コミックマヴォVol.5

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2009/10/14

吉祥寺アニメーション映画祭2009のご報告

ちょっと遅れましたが、今年の吉祥寺アニメーション映画祭の結果をご報告いたします。今年は過去最高の接戦で、審査員の間で票が割れて調整に苦労しました。また10分を超える長尺の作品が多く、ここまで長くなるとワンアイデアの思いつきやアニメーション技術だけで持たせるのは大変で、構成やストーリーがきちんと練り込まれたものでないとなかなかキツイものがあります。今回は時間的余裕がありませんので(今は京都のアパートでこれ書いています)、一般部門のグランプリとギャグ部門のグランプリのみをご紹介します。

●一般部門グランプリ『恋するネズミ』(ひだかしんさく)

20090831232924

http://www.youtube.com/watch?v=ZpLw45QjFD8
↑恋するネズミ予告編

ひだかさんの『恋するネズミ』は、ほろ苦いコメディ・テイストのキャラクターやアニメーションとしての完成度もさることながら、長尺をきちんと持たせる構成とシナリオのよさに軍配があがりました。全編英語で、日本語の字幕がつく構成がユニークですが、ちょっとカッコつけすぎではないかという声も審査員からはあがりました。しかし、英語圏の観客には最初から親切なつくりで、俺はいいと思いました。作者がどこまで意識していたかはわかりませんが、インターネット時代にあった作品作りといえるでしょう。youtubeに予告編がアップされていましたのでそのまま貼っておきます。この作品、すでにASIAGRAPH2009 in TOKYOのCGアニメ部門で最優秀賞に、またデジタルクリエイターズコンペティション2009で東映アニメーション賞を受賞しています。

●ギャグアニメ部門グランプリ『嘆きのアイスキャンデー』(岩井澤健治)

http://www.dcaj.org/followup2008/works1.html
↑リンク先動画参照

作者の岩井澤さんは昨年の吉祥寺でも『福来町、トンネル路地の男』でグランプリに輝きましたが、今年は前作とは打って変わったギャグ作品で応募してきました。しかも今回は大橋裕之のカルトマンガを原作にした『山』との二本立てで応募です。『山』は、個人的に大受けの傑作でしたが、惜しくもノミネートからは外れてしまいました。しかしこの作者、才能ありますね。マンガも描かれているようなので、いずれ『マヴォ』でも取り上げたい作家さんです。

それからそれから、京都の長尾武奈さんの『プッシーキャット』も審査員特別賞を受賞しましたよ。本来ならグランプリをあげてもおかしくない作品ですが、今回は本当にどれもレベルが高い大接戦だったんですよ。

今年の他の受賞作品については、吉祥寺アニメーション映画祭の公式ページを参照してください。最初から映画祭に関わってきた身としては、だんだん盛り上がってきてうれしいばかりです。来年も楽しみであります。

http://kichifes.jp/animation/news.html
↑吉祥寺アニメーション映画祭2009結果

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