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2009年1月

2009/01/31

『ガラスの仮面』と『女犯坊』

Garasunokamen43

←ガラスの仮面 43

出ました。前の42巻が出たときは、ちょうど「たけくまメモ」を開始した直後だったんですよね。2004年の12月18日でした。ブログ開設が14日でしたから、本当に始まってホヤホヤの時期です。

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2004/12/post_18.html
↑たけくまメモ「ガラスの仮面のアレ」

そのエントリで俺は「桜小路くんのケータイ問題」にさっそく突っ込んでおります。かいつまんで説明しますと、『ガラスの仮面』は1976年の連載開始以来、作品内時間が数年しか経ってないはずなんですよ。第一話で中学生だった主人公のマヤは、まだ20歳になるかならないかで、そこから考えても時代は1980年くらいのはずなんだけど、42巻で突然、ボーイフレンドの桜小路くんがなにげにケータイを使っているシーンが出てくるんですよ。それで、「ガラスの仮面世界の時間は、どういう流れ方をしているんだ?」というのが俺が提起した疑問だったわけなんです。

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2009/01/27

竹熊健太郎を囲む会・ご報告

Kakomukaip1264917 昨日、1月26日夜、西新宿にて「竹熊健太郎を囲む会」なる奇妙な集い(俺を肴にして飲み食いする新年会)が開催されました。

主催はミュージシャンで作家の川上未映子さん、作家の海猫沢めろんさん、そしてそのご友人たちです。中には俺と旧知の仲もいましたが(ユリイカ編集部の山本充さん、腐女子評論家の金田淳子さん)、残りはほぼ初対面の人ばかりで、あまり知らない人たちから誕生日でもないのに闇雲に「囲まれる」というのは、俺の人生でもほぼ初めてと言ってよく、これでいつ成仏しても悔いはないと思いました。

黒澤明の遺作で『まあだだよ』という、巨匠の耄碌と自己満足が極まって成層圏を突破し、そのままシュールになってしまったような映画があります。主人公の内田百閒(松村達雄)が大勢の弟子に囲まれて「先生は素晴らしい人だ!」「先生、いつまでも長生きしてくださいよ!」とチヤホヤされながら「♪出~た出~た~月がァ~」とか、「♪オイチニの薬は日本一~」を歌うシーンがあるんですが、なんとなくそれを思い出してしまいました。

とはいえ、俺はただ年上というだけで、昨日集まってくださった方々の師匠でもなんでもないんですけど。

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2009/01/26

ある日の父と息子の会話

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●その1

我が家には一階と二階にトイレがあるのですけど、一階のほうのトイレの蛇口(左写真)というのが、水が出る真下の部分にコックがついていて、これがジャージャー水が流れる箇所をつまんで、力入れてキュッと回さないと水が止まらない変な作りになっているんですよ。

俺はこの蛇口が苦手で、いつも最後まで回しきらずにトイレを出てしまうんです。

「健太郎。またトイレの手洗いの水が出ていたぞ。もっと力を入れて最後まで締めんか」

「俺あの蛇口苦手なんだよ。水が出る真下の部分にツマミがついているなんてヘンだよ。回しにくいったらありゃしない」

「そんなことはない。お前が不注意なだけだ」

「今度水道工事の人に言って、蛇口取り替えてもらおうよ」

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2009/01/23

不正コピー問題の意外な解決策

昨日「オンライン出版本を買ってみて」というエントリをアップし、オンライン電子出版の問題点(不正コピー防止のプロテクトによって、かえって本としては不便になる問題)について書いたところ、編集者のMさんという方からメールを戴きました。Mさん、ありがとうございました。

メールには、アメリカのプラグマティック・ブックシェルフ(Pragmatic Bookshelf)社という技術系出版社の試みについて、たいへん興味深い事例が書かれてありました。

http://www.pragprog.com/
↑The Pragmatic Bookshelf

俺は英語が苦手なので、Mさんの解説をもとにざっと読んだだけなんですが、それでもこの会社がかなりユニークな試みをしていることはわかりました。

まず本の購買ページを見ると、プルダウン・メニューが「PDF+PaperBook」になっており、ほかにpdfファイルオンリーとPaperbookオンリーが選べるようになっています。つまり、電子ファイルと紙の本のどちらかひとつ、または両方を同時に購入できるようになっているのです。

