竹熊健太郎を囲む会・ご報告
昨日、1月26日夜、西新宿にて「竹熊健太郎を囲む会」なる奇妙な集い(俺を肴にして飲み食いする新年会)が開催されました。
主催はミュージシャンで作家の川上未映子さん、作家の海猫沢めろんさん、そしてそのご友人たちです。中には俺と旧知の仲もいましたが(ユリイカ編集部の山本充さん、腐女子評論家の金田淳子さん)、残りはほぼ初対面の人ばかりで、あまり知らない人たちから誕生日でもないのに闇雲に「囲まれる」というのは、俺の人生でもほぼ初めてと言ってよく、これでいつ成仏しても悔いはないと思いました。
黒澤明の遺作で『まあだだよ』という、巨匠の耄碌と自己満足が極まって成層圏を突破し、そのままシュールになってしまったような映画があります。主人公の内田百閒(松村達雄)が大勢の弟子に囲まれて「先生は素晴らしい人だ!」「先生、いつまでも長生きしてくださいよ!」とチヤホヤされながら「♪出~た出~た~月がァ~」とか、「♪オイチニの薬は日本一~」を歌うシーンがあるんですが、なんとなくそれを思い出してしまいました。
とはいえ、俺はただ年上というだけで、昨日集まってくださった方々の師匠でもなんでもないんですけど。
これはそもそも、昨年暮れに川上未映子さんからミクシィのメッセージが届きまして、「竹熊さんを囲む会を開きたいのですがいつがいいですか」とあったことに端を発します。おそれおおく、またもったいないので、「いつでもいいですが、冬コミ後がいいです」と返事を出しました。
未映子さんは新年早々旅館にカンヅメになって仕事をするなど、非常に忙しい時期であったにも関わらず、着々と準備されていたようで、なんとか1月中の開催にこぎつけてくださいました。
最初のメールでは「作家友達の海猫沢めろんさんと、滝本竜彦さんと、ほか数人」という話でしたが、結局滝本さんは来なくて(後で聞いたら、俺が終電で帰った後に現れたとか)、全部で12名ほどの集いになりました。
その中には作家で「ぷよぷよ」のゲームデザイナーである米光一成さんもおられて挨拶しましたが、彼の手には俺が23歳のときに初めて出した単行本『色単』(初版で、しかも美本)が握られていて、おもむろにサインを求められて面食らいました。これ初版で持っている人は珍しいですよ。
腐女子界の大御所・金田淳子さんとは、もう何度もお会いしているのですけれども、相変わらず「ガルマがシャアを掘ってる!」とか今にも口走りそうな危険な「気」を発しておられます。この人に関しては、東京大学大学院卒という高学歴も、何の意味があったのかわからない感じがします。
腐女子にも出世魚のような成長にともなった名称があるそうで、
腐女子→貴腐人→お蝶腐人→腐婆~婆(ふばーば)
と変化するものだそうですが、金田先生は確実に「お蝶腐人」段階には到達しているでしょう。
相変わらず色っぽい人です。並んで写真を撮ると、俺がただの好色変態オヤジにしか見えずに心苦しいものがあります。それにしましても、未映子さん、カンヅメ中のお忙しい中をありがとうございました。
会では、俺の「今年の抱負」を述べさせていただきましたが、今はまだ、ちょっと書けないことも含まれています。でもまあ、今から春くらいまで「たけくまメモ」を読んでいれば、たぶんわかるでしょうから、そういうことで。
二次会はカラオケのアニソン縛りでしたが、終電がなくなるので俺は11時に帰りました。そしたら入れ替わりで滝本竜彦さんが来られたそうで、残念なことでした。滝本さん、次の機会があればぜひお会いしましょう。
ちなみに掲載した写真は一番上だけライターの呉琢磨さんが撮影し、後は俺のアイフォーンでいろんな人に撮ってもらったものです。みなさんありがとうございました。
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