WEBマガジンで「マンガ界崩壊」インタビューを受けました(後編)
先月の12月に、ミシマ社のWEBマガジン「ミシマガジン」で、俺が「たけくまメモ」等でかねてから書いている「マンガ界(出版界)崩壊」と、それでも出版人として生き残るための提案である「町のパン屋さんのような出版社」をめぐってのインタビューを受けましたが、本日その後編がアップされましたのでお知らせいたします。
http://www.mishimaga.com/interview/004.html
↑ミシマガジン「竹熊健太郎インタビュー・後編」
http://www.mishimaga.com/interview/003.html
↑ミシマガジン「竹熊健太郎インタビュー・前編」
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/web-74dd.html
↑たけくまメモ:WEBマガジンで「マンガ界崩壊」インタビューを受けました。
前編・後編あわせて、今の俺のマンガ界・出版界に対する認識が、一番まとまった形で出ているインタビューではないかと思います。ミシマ社の編集者である大越裕氏がインタビューしてくださったのですが、大越さんとは彼がまだ宣伝会議の社員だった頃に何度かお仕事をいただいた間柄でして、たけくまメモの「町のパン屋さんのような出版社」を読まれて、「ミシマ社の理念に似ている」とお感じになったらしく、インタビューを申し込まれたということです。
俺は俺で、書店への直販中心で出版の理想を追求しているミシマ社の経営方針に感激し、反対にミシマ社社長・三島邦弘氏のインタビューを行って産経新聞の連載コラムで二回にわたって掲載しました。
新聞コラムは短すぎたので、三島社長へのインタビューは再構成したうえで、近々たけくまメモにも掲載したいと考えています。少しお待ちください。
また、インタビューを受けた時点では未発表でしたが、昨年12月にタブレットPCによる電子雑誌のデモ映像がyoutubeにアップされました。この動画、一部の出版関係者の関心を強く惹いていて、タブレットPCによる電子雑誌販売に向けて密かに動いている日本の会社もあると聞きます。この年末年始、非常に慌ただしく情報が錯綜していましたが、絶望の中に一筋の光明も見えてきたように個人的には感じています。
今の動きに関しても、近くエントリを立ててみようかと考えています。
http://www.mishimasha.com/
↑ミシマ社公式サイト
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-523f.html
↑たけくまメモ:町のパン屋さんのような出版社
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コメント
サブカル文化人をかつぎあげて自分の社のやり方に箔をつける腹なのがみえみえ。前にも指摘したけどブロッコリが一時期某現代思想系サブカル論者をかつぎあげていたのと似ている。
投稿: Z | 2010/01/12 16:59
不勉強な質問で大変恐縮なのですが、竹熊さんはなぜマヴォをwebで展開せずに同人誌という紙媒体で流通させているのでしょうか?
新人発掘、育成という名目であれば、web展開した方がより多くの人の目に留まるし、竹熊さんのネームヴァリューで広告でペイすると思うのですけど。
1冊1,000円のコミックは多分に趣味的で、気楽に買えるような商品ではありません。
もっと言ってしまえば、買う人しか買わない本なので、当然の帰結として限られた少数の人にしか作品が開かれません。
出版というビジネスに思い入れがおありなのかもしれませんが、もうしわけないです、府に落ちません。
投稿: スロ | 2010/01/12 19:06
紙媒体で「マヴォ」を出す理由は、紙媒体で読ませるマンガ表現はすでに完成の域に達していること、マンガを満足のいく形でPCで読ませようとした場合、モノクロの解像度が現行の数倍はほしいこと、資金を回収しようと思えば、まだ紙媒体のほうが現実的に有利であること、などの理由からです。
おそらくあと数年もしないでマンガは電子メディアで読むことが当たり前になるでしょうから、紙媒体でメディアを作るのは自分としてはこれが最後になるだろうという予感もあります。
状況を見ながら、徐々に電子媒体に移行させると思いますが、あと2年は紙で出してみたい(電子版と紙版をしばらく共存させる)と個人的には希望しています。その後はおっしゃる通り電子版になるでしょう。それがWEBなのか、iPhoneなのか、キンドルかタブレットPCになるかはそのときの状況次第です。
投稿: たけくま | 2010/01/12 22:20
きょうのNHKクローズアップ現代で、窮地に立たされつつある日米の新聞業界を取り上げておりましたが、立花隆氏が最後に「世間が求める以上(既存メディアがビジネス的に崩壊したとしても)どんな形になってもジャーナリズムそのものは残るはず」という趣旨の発言をしておりました。
形態について立花氏は、紙なのかWebなのかそれともまだ現れぬ別の形になるのか、さまざまな試みの中で勝ち残ったものが新たな媒体となるだろうとの由。ジャンルは違えども認識は共通するものを感じました。
投稿: tokkari | 2010/01/12 23:03
竹熊様
御丁寧なお返事ありがとうございました。
たいへん感動いたしました。
なるほど、そのような理由があるのですね。
理解いたしました。
重ねて御礼申し上げます。
投稿: スロ | 2010/01/13 00:05
「町のパン屋さんのような出版社」って
結局、同人誌のこと?
投稿: hima | 2010/01/13 01:38
この話題は何回も上がってるけど
その度にコメ欄荒れてるんだよねー
毎回同じ事飽きずに書きこむ奴いるし
投稿: 木ホ木 | 2010/01/13 12:03
【ネット】 「ブラックジャックによろしく」の漫画家、某出版社の瀕死状態を暴露…
「今年は100億以上赤字との噂」★2
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1263437833/l50
そんなにヤバイのですかね?
投稿: 忍天丼 | 2010/01/14 17:21
まあ電子化にすると音楽業界で問題になっている
正規料金を支払う人よりタダで違法利用する人間のほうが多くなるという問題がでてくるので、
漫画の著作権に関する法整備が整ってから電子化に
移行したほうがいいかと思うけど
しかし、佐藤氏はほんとただの小汚い暴露タレントですね。
投稿: アフォ | 2010/01/15 10:53