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2009/01/22

オンライン出版本を買ってみて

おととい中野晴行氏の新刊『まんが王国の興亡』を書評(→★)しましたが、これはインターネット上のサイトからダウンロードのみで販売しているオンライン電子出版という形式でした。

http://www.ebookjapan.jp/shop/special/page.asp?special_id=itv003
↑E-BOOKJAPAN 「まんが王国の興亡」販売ページ(525円)

著者の中野晴行氏によれば、あくまで実験的なものだが、将来有望な書籍販売方式である電子書籍のオンライン販売という形式で、一度本を出してみたかったということだそうです。実際にそれで本を販売してみなければ、メリット・デメリットはわからないだろうということを俺宛のメールにも書かれていました。

なるほど、この「まんが王国の興亡」という本は、「なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか?」というサブタイトルからもわかるように、直接にはマンガ業界(マンガ出版)の売れ行き低迷という状況に対して警鐘を鳴らす本なのですが、同時にそれは、マンガに事実上依存している出版界全体にも警鐘を鳴らしているのです。

出版界の危機のうち最大のものは、版元・取次・書店という出版流通ルートが動脈硬化を起こしている問題だったりするので、そう考えると、このオンライン電子出版という形式は、出版流通の問題点を解消するための切り札的なものとして、かねてから期待されているのです。

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2009/01/20

中野晴行「まんが王国の興亡」を読む

マンガ評論家・中野晴行さんの新刊「まんが王国の興亡 なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか?」(イーブックジャパン)読了。著者後書きにもある通り、中野氏がwebマガジンをはじめいくつかの媒体で連載した文章をまとめて加筆したものです。全体の内容は、中野さんが以前出された『マンガ産業論』の続編となっております。

http://www.ebookjapan.jp/shop/special/page.asp?special_id=itv003
↑まんが王国の興亡・告知ページ

●目次

第1部 まんが史クロニクル

第1章  まんが王国日本はまんが誌から生まれた

『鋼の錬金術師』が繰り出すコンテンツビジネス錬金術
膨大な消費者に支えられるまんが産業

第2章  ジョー&飛雄馬とともに歩んだ高度熱血成長市場
雑誌がまんがの産業化をうながした
マガジン&サンデーが牽引したまんが雑誌のビジネスモデル
雑誌と貸本 まんがの多様性を育てた西の「トキワ荘」
『宇宙戦艦ヤマト』以降の進化
70年代オイルショックがまんが市場を変えた

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2009/01/18

「マヴォ」、タコシェの追加納入はしばらくお待ちください

1月7日に「マヴォ」を中野タコシェに80冊納品しましたが、おかげさまでほぼ1週間で完売し、15日に25冊入れたところ、これも完売したとの連絡が店からありました。(現在、予約を受付中。再入荷しだい、発送するそうです)(→★)

ひとえに、これも「たけくまメモ」読者のお陰であろうと感謝しています。

さて現在、俺の手元にも残部がほとんどなく、ゆえにタコシェの通販・店頭販売ともにストップしているんですが、増刷は次のコミティア87(2月15日 東1 ま-32b)に向けてを予定していましたので、すぐに対応ができません。タコシェでの取り扱いは、遅くとも2月10日までには再開可能になると思います。

はっきりしたことが分かりましたらまた告知します。もともと「マヴォ」は即売会オンリーでさばく予定でしたので、タコシェ等の書店での扱いは想定していなかったんですが、やはりブログ読者と即売会に足を運ぶ人はイコールではないということがよくわかりました。

しかし書店売りだと、手数料で3割とられてしまいますので、そこを想定すると販売価格を900円から1000円くらいにしないとこっちの利益が出なかったのですが、後の祭りです。創刊号に関しては800円のまま、今後も頑張ろうと思います。次号、夏コミで頒布予定の号は、増ページのうえ900円か1000円にするかもしれません。

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2009/01/16

【マヴォ】新宿模索舎でも販売開始

新宿御苑前・模索舎でも「コミック・マヴォ」の販売を開始しましたのでお知らせします。タコシェと同じく通販もやっています。

http://www.mosakusha.com/newitems/
↑模索舎・新入荷のページ

http://www.mosakusha.com/
↑模索舎TOP

この店はですねえ。もう40年くらい前から新宿・御苑前でやっているミニコミ・同人誌専門の店です。俺が高校時代から20歳にかけて作っていたミニコミ「摩天楼」も、この店に置かせてもらってました。

