本日はコミPo!の発売日。唐沢なをき先生のコミPoマンガも有ります!
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現在、ニフティのデイリーポータルZでウェブテクノロジの「コミPo!」の先行体験版プレゼント&1こままんがコンテストが開催されております。今回の体験版プレゼントは2000名様だそうで、今応募すればまだ間に合うとか。といっても定員になったら締め切るそうで、希望者はお早めに!
http://portal.nifty.com/1koma/
↑ディリーポータルZ×コミPo! ひとこままんがコンテスト開催
詳しくは↑のサイトをご覧ください。
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うー。忙しさにかまけて更新が鈍っている「たけくまメモ」ですが、こういう作品を見てしまっては見過ごせません。
ニコニコ動画の常連投稿者であるコーチPさんが作成したものですが、コミPo!を動画作成ソフトに取り込んで、初音ミク(MMD)と共演させてます。BGMも、ミクを使ったオリジナル曲です。
※読者の空中Dさんからご指摘があり、コーチPさんが使用したソフトはDacne×MixerでMMDとは別物だそうです。よく分からずに書いて申し訳ありませんでした。
実は田中圭一さんから、コミPo!を使って動画サイトにも投稿できるように、アニメーション機能を付けることを検討していたと伺っていましたが、製品版では割愛されていました(将来のバージョンアップで復活するかもしれません)。
田中さんは当然、このような作品が現れることを想定していたのです。最初のバージョンでは時期尚早ということで見送ったようなんですが、ユーザーのほうが一歩上手だったということですね。
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と、タイトルの言葉とともに田中圭一さんがメールで「PCエンジェルNEO」編集部の公式ブログのエントリを教えていただきました。
http://moepickup.blog129.fc2.com/blog-entry-65.html
↑PCエンジェルNEO公式「最近話題のコミPoに触ってみた」
http://moepickup.blog129.fc2.com/blog-entry-66.html
↑最近話題のコミPOをさらに触りまくった。
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15日の金曜日にネットで話題騒然の「コミPo!」が正式発表されました。すでにASCII.jp×デジタルを始め、多くのネットニュースで取り上げられております。
http://ascii.jp/elem/000/000/561/561166/
↑ASCII.jp「絵心ゼロでもマンガはできる! 田中圭一、『コミPo!』を語る」
俺は当日多摩美の講義でしたので発表会には顔が出せませんでした。土曜日も多忙でブログが更新できなかったため、発表会の様子は各種報道に譲ります。またマスコットキャラクター「こみぽちゃん」の詳しいプロフィールについても公式サイトをご覧ください。 なお公式サイトには出ていませんが、田中さんから補足情報をいただいていますので、ご紹介します。
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先日の精華大学での講演で当日参加者のみに限定公開された田中圭一氏企画・制作総指揮によるマンガ作成ソフト「コミックシーケンサー コミPo!」ですが、正式なマスコミ公開は15日に予定されています。ところが昨日、関係者限定で公開されたコミPo!のデモサイトのURLが、伊藤ガビン氏によってツイッターに流出、これを村上隆氏がリツイートしたことから、あっという間にネットで話題になり、なんと田中氏が勤務するウェブテクノロジ社のサーバーが落ちる事態となりました。
田中氏とウェブテクノロジ社は、急遽情報を解禁することとし、公式サイトおよびデモムービーを載せたYOUTUBEのURLを公開することにしました。「たけくまメモ」でも公開してよろしい」との許可が出ましたので、予定より10日ほど早く公開することにします。百聞は一見にしかずで、下のデモ映像をご覧ください。
http://comipo.jp/
↑コミPo解説サイト
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本日8月21日、下北沢トリウッドにて『海からの使者』のロードショーが開始されます。それで夕方 6時より、俺と氷川竜介さん、ルンパロ・チータさんによるトークショーが開かれますのでよろしくお願いします。
詳しくは以下のサイトをお読みください。
http://umikara.jp/theater.html
8月21日 下北沢トリウッド 『海からの使者』公開+トークショー 氷川竜介・ルンパロ=チータ・竹熊健太郎(会場でマヴォとDVDも販売)。
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なお、「マヴォ5号」(頒価1000円)とDVD『海からの使者』(頒価1500円)をともにお求めの方には、あわせて2400円の割引価格で頒布いたします。
8月15日 コミケ 日曜日 西“ぬ”-01b
http://twitcomike.jp/?id=0078-3-NUh-01-b
http://umikara.jp/index.html
↑『海からの使者』公式サイト
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前回は、いきなり「よほどのことがない限り、電子出版は儲からない」と結論づけてしまいましたが、そこで話は終了しないで、こうして続きを書いております。前回俺が書いた「よほどのことがなければ儲からない」という言葉なんですが、裏を返せば「よほどのことがあれば、儲かる(かもしれない)」ということでもあります。もちろんそう簡単には起こらないから「よほど」なのですけれども、起きる時には起きると思うので、今回は「よほどのこと」とはどういうことか、起きるとしたらどういう場合かについて、俺なりの考えを書きたいと思います。
ところで、現在「電子出版ははたしてもうかるのか?」の続きなんですけど、現在夏休み前の多忙期で、執筆が滞っております。とりあえず以下、俺がこの2年間に「たけくまメモ」で書いた「マンガ不況」に関するエントリのurlを掲げますので、ざっとで結構ですから目を通しておいてください。これを読むだけでも結構な量があります。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_4da3.html
↑マンガ界崩壊を止めるためには(1)~(6)(補足)まであり
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-442f.html
↑マンガ雑誌に「元をとる」という発想はない
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-41f7.html
↑オンライン(無料)マンガ誌、花盛り
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-6650.html
↑中野晴行「マンガ王国の興亡」を読む
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結論から書けば、今後よほどのことがない限りは儲からないと思います。「トントンにする」だけなら、不可能ではないと考えますが、投下資金と回収のバランスを取るまでには、しばらく時間がかかるでしょう。しかしそれでも、出版界は、電子出版に活路を見いだすしかないというのが俺の考えです。
電子出版といえば、今、俺の周囲では多くの会社や個人作家が参入機会をうかがっていますが、そちらのほうが儲かるから、参入したがっているというわけでもないようです。「紙の本」はジリ貧の一途なので、このまま座して死を待つくらいなら、いっそ電子出版に進出して、儲かるかどうかは後で考えたい、というのが実情に近いのではないでしょうか。溺れる者藁をもつかむ、です。
「紙マンガ」の現状はいよいよすごいことになっております。多くのマンガ雑誌は、かりに単行本がそこそこ出ていても、雑誌の赤字が単行本の利益を大幅に上回っているという状態がもう数年は続いているわけです。雑誌を出さなければ単行本は出せないのだが、雑誌の赤が単行本の利益を食い尽くす現状が、これ以上続くはずはありません。
そこから、作家に原稿料を払ってでも、雑誌はコストのかからない電子媒体にして、とにかく原稿を溜めて紙の単行本を出そう、という流れになっているわけです。ここ3年ほど、いろいろな版元が無料のWEB雑誌を始めているのは、そういうことだと思います。今後の出版界は電子雑誌中心に移行して、制作コストを極限まで抑えたうえで、従来通り紙の単行本、広告収入、作品の権利ビジネスで利益を出す方向にシフトするのは必至の情勢になっていると思います。
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先日、たけくま書店がこの夏コミで頒布予定のアニメDVD『海からの使者』を巡って、アニメ評論家の氷川竜介さんと竹熊で対談したものを、『海からの使者公式サイト』とyoutube、ニコニコ動画にアップしましたのでお知らせします。
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竹熊です。実はこの夏、自主アニメ作家・のすふぇらとぅさんが本業の野菜を売りながら6年がかりで個人制作した超アニメーション『海からの使者』をたけくま書店から販売するのですが(夏コミでも頒布予定)、これのDVDプレスをどの業者に発注するかで迷っております。
というのは、「DVD プレス」で検索するといろんな業者が大量に引っかかるのですが、値段の差が極端にあって、たとえばある業者だと片面一層のトルーケースパッケージ込み、1000枚発注で10万円、しかし別の業者ですと同じ条件で28万円したりします。
この価格差は、おそらく海外プレスか国内プレスかによる違いだと思います。今回は思いがけず音楽音響をプロのスタッフにお願いすることになったので、全体のコストを考えると海外プレスにしたいんですが、焼きミスが出ないか大変不安です。
僕はDVDを業者に発注することは初めてでして、さっぱり見当がつかないんですが、海外業者に頼んでも問題ないものでしょうか。どのくらいの価格帯だと安心度が高いとか、経験者のアドバイスがいただけますと有り難いです。まあそりゃ、素直に国内業者に任せたほうが安心なのかもしれませんが。
http://umikara.jp/
↑「海からの使者」公式
●時間藝術研究所
8月15日 日曜日 西“ぬ”-01b
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2000年代初頭からWEBサイト「活動漫画館」で超絶技巧を駆使した趣味のGIFアニメーションをを発表していた淡路島の八百屋さん兼アニメ作家・のすふぇらとぅさんの6年がかりの新作『海からの使者』がついに完成、この夏コミで自主DVDをたけくま書店より頒布開始することになりました!
