、たけくま先生の評にも目を通すに、どうやら当たっているようですね。

♪ちゃらららら~、ちゃららららら~、ちゃらららら~、ちゃららららら~♪ (戦メリにあらず)

投稿: あ~ | 2007/05/18 00:53

>ごろーさん

あ、しまった。ずっと小飼で登録してたんですが、こないだOSをインストールし直した時にFEPも入れ替えたので登録が消えていたようです。気がつかずにそのまま変換してしまいました。そんなわけで、小飼さん申し訳ない。

投稿: たけくま | 2007/05/18 00:59

ネタバレあり・・と書いて欲しかった・・・
鷹のツメなんばオールナイトに行く予定だったんですが・・・

ちぇっ。

ギャグ映画評・・特に鷹のツメのようなワンアイデアストーリで笑わせるものの評論って難しいですよね。

投稿: まるまる | 2007/05/18 01:35

「菊池凛子の“色気の無い”ヌード」の方が、
ネタバレだ・・

バベル観て気持ち悪くなった客続出って、
フリッカーのせいだけじゃないのか?

投稿: にゃー | 2007/05/18 02:27

「色気の無いヌード」
知っていても問題の無い説得力です。
テーマを体現する、痛みに満ちたヌードです。
(いやマジで)
映画全体も、心が弱くなってると相当キツイと思います。

投稿: めたろう | 2007/05/18 07:38

菊池も菊地の間違いでは?

投稿: sakimi | 2007/05/18 11:54

押井信者の僕としては
タカノツメ好きの超ライトな観客にそのギャグが分かるのかというそういう心配もまた。
BSマンガ夜話とかで自分の好きなマンガが出ると逆にいたたまれない的な。

フロッグさんはそのあたりのさじ加減がわかってそうだからいーんですけど。

投稿: まるまる | 2007/05/18 13:34

まだ。回復が完全ではないのでしょうね。

投稿: えり | 2007/05/18 15:39

まだ。回復が完全ではないのでしょうね。

投稿: えり | 2007/05/18 15:39

まだ。回復が完全ではないのでしょうね。

投稿: えり | 2007/05/18 15:39

まだ。回復が完全ではないのでしょうね。

投稿: えり | 2007/05/18 15:39

↑君の方が治療が必要だな。>えり

投稿: おk | 2007/05/18 15:53

イノセンスのOPのパロディーや凝ったCGがあるのはイノセンスのCG監督(知人なんす)がいま蛙男さんとこにいるからじゃなかなぁ・・・と。


投稿: うもとゆーじ | 2007/05/18 17:47

本当だ。菊池になっとる。菊地と打ったつもりで気づきませんでした。直しときます。

投稿: たけくま | 2007/05/18 23:39

あのオフ会は一生忘れられませんね。
マシンをいじったあとはしばらく色々設定とかいじらないと設定が初期化されてたりしてめんどくさいです。
バベル見たいんですが、心が弱いのでためらってます…。最近はレンタルビデオ店の店先にあるソウのポスターが目に入るだけでも落ち着かなくなるんです。何か心を強くする方法はありませんでしょうか…。

投稿: 永田電磁郎 | 2007/05/18 23:47

リンコさん、生っぽい娘っこデシタ。
結構イケてましたね。

視点を変えると、メキシコ~日本を
同列でサブドラマで扱っていて、
「日本娘」の土着性?みたいな
古い「西欧人」の捉え方が見える。
一種、国辱的描写というヘリクツも
語れるような気がします。

ただ、<善意>の銃が、無関係の人間たちを不幸に陥れていく…という<趣向>が面白い。
夫婦の精神的危機みたいな部分は、
圧倒的に『シェリタリング・スカイ』の方が
深いし、マネしているのがみえみえですね。

西欧の大金持ち夫婦は、心の危機に陥ると
なぜ<砂漠>へ行っちゃうのか。
このパターンは古い。

心の砂漠っていうイメージの記号として
使われているんでしょうが。
そういえば安部公房の『砂の女』なんて
のが昔ありましたね。

東京も実は砂漠なんですよ。
前川清の『東京砂漠』!(笑)
ですからリンコは砂の女なの。(コジツケ)

投稿: 長谷邦夫 | 2007/05/19 00:29

…先生、最後の三行は滑っておりますです。

投稿: あ~ | 2007/05/19 01:39

モロッコの兄弟と砂漠は、キリスト教的なネタをわかりやすくやっとるなぁ、と思いながら見てました。
日本とメキシコの選ばれた意味をちょっと考えたりもしたのですが、やっぱアメリカとの繋がりで選ばれたのかな?植民地①・②みたいな。

9.11以後の、アメリカの内省みたいな感触ももったのですが。
実は、「ロッキー・ファイナル」の前半が、主人公の老いと同様に、アメリカ地域社会の喪失を描いていまして。
後からバベルを観て、
「ああ、同じ問題意識なんじゃないかな」と感じた次第です。

