マンガ界崩壊を止めるためには(補足)
前回の「マンガ界崩壊を止めるためには(6)」で書いた「マンガ・プロデューサー」についてですが、結局、マンガ界を活性化させるためには、社員編集者を独立させて作家と同じ競争原理に晒してしまったらどうか、というのが俺の提案のポイントだったりします。
それでは出版社が企業として立ちゆかなくなるかもしれないから、「半分はカンパニーエディターで、半分はフリーに」というのが長崎さんの提案なのだろう、と俺は解釈しました。つまり「サラリーマン」をやりたい人は会社に残れ、「マンガ編集」がやりたい奴は会社を出たほうがいいよ、というメッセージなのではないかと。実際、俺の印象としても、優秀な編集者ほど「作家」に近いメンタリティを持っているものです。出世して、本当にイヤそうにしている人っているんですよね。現場から離れてしまうことが。
それで、重要なポイントを書き忘れていました。
マンガ・プロデューサーは「新人のスカウトマン」を兼ねるわけです。
実際、欧米の出版エージェントは、そういう仕事をしていると聞いたことがあります。新人作家はまず自分を認めてくれるエージェントに売り込みをかけ、そこからエージェントが版元に新人を売り込む、というプロセスを経ることが普通だとか。小説家などでも、新人はまず自分のエージェントを見つけなければ、出版社に相手にしてもらえないという話をよく聞きます。
版元も、新人を一から見いだして売り物になるまで育てる手間がはぶけるわけですね。つまり、日本では社員編集者が行っている作業を出版エージェントがやっているのだということです。
日本のマンガ新人も、これだというマンガプロデューサーに売り込みをかければ、最初から「編集を自分で選ぶ」ことが可能になります。また質の悪い編集(プロデューサー)は、どうせ2ちゃんねるで叩きスレが出来ますから、新人はそれを参考にしてプロデューサー(エージェント)を選ぶこともできる。
もちろんプロデューサーも、売り込みを待っているだけではなくて、積極的に同人誌作家などから才能を見つける努力が必要になるでしょう。このこと自体は、とうの昔にマイナー系エロ雑誌の編集には常識になっているようですが、今やメジャー系雑誌でもこれをやらないと立ちゆかない時代になってきています(現に、コミティアなどでは企業が出張編集部を出して持ち込みの対応をしはじめているようですが、持ち込まれるのを待つだけでは、たぶん不十分でしょう)。
「マンガ・プロデューサーは才能の発掘と育成・供給を手がける」。これがあればこそ、出版社も彼を必要とするわけです。これは、特に日本でエージェント業を持続するに当たって大事なポイントですが、エントリでは書き忘れていました。改めてエントリにして補足しておきます。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_4da3.html
↑マンガ界崩壊を止めるためには・第1回
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