本日、DVD公式サイトも立ち上がりましたのでご報告します。
http://umikara.jp/
↑「海からの使者」公式
これから8月15日の夏コミに向けて一切のコストパフォーマンスを考慮せずにたった一人で作り込みまくった超ド級ハイパー・アニメーション映像を小出しにしていきますのでお楽しみに!ちなみに夏コミに参加する俺のサークルアドレスは以下の通りです。
●時間藝術研究所
8月15日 日曜日 西“ぬ”-01b
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●「エヴァ破」ブルーレイで鑑賞なう。 約11時間前 webから
●昨晩100インチのホームシアター(白壁に目一杯投影しただけ。スクリーンはないがたぶんこのくらい)で見た「ヱヴァ破」だが、クライマックスのリツコさんの説明セリフは何度見ても笑ってしまう。何か「すごいことが起きている」ことは伝わるのだが、実際どうスゴイのかがよくわからない。 12分前 webから
●「人の姿を保てなくなる」とリツコさんに言われても、ヱヴァを初めて見る観客には何の意味だかわからないだろう。しかしこの不親切さがヱヴァの魅力だったりするので、TVシリーズからしてそうだった。 9分前 webから
●劇場でも思ったが、「ヱヴァ破」は2Dアニメーションにおける3DCGの使い方の現時点での最高峰かもしれない。非常に実写特撮的な使い方をしている。実写特撮映画では、それが特撮であることを観客に気づかせないことが理想らしいが、ヱヴァのCGもまさにそういう感じ。ぱっと見CGとわからない。 5分前 webから
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もう昨日なんですけど、精華大での俺の講義「マンガプロデュース概論」に元小学館編集者の武藤伸之さんをゲストでお呼びしました。武藤さんと俺はかなり昔からの知り合いで、たぶん23年くらいになります。実は一緒に仕事をしたことはないんですが、スピリッツとかヤングサンデーとか、同じ雑誌で仕事をしていましたから、編集部ではしょっちゅう顔を合わせていてよく知っているんですけどね。
それで、授業では武藤さんが80年代はじめに小学館に入社してから、「殺し屋イチ』の山本英夫さんなどとの仕事の話をメインに「マンガ編集者の仕事」についていろいろ伺ったんですが、後半は例によって現在の「マンガ不況」の話になりまして、武藤さんがこの春小学館を辞めて別の会社で新マンガ雑誌を創刊することになったいきさつ(現在準備中)などを伺いました。学生にはちょっとディープな話になったかも。
http://www.shogakukan-cr.co.jp/news/n901.html
↑小学館クリエイティブとフィールズが出版事業で提携
武藤さんは小学館を辞めたとは言っても、小学館の子会社と別会社が共同で設立した新会社でマンガ誌の編集をされるわけです。今、この時期に紙の雑誌を出すというのは、普通に考えると無謀なんですけど、そこはそれなりのウラがありまして、このフィールズという会社は大手のパチンコ機器メーカーなんですね。
http://www.fields.biz/
↑株式会社フィールズ
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「マヴォVOL.3」に掲載した筑波大学の木野陽(きの・ひなた)さんのマンガ『0時2分のおくりもの』が、同じ作者の『動く街』とともに本日発売の「月刊アフタヌーン6月号」で四季賞準入選に輝きました。おめでとうございます。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post.html
↑【マヴォ】木野陽「0時2分のおくりもの」(図版あり)
木野さんは筑波大学のマン研「現視研(げんしけん)」出身で、すでにコミケ・コミティアでは多数の個人誌を出し、創作同人誌界では、実力派として知名度のある作家さんです。特にカラー原稿がうまい人で、「マヴォ3号」では木野さんのためにカラーページを用意してゲストにお迎えしました。上のリンク先で原稿の一部が読めます。
先日、木野さんと、木野さんの「マネージャー」である筑波大学院生のMくんから、「マヴォに載せた作品を講談社に持ち込みたいのだが、よろしいか」との連絡がありました。
もちろん俺としては、契約したわけでもないし原稿料も払えていませんので、拒む理由はなく、「どうぞどうぞ」と快諾したわけであります。ただし気がかりなことがふたつありました。ひとつはこの作品がカラー原稿であるということ。もうひとつは、新人賞の投稿規定にはたいてい「未発表作品に限る」という項目があるということです。
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東京都の青少年健全育成条例の改正は先送りになりましたが、似たような条例改正の動きは大阪や京都でもあるようです。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100319_355839.html
↑「非実在青少年」規制、橋下知事「大阪府も検討」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100319_355839.html
↑青少年を性的対象として扱う図書類の実態把握・分析を行います。(pdf)
http://www.yamadakeiji.com/pdf/manifesto_new.pdf
↑「日本で一番厳しい児童ポルノ規制条例」を制定します」京都府・山田啓二京都府知事の公約マニフェスト(25ページに記述あり pdf)
この問題、かなり長引きそうな雲行きで、しかも地方にも飛び火の様相を呈しております。まあ確かに、多くの人間が「ひどい」と感じる表現も存在するのかもしれませんが、こういった問題は「表現ひとつひとつ」に対して個別に検討を加えるべきもので、条例や法律で十把一絡げに規制するべき問題ではありません。
表現の何をもって「ひどい」と感じるかは、文化と時代性に応じて変化するものなので、法で規制しようとしても、個人個人で解釈の幅が異なり、結果として拡大解釈を招く恐れがあるからです。
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『大東京トイボックス』(幻冬舎)などで知られる、二人組マンガユニット「うめ」で原作と演出を担当されている小沢高広さんが、「誠Biz.ID」のインタビューを受けていますのでご紹介します。インタビュー中「たけくまメモ」の話題も出てきます。ありがとうございました。
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1003/25/news029.html
↑誠 Biz.ID「僕から出版社にお金を分配する未来」
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今回の都条例改正は、なにやら議決が先送りになるのではという観測が流れていますが、決議は明後日19日であり、また仮に19日に結論出なかったとしても、単に先送りになるというだけなので、予断を許さぬ状況が続いていることは間違いありません。
この種の表現規制を法的に行おうとする動きは大昔からありまして、だいたい15年から20年周期で繰り返される問題であります。90年代初頭にもいわゆる「有害コミック規制問題」が巻き起こったことは記憶に新しいところです。
このときは、1992年に大阪府の「青少年健全育成条例」が改正されました。これは「府知事が有害と認めたマンガを含む出版物やビデオ等を「有害図書」として指定することができるというもので、今回の東京都の条例改正と非常によく似ていました。このときも、マンガ家や有識者の間から「曖昧な基準で表現の自由を制限できる条例は、違憲の疑いがある」として、疑問や反対の声が多くあがりました。
今回の東京都の条例改正は、「非実在青少年」という、マンガ・アニメの表現規制に狙いを絞ったかのような極端なもので、出版やマスコミの多くが集中している東京でこれを制定することは、18年前の大阪府条例改正以上にマンガやアニメに対する影響が大きくなると危惧されております。
92年のときは、ちょうど俺と相原コージ君の『サルまん』第三巻の作業に取りかかっていた時期でしたので、さっそく「条例のできるまで」というマンガを、単行本のオマケとして描きおろしました。現在刊行中の『サルまん・下巻』に、モノクロ版として収録されております。
今回の都条例改正の動きを受けて、昔の『サルまん』で描いたあの作品の記憶がまざまざと蘇りました。読み返しても、今、描かれたとしてもおかしくない作品だと思いましたので、相原コージ君と相談して、「たけくまメモ」にノーカット・オールカラー完全版を再録することにしました。「続きを読む」をクリックしすれば読むことができます。どうかお楽しみください。
なお文字が細かいと思われる人は、画像をクリックするともっと大きく読むことができます。
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先に俺は「夏目ブログ『手塚先生、締め切り過ぎてます!』へのトラックバック」というエントリを書き、そこで夏目さんが疑問を呈されたことへの私見を述べました。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-df83.html
↑夏目ブログ「手塚先生、締め切り過ぎてます!」へのトラックバック
上のエントリ内で、俺がかつて司会をした座談会での手塚プロ元アシスタント・吉住純(現在の筆名)氏の発言を引用し、1984年に講談社全集版の『新宝島』を刊行する際、手塚の指示で吉住氏らアシスタントが旧版の『新寶島』を全ページトレースし、それに手塚がペンを入れて描き直した事実を紹介しました。
これに対して夏目さんから次のような返答がありました。
《 ※竹熊さんが「たけくまメモ」で、このエントリについて書かれています。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/
僕も、おそらくここで書かれた「単行本からのトレース」は事実あったろうと思います。
問題は、そのあとでいかにして現在の全集版に変化したかです。手塚本人が、アシスタントたちとは別に行った可能性もあるかな、と。だとしても、そのことははっきり知られたほうがいいでしょう。いまだに安易な報道やTVなどでは、初出の形であるかのようにして全集版の図版が流れ、海外の紹介などでも同様の間違いが起こるので。》
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2009/11/post-dc99.html
↑夏目房之介の『で?』
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ちょっと亀トラバですが、夏目房之介氏の11月20日のエントリ「福元一義『手塚先生、締め切り過ぎてます!』」へのトラックバックを書きます。
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2009/11/post-dc99.html
↑夏目房之介の「で?」
夏目さんのこのエントリは、福元一義氏の著書『手塚先生、締め切り過ぎてます!』(集英社新書)への感想を書かれたものです。福元一義氏は、昭和20年代にまず手塚治虫の担当編集者として仕事を始めました。ところが日大芸術学部出身だったこともあって「手塚アシスタント第一号」にもなり、のち自分もマンガ家になりましたが、70年代初頭に手塚のアシスタントに舞い戻り、それから手塚が亡くなるまでチーフアシスタントを続けた人物であります。
いわば担当編集者・同業者・チーフアシスタントとして手塚治虫が昭和20年代から晩年までの裏も表も知る人物であり、集英社新書のこの本は、手塚関係者のなかでも唯一無二の存在である人物が書いた唯一無二の本として、大変貴重な文献といえます。
さて、夏目さんは上のエントリの中で、
《ただ、ひとつ気になるのが『新宝島』の全集版についての記述です。
少し詳しい人間であれば、酒井七馬原案になるこの作品が、全集版では手塚によって全面的に描き改められ、コマ構成、描線、あらゆる点で初出単行本と異なることは知っているはずです。
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昨日、西島大介氏の「ひらめき☆マンガ学校公開講義~消えたマンガ原稿67ページ」にゲストとして参加して参りました。会場のTOKYO CULTURE CULTUREという店には、俺は初めて行ったんですけど、お台場にあるオシャレなロフトプラスワンといった感じ。実際、ロフトの元スタッフが独立して経営しているお店だそうです。
第一部は西島さんとさやわかさんが主催している「ひらめき☆マンガ学校」の公開講義で、プロジェクターで生徒の課題作品を見せながら西島さんたちがツッコム、いや、指導していくといった感じで進行。生徒に出した課題も、たとえば「ワンピース」や「NARUTO」のコマ割りを使って自分の絵でまったく違う作品にしてみるなど、生徒の作品が画面に映るたびに場内爆笑に包まれ、「ライブ版・サルまん」といった趣の楽しい授業でした。
俺や伊藤剛氏・泉信行氏は第二部の「消えたマンガ原稿をめぐるパネルディスカッション」に参加。既に俺は楽屋で予告していたのですが、西島氏と大谷氏の『魔法なんて信じない。でも君は信じる』には、個人的に疑問があり、西島さんにはぜひ直接伺いたいことがあると伝えていました。
西島氏の『魔法なんて信じない…』は、版元の不注意で生原稿を紛失され、補償を巡る顛末を西島氏自身がドキュメント・マンガにしたものです。大谷能生氏の解説と併せて、「マンガ表現にとっての生原稿の意味」を問いかける非常におもしろい本だと思います。ただこれは、どこまで行ってもビジネスの問題だろうと俺は思うので、生臭い話をうまく回避して「表現」の問題に持って行ってしまう著者二人の方針には、正直肩すかしを食わされた感がありました。
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すでに告知しましたが、この22日(日曜日)に、17時から東京・お台場にある東京カルチャーカルチャーというイベントスペースで、西島大介氏の「ひらめき☆マンガ学校公開講義~消えたマンガ原稿67ページ」が開催されます。
『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』刊行記念
ひらめき☆マンガ学校 公開講義 ~消えたマンガ原稿67ページ~
Open 17:30 Start 18:00 End 21:30 (予定)
前売り券2000円 当日券2500円(共に飲食代別途必要 ビール¥590など)※おサイフケータイ(R)前売券購入ならファーストドリンク無料!!
生中継あり!先着100名限定配信 \1,000 中継予約はコチラで受付中です。イベントに来られない方は是非ご利用下さい。
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_091027202650_1.htm
↑「消えたマンガ原稿67ページ・告知ページ」
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-abf4.html
↑たけくまメモ:マンガ原稿紛失とその賠償額について
予約チケットにまだ若干の余裕があるそうです。お忙しい方、地方在住の方のためになんとインターネットで生中継するという至れり尽くせり! 当日の出演は西島大介、大谷能生、さやわか、伊藤剛、泉信行、竹熊健太郎であります。よろしくお願いします。
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※今回は「ちくま」にリレー連載した「オタク文化の現在」の、竹熊が担当した最終回を掲載する。当初「マンガ工学部構想」を書く予定が、完全に違う内容の原稿になってしまった。本文中でもそのことに触れているが、執筆当時の私を取り巻く状況の変化が激しく、こうなってしまったところがある。このエントリの最後に、書き下ろしで現在の見解を書くつもりだが、そこで改めて連載時と現在の私を取り巻く状況を総括する予定である。「マンガと大学教育(4)については後日アップするつもりだ。
●「マンガ編集者」は育てうるか?