ただ、菊地凛子さんの役の「断絶」は、背景の人種的テーマを大きく凌駕して、より普遍的なテーマを担い、結果として話の中心になっていた様にも思えました。

投稿: めたろう | 2007/05/19 01:52

以下すべり止め↓
旧約聖書の創世記に本来一つであった言語がいくつもの言語に散らされたとの記述がある。

『さあ町と塔を建てて、その頂を天に届かせよう。・・・』主は下って、人の子たちの建てる町と塔を見て、言われた、『彼らの言葉を乱し、互いに言葉が通じないようにしよう。』これによってその町の名はバベルと呼ばれた。

★リンコさんが聾唖という設定は
この「言語の乱れ」説によるのでは。

ブラビ夫妻のディスコミニュケーション。

民族間の誤解…などなどが、
バベルの意味に繋がっているのでは。

リンコの愛の言葉は理解されない。
だから脱ぐ行為へと直接法で
表現されていった~と考えられると
思いますが?

投稿: 長谷邦夫 | 2007/05/19 02:24

すると『あの夏、いちばん静かな海』とペアになる映画のようですね。

投稿: あ~ | 2007/05/19 09:49

>★リンコさんが聾唖という設定は
この「言語の乱れ」説によるのでは。

→ちゃんと気づいて無かった、、、、。
言われてみればそりゃそうだ。
やはり日本編がメインと考えても良かった訳ですね。

Wikiによれば聾唖者の方から抗議がでたりもしてる様ですが、
旧約聖書はとにかく差別や民族対立満載の苛烈な世界なので、
その辺の差別性を薄めて表現するのは、制作者の意図に沿わなかったでしょう。

メキシコ編も、砂漠というか荒野を舞台にしていると言えなくも無いので、
「旧約的世界」の表現、という事で言えば、
「東京砂漠」、あながち的外れでも無いのかも。

投稿: めたろう | 2007/05/19 11:41

前までえりという名前で書き込みさせて頂いていたのですが、上の方に同じ名前の人がいらっしゃるので変えました。

秘密結社鷹の爪・劇場版、気になってはいたのですがDVDになってからでいいかーなんて思っていました。
終わる前に行こうと思います。

投稿: えり@ | 2007/05/19 17:18

レオナルド博士とキリン村のなかまたち
http://www.toysrus.co.jp/f/kirin/index.html

タイトル画面のクマ(レオナルド博)に
マウスのカーソルを合わせてクリックすると……

投稿: SCREW | 2007/05/19 21:13

故・ナンシー関さんの「橋田ファミリー壁紙」というのがあってそれが笑えました

投稿: たにしんいち | 2007/05/19 21:16

>まだ。回復が完全ではないのでしょうね。

↑君の方が治療が必要だな。>えり

えりは体をはったギャグ!

投稿: 7C | 2007/05/20 07:18

>7C
だから、ちゃんとツッコミが入ってるんじゃない?

体は、はって無いと思うけどね。連投しただけじゃん。

投稿: X虎 | 2007/05/20 15:51

長谷邦夫さん、
でも「砂の女」の岸田今日子さん(合掌)は、
なんだかスッゲーエロかったですよ。(リンコちゃんと違って)
ああいうアリジゴクならちょっとはまってみたいと、
つい思ってしまいました。むかし。

投稿: にせロッカー | 2007/05/20 17:27

ちょっと鬱モードだったのでどうしようか迷ったのですが「バベル」観ました 良かったです

大したこと書いてませんがネタバレあります↓


大したこと書いてませんがネタバレあります↓

複数の話のシークエンス、ディスコミュニケーションがテーマの一つということでアルトマンの「ショートカッツ」想起しました
「ショートカッツ」はアメリカにおける下流から上流階級までの白人達の欺瞞・怠惰で荒んだ精神、孤独がテーマですが「バベル」は第三世界と先進工業国との格差がテーマになっていますね

菊池凛子さんのテーマはめたろうさんがおっしゃるように、物質的なものでは埋められないもっと深いところでの普遍的な人間存在の孤独がテーマであると感じました。ディスコのシーンはある意味美しいと思いました。ただ、裸になるという行為が何のメタファーなのか今ひとつ私には解さなかったですが、、、「恋愛至上主義」「ステディがいない人間は持たざる人間」という日本の価値観への違和感の表明と言うことなのでしょうか。

先進工業国の方の話は「とりあえず事なきを得る」結末になっているのに、第三世界の方はそうなっていないところが小学生の作文みたいで申し訳ないけど考えさせられてしまった。

投稿: たにしんいち | 2007/05/20 17:55

自分はバベルを見てないのですが
兄とその彼女が見てきたようで両者とも中・高・大をそれぞれアメリカとカナダで過ごしたため、
外国における日本人目線で見ていたようですが、この作品はドン引きだったそうです。
彼ら曰く、日本人の扱いが酷過ぎるまたは日本人がそういう風に見られているのがショックといった感じで
内容自体はイマイチぱっとしない的なことを言ってましたけど、やはり人それぞれ感想は違うみたいですね。

投稿: オカリ | 2007/05/22 22:21

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