こないだ中野のタコシェで
こないだ中野ブロードウェーにあるサブカルアングラ書店・タコシェに立ち寄ったんですよ。この店、昔は早稲田にあって、ライターの松沢呉一さんが店長をされていました。でも俺、松沢時代のタコシェに実は行ったことがないんです。ところが店長が演劇ライターの中山亜弓さんになったので、この人とは知り合いだったもんで、今じゃ中野に行くと必ず店に立ち寄って中山さんとだべってから帰ります。
ちなみにマンガ評論家で原作者の大西祥平さんもかなり前からこの店で店員をされてます。関係ないけどこの大西さん、実家が六本木にあるんですよ。作家で暴力温泉芸者っていうバンド(?)やってる中原昌也さんが、やはり実家が青山にあったそうなんですが、六本木とか青山と「実家」ってあんまり結びつきませんよね。まあ両方とももとは墓地の町でしたし、今みたいな盛り場になったのは戦後の話で、実は庶民的な町だったそうなんですが。原宿も40年前までは普通の住宅地でした。
閑話休題ですが、タコシェに行ったら、中山亜弓さんに「竹熊さん春川ナミオ好きですか?」って言われたので、「いやマニアというわけでは……まあ、好きですけど」と答えたんですよ。そうしたら「最近うちで春川ナミオの画集出したんです」と言われて、大判の3000円以上もする画集をいただいてしまいました。申し訳ないので、たけくまメモで宣伝させていただきます。
それで渡されたのが上に図版を載せた画集「CALLIPYGE」です。「夕刊フジ」みたいな判型(タブロイド判)で、やたらとでかい本なんですよ。これを裸のまま抱えて電車に乗るのか……と一瞬絶望的な気分になりましたが、もちろん店の側も心得ていて、大きな紙袋に入れてくださいました。
春川ナミオさんって、俺はお会いしたことはないんですけど世界中のマゾヒストから神のごとくあがめられている巨匠なんですね。デビューが昭和30年代の「奇譚クラブ」だというから本物であります。この雑誌は『花と蛇』の団鬼六や、『家畜人ヤプー』の沼正三がデビューしたことでも有名です。
ペンネームはやっぱあれですかね、元祖豊満女優の春川ますみからとったんでしょうね。まるで中森明夫みたいですね。いやペンネームの付け方が。春川ますみみたいなグラマーな巨大ギャルに顔面騎乗されたい趣味の男性にはうってつけの本ですよ。特にこの本のよさはその判型でして、ここまで巨大ですと本当に春川ますみに顔面騎乗されているような圧迫感があります。
タコシェでは通販もしているそうなので、地位も家族もあり、他人の目が気になる貴男もご安心ください。同じ作者の『聖女の臀堂』も扱っています。
http://taco.shop-pro.jp/?pid=9912312
↑「CALLIPYGE」通販ページ
http://taco.shop-pro.jp/?pid=1483013
↑春川ナミオ「聖女の臀堂」通販ページ
いや~こういう本が平気で購入できるインターネットって本当にいいですね! ちなみにこの店には中川翔子さんもよく来るそうですよ。同じフロアに「まんだらけ」もあるんですが、このタコシェはまんだらけの客層をサブカル方向へさらに濾過して中川翔子さんとか鳥居みゆきさんみたいな濃い成分だけ抽出したようなお客がいっぱいいて、楽しいお店ですよ。
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