森川・伊藤・竹熊によるリレー連載も、今回が最終回となる。この連載は「オタク文化の現在」と題されているように、三人それぞれの立場からとらえた「オタク・カルチャー」の動きをレポートすることが開始時の意図であった。ところがテーマが「大学でのマンガ教育」に絞られた途端、連載は思わぬ展開となり、活気を帯びることとなった。
私について言えば、この1年というもの、自分を取り巻く環境が目まぐるしく変化している。「激動」といってもいい。そのため当初私が書こうとしていたテーマからは、かなりの軌道修正を余儀なくされている。
具体的には、私は当初、この連載で「マンガの実作教育」についてのプランを書くつもりであった。そこで私は、最初は当然のように「マンガ家としての実作教育」に焦点を当てていた。
書くつもりだったプランは、何度か予告した通り「マンガ工学部」の構想である。マンガ出版の現場で、商品性のあるマンガを「生産」するうえでのノウハウを集積し、メソッドとして理論化・体系化することがまずひとつ。そして、これからの時代に適応した新しいマンガ(たとえば電子デバイスで読むことを想定したデジタルマンガ)を模索し、その研究を行いつつ、開発したノウハウをマンガ制作の現場にフィードバックする。
その際私の脳裡にあったのは、1930年代のディズニー・プロダクションであった。ウォルト・ディズニーは、大作『白雪姫』(1937)を実現するにあたり、34年頃から社内にアニメーション研究のための「学校」を作った。ここでアニメーターを養成するとともに、マルチプレーン・カメラのような画期的な撮影装置まで開発した。
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※今回紹介する原稿は「ちくま」2009年1月号に掲載された「メディアという育成機関」である。前回の原稿では、次回マンガ工学部の実際について書くと予告してあったのだが、早くも話が横道に逸れてしまっている。これは3ヶ月に一回というリレー連載で、間が空いているうちに自分やマンガ界をとりまく状況が急激に変わっていることもある。まとまった論考としては失格かもしれないが、なぜこういう原稿になったのかの言い訳を、最後に書き下ろしで触れるつもりだ。
●メディアという育成機関
私は前回、「次回は“マンガ工学部”とはどういうものかについて書きたい」と予告してしまったが、その前に、大学でマンガを教えることについてもう少し書くべきことがあると気がついた。それは出版産業全体の中で、大学のマンガ教育はどう位置づけられるかについての議論である。
マンガ教育を「実作者養成」の見地からとらえたとき、学生が卒業後に身を置くことになる出版界の存在を前提にせざるをえない。ところが盤石だと思われていたマンガ出版の産業構造に、近年、大変動が起こっている。
一言で書くなら、マンガ(雑誌・単行本)が売れなくなってきたということである。いやブックオフに代表される新古書店や、マンガ喫茶は相変わらず隆盛であり、マンガ全体のニーズが落ちているとは私には思えない。おそらくマンガは以前と変わらずに読まれているのだが、「マンガを新刊で購入する」という消費者行動に、大きな変化が生まれているのである。
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※以下収録する原稿は、雑誌「ちくま」2008年7月号「オタク文化の現在(17)マンガ工学部の可能性 竹熊健太郎)より転載したものである。採録に当たって、一部表記を改めた。文中に森川嘉一郎氏や伊藤剛氏の名が出てくるが、これはこの三者による持ち回り形式の連載だったからである。
●マンガ工学部の可能性
このリレー連載も「大学教育とマンガ」という現在のテーマに入って、俄然佳境に入った感がある。森川嘉一郎氏はアカデミシャンであり、伊藤氏と私はそれぞれフリーのマンガ系言論人という立場から大学教育に関係することになった人間であるので、これはそれぞれの考察を深めるいい機会だと思う。
まず私と大学との関係をざっと書いておこう。81年にフリーの編集者兼ライターとなった私は、主としてマンガ誌関係の仕事を約21年続けた後、編集・ライター業と平行して2003年から多摩美術大学で「漫画文化論」非常勤講師となった。04年から桑沢デザイン研究所で非常勤でマンガ史を教え、06年と07年には桑沢で森川・伊藤両氏とともに「キャラクターメディア研究ゼミ」講師を務めた。ゼミはまだ存続しているが、私だけ今年は抜けさせていただき、代わりに京都精華大学マンガ学部の客員教授として教壇に立つことになった。(註:2009年からは教授)
多摩美の講義は今年で六年目になるが、漫画文化論と銘打っているものの、実際はマンガ史とアニメ史を教える内容である。両方をひとつの講義でやる理由は、特に日本においてはマンガとアニメーションが強い相互影響のもとで発展してきた事実があるからだ。
一方、昨年と一昨年に桑沢で行ったゼミは、森川・伊藤氏と私がいわば「編集者」の立場となって、ゼミ生にマンガやアニメ・ゲームを創ってもらってCD付き雑誌を作り、コミケで販売までやるというものだった。これは三人ともに理論だけではなく実作教育に踏み込みたいという願望があり、ゼミ形式でそれを実現したものである(森川・伊藤氏のもとで現在も継続中)。
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えー、これは珍しい本ですよ。どう珍しいかと言いますと、マンガ家が入稿前の生原稿を編集者に紛失され、その顛末をマンガにして出版したという、たぶんマンガ史上初めての本だからです。
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すでにマスコミで大々的に発表されましたので、ちと出遅れましたが、今年の3月にエントリをあげた「米沢嘉博記念図書館と明治大学の野望」の続編であります。くだんの米沢嘉博記念図書館は、当初の予定であった8月の終わりは無理でしたが、めでたく今月末に開館の運びになったようです。そして、それに合わせて明治大学が長年構想していた「東京国際マンガ図書館」の建設が正式に発表されました。
http://www.meiji.ac.jp/manga/
↑明治大学・東京国際マンガ図書館公式
http://
↑明大が漫画図書館を開設へ 2百万点、世界最大級 - 47NEWS
http://
↑世界最大級のマンガアーカイブ施設を設立へ
http://
↑明大が世界最大級マンガ図書館 200万点収蔵計画
http://
↑明大がマンガ図書館計画、資料200万点保存
http://
↑東京国際マンガ図書館:明治大学が新設へ アニメやマンガ200万点「こちらは中身が先」と
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かねてよりお知らせしていた、伊藤弘二監督・撮影・編集によるドキュメンタリー『グワシ!楳図かずおです』が完成、11月23日より下北沢トリウッドで公開の運びとなりました。映画には俺もちょこっと出演しております。詳しくは映画特設ページをご覧ください。
http://gwashi.com/
↑「グワシ!楳図かずおです」公式
それからたけくま書店にて特製ウメズタオルと金子デメリン著『ウメゾロジー』を扱っておりますのでこちらもよろしく!
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昨日のエントリの続きですが、実はコメント欄で俺が書きたかったことはほぼ書いてしまいました。以下に採録しますが、盛大にネタバレを含みますのでご注意ください。
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/takekumamemo/195/26-29
(以下採録。一部文章を訂正してあります)
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9月に入って東京も京都もすっかり秋めいてきました。俺は今週の月曜に京都入りして、早くも新学期に向けての準備を始めております。京都は夜になるとマジに寒くて、自宅から半袖の着替えしか持ってこなかったことを後悔しております。
今年は初めてやる講義が二つもあって、準備に追われてとてもじゃないが夏休みを楽しむ余裕なんてありませんでした。新学期は来週からですよ。
それで昨日、京都市内の映画館で細田守監督の『サマー・ウォーズ』を見てきました。前作が大傑作の『時かけ』ですし、同じスタッフで作ったこの映画も前評判がすごく高かったので、見よう見ようと思っていたのですけれども、あまりの忙しさに月日の経つのも夢のうちでした。気がついたら9月も10日。もしかして終わっているかも……と不安でしたが、ネットで調べたらやっていたので一安心。
それで、見たんですが、「ものすごくよく出来たアニメ映画だけど、この釈然としない感じは何だろう?」というのが感想でした。もう少し突っ込んだ感想を書きかけたんですが、長くなるうえに、ネタバレが避けられないのでアップするのは中止しました。
繰り返しますが、アニメとしてはすごくよく出来ているんですよ。貞本さんのキャラクターも、スタッフによる作画も、細田監督の演出も最高です。これを見るだけでも、入場料を払う価値があるといえます。
では、何が問題なのかといいますと、脚本とそれ以前のコンセプトの部分かなあ……と思うんですけど、すいません、今はうまくまとめられません。もう少し時間をいただいて、後日書きます。すいません。
それにしても涼しくなった。河原町のユニクロで長袖シャツ買おうかしら。
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これから紹介する話は、ごく最近、知人のA君と俺が交わした会話をまとめたものです。登場する人物名はすべてアルファベット表記(イニシャルとは限りません)ないしは記号表記にし、意図的にぼかしている記述がありますが、話の大意はこの通りで、特に金額の数字についてはA君の発言のままにしてあります。
A君は俺と同世代ですが、学生時代にライターデビューし、現在は小さい編集プロダクションの営業と経営に徹しています。社員は社長であるA君と、奥さんのみ。しかし、最近まで常時3~40人のライター・エディター・デザイナー(すべてフリー)を抱えていて、A君が営業をかけて出版社からもらってきたムックや単行本の仕事を、その都度自分の抱えるフリーから4~5人選んでチームを組んで、丸々一冊を1~3ヶ月かけて編集・制作していました。こうした請負仕事(その中にはA君の企画もあります)を彼の会社では常時、8~10冊は抱えていたのです。
ある日、俺の携帯にA君から電話がかかってきました。
A「もしもし。竹熊君さ、誰かマンガ家を紹介してくんない?」
俺「あれ、マンガ家方面だったら、A君もいろいろ知っているんじゃないの?」
俺がこう言ったのは、A君のプロダクションはマンガ専門でこそないものの、マンガ関連書籍を多く手がけているからです。マンガ界に彼は独自のコネがあるので、こういう相談を彼から持ちかけられるのは珍しいことでした。
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須賀原洋行氏との“論争”ですが、須賀原氏の最後のエントリでは、お互い言いたいことは言い尽くした感があるので、これでいったん打ち止めにしましょうとのご提案がなされました。自分も賛成です。
http://uaa-nikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-fd59.html
↑竹熊さんから反論をいただいた
派手なバトルを期待していた人がいるとすれば残念でしたが、自分ははじめから事を荒立てるつもりはなく、ただ自分の主張がどうもご理解いただけないので(そして、そういう方は他にも多いと思われるので)、須賀原氏に対する返答という形で、他の人も読むことを想定しながら、日頃の主張を再度説明したものです。
ただしこの問題、現時点ではいくつかの予兆的事実に基づく「未来予測」に類するものであることは確かです。同じ事実をもとにしても、解釈の幅が相当に広く存在するので、自分が「崩壊の予兆」と感じていることでも、そうは思わない人もいらっしゃるのでしょう。そういう人にとっては、竹熊の言説は「狼が来たぞ!」と叫ぶ嘘つき少年のように感じるのかもしれません。
もちろん自分は自分の感じていることを素直に書いているまでで、ウソをついているつもりも、人心を惑わしているつもりもありません。
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須賀原氏のもうひとつのエントリ「たけくまコメントへの反論」(→★)を読むと、須賀原氏と私の一致点および相違点が、よりはっきりしてくると思います。
《既存の出版社によるマンガ出版システムは限界にきているのだろうか。
私はそうは思わない。
地球規模でのエコの問題、そして、それに伴って地球規模で産業構造が転換期を迎えていて、さらには金融資本主義で無茶をやるもんだから経済不安が加速して世界的な不況になっており、それが日本のマンガ出版界にも大きな悪影響を与えているのは確かだ。
しかし、これは紙に代わるマンガ向きの簡易な電子メディア(媒体)が生まれれば、少なくともマンガ出版界の不安は一気に解決に向かうと思う。
ちょっと前にこのブログでも書いたような、有機ELなどを使った持ち運びが簡単な電子ペーパーなどである。
A5くらいの大きさで、ペラペラの紙のようなディスプレイ。
それとiPodのような小型軽量のマンガプレーヤーを組み合わせて何百作ものマンガ作品がどこででも読めるようにする。
そうなると、既存の出版流通システムは変わるかもしれない。
取り次ぎが不要になり、既存の書店もなくなるかもしれない》 (たけくまコメントへの反論)
