ティファニーで朝食を
このあいだふと魔がさして『ティファニーで朝食を』を買って見てしまいました。小説のほうではなくて、オードリー・ヘプバーン主演の映画のほう。じつは俺、これまで一度も見たことなかったんですよ。
子供の頃からタイトルと主題曲は知ってたんですが、ティファニーってずっと大衆食堂だと思いこんでました。「ヘイ、グモーニン、ジム!」と呼びかける薄らハゲの気さくな店長がいて、スクランブルエッグが名物だったりするような。いやまあ、大きくなってからニューヨークの有名な宝石屋だってことを知ったんですが、なんで宝石屋がスクランブルエッグ出すのか、長らく疑問でした。
で、見たら食堂でもなんでもないことが納得できたんですが、ヘプバーンがメンヘラの売春婦役で、しかもコメディ映画だとは不覚にも知りませんでした。
だってヘプバーンでしょう。ジバンシーの黒のワンピース着ているオシャレな感じしかなくて。その後ネットで調べたら、原作者のトルーマン・カポーティは主役の女をマリリン・モンローでイメージしていたらしく、そしたら映画がヘプバーンだったんで椅子からズッコケるくらい驚いたそうですね。俺は原作読んでないので驚きませんでしたが、原作の小説はもっと重い話みたいです。
それにしても子供の頃の思いこみってありますよね。祖父がキリスト教の牧師だったんですが、幼稚園の頃よく賛美歌を聞かされていて、「主は来ませり」って歌詞のがあるじゃないですか。タイトルが『もろびとこぞりて』だったですか。あれの「主は来ませり」が、何度聞いても「主、湧きませり」に聞こえてたんですよ。主がまるでボウフラみたいに湧いてくる幻想にとらわれて、どうしようもなかったです。
浦島太郎の歌で「♪帰ってみれば、こはいかに~」ってのも、これは多くの人がそうだったと思うけれども、やはり「♪帰ってみれば、怖い蟹~」と思いこんでいて、浦島太郎が玉手箱あけたら中から巨大なカニがダイナメーションで現れて襲ってくるような、怖~いイメージがこびりついてどうしようもありませんでした。
『ティファニーで朝食を』も「怖い蟹」のように、まったく違うイメージを持っていたので今更ながら新鮮に見ることができました。ただ、オードリーはさすがに綺麗でしたが、映画自体はちょっと俺の趣味とは違うかな。監督のブレイク・エドワーズって『ピンク・パンサー』の人でしょう。俺あの人のギャグセンスがいまひとつ苦手なんですよ。
←「ティファニーで朝食を」のミッキー・ルーニー。次長課長の河本ではない。
この『ティファニー』でも、アメリカ人のミッキー・ルーニーがメガネデッパの日本人を演じていて、あまりのベタなギャグに驚きました。俺が見たDVDにはメイキングでスタッフ・インタビューが入っていて、監督が堂々と「ミッキー・ルーニーに日本人やらせたのは失敗だった」と認めていたので、その潔さには感心しましたが。
なおメイキングが入っているのは最近発売されたアニバーサリー・エディションのほうで、1500円の廉価版には入ってません。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 吉祥寺アニメーション映画祭2009のご報告(2009.10.14)
- 「グワシ! 楳図かずおです」予告編出来!(2009.10.23)
- 祝・『北国の帝王』初DVD化!(2009.03.09)
- 『ヤッターマン』には困った(2009.03.11)
- 【緊急告知】まことちゃんハウスのTV放映(2009.03.21)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
>子供の頃の思いこみ
童謡「朝一番早いのは」の
「叩こうが、揺すろうが、グーグー寝てる」
を
「たた公」「ゆす郎」
という、落語あたりの登場人物の引用だと思ってました。
投稿: めたろう | 2007/08/09 09:00
テレビで観たことがあります。
池田昌子さまがお声をあてていらっしゃいました。
メーテルのチャーミングな面を堪能できてよろしゅうございました。
吹き替え版ではあの怪しい東洋人はミズキと呼ばれていました。