コミケのマンガ同人誌とはまったく無縁の、60~70年代からの「ミニコミ」や左翼・右翼を問わない思想政治市民運動系の機関・広報誌なんかを専門に扱ってます。革マル派や中核派の新聞など、いわゆる「過激派」系の機関誌なんかも普通に買えるお店ですので、初心者には一見入りづらい雰囲気の店ですが、一歩足を踏み入れると、コミケとは完全に異なる「あっちの世界」が広がっています。

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2009/01/12

【業務連絡】「ロボットマンガ」を提出した1年の女子学生へ

本年度の多摩美「漫画文化論」の課題で、フルカラーでメカメカしいロボットマンガを提出してきた油画科1年の女子学生の人、9日にお会いしたときに、うっかり名前と連絡先を聞き損ないました。よろしかったら竹熊までメールで教えてください。アドレスは以下の通りです。

takekuma@mbj.nifty.com

俺の感想は先日話した通りで、人間が一人も登場せず、破壊されたパトレイバーっぽいロボット同士が哲学的な会話をしているという内容自体はいいんですが、絵がかなりラフだったのでいささか読みにくく、またロボットでもいいですから「主役」を立ててそれ中心の展開にしたほうが、よりマンガとしてわかりやすい作品になると思いました。

ただ、9日にあなたが言った「ロボットしか描きたくない。ロボットにしか興味がない」という発言が気になっています。こういう言葉を女性の口から聞いたのは個人的に初めてですので、あなたの今後の創作活動には興味があります。

コメント欄にはレスしなくて結構です。大学から調べようにも、今年度の講義は終わってしまいましたので、春まで俺は行かれません。連絡お待ちしております。

◎このエントリにコメント→★
◎掲示板トップへ→★

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2009/01/10

『バクマン。』に関するコメント欄の流れ

1月8日にアップした「『バクマン。』のネーム原作について」のエントリのコメント欄では、活発な議論が続いています。すがやみつるさんや、俺自身も長文のコメントをアップしており、コメント欄では少しもったいない内容ですので、俺の判断で抜粋して、あらためてエントリ化してみました。

誤字脱字等、直したい箇所もあるんですが、あえて文章はそのままにしてあります。ちなみに抜粋ですので、オリジナルは割愛したレスも含めてコメント欄で読むことができます。

http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/takekumamemo/154/36-84

・・・・・・・・・・・・・・・【以下再録】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

36 : たけくま ★    2009/01/08(木) 13:17:10   ID:???
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-cd60.html

↑『バクマン。』のネーム原作について

45 : 774    2009/01/08(木) 22:35:22   ID:VnmDL1GQ

浮世絵も絵師、彫り師、摺り師と分業してましたしね。

53 : yuh-suke    2009/01/09(金) 00:46:18   ID:4JHp+uU+
(昔、先生にこういうような内容の質問とかしてみたりしたのだけれど…)
石森章太郎先生なんかは作品によってはネーム原作者と言っても過言では無いような
アシスタントの絵の味そのままで雑誌に掲載されていたし、ネームはネームでああいう感じだし

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2009/01/09

【告知】中野タコシェにて「マヴォ」販売&通販開始!

Mavohyousi2009winter_2 実はおとといから、中野タコシェにて「コミック・マヴォ」の店頭販売を開始しておりましたが、昨日、通信販売を開始したとの告知がタコシェのサイトにアップされましたので、謹んでお知らせします(→★)

「マヴォ・創刊号」の店頭での販売価格は800円ですが、通販の場合はプラス送料が350円かかります。タコシェのサイトでは、他にもマニアックな商品(→★)をたくさん扱っていますので、あわせてご購入されると送料がお得です。

「マヴォ」は2月15日のコミティアにも参加しますが、地方在住の人・忙しくて即売会会場まで足を運べないという人は、ぜひともタコシェのサイトからお買い求めになってください。

http://taco.shop-pro.jp/?pid=11462029
↑タコシェ「マヴォ」通販ページ

http://www.tacoche.com/
↑タコシェ公式TOP

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2009/01/08

『バクマン。』のネーム原作について

おとといの『バクマン。』の感想で、ひとつ書き忘れたことがあります。それは、主人公のサイコーが、相棒で原作志望のシュージンに向かって

「シュージンの書いたネームが面白いんだったら俺が絵にする」

と、マンガ家の立場から原作者に「ネーム」を求めるセリフが出てくることです。俺は、ここに時代の流れを強く実感しました。

今でこそ、「少年ジャンプ」を始め、多くのマンガ誌の新人賞に「ネーム原作部門」が設けられていて、ある意味では定着しつつある感もあるのですけれど、俺のようなロートルの業界人からすると、じつに隔世の感があります。