この部分に異論はありません(エコうんぬんの話はともかくとして)。A5くらいの大きさで、ペラペラで紙のようなディスプレイの出現などは、久しく自分も夢想しているデバイスですし、アマゾンがアメリカで発売しているキンドルは、本に変わる電子ペーパーのデバイスとして現実に登場しています。「既存の出版流通システムは変わるかもしれない。取り次ぎが不要になり、既存の書店もなくなるのかもしれない。」というくだりも、たぶんその通りになる可能性があると思います。
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だいぶ時間が経ってしまいましたが、自分は7月末、“この8月26日に大阪難波のモンタージュでトークライブ「マンガの黙示録2」を開催する”旨のエントリを書きました。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-e2aa.html
↑たけくまメモ「告知・大阪難波でトークライブ」
これは4月末に同じ店で行ったトークの第二弾。前回に引き続き、「マンガ界=出版界の崩壊」が大テーマで、今回は「フリー出版人として生き残るにはどうすればいいか」をメインテーマにする予定です。じつはマンガ界ばかりではなく、「出版界」全体も含み込んだテーマなんですね。
ところが、このエントリをアップした二日後になって、須賀原洋行氏の「マンガ家Sのブログ」に「たけくまメモの欺瞞性」(8月2日) が掲載されました。
http://uaa-nikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-881e.html
↑マンガ家Sのブログ「たけくまメモの欺瞞性」
こちらのエントリは、たけくまメモのコメント掲示板で読者が知らせてくださいまして、初めて読んだものです。
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んー、来月の25日に新宿の朝日カルチャーセンターで東浩紀・伊藤剛・俺というある意味豪華なメンバーで「ヱヴァ・破」をめぐっての公開トークをやります(有料・申し込みは以下のサイトからお願いします)。
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=49647
この三人は、今から14年前の旧作公開時(TV版および劇場版)からの因縁の関係でして、そもそも「エヴァ」がなかったら出会わなかった三人だったとも言えます。たとえば、東浩紀氏は最初の劇場版『デス&リバース』(通称“春エヴァ”)の試写会を見て、量産型エヴァシリーズがネルフ上空を旋回して「これから」というところでエンディングテーマが流れた(映画が未完成で公開された)ことに絶望し、その晩俺にメールを寄越して吉祥寺のルノアールで会ったのが初対面でしたし、伊藤剛氏は、俺が庵野インタビューをおこなった「クイック・ジャパン」でやはりエヴァ関係の記事を執筆したことが、仲良くなったきっかけだったわけです(※)。
※追記:さらに付け加えれば、東氏と伊藤氏の初対面は、97年当時、吉祥寺にあった俺の家だった。
今やっている「新劇場版」については、最終的に完成しなければ、作品について断定的なことはまだ語れないのですが、過去14年間の「エヴァ」と俺たちの因縁についてであれば語ることができます。それを踏まえたうえで「新劇場版」について現段階ではどう考えるか、という感じの鼎談になるでしょう。
「ヱヴァンゲリヲン」は現在進行形の作品であり、総括的に語ることはできませんが、この14年間、「いろいろあった」というか「ありすぎた」というか、そういう意味では、興味を持たれる人もいるのではないかと思います。
ちなみに俺は脳梗塞後、初めての朝カル出演となります。
それで俺は翌日、大阪・難波でまたしても「マンガの黙示録」トークをやるので、結構ヘビーなことになるかもしれませんが、がんばりたいと思います。大阪のイベントについては明日改めて告知いたします。
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←レオナルド博士の等身大ぬいぐるみ
先週土曜日に横浜みなとみらい・ブリリアショートショートシアターで開催された、「ハマの蛙男祭り」にトークイベントのゲストとして出演しました。蛙男商会デビュー五周年記念イベントの一環でして、「ええ?もう五年経ったの?」と驚きました。俺はほぼデビュー時から蛙男さんとお付き合いさせていただいていましたので、本当にあっという間でした。この「たけくまメモ」もこの12月に五周年ですから、蛙男さんのキャリアと「たけくまメモ」は、半年くらい向こうがお兄さんですけど、同い年というわけです。
この五年の間、蛙男さんはネットからテレビに進出し、DVDを多数リリースし、劇場アニメを5本も公開させ、海外にも進出しているわけです。「たけくまメモ」は、相変わらず個人ブログのままですので、蛙男さんの活躍には目を見張るばかりです。会場は7割くらいが女性の印象で、蛙男作品がアニメファンにではなく、女性を中心にした「お笑いファン」に支持されていることがよくわかるイベントでした。
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昨日見てきましたよ「ヱヴァ」。最初は南町田にある109グランベリーモールで12時20分の回を見て、それから渋谷で用事を済ませて、帰りに歌舞伎町の新宿ミラノでもう一回見ました。グランベリーモールは八分程度の入りで少し心配しましたが、新宿ミラノは夜の回も超満員で、どちらの映画館でも終了時に拍手が出ました。グランベリーモールでは終わって駅に向かう途中で多摩美の教え子に出くわしたんですが、「先生、ヱヴァどうでしたか」と訊かれたものですから、
「旧作とは全然違う。確かに大筋は一緒だし『エヴァ』には違いないが、もう別作品と言っていい。前回の『序』であえてテレビ版の序盤そのままをなぞって見せたのは、これをやるための前振りだということがよくわかった。確かにこういう“リメイク”は見たことがない。テレビ版や旧劇場版も傑作だったけれども、今度の『ヱヴァ』がもしこのテンションのまま完結するようなら、おそらく50年後も語り継がれるような大傑作になると思う」
と答えました。こないだラジオで宮台真司さんや氷川竜介さんと共演したわけですけれども、氷川さんはともかく宮台さんや俺はまったく内容を知らなかったので非常に話しづらかったわけですが、事前に関係者以外には試写も見せないという徹底した報道管制を敷いた「真意」は、この初めて見る驚きを大事にしたゆえだろうと理解しました。
『ヱヴァ』はまだ初日を迎えたばかりで、これから見る人もたくさんいるでしょうから、今回はネタバレに触れずに書きたいと思います。
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先日、俺が毎週火曜日に精華大でやっている「マンガプロデュース概論」のゲストに元講談社編集者の丸山昭さんがこられましたが、30日は元小学館「少女コミック」の山本順也さんが俺とトークをします。
山本さんは、70年代に「少女コミック」編集者として、萩尾望都(『ポーの一族』)・竹宮惠子(『風と樹の詩』)・大島弓子(『ジョカへ…』)・吉田秋生(『カリフォルニア物語』)といった大物作家の代表作を手がけた名編集者。当日は竹宮惠子先生を始めとした「24年組」作家との仕事についてお話を伺います。
例によって、他学部・他学年の聴講を歓迎しますので、都合がつく人は3限(1:00~2:30)に本館302教室に来てください。
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※昨日の第9回日本マンガ学会における私の基調講演は、以下に掲げるレジュメをもとにおこなった。厳密にこの通りの内容を話したわけではないが、大意は伝わるのではないかと思う。
■マンガ学会レジュメ「研究と実作をつなぐ」
●学生作品に見る「絵のないマンガ」
現在、大学におけるマンガ教育は大きく「実作指導」と「理論研究」に分かれている。両者は今のところ目的がまったく異なるので、ふたつを融合させることは容易ではない。だが、たとえば以下のような作品が大学からは生まれつつある。
多摩美で私は6年前から漫画史を教えているが、毎年課題でマンガを描かせて提出させている。課題は「時間の流れを扱った視覚表現」というおおざっぱなもので、通常のマンガでもよいが、時間の流れさえ扱っていればアニメや油絵、彫刻でもよいという自由度の高い課題に設定している。
最初の講義の年(2003年度)に提出してきた学生作品が小沢郁恵の「♪」である(図版左)。これはコマと音符、そして男女の台詞のフキダシのみという実験的な作品だったが、「最低限コマと文字があるなら、絵のないマンガが成立しうる」という事実は個人的に衝撃であった。
※小沢郁恵「♪」は「マヴォ」第二号に掲載予定
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次の日曜(6月21日)に東京で日本マンガ学会が開かれます。実は俺、これまで学会に所属しておらず、会合には何度かお誘いを受けましたが、一度も行ったことがありませんでした。それが今年は京都精華大の教授になったということで、行くことになったばかりか壇上でしゃべることになり、慌てております。あと4日しかないではありませんか!
今年のマンガ学会のテーマは「大学教育とマンガ」とのことで、日頃考えていることを話そうと思います。俺の他に東京工芸大学の伊藤剛准教授、同じく東京工芸大学の秋田孝宏非常勤講師、司会を京都精華大学の吉村和真准教授が担当して基調講演とパネル・ディスカッションを行うのですが、たぶん俺の話だけ浮き上がりそうで、今から恐々としております。
それというのも、現在マンガ学科やマンガコース、アニメ学科を置いている大学は全部で40数校あるそうなんですけれども、「実作系」と「理論系」ではかなりの隔たりがあります。俺のいる精華大は実作系の牙城みたいになってますけれども、明治大学国際日本学部などは「日本文化」としてのマンガ・アニメの研究拠点を目指していて、「理論系」の牙城になる感じ。少なくとも、マンガ家やアニメーターを輩出する目的ではないでしょう。
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昨日、無事にTBSラジオ「ヱヴァンゲリヲン・破」深夜の緊急鼎談の収録を終えました。放送は今夜、日付変わって深夜1時半から4時まで放送されます。週明けに、ポッドキャストでもネット公開されますので、地方の方はそちらをお聞きください。
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/post_119.html
↑TBSラジオ公式ページ
氷川竜介・宮台真司・俺の三人が雁首揃えて正味2時間のトークをしましたが、映画の中身について具体的なことは何ひとつ触れていない(触れられない)という、異様な鼎談になりました。まあ僕と宮台さんに関しては、試写会すら見ていませんからもともと「知らない」わけなんですが、今回はインサイダー的位置にいる氷川さんの口からも、具体的な情報はまったく出ていません。プライベートでの会話においてもそれは同じでした。
普通、公開前の作品について関係者と話していると、うっかり口が滑って「あ、今のは公開までは伏せておいてください」ということがあるものですが、今回はそれは一切ありませんでした。ただ氷川さんの「察してくれ」と言わんばかりの表情から考えるに、どうやらかつてないレベルの箝口令が敷かれている模様です。ここまで関係者の口が堅いと、かえって胸騒ぎがしますね。
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多摩美や精華大で日々、マンガ家志望の学生と接していますと、中には新人賞に応募して、佳作や奨励賞に入賞した人がいるわけです。おめでとうございます。出版社主催の新人賞に入選すると、多くは担当編集者がつくわけですね。これは佳作や奨励賞のような次点の賞であっても、同様ではないかと思います。
それで、奨励賞を受賞して、俺に「先生、僕に○○社の担当がついたんですよ」と嬉しそうに報告してくる人もいます。その顔は、嬉しそうなだけでなく、誇らしげだったりもするんですが、そういう学生に会うたびに「ちょっと待て」と俺は思うわけです。
「ちょっと待って。その担当さんと、作品を掲載する話をしているの?」
と俺が尋ねると、
「いえ、ネームを持って行くと、見てくれます。雑誌に載る話は、まだありません」
と、だいたい同じ返事が返ってきます。
先日、精華大で学部長の竹宮惠子先生と話したときも、そういう学生の話題になりました。竹宮先生の教え子にも、担当がついた学生が何人もいるそうです。しかし先生は、ため息まじりにこう言いました。
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「Suzacu Late Show」という海外オタクの動向を紹介するサイトで、以下の記事が載りました。
http://suzacu.blog42.fc2.com/blog-entry-21.html
↑【海外オタクの反応】サルでもわかる竹熊教室
これは、「たけくまメモ」のエントリが海外サイトで紹介され、そこでの反応を翻訳して紹介してくださったものです。アメリカ人のkransomさんが拙文を翻訳してくれたもので、上のエントリで紹介された「第4回 マンガ版『ナウシカ』はなぜ読みづらいのか?」以外に、今では「第5回 反・物語作家としての大友克洋」も翻訳されています。
http://2chan.us/wordpress/2009/04/13/japanese-lectureblog-post-translation-the-space-between-anime-and-manga-4-why-is-the-manga-version-of-%E2%80%9Cnausicaa%E2%80%9D-so-hard-to-read-by-takekuma-kentaro/
↑welcome datacomp #4 Why is the Manga Version of Nausica So Hard to Read?
