コミックマヴォVol.5

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2009/01/06

『バクマン。』読みました

昨日『バクマン。』(大場つぐみ・小畑健)の1巻が出ていたので書店にて購入。実は俺、『バクマン。』読むのはこれが初めてです。

もちろん連載前から話題になっていたことは知っていましたし、コメント欄でも俺の感想を聞きたい旨の書き込みが多数寄せられていたので、当然気になってはいました。ただ俺、昔から気になる作品は単行本が出るのを待ってから読む習性がありましてね。『デスノート』も単行本で読んだ口ですし。俺は高校時代から単行本派なんですよ。中学の頃までは、『デビルマン』とか『漂流教室』とか、雑誌連載を熱中して読んでいましたけど。

俺が過去10年のマンガの最高傑作だと考える『デスノート』コンビの新作で、「マンガ家志望者二人組が主人公のマンガ」であり、加えてタイトルが『バクマン。』ですから、『サルまん』を想起する人が多いのは仕方がないことで、ここはひとつ俺の反応が知りたい、という人がいるのも当然でしょう。お待たせしました。これから感想を書かせてもらいます(第一巻だけですけど)。

で、読んで最初に思ったことが「女の子が可愛い」ということでした。『サルまん』には、逆立ちしても無かった部分です。

これを含めて、事前に想像していた通り、『バクマン。』は『サルまん』とはまったく異なるマンガでした。あえて共通点を探すのなら、「大ヒットマンガを描く」という「野望」を男二人が抱いているということや、主人公のサイコーと、「原作者志望」のシュージンというややエキセントリックなキャラが、一種の漫才めいた関係になっていて、その限りではどことなく相原と竹熊を思わせないでもないところです。

しかし、そもそも野望の相原・竹熊は現実の相原・竹熊をモデルにして戯画化したものですし、『バクマン。』の主人公二人も原作の大場つぐみさんと小畑健さんの投影であることは明らかでしょう。主人公二人の関係性のみ「似てなくもない」というだけで、残りは全然似てはいません。

俺に『バクマン。』の感想を聞かせてくれた友人曰く「『バクマン。』は『サルまん』ではなく、強いて言えば『まんが道』に近い作品」だと言っていましたが、その通りでした。

もちろん『デスノート』コンビの作品ですから、随所に皮肉めいた仕掛けを施しているんですが、全体としては驚くくらい「少年マンガ」してます。『デスノート』はある意味、青年誌に載ったとしてもおかしくない作品でしたから、ここまでストレートな「熱血少年マンガ」ぶりは実は意外でした。俺は第一巻以降のストーリーを知らないので、もしかすると何か“ひねくれた”展開が待っているのかもしれないですが。

そもそも俺と相原くんの共通点はマンガ界や世の中に対する“ひねくれ加減”にあるわけでして、『サルまん』の連載を始めるに当たって相原くん本来の画風を劇画タッチのキャラクターにわざと変えた理由も、「小学館のマンガ誌には絶対載らないアナクロで小汚くて暑苦しい絵にしよう」ということからでした。

小畑健さんの絵は最高に綺麗で上手ですが、由起賢二や影丸穣也やビッグ錠のテイストを再現することにかけては、ご本人たちを除けば、今でも相原コージの右に出る者はないと俺は思います。

しかしその相原くんでも、萌えるような美少女を描くことには非常に苦労したことは皆様もご存じかと思います。一方、『バクマン。』の小畑さんは、いともやすやすと亜豆美保(あずき・みほ)のような美少女を描くのですから、グウの音も出ません。

ひたすらマンガを笑いものにする外道ギャグに走った『サルまん』とは違い、『バクマン。』は勝利(大ヒット)を目指して突き進む少年マンガの王道的展開に加えて、美少女とのラブロマンス、一時は売れっ子マンガ家だったが挫折して不遇のまま死去した主人公の叔父さんの存在など、陰影に富んだメジャー感ある展開で、先を期待してしまいます。

さて『バクマン。』連載開始に先立つ2ヶ月ほど前、ひっそりと『サルまん2.0』連載が中断したことを、当ブログの読者ならご存じであろうと思います。そして連載の中で、ライバルのマンガ家・鳳ヘボンというのが『デスパッチン』というマンガをウルトラメガヒットさせていて、野望の二人のライバルとして立ちはだかる、という設定がありました。

連載中断にともないこの設定も雲散霧消してしまったわけです。ところで、実は初めて告白しますが、この架空の連載内連載『デスパッチン』を、公式ブログで小説として俺が連載する計画がありました。そして、そのイラストを小畑健さんに是非ともお願いしたいと、編集部を通じてオファーしていたのです。

俺は、小畑さんにはあくまで「鳳ヘボン」として仕事をしていただこうと、そのように依頼していました。即座に断られても仕方がない厚かましい依頼だったにも関わらず、小畑さんからは、俺の小説を見てから判断したいという旨の回答までいただいていたのです。かなり好意的な対応をとっていただいた感触があるのですが、まごまごしているうちに、当方の都合で『サルまん2.0』の企画自体を中止にする事態に陥ってしまいました。万一、小畑さんのOKが出てから中止になっていたらと思うと、ゾッとします。

しかし考えてみるなら、小畑さんにしても、こちらからのオファーが届いた時期は、ちょうど『バクマン。』の連載準備をされていたはずです。向こうは向こうで、『サルまん』から「デスノートのパチモノを偽名で描いて欲しい」という依頼が舞い込んだことには、さぞかし仰天されたのではないでしょうか。

小畑さん、それから大場さん、その節はお騒がせしました。『バクマン。』の今後の展開、楽しみにしています。

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