俺が「マンガ原作」を一番やっていた90年代中頃くらいまでは、「原作者がネームまでやる」例は滅多になく、仮にそういう志向を持った原作者がいたとしても、マンガ家や編集者に向かって「ネームをやらせてくれ」と言い出すのは、非常に気が引けるというか、一種のタブーというべきことでした。

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2009/01/06

『バクマン。』読みました

昨日『バクマン。』(大場つぐみ・小畑健)の1巻が出ていたので書店にて購入。実は俺、『バクマン。』読むのはこれが初めてです。

もちろん連載前から話題になっていたことは知っていましたし、コメント欄でも俺の感想を聞きたい旨の書き込みが多数寄せられていたので、当然気になってはいました。ただ俺、昔から気になる作品は単行本が出るのを待ってから読む習性がありましてね。『デスノート』も単行本で読んだ口ですし。俺は高校時代から単行本派なんですよ。中学の頃までは、『デビルマン』とか『漂流教室』とか、雑誌連載を熱中して読んでいましたけど。

俺が過去10年のマンガの最高傑作だと考える『デスノート』コンビの新作で、「マンガ家志望者二人組が主人公のマンガ」であり、加えてタイトルが『バクマン。』ですから、『サルまん』を想起する人が多いのは仕方がないことで、ここはひとつ俺の反応が知りたい、という人がいるのも当然でしょう。お待たせしました。これから感想を書かせてもらいます(第一巻だけですけど)。

で、読んで最初に思ったことが「女の子が可愛い」ということでした。『サルまん』には、逆立ちしても無かった部分です。

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2009/01/03

どうでもいい話

さっき『感染列島』って正月映画の宣伝をテレビで見ててふと思ったんですけど、「ウイルス」って、昔は「ビールス」って言ってましたよね? 俺の子供の頃はみんな「ビールス」って言ってたはずなんだけど、いつから「ウイルス」になったのかが判然としないんですよ。高校の頃かなあ? 

ハリウッド映画などでウイルスって発音が出ると、「バイラス」に近いですよね。ヴァイァラスとか、そんな感じ。英語で聞く限りは「ビールス」のほうがより近いと思うんだけど、なんでわざわざ「ウイルス」と表記されるようになったのか、どなたかご存じですか?

こう書くと「ググれカス」と言われそうなので、検索してみました。

Virus はラテン語で「毒」を意味する語であり、古代ギリシアのヒポクラテスは病気を引き起こす毒という意味でこの言葉を用いている。ウイルスは日本では最初、日本細菌学会によって「病毒」と呼ばれていた。1953年に日本ウイルス学会が設立され、本来のラテン語発音に近い「ウイルス」という表記が採用された。その後、日本医学会がドイツ語発音に由来する「ビールス」を用いたため混乱があったものの、現在は一般的に「ウイルス」と呼ばれている(「日本ウイルス学会が1965年に日本新聞協会に働きかけたことによって生物学や医学分野、新聞などで正式に用いる際は、ウイルスと表記するよう定められている。」という説もあるが定かではない)。
↑Wikipedia「ウイルス」より抜粋(→★)

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2009/01/01

謹賀新年2009&今年の抱負

明けましておめでとうございます。

年賀状を書く習慣がありませんので、友人知己の皆様にはブログの挨拶で横着させていただきます。でも、仲のいい友人でも、俺のブログ見ていない人もいるんですよね。……まあ、俺だって知り合いのブログを毎日チェックするわけではないから、お互い様ですが。

旧年中はお世話になりました。今年は俺にとって、本当の転機の年になりそうです。

転機といいますのは、この春から京都精華大学で通年の講義を持つことになりましたので、休み期間以外は毎週、東京と京都を往復することになるからです。もちろん多摩美の講義も引き続き行いますので、体力的にはエライことになりましたが頑張りたいと思います。このへんのことは、いろいろ確定しましたら改めて書きたいと思います。

「コミック・マヴォ」についても、以前「コミケとコミティアでしか買えません!」と書いてしまっていますが、体制を着々と整えておりますので、都内で開かれる大規模即売会にはできるだけ出品したいと考えております。

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