http://2chan.us/wordpress/2009/05/17/japanese-lectureblog-post-translation-the-space-between-anime-and-manga-5-katsuhiro-otomo-the-anti-story-author-by-kentaro-takekuma/
↑#5 Katsuhiro Otomo,the Anti-"Story"Author
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例によって詳細は6月末発売の「ユリイカ」に譲りますが、メビウスイベントのグランドフィナーレを飾る明治大学主催のシンポジウムに行ってきました。
この日の俺は一観客としての立場で客席からの聴講。この日は病院で定期検査の日でしたので、午前中に神奈川県綾瀬市の病院で検査を受けて、お茶の水に駆けつけた時にはシンポジウムは始まっていました。
それでも全体の三分の二くらいは見られたと思います。明大のホールがやけに立派で、これには負けたと思いました。俺が聞き始めたのは夏目房之介さんの話の途中からでしたが、さすがは夏目さんで、場慣れしております。得意の描線論でメビウスについて語っていて、論旨がまとまっており、お客さんにとっても「得した感」が高いでしょう。
6日の村田蓮爾さんの時もそうでしたが、参加者の手元にスケッチブックが用意されていました。メビウス、夏目さん、そして浦沢直樹さんもそれぞれ絵を描きながらトークを進めていて、マンガ家同士ならではの楽しいイベントになりました。
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ということで、メビウス氏の精華大学でのシンポジウムをレポートしようと思ったんですが、考えてみれば当日の内容はすべて6月末発売の「ユリイカ」に掲載される予定ですので、中身についてはそちらに譲ればよいと思いました。そこでここでは、当日のシンポの内容以外の「こぼれ話」を書くことにします。最初の写真は5月6日京都国際マンガミュージアムで行われたメビウス×村田蓮爾トークイベントの様子。中央の白髪の男性がメビウス氏、隣にいる帽子をかぶった男性が村田蓮爾氏。
←いきなり日本マンガ風美少女を描いたメビウスさん。出血大サービス。
二人でスケッチブックを手にめいめい絵を描きながらトークをするという、絵描き同士ならではの会となりましたが、途中いきなりメビウスさんが村田蓮爾風(?)美少女を即興で描き出すひとコマもありました。
←6日夜、京都国際マンガミュージアムでの打ち上げパーティにて。
打ち上げには京都市長も出席する豪華なパーティに。メビウス氏のお隣の女性は奥様のジェシカ イザベルさん(※)。一番左が通訳をしたフランスのマンガ出版社・トンカム社員の鵜野氏。メビウス氏によると、現在フランスは大変な日本マンガのブームで、出版されているマンガの4割が日本マンガだとか。
※奥様の名前はイザベルさんでした。ジェシカさんというのは通訳してくれた人の名前です。大変失礼しました。
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6日からずっとメビウス漬けでしたが、明日の明治大学までまだ続いてます。今は8日朝ですが、まだ京都にいます。午前中に新横浜まで移動し、それから多摩美で講義をやります。
それで詳しい報告は明日以降になると思いますが、とりあえず6日に京都国際マンガミュージアムで行われた歓迎パーティでのメビウスさんです。
このTシャツは、京都市内のTシャツ屋さんで、その場で文字を入れるサービスがあると知り、急遽作ったものだとか。これは別にオタク向けに狙ったわけではなく、フランス語の発音では「メビウス」ではなく「モエビウス」になるんだそうです。
娘さんに「ナウシカ」(フランス式発音では“ノジカ”)と名づけたり、さまざまな意味でポイントが高いですね。
昨日、俺も司会をした精華大学のイベントがありましたが、今は書く時間がありません。壇上でメビウスと大友克洋のツーショットが拝めるとは夢のような光景でした。
では、また明日。
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精華大学の公式サイトに「メビウス展」の告知がアップされましたのでお知らせします(これ書いている現在、京都国際マンガミュージアムのサイトでの告知はまだみたいです)。
http://www.kyoto-seika.ac.jp/index.php
↑京都精華大学top
http://info.kyoto-seika.ac.jp/event/2009/04/post-3.html
↑メビウス展告知ページ
精華大学の告知ページには、メビウス本人が描きおろしてくれた「メビウス展」の公式ポスターがアップされていますが、なんと! 京都国際マンガミュージアムの上空にメビウスのキャラクターの翼竜と鉄腕アトムが飛んでいます(ジェッターマルスではありません)。ちなみに地上に描かれている黄色いのはマンガミュージアムが誇る公式ゆるキャラクターの「マミュー」くんです。
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フランスの世界的マンガ家 ジャン・ジロー=メビウス氏といえば、大友克洋氏をはじめ日本のマンガ界にも多大な影響を与えたことで知られていますが、このたび京都精華大学の招きによって京都での展覧会のため来日することになりました。しかも5月7日と9日に京都と東京で当人および超豪華ゲストによる無料公開シンポジウムもあります(ただしマンガミュージアムには館内への入場料が別途かかります。一般500円)。以下は京都(精華大学主催)と東京(明治大学主催)でのシンポジウムの全容と案内であります。
※図版はすべて (C)Moebius Production
●5月6日(水祝) 於京都国際マンガミュージアム
トーク・パフォーマンス「メビウス×村田蓮爾 線が語る―イラストレーションからマンガへ」@京都国際マンガミュージアム メビウス氏と人気イラストレーター村田蓮爾氏との作品制作をめぐるトークイベント
出 演 者 メビウス氏(マンガ家)
村田蓮爾氏(イラストレーター)
司 会 原正人氏(BD[ベーデー]研究会主宰者)
会 場 京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
日 時 2009年5月6日(水・祝)14:00~16:00
聴 講 料 無 料 ※ただし、ミュージアム入場料(一般500円、中・高生300円、小学生100円)は別途必要
定 員 250名(申込不要、先着順) ※当日午前10時より会場前にて整理券を配布(お一人様1枚限り)
http://www.kyotomm.jp/
↑京都国際マンガミュージアム
http://www.kyoto-seika.ac.jp/index.php
↑京都精華大学
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うっかりしていましたが、本日朝9時半から11時までのワイドショー「サタデースクランブル」(テレビ朝日)で「まことちゃんハウス」が紹介されるようです。
それから3月23日の日本テレビ『NEWS リアルタイム』の芸能ニュースにて、やはりまことハウスが放映される模様。ぜひ皆さんで楳図先生自ら案内される新居をご堪能ください。(情報はウメズドットコム→★より。 )
ところで「たけくまメモ」では、この週末はまことちゃんハウスのおかげで、アクセスログがすっかり大変なことになっています。昨日(20日)はなんと、17時と18時のアクセスがそれぞれ1万を超え、アクセス画面のグラフレイアウトが崩れるという事態に陥りました。どうやらココログのグラフは、1時間あたり5桁に達するアクセスを想定していないようでして、23時台のグラフが別の表示に隠れてまったく見えません。
※17時台になっていきなり1万を超えたのは、どうやら2ちゃんねるのどこかにリンクが張られたからみたいです。
おととい昨日は、1日あたりの総アクセスも9万を超え、「たけくまメモ」の新記録を二日続けて更新。これはひとえに「まことちゃんハウス効果」だという他はありません。
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昨日「まことちゃんハウス内部写真・解禁」のエントリをアップしたんですが、その直後からアクセスがグイグイ伸びてすごいことになっています(左図)。
現在「たけくまメモ」の平均アクセス数は、だいたい1日あたり1万6千なんですけれども、今年に入ってからはやや落ち着いていまして、1万から1万2千といったところでしょうか。おとといは1万4千ちょいでした。
楳図邸ネタは、本来は2月1日の話なんですけれども、ブログ解禁になるまで寝かせておいたものです。「まことちゃんハウス」は昨年は裁判にもなって大変話題でしたから、これは久々に来るゾ、とは思っていましたが予想以上の伸びで、4万を超えました。
改めて、楳図先生の人気、および「まことちゃんハウス(楳図ハウス)」の注目度の高さを思い知りました。
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←楳図邸外観。 何人もの通行人が「わ!まことちゃんハウスだ!」とケータイで写真を撮っていた。すっかり吉祥寺の観光名所となっている。
おととい16日、フジテレビの『とくダネ!』にて、噂の楳図かずお先生の新居「まことちゃんハウス」の内部が初公開されましたが、ご覧になった方もいらっしゃると思います。
これを受けまして、俺が2月1日に参加した「楳図邸新居完成披露パーティ」の際に撮影した内部写真の公開が解禁されました。なので一挙掲載したいと思います。披露パーティを仕切っていたウメズドットコムの人から、「新居がマスコミで公開されるまでは、ブログ掲載は控えて欲しいと楳図先生は希望されている」とのことでした。
http://umezz.com/jp/
↑UMEZZ.COM
ここに掲載いたしましたのはすべて俺がデジカメで撮ったものですが、素人写真であることもそうですが、改めて確認しましたら「あ。あの大事な部分を撮ってない!」といちいち舌打ちしてしまいました。ほかの部分は、今後ウメズドットコム等にも載ると思いますのでご勘弁ください。
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かねてより噂されていました、明治大学が設立する「米沢嘉博記念図書館」の公式サイトがオープンしましたのでお知らせします。(今回はウェブサイトのオープンであって、図書館そのものは今年の夏に開館予定です)
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/index.html
↑米沢嘉博記念図書館TOP
2006年に惜しくも逝去された故・米沢嘉博氏の業績(マンガ評論・コミケット代表等)を記念し、明大OBでもある米沢氏が生前に蒐集した段ボール数千箱とも言われる膨大なマンガ・サブカルチャー書籍を中心に、現代マンガ図書館等の協力も仰いだ日本有数のマンガ図書館として明治大学が正式に設立するものです。
これに先駆けて2008年に明治大学は、マンガとサブカルチャー研究をその中心に据えた国際日本学部を開設し、マンガ評論家の藤本由香里氏・建築学者でオタク・秋葉原研究家の森川嘉一郎氏をそれぞれ准教授に迎えて、サブカル・オタク研究の陣容を着々と整えていました。
明治大学と遺族との間で、故・米沢嘉博氏の蔵書を引き取る話が進んでいると俺が聞いたのは昨年のことでしたが、ついにこの夏、オープンさせるメドがついたということです。
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三池崇史監督の実写版『ヤッターマン』を見てきました。見たら、感想を書こうと思っていたのですが、正直、困りました。
http://www.yatterman-movie.com/
↑実写版『ヤッターマン』公式サイト
三池崇史は好きな監督です。俺と同い歳ですが、年に5~6本は監督すると言われる通り、すでに膨大な作品があって、すべてを見たわけではありませんが『極道恐怖大劇場・牛頭』は映画史に残る傑作だと俺は思いました。
アウトローを主人公にしたハードボイルドな娯楽作品が多いですが、ノリが良すぎる演出で暴走することが持ち味で、ひとたび暴走するとあり得ない超現実的な領域にまで突っ走るので、カルトなファンも獲得している監督です。時に「やりすぎ」と思えるサービス過剰な演出が、マンガ的だったりアニメ的だったりするので、『ヤッターマン』のオファーも来たのでしょう。
三池監督はかつて『ゼブラーマン』という「ヒーロー物」を撮っています。俺も見ましたが、いつもはカッコイイやくざ役の哀川翔が、気が弱くさえない教師を演じて、これが正義のヒーローになってムリヤリ怪獣と戦うというヒーロー・パロディ。たいへん面白かった覚えがあります。
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この3月20日から5月24日まで、京都国際マンガミュージアム(京都市中京区烏丸通御池上ル)にて、杉浦茂生誕101年を記念した大回顧展が開催されます。
http://www.kyotomm.com/2008/12/sugiura101th.php
↑杉浦茂101年祭
http://www.kyotomm.com/
↑京都国際マンガミュージアムTOP
杉浦茂は1908年東京に生まれ、若くしてシュルレアリスムの洗礼を受け、画家を志しました。しかしファインアートでは食えず、昭和初期の流行マンガ家だった田河水泡に弟子入りしてマンガ家に(師匠の田河も前衛芸術からマンガに転身した人物)。兄弟弟子には『あんみつ姫』の倉金章介や、『サザエさん』の長谷川町子などがいます。
