コミックマヴォVol.5

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2010/03/27

うめ(小沢高広)さん、今度またお会いしましょう

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『大東京トイボックス』(幻冬舎)などで知られる、二人組マンガユニット「うめ」で原作と演出を担当されている小沢高広さんが、「誠Biz.ID」のインタビューを受けていますのでご紹介します。インタビュー中「たけくまメモ」の話題も出てきます。ありがとうございました。

http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1003/25/news029.html
↑誠 Biz.ID「僕から出版社にお金を分配する未来」

うめさんは、マンガ家の立場から電子出版に積極的に取り組んでいる作家として知られています。実際、アマゾンのKindleで、日本人マンガ家として最初に自作の販売を始めた人(たち)として注目を集めています。

http://www.amazon.com/dp/B0035LDN7I/itmedia-biz-22/ref=nosim/
↑Kindle Store「青空ファインダーロック」

うめさんが出版社を介さずにkindleで自作販売に踏み切った経緯については、うめさんご自身の公式サイトで詳しく語られています。

http://www.chabudai.com/
↑難民チャンプ(うめ公式)

電子出版を利用して自作を販売することについては、かねてから俺も「たけくまメモ」で考察してきました。今の出版不況はイコール、マンガ不況と言ってもいいくらいの事態なのですが、同時にkindleやiPadなど電子出版の勃興期でもあり、うめさんのように、出版社を介さずに自作販売に踏み切る作家が出てくるのは、時間の問題でした。現在も、自作の電子出版を模索している複数の作家を俺は知っています。今年から来年にかけて、そういう人が次々に現れるでしょう。

「誠 Biz.ID」のインタビューでも触れられていますが、現時点でkindleで出版したとしても、それだけで作家が生活することはまだ無理なようです。なにしろ日本語に対応していないのだから、今、日本で売れるはずがありません(うめさんの場合、画像取り込みの形で日本語を表示しています)。

うめさんは、当然そのことを承知の上で「実験として」販売を始めたようです。そうして、ご自分のサイトで惜しげもなく体験を公開しています。頭が下がります。

先日京都精華大学で、六田登先生とお会いした際も、うめさんのサイトを熱心に読んでいるというお話をされていました。六田登先生は、90年代の初めに数千万円かけて自宅PCでの作画彩色システムを構築した、すがやみつる・寺沢武一・叶精作氏と並ぶ「デジタルマンガのパイオニア」であります(六田先生の時代は、インターネットが普及していなかったので、電子配信までは無理でしたが)。

もはや出版社は、電子出版という黒船を無視して会社を経営していくのは困難でしょう。うめさんもおっしゃられているし、俺も折に触れて発言していますが、電子出版の時代になっても、出版社の機能は必要になるだろうと思います。

《 小沢氏 次の段階として「出版社を通して(Kindle版を)出しませんか」と僕の方から出版社に持ちかけてます。その場合の印税率などを含め「相談しながら、やりましょう」という形で法務の人を交えて話をすすめています。

誠 Biz.ID それは小沢さんから出すということでしょうか。それとも出版社さんの名前で出すということでしょうか。

小沢氏 それも含めて相談しています。もしうちでやるとしたら、前代未聞の話なんですが、僕にAmazonからお金が入って、僕の方から出版社にお金を払うという、もしかするとそれこそ世界初みたいな、ヘンなお金の動きが発生する可能性はあります。(→★)

上のような発言が、現役のマンガ家さんの口から、公式発言として出る時代になったのです。この発言を読んで、怒る出版関係者がいたとしたら、怒る方が間違っていると俺は思います。船が氷山にぶつかっているのに、それを認めないでじっとしていたら、死んでしまうわけですから。

俺が勤務している京都精華大学でも、「マンガの電子出版」の研究を進めてることが急務であろうと考えます。うめ(小沢高広)さんには、ぜひ今度、精華大の俺の講義にゲスト講師としてお呼びしたいのですが、ご都合いかがでしょうか。近くご連絡差し上げますので、どうかよろしくお願いします。タイミングが会えば、六田登先生をご紹介します。

