コミックマヴォVol.5

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2010/05/25

まどの一哉は紹介の難しいマンガ家だ

Madono01

まどの一哉さんのマンガ単行本「洞窟ゲーム」(青林工藝舎)が届きました。アックス編集長の手塚能理子さんから頼まれてオビ文を書いたからです。上の図版にあるのがそうですが、いいオビ文がなかなか書けず、冷や汗をかきながらなんとかデッチあげて送ったものです。まどのさん、手塚さん、どうもすみませんでした。

Madono03

↑「ひよこ銃を持つ男」

まどの一哉さんのことは、俺が高校生の頃(76~78年)の「ガロ」に入選作品が載ったのを見てから大ファンでしたが、俺の知る限り、単行本化は今回が初めてのはずです。

それにしても、俺のオビ文の隣に載っている北野勇作さんの解説タイトルが「本当にあった嘘」というのには驚きました。俺がまどの作品を評して「本物みたいな夢」としたのと、妙にカブるからです。ああ、北野さんもまどの作品を読んでそう感じたのか、あのマンガを言い表すとなると、やっぱりそうなるのだろうなあと思いました。

俺のオビにある「ヒヨコ電波」というのは、今回の作品集に収録されている『ひよこ銃を持つ男』からのイタダキです。上に作品の一部を引用しましたが、これだけ見ると、未読の人はこれをギャグマンガだと思われるかもしれません。

でも、ちょっと違うんです。部分的に取り上げると、まどの作品はまるでギャグなんですが、全体の印象は、笑ってすむ問題ではありません。もっと「重い何か」です。それがなんなのか、うまく表現する言葉が見つからないんですが、笑うそばから口の端が凍り付くような、洒落ているけど洒落にならない、もしかすると一生読まずにすませればそれに越したことはない、でも読んでしまったから後戻りもできない、のっぴきならない「何か」があります。

こう書いても、読者は俺が何を言いたいのかさっぱりわからないと思います。結局は「読んでみろ」と言うしかないところが、批評の敗北を宣言するようで癪なのでありますが、こればかりは仕方がありません。

あえていうならば、俺はまどの作品に触れて、初めて狂人の気持ちがリアルに分かったような気がしました。 「気が触れる」とはどういうことなのかを実感できました。そこにはとてつもなくシリアスで、馬鹿げた真実がある気がしました。

一言で言って、やばいマンガであります。しかもとてつもなく面白いのが困ったところです。まどの作品は他にも、かなりヤバイ作品がたくさんあります。なんとか売れて、続きを出していただきたいものであります。

Madono02

↑「プロペラ」

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アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

ここで初めて知りましたが、
後頭部をぶん殴られたような衝撃を受けました。

投稿: おじや | 2010/05/25 06:25

ああ!このプロペラ漫画は!友達の家のアックスで読みました!単行本出たんですか!
買おっかな

投稿: iwamoog | 2010/05/25 07:47

まどのさんのデビュー頃のガロで僕もファンになりました。
ガロ時代のぬいぐるみを着て走ってる女の子と鯖軍団のマンガなどが今の子に当たりそうなのですが。私は古そうな画風が好きです。

投稿: シャック | 2010/05/25 10:08

ちよちゃんはなんで飛ぶのん

投稿: だだ | 2010/05/25 17:41

マンガも自由に引用ができるような風潮になって、こういうレビューを読む楽しみが倍増しました。

投稿: lucia | 2010/05/26 00:05

二重反転ローターじゃないようだし
スピンしないのかなあ?気になるな・・

投稿: q | 2010/05/26 02:47

>二重反転ローターじゃないようだし

いやもう私も気になって、気になって。
目が回るじゃん、とか、
せめて両手にうちわを持って欲しい、とか。
でも~あの「本」の受け売りになっちゃいそうでね~。

しかし、きちんとローターを斜め前に傾けて
前方への推進力を得てるんですよね~。

ある意味、不思議な絵ですよ、これは。

投稿: トロ~ロ | 2010/05/26 10:12

しかし広角気味の背景にヒョイっと浮かんでる感じの
視点構成など情景描写が妙にリアルですなー
線描とかの一般的マンガの画力ではなく、
ビジョンの提示力というか。
ほんと夢に見てるような・・・

投稿: 漫バカ日誌 | 2010/05/26 16:18

いや~恥ずかしながら知りませんでしたこの人

えーと、夢や白日夢をそのまんま漫画(小説)にした、というジャンルじゃあないんですよね
夢ものはすごくヘタウマかすごく上手という人がやるという印象あるんですが、、、

80'年代から現れた不条理漫画とも違う
(不条理漫画というのは、吉田戦車さんにせよしりあがり寿さんにせよパロディという意識が非常に強いと思っています、この本作はそーいうのと違う感じですね)

何というか不思議なテイスト、世界観という感じを受けました

近所の本屋さんに注文しました

投稿: たにしんいち | 2010/05/27 00:11

わたしほど頭の優れた純文学者でも、
「こりゃなんだ???????????」と思うことが
年に一、二度はある。
だが、一冊の本の中に「コリャナンダ」と思うことが、
4回も五回も出てくるとは、一体、このマンガ家はどのような頭脳構造をしておるのか?
天才ランボーは十九歳で一切の詩作をやめた、バートルビー作家としてつとに知られておるが、先年、東北地方を取材旅行した折りに、ホテルの二階から、その老いた姿を目撃した。
彼は、「ナンダコリャ丸」という小舟に乗って思索しておった。(詩作ではないぞ!!)

「ナンダコリャ丸」は、マンガじゃない。実在するのだっ!これを目撃したあと、わしは朝食を摂り、再び観光バスに乗って『石ノ森・萬画館』へ行き、銅板に押した
長谷邦夫の手型を確認した。
 その長谷なるマンガ家は、まどの氏の竜巻マンガが非常に面白いと言っておった。ウソのような実話かも知れん。早くアマゾンに予約して購読してみたいが、あいにくキーボードが打てず、女中(差別語)に、これを打たせておる。アマゾンに打てと命じたところ「お断りします!」と言うではないか。
 で、これ以上は書くのを中止する。
  (広岡達三・いしいひさいちと友人の純文学作家)

投稿: 長谷邦夫 | 2010/05/27 10:09

長谷さん申し訳ありませんがさっぱり分りません
>アマゾンに打てと命じたところ「お断りします!」と言うではないか。
???えーと???
「あのアマゾンに撃て!」?
w?

投稿: 木ホ木 | 2010/05/28 08:30

>アマゾンに打て
あ~すいません!

まあ、…キーボードを打って
ネット注文せよ~ってコトでした。

広岡に今後気をつけるよう申し付けておきました。

投稿: 長谷邦夫 | 2010/05/28 16:46

あ、わかりました。
女中(差別語)がタイプミスしたんですねw

投稿: 木ホ木 | 2010/05/28 17:40

うん、面白かったですよ
ディティールが凝ってますね

投稿: たにしんいち | 2010/06/05 00:10

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