杉浦のデビューは戦前ですが、ブレイクしたのは戦後の50年代で、集英社の「幼年ブック」などで『猿飛佐助』や『コロッケ五えんのすけ』『ウドンこプップのすけ』などの児童向け娯楽マンガを大量に描いて人気を博しました。
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かねてから噂だった、手塚治虫の出世作『新寶島(新宝島)』の完全復刻豪華限定版が出ましたよ。復刻といえばもちろんこの会社、小学館クリエイティブです。マンガとしては戦後最初のベストセラーで、戦後マンガはこの作品から始まったとまで言われる本作ですが、刊行当時のままの状態で復刻されたのは今回が初めてです。
もちろん本書はその歴史的価値から、復刻の話は何度もあったのですが、ことごとく手塚は退けていました。理由は手塚自身いくつかあげているんですが、公式見解とは別に、実は「原作者」であるマンガ家・酒井七馬との確執が大きかったのではないか、と考えられております。
手塚は終戦直後に、関西マンガ界の大御所であった酒井七馬の主催する同人誌「まんがマン」に参加しました。戦時中、手塚は長編マンガ『オヤヂの宝島』(未完)を発表のあてもなく執筆しており、これを見た酒井が、出版社を紹介するから新たに酒井の原案で描き下ろしマンガを描かないかと持ちかけたのです。
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そういえば確定申告の受付ってもう始まっているんですよね。
しまった。何にもやってない。昔、一瞬青色申告やろうと思ったことがあったんですが、結局面倒くさいからずっと白色申告です。それも文筆家は5割までは必要経費が認められるってんで、アバウトに5割経費で。一応領収証も保存しているんですけどね。面倒臭いから整理もしないで段ボールにぶち込んでます。
それでも、今のところ税務署から何も言って来たことがないので、まあ、これでいいのかなあと。
今年は4月から大学の給料が入りますし、厚生年金とかにも入るので、この俺が生まれて初めてのサラリー生活ですよ。なんとまあ。しかしこの不景気ですから、将来どうなるかはわかりませんけどね。
精華大学では多摩美とは別の講義も持ちますんで、今、それのシラバスをヒーヒー言いながら作っております。通年の講義なので、なんとか30コマ分作らなければなりません。このあたりの話は、まだ詳しく書けませんが、4月になったらいろいろ書きたいと思っています。
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前のエントリのコメント欄で、何人かの人が最近のWEBマンガやデジタルマンガの例を教えてくださいました。コメント欄で埋没するには惜しい作品がありましたので、新たにエントリを立ててご紹介します。
●魔女っ娘つくねちゃん20話
http://www.sirius.kodansha.co.jp/webc2/tkn20.html
鶴見六百さんが教えてくださいました。講談社アッパーズや少年シリウスに連載されていたマンガのWEB版ですが、クリックするたびに次のコマが現れる構造が「これぞWEBマンガ」という感じで面白いです。展開も、ただコマが現れるばかりでなく、クリックにともなって前のコマ内が変化したりして、こういう作品は初めてみました。オチも決まっています。はっきり言って大爆笑です。
●ゲーム「Quartett!」
http://www.littlewitch.jp/home/special/quartett/
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萱島雄太さんから「WEBマンガを制作しました」とのメールが来ました。見たら、これが面白かったのでご紹介します。
http://hacktothebrain.jp/
↑HACK TO THE BRAIN
「HACK TO THE BRAIN」というタイトルで、FLASH制作によるデジタルWEBマンガです。WEBマンガに関しては、この「たけくまメモ」の初期エントリの頃から折に触れて紹介し、考察を加えていました。萱島さんは、そうしたエントリも読まれていて、完成した状態でこちらに連絡してくださったようです。
俺が興味を抱いたポイントは、俺がWEBマンガ(デジタルマンガ)の条件としてかねてから主張している「PC画面で読まれることを想定して作られたマンガ」の典型例だと思ったからです。あらかじめそれは「マンガとアニメーション、コンピュータ・ゲームの折衷表現」になることが予想され、ほぼそのままの要素が「HACK TO THE BRAIN」には見られ、「ついに出た」という感じであります。
具体的には、リンク先を見れば俺が何を言っているのか一発でわかると思いますので、ぜひ見てください。この作品は今年の第12回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品になっているようです。
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出ました。前の42巻が出たときは、ちょうど「たけくまメモ」を開始した直後だったんですよね。2004年の12月18日でした。ブログ開設が14日でしたから、本当に始まってホヤホヤの時期です。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2004/12/post_18.html
↑たけくまメモ「ガラスの仮面のアレ」
そのエントリで俺は「桜小路くんのケータイ問題」にさっそく突っ込んでおります。かいつまんで説明しますと、『ガラスの仮面』は1976年の連載開始以来、作品内時間が数年しか経ってないはずなんですよ。第一話で中学生だった主人公のマヤは、まだ20歳になるかならないかで、そこから考えても時代は1980年くらいのはずなんだけど、42巻で突然、ボーイフレンドの桜小路くんがなにげにケータイを使っているシーンが出てくるんですよ。それで、「ガラスの仮面世界の時間は、どういう流れ方をしているんだ?」というのが俺が提起した疑問だったわけなんです。
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マンガ評論家・中野晴行さんの新刊「まんが王国の興亡 なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか?」(イーブックジャパン)読了。著者後書きにもある通り、中野氏がwebマガジンをはじめいくつかの媒体で連載した文章をまとめて加筆したものです。全体の内容は、中野さんが以前出された『マンガ産業論』の続編となっております。
http://www.ebookjapan.jp/shop/special/page.asp?special_id=itv003
↑まんが王国の興亡・告知ページ
●目次
第1部 まんが史クロニクル
第1章 まんが王国日本はまんが誌から生まれた
『鋼の錬金術師』が繰り出すコンテンツビジネス錬金術
膨大な消費者に支えられるまんが産業
第2章 ジョー&飛雄馬とともに歩んだ高度熱血成長市場
雑誌がまんがの産業化をうながした
マガジン&サンデーが牽引したまんが雑誌のビジネスモデル
雑誌と貸本 まんがの多様性を育てた西の「トキワ荘」
『宇宙戦艦ヤマト』以降の進化
70年代オイルショックがまんが市場を変えた
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1月8日にアップした「『バクマン。』のネーム原作について」のエントリのコメント欄では、活発な議論が続いています。すがやみつるさんや、俺自身も長文のコメントをアップしており、コメント欄では少しもったいない内容ですので、俺の判断で抜粋して、あらためてエントリ化してみました。
誤字脱字等、直したい箇所もあるんですが、あえて文章はそのままにしてあります。ちなみに抜粋ですので、オリジナルは割愛したレスも含めてコメント欄で読むことができます。
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/takekumamemo/154/36-84
・・・・・・・・・・・・・・・【以下再録】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
45 : 774 2009/01/08(木) 22:35:22 ID:VnmDL1GQ
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おとといの『バクマン。』の感想で、ひとつ書き忘れたことがあります。それは、主人公のサイコーが、相棒で原作志望のシュージンに向かって
「シュージンの書いたネームが面白いんだったら俺が絵にする」
と、マンガ家の立場から原作者に「ネーム」を求めるセリフが出てくることです。俺は、ここに時代の流れを強く実感しました。
今でこそ、「少年ジャンプ」を始め、多くのマンガ誌の新人賞に「ネーム原作部門」が設けられていて、ある意味では定着しつつある感もあるのですけれど、俺のようなロートルの業界人からすると、じつに隔世の感があります。
俺が「マンガ原作」を一番やっていた90年代中頃くらいまでは、「原作者がネームまでやる」例は滅多になく、仮にそういう志向を持った原作者がいたとしても、マンガ家や編集者に向かって「ネームをやらせてくれ」と言い出すのは、非常に気が引けるというか、一種のタブーというべきことでした。
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昨日『バクマン。』(大場つぐみ・小畑健)の1巻が出ていたので書店にて購入。実は俺、『バクマン。』読むのはこれが初めてです。
もちろん連載前から話題になっていたことは知っていましたし、コメント欄でも俺の感想を聞きたい旨の書き込みが多数寄せられていたので、当然気になってはいました。ただ俺、昔から気になる作品は単行本が出るのを待ってから読む習性がありましてね。『デスノート』も単行本で読んだ口ですし。俺は高校時代から単行本派なんですよ。中学の頃までは、『デビルマン』とか『漂流教室』とか、雑誌連載を熱中して読んでいましたけど。
俺が過去10年のマンガの最高傑作だと考える『デスノート』コンビの新作で、「マンガ家志望者二人組が主人公のマンガ」であり、加えてタイトルが『バクマン。』ですから、『サルまん』を想起する人が多いのは仕方がないことで、ここはひとつ俺の反応が知りたい、という人がいるのも当然でしょう。お待たせしました。これから感想を書かせてもらいます(第一巻だけですけど)。
で、読んで最初に思ったことが「女の子が可愛い」ということでした。『サルまん』には、逆立ちしても無かった部分です。
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『マヴォ』の姉妹雑誌である、桑沢デザイン研究所キャラクターメディア研究ゼミ(キャラメ研)の同人誌『ICONOPOP(イコノポップ)』が完成したようです。こちらも、冬コミに参加します。154ページで頒価は500円だそうです。以下のサイトで、作品の一部を見ることができます。こちらも、なかなかレベルが高そうですよ。
▼「ICONOPOP vol.3」告知ページ
http://homepage2.nifty.com/akihabara/cmr/books.htm
↑2008年度告知ページ
http://www3.to/kuwasawa/
↑サイトTOP
●桑沢キャラクターメディア研究・冬コミ75 ブースアドレス
30日 西ホール と-14d
以前も書きましたが、俺も昨年度まではこのゼミに講師として参加していました。現在は、森川嘉一郎・伊藤剛の二頭体制で学生指導に当たっています。
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同人誌「マヴォ」の原稿なんですが、俺のコラム原稿を除いてすべて入りました。今の予定では表紙の入稿を6日、残りの原稿を13日に入れることになってます。13日に入れるというのは、ひとえに俺の問題でありまして、なにしろ今は本業の〆切りが過ぎとりますので、なんといいますかそのお、小●●●ク●●●●●ブさんごめんなさい。今全力でやっとります。
「マヴォ」創刊号には、プロのマンガ家さんが2名(俺を入れると3人)、プロのイラストレーター1名、多摩美のOBで現在社会人でグラフィックの仕事をしている人が2名、現役多摩美生が4人、武蔵美生が1人、参加してくださいました。
それで今、書いておきたいのは、アマアチュア作家がなかなか気がつかない、マンガ原稿を描く際のルールについてです。同人誌でもいいので編集したことがある人は、すでにおわかりだと思いますが。
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「マンガ雑誌に『元をとる』という発想はない」の続きであります。前回俺は、「マンガ誌単体では最初から大赤字で、版元も折り込み済み」であること、「雑誌は大赤字でも、単行本が売れるので、版元も作者も、そこではじめて利益になること」を書きました。ここから導き出される「マンガ雑誌の目的」とは、
(1)単行本を出すための、原稿プール機能
(2)単行本が出たときの、作品の宣伝機能
のふたつあることがわかります。これは版元・作者ともに共通のメリットでしょう。実はこれ以外の大きな目的として、
(3)新人の発掘と育成
があるのですが、これはとても大きなテーマですので、今回は項目を挙げておくにとどめます。今回俺が考えてみたいのは、これまで機能していた、こうした雑誌のあり方に亀裂が生じてきたこと(要するに雑誌ばかりでなく単行本も売れなくなった)で、今後のマンガ雑誌とマンガ界(出版界)はどうなっていくのかということです。