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コメント

× kindole
○ kindle
竹熊先生の地の文の方で間違っています。

投稿: 幻灯機 | 2010/03/27 11:00

うわ。お恥ずかしい。直しておきました。

投稿: たけくま | 2010/03/27 11:41

なんか来航してるのは黒船だと思ったら氷山とか・・
いっそ大海獣とか原始さんとかのほうがいいや

投稿: NUL | 2010/03/27 14:56

日本版元記者会見32社のうち
マンガ主力の版元が
日本機器でのマンガ掲載条件を
どうするのか?

キンドルは「フリー」でしょ。
さあ、大手は困るな。
大手公認枠とかにマンガを
納めのかな?

投稿: 長谷邦夫 | 2010/03/27 16:14

さらに、叶精作先生の名前が間違っているような

投稿: つる | 2010/03/27 18:51

電子出版で一番困るのは印刷会社でしょう。次に困るのはリアル書店。出版社は物流関係をリストラすれば、逆に利益が増えるかもしれない。紙や物流にかかるコストが大幅削減で価格があまり下がらなければ。社屋が要らなくなるかも。著者は自分で売り出せば、利益はずっと増えると思う。出版社から出しても、出版社との交渉次第で利益は増える可能性は高い。可哀想なのは印刷会社だけど、技術革新だから仕方ない。書店だが、小さな書店は実際欲しい本が置いてないことが多い。そうなれば、アマゾンで買う。書店が完全に絶滅することはないけど、減少はするだろう。古書店はどうなるか?電子出版は古本としては売れないのではないか?まあ、古書店自体が著作権料を払ってないからなあ。漫画喫茶は?iPadで読むのかな?ともかく、出版社の数は一時的に増えるかもしれない。玉石混交状態。思わぬところからダイヤの原石が出たり、どうしようもないカスをつかんだり。信用はネットで評価するかも。あるいは、リアル書店でiPadで立ち読みできれば便利かも。立ち読み料ならぬ入店料がかかるかも。書店は漫喫化するかもしれない。出版社は著者と編集者の人と人との繋がりになるかも。NIKEの社員とスポーツ選手との繋がりみたいな感じになるかも。信頼関係が大事に。あるいは一緒にモノづくりする感じかも。いずれにしても、電子出版は出版人にとっては良いことが多いと思う。編集者としての実力は問われるが。出版社の管理職は要らないかも。

投稿: zin | 2010/03/27 23:56

叶精作さんの字を修正しました。申し訳ありませんでした。

投稿: たけくま | 2010/03/28 00:10

うをを激動!

http://twitpic.com/10k229

事態は風雲急を告げています

投稿: きんた | 2010/03/28 02:23

やしども
Kindleで画像表示させるのは難しいと思ってるだろ
だって おもてむきはこうだもんなあ
http://extensivereading.blog103.fc2.com/blog-entry-10.html

でも
裏機能(ということは保証無し)で
わりと簡単にjpg表示できるんだよなあ
http://www.mafut.com/blog/?e=430
それと
http://peer2.net/sjdojo/?p=5362

Q: JPEG、PNGファイルを表示したい。スキャンしたコミックJPEGとか見たい
の段

え?知ってるって?
こりゃまった失礼いたしやした

いずれにせよ、この裏機能Photo Viewer機能を
amazonにはもっとブラッシュアップしてもらいたい。
そうしないと・・・iPADに市場持っていかれる。

投稿: きんた | 2010/03/28 02:48

現状のキンドルはスルーっす
漫画読むにゃ色々我慢する面が多すぎっす

投稿: しろくろう | 2010/03/28 10:25

デジタルコミックのパイオニアには、高橋しん先生も入るんじゃないでしょうか。いまは亡き「日経クリック」というパソコン雑誌の仕事で仕事場にインタビューに伺い、Macを使って構築したマンガ作りのシステムに驚嘆した覚えがあります。

投稿: 深川岳志 | 2010/05/28 03:16

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