この年度に『用心棒』のテーマ曲が米アカデミー賞の選考に入ったのですが
当時は楽譜を提出しなくてはいけなくて、なのに作曲者の佐藤先生が照れて
送らなかったので候補になれなかったそうです。
マンシーニが作曲賞を獲っています。
ティファニーの日本語公式サイトがあります。
http://www.tiffany.co.jp/Default.aspx
投稿: あ~ | 2007/08/09 09:05
蓮實重彦のゾケサみたいなものですか。
投稿: とおりすがり | 2007/08/09 09:07
ダイナメーション笑いました。
投稿: apg | 2007/08/09 09:16
少年の頃、近所に「ティファニー」というラブホテルがあったもので、「ティファニーで朝食を」は当然のようにエロい映画だと思い込んでました……
投稿: ○ | 2007/08/09 09:21
>子供の頃の思いこみ
荒井由美の「あの日に帰りたい」で、「泣きながら~ちぎいぃったアドレス、扉にはさんで」のところを、「ちぎったあ、ドレス」と思い込んでいて、ドアにはさまれてドレスの裾あたりがちぎれちゃって泣いてる状況を思い浮かべておりました。子供といっても、もう中学生でしたが。
投稿: 4歳児の父 | 2007/08/09 11:05
>子供の頃の思いこみ
荒井由美:「ちぎったぁ~」じゃなくて「にじんだあ~」でした。訂正。
投稿: 4歳児の父 | 2007/08/09 11:23
>子供の頃の思いこみ
童謡で、タイトルは忘れましたが、「おなかと背中がくっつくぞ♪」という歌詞があり、何故かそれを自分のおなかが他人の背中にくっつくものだと解釈していて、腹が減ると奇妙な磁力のようなものが発生するのだな、と子供ながらに納得していました。
投稿: ike-dub-ace | 2007/08/09 11:43
タイガーマスクの最後の歌で
「ひねくれて星をにらんだ」
というところを
「ひねくれた年寄りなんだ」
とおぼえていて、タイガーマスクも苦労してるんだなぁと....
投稿: に | 2007/08/09 12:28
誰もヘプバーンの話をしない…
投稿: あ~ | 2007/08/09 13:00
原作は、重くはないですよ。
これがカポーティ? というような軽妙さです。
とても面白いので、ぜひご一読あれ。
投稿: 旅人 | 2007/08/09 13:17
ヘップバーンが不味そうにデニッシュを食べるんですよねえ…コレ…
投稿: 鴎 | 2007/08/09 13:34
↑実際、ヘプバーンはデニッシュが嫌いだったみたいですね。
投稿: たけくま | 2007/08/09 13:42
まさに重いコンダラですね。
http://www.nishiarai.net/nichikon/
投稿: wosa | 2007/08/09 13:46
何故、一度だけ「オードリー」と呼ぶのかが気になります。
投稿: R.F | 2007/08/09 13:53
スターウォーズでも「キャリー!」って叫ぶんですよね
ルークが。
投稿: あ~ | 2007/08/09 14:41
ウェイ。
俺はヘプバがきらいでし。ボーニィビッチノワール。
つまり俺は
相手が記者だろーがお城逃げ出して逐電お姫様系がしゅきだというしごくまっとうな神経の持ち主
だから
メンヘラったのかモナ!山本モナ!monarchy。
投稿: ムルハンをぢきごふあん | 2007/08/09 15:05
あ。あと。
ミッキールーニーの役名がマコヤマとかマカモトとかいうんですけど あの絶妙な間違った名前…
知り尽くしているから絶妙すりぬけ
と決着。
アメってなー、そうゑうやづらであるまする。
投稿: ムルハンをぢきごふあん | 2007/08/09 15:19
スルー
投稿: ジャック | 2007/08/09 15:39
↑空気嫁!空気嫁!バーカバーカポポポポポポポポ げびょっ
投稿: メルヘンひじきごはん | 2007/08/09 16:14
カメラクビから下げていればサイコーにニホンジン。しかし、往年の名作ってななかなか手がいかんもんです。おいらの映画の歴史はもちろんスターウォーズから始まっています。あと最近のモナいいっすよ。嫌われ女子アナランキングで1位だったけど。もう女子アナではないし。よごれとしてはすごくきれい。