まあ話がでかくなるので、結論は出ないかもしれませんが、問題提起だけでもしておきたいと思います。
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現在コメント掲示板の「たけくま同人誌計画」のスレッドで、同人誌と商業誌の関係をめぐる議論が続いています。俺も参加しているのですが、ISBNコードを付けた本はコミケでは扱えない(商業誌と見なされるため)という話題から、商業雑誌が売れていない現状の話、雑誌の未来についての話題にシフトしてきています。
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/takekumamemo/136/122-134
↑たけくま同人誌計画・コメント掲示板での議論(抜粋)
これについては近いうちに自説を書きたいと思っていましたので、ちょうどいい機会です。これは同人誌ネタだけにとどまらない、マンガ雑誌全般の議論になる話題だと思いますので、スレッドを分ける意味でも新エントリを立てたいと思います。
俺がかねてから主張しているように、マンガ雑誌は売れていません(正確には、売れても儲からない価格設定になっている)。昔からマンガ界は、雑誌は赤字で維持しておいて、そこで連載した作品を単行本化して利益を出す、というビジネスモデルをとっています。一般雑誌の場合は単行本で利益を出すわけにはいかないので、代わりに広告を掲載して、雑誌の売り上げと併せて本体を維持するシステムになっています。マンガ誌、一般誌ともども、典型的な薄利商品であり、単体商品としての価格では利益を上げにくい構造であることにはかわりはないといえます。
それがここにきて、不景気によって広告出稿が落ち込み、マンガも単行本が売れなくなって、本格的にヤバイ感じになってきました。
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本日、いやもう昨日になりますが、有明ビッグサイトで開かれた「コミティア86」に行ってきました。来年2月に開かれる「コミティア87」にも「マヴォ」を出品する予定で、売り子要員である町田の凸凹コンビを従えて、視察を兼ねて行ったのです。
コミティアは創作中心の即売会ということもあり、俺が大昔に参加した80年代初頭のコミケくらいの規模で、懐かしい感じがします。とにかく4時間くらいあれば一通りのブースを回ることができるので、ふらふら歩きながら同人誌を吟味しつつ購入することができます。「コミケよりコミティアが好き」という人も多いと聞きますが、なんとなく頷けますね。コミケは、人が多すぎますもん。
会場では、丸山薫さんのブースと、創刊35年目という老舗同人誌「楽書館」のブースにいって主催の水野流転さんとお話したり、コミティア主催者の中村公彦さんとお話したりしました。
今年で同人誌歴35年という水野さんは、コミケが生まれる以前から同人誌を作っていることになります。70年代の「楽書館」にはアマチュア時代の高野文子さんや高橋葉介さんが寄稿していたなど、実はもの凄い歴史と実績がある本なのですが、温厚な水野さんは一貫してアマチュアの姿勢を崩さず、ニコニコと売っていらっしゃいます。頭が下がる思いがします。
http://rakugakikan.main.jp/
↑楽書館公式サイト
コミティア主催者の中村公彦さんとは、以前も書きましたが、81~2年頃の「ぱふ」の編集部でお会いしたのが最初なんですよね。その時から全然雰囲気の変わらない人です。
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昨日、映像温泉芸社のはなぴくさんからのメールで知ったのですが、この冬コミに自作DVDを出品する予定だった伊勢田勝行監督が落選していたそうです。
伊勢田監督は冬コミに会わせて上京する予定で、日頃から伊勢田監督の上映会を行うなどの支援をしている映像温泉芸社の皆さんが、その前日に新宿ロフトプラスワンで「大伊勢田博」を開催するつもりで日程(12月29日 夜の部)も組んでいました。今さら中止にもできないし、どうするのか? と思っていたら、伊勢田監督はロフトイベントだけのために神戸から上京してくるとのこと。
俺も12月29日のロフトにはゲスト参加するのですが、俺は翌日のコミケに出品するので、29日は早めに帰って30日早朝に自宅(神奈川県)を出る必要があり、慌ただしいことになりそうです。
もし、よろしければ伊勢田監督作品のDVDの委託販売を受けてもいいのですが、映像温泉芸社の皆さん、監督にご伝言願えないでしょうか。(※伊勢田監督はパソコンも携帯電話も所有されてないので、当然このブログを読めません)
30日のコミケには、売り子を手伝ってくれる町田の凸凹コンビの車で会場入りする予定です。そのため本日、コミケット準備会に駐車場料金2500円を郵便局から振り込んで来ました。「マヴォ」は、一応宅配便で搬入してもらおうと思っているんですが、売れ残りがたぶん出ると思うので、凸凹コンビの車でウチまで運ぼうと思っているのです。
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先日開催されました「第四回・吉祥寺アニメーション映画祭」ですが、俺は受賞作の発表の際、特別に「裏入選作」も発表するというようなことをチラリと書きました。それをこれから発表したいと思います。以下書く内容は、審査員の一人である竹熊の「独断」によって、あくまで「たけくまメモ」のみで発表するもので、吉祥寺アニメーション映画祭の事務局や他の審査員の意見とはまったく関係がないことを強くお断りしておきます。
●裏入選作『チェーンソー・メイド』(長尾武奈) ★グロ注意★
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昨日、第四回吉祥寺アニメーション映画祭が無事終了しました。公式サイトの方もついさっき更新されたようですが、ここではとりあえず上位受賞作品だけご報告いたします。
●グランプリ 『福来町、トンネル路地の男』(岩井澤健治)とある下町に取り残されたトンネルの様な路地裏に居着く男、そこで巻き起こる奇妙で滑稽で幸福な小話。
http://cliplife.jp/clip/?content_id=k2x86v31
クリックで動画が見られます。↑
すでに隣町の三鷹アニメ祭でグランプリを受賞している作品ですが、その圧倒的な作画クオリティで吉祥寺でも入選には文句がありませんでした。審査に加わったスタジオ4℃やジブリの森美術館の皆さんもプロの目から見て高い評価を下されていました。動きはライブアクションがベースになっていますが、すべて細密なペン画タッチで描かれていて、まるで大友克洋や松本大洋の作品が「原画のまま」動き出すような驚きがあります。
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ええと、今度の土曜日、10月11日は吉祥寺アニメーション映画祭2008が開催されます。
●日時:10月11日 17:00より
●場所:吉祥寺ゼロワンホール
→地図 http://www.musashino-cci.or.jp/images/map.gif
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-10-7 武蔵野市立武蔵野商工会館6階
交通: JR中央線吉祥寺駅下車 北口 徒歩5分
TEL: 0422-22-3631(代) FAX: 0422-22-3632
E-mail: webinfo@musashino-cci.or.jp URL: www.musashino-cci.or.jp
●審査委員(団体):竹熊健太郎・氷川竜介・津堅信之・コアミックス・スタジオ4℃・スタジオディーン・ぴえろ・スタジオジブリ
そして今年のノミネート作品が公表されました。
http://www.kichifes.jp/animation/news.html
↑ノミネート作品
http://www.kichifes.jp/animation/home.html
↑映画祭公式サイト
今年もかなりレベル高いっすよ~。ご都合付くかたは、ぜひ。この映画祭の翌日は、代官山で平田先生のサイン会ですし(この映画祭とは関係ありませんが)。映画祭が終わりましたら、このブログでも俺の個人的な総括をするつもりです。
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まあコミケに届けを出すときにはもう決めてたんですが。誌名は「コミック・マヴォ」といいます。「マヴォ」にするか「MAVO」にするかはまだ流動的です。
表紙はフラッシュアニメ『吉野の姫』の丸山薫さんに頼みました。丸山さんは去年、生まれて初めて自分の同人誌を出品したのだそうですが、最初に刷った500部がいきなり完売してしまい、あわてて増刷して次のコミティアとコミケで1000部売ったのだそうです。左が丸山さんが最初に出した『西域奇譚集』。それから『海防夜話』(右)という本も出てます。『西域奇譚集』は池袋ジュンク堂のコミティア委託同人誌コーナーでも購入できるそうです。詳しいことは丸山さんのサイトでどうぞ。
http://maruproduction.com/index.html
↑MARU PRODUCTION
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イエス小池さんの『劇画蟹工船・覇王の船』が送られてきました。実はこれ、たけくまメモでこの7月10日にイエスさんが安住紳一郎さんのラジオに出ることを告知したんですよね。その際、イエスさんには17年前、小林多喜二の『蟹工船』をマンガ化した作品があるんだけども、いくつか出版の話があったけど全部流れてしまっていて残念だ、ということを書いたんですよね。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_d661.html
↑イエス小池さんがラジオに。
そうしたら、直後に宝島社のSさんからメールが来て、『覇王の船』に大変興味があるので、イエス小池さんの連絡先を教えてくれとあったので、教えたんですよね。そしたらアレヨアレヨと出版が決まって、わずか2ヶ月ちょいで文庫になってしまいました。
それでイエスさんのマンガ版は100ページと単行本にするには短いので、最後に「付録」として多喜二の蟹工船も全文掲載されている豪華版です! これは多喜二の文庫を買うよりお得かもしれませんよ。
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浦沢直樹氏による俺の表紙が目印の『20世紀少年探偵団』(小学館)ですが、発売1週間目にして増刷が決まったとの連絡がさっき来ました。これもひとえに読者の皆様のご愛顧と、浦沢さんが表紙を描き下ろしてくださったお陰であります。読者の皆様、浦沢さん、ありがとうございました。
ちなみに言うと、表紙のデザインも『20世紀少年』と同じデザイン事務所(海野一雄さんのベイブリッジ・スタジオ)なんですよね。判型も同じくB6判。つまり、本屋さんで「20世紀少年」の隣に並んでいると、ほとんどシリーズの新刊にしか見えないという、反則としか言えない造りにしたのがよかったのでしょう。
しかし中身はほとんど俺の本になっているので、『20世紀少年』の新刊ではありませんので、購入される方はご注意ください。でも、巻頭には浦沢先生の描き下ろしカラーコミックが載っていますし、俺と浦沢先生のロング対談も載っていますので、浦沢ファンにはお得な内容になっていると思います。
装丁からするとパチ本みたいですが、同じ版元から出て、本物の作者と本物のデザイナーが表紙を担当したパチ本(いや、中身はエッセイ本なのでパチではありません)ということで、大変にレアな本だと思います。ご勘弁を。
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シリーズ物の娯楽映画の中にあって、「特別な作品」として突出してしまう一本がおうおうにしてあります。たとえば「007シリーズ」の『ロシアより愛を込めて』であるとか、「ルパン三世」における『カリオストロの城』のような作品です。シリーズというわけではありませんが、中川信夫監督の『東海道四谷怪談』も、芝居を含めて同じ原作が何百回もリメイクされている中での「特別な作品」だと言っていいでしょう。
いずれもシリーズ物に本来内包されている「設定とキャラクターの面白さ」に加えて、スタッフや役者の才能が絶妙のタイミングで絡み合って、シリーズでも二度と再現できないような、奇跡的傑作になってしまったものです。
現在公開中のクリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』もまた、「特別な作品」であります。『バットマン・ビギンズ』に続く、「新生バットマン」シリーズの最新作。これも60年代のTVシリーズや、ティム・バートン監督からの旧バットマン映画すべてをひっくるめた中にあって、たぶん誰もが認める「特別な作品」となりました。
特別な作品は、冒頭の5分くらいを見たらすぐにわかります。同じシリーズの他の作品と比べても、画面に流れる「空気感」が違うのです。今年の夏映画は『スピードレーサー』や『崖の上のポニョ』のような問題作が目白押しなのですが、どれも人にお勧めするには言い訳を用意しなければならない作品ばかりでした。
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本日(19日)、コミケの参加申し込み用紙を郵送しました。コミケはちょくちょく行っていたんですが、自分のサークルで参加を申し込むのは1981年以来ですから、恐ろしいことに27年ぶりということになります!
