何年経ってもシメキリに慣れません
また『サルまん』のシメキリが近づいて来たんですが、今は別件の単行本に寄稿する原稿も締め切りが来ていて四苦八苦しております。そればかりか昨日、ネット通販を使おうと思ったらクレジットカードが見つからなくて大騒ぎでした。
どんなに探しても見つからないので、さては落としたのかと思い、カード会社にとりあえず停めてもらおうと連絡したら、なんとすでに警察署から連絡があったとのこと。あわててさきほど大和警察までとりに行きました。どこで落としたのか、まったく気がつかなかったのですが、届けてくだった方、どうもありがとうございました。
何の話だっけ。おおそうだ、シメキリの話でした。そんなこんなで例によってテンパッております。俺、もう25年間もフリーでこういうことやっているんですけど、いまだにシメキリは苦手です。それで一銭にもならないこういう文章はなぜか書けるんですよね。いくらでも。
以前平田弘史先生にお話をうかがったときにも、あの先生もシメキリが大の苦手で、シメキリさえなかったらこの世は天国なのに、とおっしゃっていました。大きな声では言えませんが、今でも原稿落とされてますからね。シメキリが苦手な人は70歳越えても苦手なようです。
そういえば亡くなられた『ナニワ金融道』の青木雄二さんはシメキリのことを「納期」とおっしゃっていたそうです。青木さんといえば40過ぎるまでデザイン事務所を経営されていたはずで、それが倒産して背水の陣でマンガ家になったんですよね。だから普通の企業経営者のノリが最後まで残っていて、「納期」と。たしかに仕事として考えたら納期なんですけどね。青木さんは、そういうだけあって納期は厳守されていたみたいです。作家たるもの、かくありたいものです。
平田先生もマンガ家になる前は実家のポンプ屋さんを経営されていたので、そういう感覚があってもおかしくないんですが、機械いじりは得意でも、マンガの納期を守ることは困難なようです。それで、アイデアに詰まったら庭の工場で機械いじりをやったり、庭にコンクリート打って駐車場作ったりしていらっしゃいます。
気持ちは、すご~くわかるんですが、俺はコンクリ打ったり旋盤でネジ切ったりはとてもできませんので、ブログを更新するのがせいぜいです。
そういえば、平田先生に、かつて原稿を落としまくっていたことで有名な江口寿史さんの話をしたことがあります。「江口さんとか、ちょっとゴミ出して来ますと言って仕事場で待っている編集者の目の前から逃げるんですよ」といったら、
「それはいかんなあ」と平田先生。
「俺は、逃げも隠れもせんぞ!」と漢(おとこ)らしくおっしゃるので、さすが平田先生、と思ったんですが、考えたら平田先生、(※平田先生から「俺は原稿落としたことはない!」とお叱りのクレームが入りました。この下りは竹熊の勇み足であり、削除のうえ訂正いたします。平田先生、申し訳ありませんでした)。たしかにいつ連絡しても捕まる先生だけども、
「描けんものは描けん!」
と漢らしく断言されて庭でコンクリ打ちとかされるのも、編集者的にはいかがなものなんでしょうか。
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