投稿: blog49 | 2007/08/09 17:15
あっつ「思いこんだら」は「重いコンダラ♪」コンダラって何?とか。子供の頃の唄の勘違いっておおいすわ。「レッツビー、列ビー、列ビーえ~列ビー」
投稿: blog49 | 2007/08/09 17:18
笑っていいとも の歌が
かなりの年齢になるまで
頭に詰まった→頭煮詰まった
だと。
投稿: 永田電磁郎 | 2007/08/09 18:28
「主は来ませり」 「しゅわく」という動詞があると思っていました。雰囲気的に「みんなでしゅわこうよ!」と誘ってる歌だと。
投稿: 123 | 2007/08/09 19:47
カポーティ自身はあの映画がかなり気に入らなかったようで「映画を作る際に約束した10のことの一つも守らなかった」というようなことを言ってなじっています。
「オードリーは好きだが彼女のようなシックな女性の役じゃあない。ジョディ・フォスターがいいと思ったんだが」というようなこと述べていました
投稿: たにしんいち | 2007/08/09 21:44
大伴昌司氏が内輪でやった国辱映画鑑賞会でコレをかけてたという話を聞いたことがあるような…
あれっ「OHの肖像」でだったかな?
投稿: つん | 2007/08/09 21:47
>>「オードリーは好きだが彼女のようなシックな女性の役じゃあない。ジョディ・フォスターがいいと思ったんだが」というようなこと述べていました
『ティファニーで朝食を』の映画制作時、ジョディ・フォスターはまだ生まれていません。
投稿: また通り過ぎます | 2007/08/09 21:55
ゴメン、「今だったらジョディ・フォスターみたいなイメージだ」という話だと思います。
「カポーティとの対話」というインタビュー集に載っていたのです その本はちょっと行方不明なので正確な字句は分かりませんすいません
投稿: たにしんいち | 2007/08/09 22:17
コメディ映画でしたっけ?
リアルタイムの世代じゃないんで
よくわかりませんが、
ヘップバーン見たいだけの人のための
ジャニタレ宣伝映画みたいな薄い映画
だったと記憶しています。
まあ音楽とかファッションデザイン
とかそういう部分的なお勉強ですね。
滋養があるとすれば。
投稿: ティファニーでおでん缶を | 2007/08/09 23:51
特攻野郎 A チームのハンニバル・スミスことジョージ・ペパードが若いですよね。
投稿: oooooooo | 2007/08/10 00:01
七十年代のはじめに、赤塚不二夫とニューヨークへ行ったときに、店を見つけて、中に入ってみました。
御木本みたいな上品な宝石店かと想像していたんですが、完全に期待は裏切られました。
だだっぴろい店内には、多数のガラスケースがたくさん並んでいて、大量の宝石やアクセサリー類が並んでいましたよ。
タイピン(宝石付き)なんかも。
なんかアッケラカンとした感じで、
いかにもムードの無いアメリカ~
って印象でしたね。
超高価な宝石などを買うお客さんのためには
別室があるんでしょうが…。
当時、アメリカに進出していた、高島屋の
宝石店が、アメリカ人の間でも、高級だと
評判だという話しでしたね。
ヘップバーン、ぼくらの世代では大人気でした。
最初に「映画の友」のカバーに登場したときの
美しさは、今もって記憶にあります。
投稿: 長谷邦夫 | 2007/08/10 00:23
「主は来ませり」の事を「シューワッキーマーセーリー」というおまじないか何かだと思ってました。(小学校の音楽の教科書で歌詞を見て初めて気がついた)
なんというか「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」みたいなもんだと思ってたんですよねえ。。。
オードリーはサブリナが一番可愛かったと思ってます。
投稿: ぷ | 2007/08/10 00:47
たけくまメモを眠い頭で読んでたら、
ティファニーで、
ダイナメーションの大蟹おおあばれ!
執拗にオードリーを追いかける大蟹。
ジョージ・ペパードが「おっかない~」とか言いながら、
棒で突っついたりして。(声:羽佐間道夫)
そんな時に「シュワ来ませりー」
「アイルビーバック!」カリ知事出張!!
頭の中でゴッチャになっちゃったじゃないですか!
投稿: エイジロー | 2007/08/10 00:55
友人が「ちいさい秋、ちいさい秋、みつけた」という童謡を「しんさいばし、しんさいばし~」と覚えていた話を思い出した。
投稿: トロ~ロ | 2007/08/10 02:27
トロ~ロ様
それはこんな物悲しい歌だったのでしょうか?
だれかさんが だれかさんが
だれかさんが 沈めた
心斎橋 心斎橋 心斎橋
心斎橋から 沈めた
サンダース おじさん 眼鏡をとられ
すました お顔で 水面に消えた
遠くに聞こえる 六甲おろし
心斎橋 心斎橋 心斎橋
心斎橋から 沈めた
投稿: めたろう | 2007/08/10 12:20
>blog49さん
モナ公はいや~な女を考えていたら、とっつきやすそうなくだけた美人だったので、「手ごわい女」と評価改変せざるを得ない女でありまる。女を簡単試金するに、名前頭二文字に「公」をつけてシャレになるならないは有効でありまする。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2007/08/10 13:17
レントウシュミマセン
で
俺の妄想内できゃつめが暗黒面を繰り出してきたばやいの俺のカウンターカードは
だまれ森永エスキモー!!
でありまる。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2007/08/10 13:24
ミッキー・ルーニーの役名は「ユニヨシ」(あるいは「ユニオシ」)では?
当然ながら、日本人からすれば「そんな名前の日本人は、おらん!」と言いたくなるんですが、残念ながらこのテの『いかにも日本風に聞こえる名称』ってのは、アメリカではしばしば粗製濫造される事があるようで。
http://www.yunioshi.com/
洋画・洋楽の中の変な日本・がんばる日本
投稿: guldeen | 2007/08/10 13:45
http://kobe.cool.ne.jp/babies/alt2/tp.html
http://myshop.7andy.jp/myshop/cheese?shelf_id=04
↑俺の仮説補強しまくりん、先頃のジャッキー野郎は海を越えてきやがってる懸念ありあまるのである
http://www.webdokusho.com/danwa/bn_nonfiction/tree_178.htm
日本人の愚化策動華やかなりし片隅でひっそりとこげなやりとりにほろろんとしたおいさんである。結論:継承大事。知愛、フィロソフィー。
デ
マコヤマは初出がアシモフ大先生だったもよん。俺それ確か読んだのですね。筒井先生が色眼鏡の狂奏曲で拝借されてるのでだったかもですある。結論:アシモフ先生おひとがわるい且つ サクセションしてんじゃねーよジャッキー。ヤらせないオナシスワイフ。オナシスセカンドハズバンド。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2007/08/10 14:44
連投:
俺の好きなブリ公というのは、スピアーズ(槍複数形 ではなく、みなさまもどう考えたってさふだと思われるのですがモンティパイソン。アメ公ならぶるs… …ブルブラ。決まってる。
つまり「おれらの国はハウBIGGESTブルシットだぜYOMEN」つーのはあったりまえなのであつて
日本も今当然そうなわけですよ。大人が腐ってる時に若者のスタンスってなー、国を愛してみせる媚売りじゃねえんである。ある!あるある!!
清教徒伝統。ピューリタン。黒帽子(つばあり。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2007/08/10 15:01
>めたろうさん
上手い!!
歌詞・内容はもちろん違いますよー(笑)
投稿: トロ~ロ | 2007/08/11 04:39