昨年・一昨年と桑沢ゼミで作った同人誌で参加していますが、桑沢は俺のサークルというわけでもないし、申し込みしたのは学生で、手続きのことは俺は何もやってませんでした。今年俺は桑沢のゼミを降ろさせてもらったので、今回の同人誌は単独でサークル作って参加ということになります。描いていただく人選も多摩美の女子大生を中心に一応決まっているんですが、もう少し内容が固まるまで内緒にしてください。
ひとつだけ書いておくと、以前「たけくまメモ」で紹介した文乃綺(ふみの・あや)さんの「城」も載ります。ただし彼女としてはいくつか描き直したい箇所があるそうなので、今度のは最新完全版になります。それからもちろん新作も描いてもらってます。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_b62c.html
↑【多摩美】文乃綺『城』完全版
文乃さんをはじめ、過去に俺の講座の受講生の中から個人的に引っかかった作者を選んだら、なぜか女性ばかりになってしまいました。純粋に作品本位で選んだらそうなってしまっただけなので、他意はありません。多摩美生ばかりでなく、武蔵美の女学生さんや、プロ・セミプロの女性作家さんも三人ほど参加します。詳しいことは後日、また。
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(※前回から続く)
ところで、以前のエントリ(→★)でも書きましたが、ポニョは「さかなの子」と主題歌で歌われているにも関わらず、とても魚には見えないという問題があります。どちらかといえばそれは、江戸時代の画にある妖怪の人魚にしか見えないわけです。(左図)
←人魚図 江戸時代の瓦版 笹間良彦『図説・日本未確認生物事典』より
しかし、主人公の宗介はポニョを見て開口一番「あ、金魚だ」と言いますし、お母さんのリサも、保育園の友達も「可愛い金魚」と言います。このことから、私たち観客は、これは人間のような目鼻がついており、髪まで生えていてどうも金魚には見えないけど、そこは「マンガのウソ」というやつで、こう見えても金魚なのだろう。金魚に違いない。と、うっかり考えてしまいます。
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(※前回からの続き)
なぜ宮崎駿に限って例外的な映画作り(極端な作家的独裁)が許されるのかといえば、もちろん大ヒットするからであって、それ以上でも以下でもありません。しかしなぜヒットするのか、その理由について、俺はこれまで納得のいく説明を読んだことがありません。絵が綺麗だとか、動きが素晴らしいとか、高いテーマ性があるからとか、音楽がいいとか、いくらでも説明はあるのだけれども、それだけが理由だとは、どうも思えないのです。
なぜなら宮崎アニメ以外にも、高いテーマ性をもっていたり、映像や音楽が素晴らしい作品はいくらでもあるからです。もちろん宮崎駿が天才であって、高い芸術性と娯楽性を併せ持った巨匠だということは分かっています。そんなこと、小学生でも知っている。しかし、具体的にどこがよくて、何がヒットの原因なのか説明しろと言われると、とたんによくわからなくなるのです。
宮崎アニメについては昔から言われていることがふたつあって、それは「プロット(物語の組み立て)が破綻している」ということと「プロットの破綻が気にならないほど映像が素晴らしい」ということです。ここでの「映像」には、キャラクターデザイン・背景美術・編集・そして「動き」が含まれます。
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本日はまず『カンフー・パンダ』について書きたいと思います。先日、俺はこの作品について「見る気が起きない」ということをうっかり書いてしまいましたが(→★)、その後いろいろな人から「結構面白いですよ」とのご指摘があり、思い切って見ることにしました。
結論から言えば、見てよかったです。映画として面白かったことはもちろんですけど、それ以上に、『ポニョ』という作品を考えるうえでも『カンフー・パンダ』は見ておいてよかったと思いました。どういうことかといいますと、あらゆる側面から考えて、『パンダ』と『ポニョ』は正反対の場所に位置する作品だと思うからであります。
かつてレオナルド・ディカプリオが記者会見の席上、自分が出演した映画の話そっちのけで『千と千尋の神隠し』を絶賛したことがあります(横にいたスピルバーグ監督まで『千尋』を絶賛)。このときのレオ様の言いぐさが
「まるで別の惑星で作られた映画を見ているかのようだ」
というものでした。(→★)。
レオ様は、ディズニーに象徴されるハリウッド製アニメーションと、宮崎アニメとでは、作り方も内容もまったく異なる方法論に基づいていることを賞賛しているのです。その「あまりにも独特な作風」が、他ならぬハリウッドの中心に位置する俳優や監督の心を動かしたのでしょう。向こうの人は、それが「オリジナルなものであるかどうか」が、なにかを評価するときの中心にありますからね。
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先日『スカイ・クロラ』見てきましたが、その前の日に会った人が、押井ファンを自認していたにも関わらず口を極めて「つまらない」と連呼していましたので、どれだけアレなのかガクブル気分で見てきましたが、事前に原作も読まず一切の情報を入れず、期待値を下げて行ったのが功を奏したのか、わりと面白く見られました。
つうか、画面もカラーなのにモノクロみたいにわざと彩度を落とした色遣いで、コントラストがハッキリしない薄ぼんやりと霞がかかったような映像が続きますので、前半は確かに退屈な感じがしました。戦闘シーンはさすがに迫力がありましたが、基本的には会話劇で、ところどころに地味ながらよくわからないセリフやシーンがある。こんな調子でこのまま終わるのかなあと思っていたら、後半になって、前半のわからない所が実は伏線だったりすることがわかってくる。それで最後にネタバレの長ゼリフがあって伏線が綺麗に回収されて終わるので、「あ。そういう話だったのか」と、久しぶりに話がパズルみたいに繋がる快感を覚えました。
でもまあ謎が解けたら解けたでいつもの押井映画であって、なんだかんだでやっぱこうなるのか、と思ったのは事実。人間はみんな「終わり無き日常」の迷路を彷徨っていて、迷路に気がついたところでそこから脱出するでもなく、何か事件があったように見えたとしても結局何も変わらない。
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つい今しがた、NHKのニュースで赤塚不二夫先生が亡くなられたことを知りました。数年前から、脳内出血で意識不明のまま入院されていたことは存じておりましたが、いざ訃報に接するとショックです。
自分の幼少期は「赤塚不二夫で始まった」と言って過言ではなく、特にギャグやお笑いに関しては、自分の感性の基盤となった人です。
実は近日河出書房新社から赤塚特集の「別冊文藝」が出版される予定になっており、私もコメントを寄せたばかりです。そこでは「回復をお祈りする」としていたわけですが、まさかその本が出る前に亡くなられるとは思っていませんでした。まだ校了したとは聞いてないので、もし今からでもコメントを修正できるものなら直したいところですが、それは可能でしょうか>河出の担当者さん。
ここ最近になって赤塚マンガを特集する番組が作られたり、特集雑誌が出るなど、赤塚マンガ再評価の機運が高まってきた中での訃報でした。謹んでご冥福をお祈りします。
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ポニョの2回目を見てきました。感想を書こうとおもうんですが、その前に全然関係ないんですけど、今やっている『カンフー・パンダ』をどうにも見る気がしません。ポニョ見に行ったらイヤでもポスターが目に付くじゃないですか。たぶん、見たら面白いだろうとは思うんですよ。制作もドリームワークスだし、少なくとも退屈しないだろうと思うんです。
でも俺としてはどうも、パンダがカンフーしているだけで『らんま1/2』を思い出してしまって。内容が違うのはわかってるんですけどね。パンダがカンフーして何も悪いことはないんですよ。コロコロと太ったパンダがアチョーとか飛んだり跳ねたりしたらお子様は大喜びでしょう。しかしそろそろ48歳にもなる中年男が、一人で映画館行って「パンダ一枚」と1800円出す姿が、どうしても思い浮かばないんです。
そんなこと言って、おとといもチケット売り場で「ポニョ。大人一枚」って買って中に入りました。「五歳児のために作った」と言っている宮崎監督が見たら嘆くかもしれません。「俺は一人で何回もアニメ見にくる中年男のために作品作ってるんじゃないんだよ!」と怒られそうです。俺まだ47歳ですが、8月29日に48歳になるんですよ。どうでもいいことですが。
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昨日の土曜日、宮崎アニメの新作『崖の上のポニョ』を見てきました。一応、ネタバレにならない範囲で感想を書きますと、見たことがない種類のアニメーション映画でした。アニメーションとしても映画としても、似た作品を俺は思い当たらないし、過去のどの宮崎アニメとも似ていません。
もちろんキャラクターとか、ディティールの演出やセリフはいかにも「宮崎駿」なんですよ。確かに宮崎アニメに違いないが、見ている最中の「違和感」は、これまで感じたことがないほどのものです。まるで、はっと気がついたら父親が人間モドキに変わっていたような感じ。
『魔女の宅急便』を試写で見たときに、それまでの宮崎アニメと雰囲気が違うので少しとまどったことがありますが、二度目に見たときには大好きになりました。『ポニョ』も複数回見れば、印象が変わるのでしょうか。たぶん、そうなのでしょうが、今度ばかりは「理解した」と思えるまでに時間がかかるかもしれません。
これが芸術アニメであれば、技術や世界観的にもしかして似たような作品があるかもしれませんが、まがりなりにも老若男女対象の、全国でロードショウ公開されるアニメ映画で、ここまでアヴァンギャルドな作品を俺は見たことがないです。
プロデューサーの鈴木敏夫さんは、試写を見た直後、宮崎監督に向かって「これは傑作だと思う」と語りかけたとテレビで言っていました。俺も、『ポニョ』は宮崎駿以外には作れない作品だと思いますし、傑作と言われても否定はしません。とにかく見たことがない種類の映画だし、技術的にも世界観的にも完成度が高いことに疑いはない。息子の『ゲド戦記』とは違い、非凡であることだけは間違いありません。
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また紹介するのが遅れてしまってすいません。関西個人アニメーション界の重鎮・ルンパロ・チータさんが「絵本」を出されています。
『ズモモとヌペペ ふしぎなまきもの』(講談社)というのがそれです。ルンパロさんの本業はイラストレーターなのですが、実はフラッシュ・アニメーションの世界では知る人ぞ知るというか、知らない人がいたらモグリというくらいの有名人なのです。
2005年の8月に大阪で「JAWACON」というフラッシュアニメーション作家の「見本市」があったのですけれども、これを主催したのがルンパロさんでした。彼に呼ばれて俺も見に行ったのですが、そこで初めて『秘密結社鷹の爪』の蛙男商会さんや『やわらか戦車』のラレコさん、丸山薫さんの作品を知りました。そればかりか、ここに来たDLEやファンワークスといったエージェント会社の人たちの目にとまり、彼らがビジネス的にブレイクするきっかけとなったのです。
というわけでルンパロさんには、イラストレーター・アニメーション作家・フラッシュアニメ界の「仕掛け人」の顔があるのですが、とても腰が低いナイス・ガイであり、顔がなんとなく故・青島幸男に似ています。
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先々週の土曜日に、新宿ロフトプラスワンでふくしま政美先生『女犯坊』の新刊発売記念イベントがありました。
このブログではちょうど「マンガ界崩壊を止めるには」のエントリ連載の最中で、それの執筆で手一杯だったため、報告するのが遅れてしまいました。ふくしま先生にお詫び申し上げるとともに、ようやく本の紹介ができてほっとしています。
ちょうど10年前に太田出版から『女犯坊』(滝沢解原作オリジナル版)が復刻され、やはりこのロフトで「ふくしま政美復活祭」が開かれたのでしたが、そこから先生も山あり谷ありの幾星霜、ついに「漫画サンデー」で新原作者(坂本六有)とともに、あの劇画史上最悪最強と呼ばれた竜水和尚が復活したのであります。なんでもこの作品が載ったことで、漫サンの売り上げが3パーセント伸びたという噂まであります。
実は前の復活祭の時には、俺が調子に乗って「先生の原作書きますよ!」と口走ってしまい、そのまま原作をやることになって大変な経験をさせていただきました。
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「マンガ界崩壊を止めるためには」の続きを今書いています。「ずいぶん、大きく出たタイトルだな」と知人には言われましたが、俺としては、現役のマンガ家が大手出版社を訴えるということは、もちろん前例がないことだし衝撃的ではあるのですが、雷句誠氏を擁護する形で書かれた新條まゆさんのブログエントリや松永豊和氏の内幕暴露小説など、「業界内部」からこうした声が「今になって」出始めたことに、「時代の動き」を感じて、このタイトルで書こうと思ったのです。
ところがどうも本日中に書き上がりそうもありません。明日は仕事があって、これからその準備をしなければなりませんので、「(2)」は明日の夜以降になってしまいそうです。必ずアップしますのでしばらくお待ちください。
ところで続編でもたぶん触れきれないので、今書いておこうと思うことがあります。それは、今回の裁判が、従来のマスコミ報道の範囲を超えて、当事者がブログで見解を表明し、支援者やギャラリーも、ブログや掲示板でこれについての意見をめいめい表明していることです。
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※追記:後半に記事訂正部分があります。
今朝、マイミクであるスタジオ・ハードデラックス高橋さんのミクシイ日記で、30日に内田勝さんが亡くなられていたことを知りました。73歳でした。
奇しくも先日このブログで長谷邦夫先生の『マンガ編集者狂笑録』を記事にしたばかりですが、この本でも一章を費やして内田さんのことが書かれていました。
内田勝さんは、1959年に講談社に入社、65年に「少年マガジン」3代目編集長に抜擢され、奇才エディターの大伴昌司と「ウルトラ怪獣大図解」をグラビア特集して一大怪獣ブームを巻き起こし、マンガ班チーフの宮原照夫氏とともに「巨人の星」「あしたのジョー」「天才バカボン」などマンガ史に残る名作を次々に連載、1970年にマガジンを少年誌初の150万部突破に導きました。
まだ詳しい情報が入ってないので死因等はさだかではありませんが、情報源が確かですので間違いないと思います。自分は、かつて内田さんにロング・インタビューを試みたことがありますが、その明晰な話しかたに度肝を抜かれました。頭の中でしゃべる内容が完璧に整理されていて、テープ起こししただけでほぼそのまま記事にできた人は、自分が経験した中では内田勝さんだけでした。
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さっきM腰くんからメールが来て、YOUTUBEのURLがあったのでなんだと思ったら、「飛雄馬が鼻をかくところを見ろ」とのこと。うーん。1分06秒くらいで確かに鼻をかくシーンがあるが、別に何の変哲もない場面です。しかし、よく目を凝らして見ると……ああああ!
http://jp.youtube.com/watch?v=uRCB23R_50c&feature=related
俺も『巨人の星』世代で、これについてはマンガもアニメも知り尽くしていると自惚れておりましたが、まだまだ知らないことがあったんですね。反省しきりです。しかしM腰くんも、こんなしょーもない作画ミス見つけたからって早朝メール寄越すことはないんじゃないかと思います。
M腰くんも俺と同世代で、『巨人の星』ネタだけで一晩語り明かすことが可能なんですが、わざわざこんなメール寄越すところみると、彼にも新発見だったのでしょう。
予備校時代の友人にやはり『巨人の星』マニアがいて、彼は研究の結果「明子ねえちゃんと結婚した花形満は7歳も年が離れている!」とスッパ抜いていました。もちろん明子ねえちゃんが年上なんですけど、本当かどうか俺は今もよくわかりません。
俺は俺で、一徹の住む長屋に飛雄馬から電報が届いたときに、電報屋さんの手元がアップになり、そこに「東京都荒川区町屋五丁目」と書いてあったんですよ。それで本当に荒川区町屋に行ってみたことがあります。
でも町屋に五丁目はありませんでした。千代田線の町屋駅から三ノ輪方面に歩いていったら、いかにも一徹が住みそうな長屋はありましたが……20何年前の話なので、今あるかどうかは知りません。
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もう昨日、いやおとといの話なんですけど、六本木ヒルズで蛙男商会さんの新作劇場映画『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II~私を愛した黒烏龍茶』の試写会が開かれまして、俺もエッチラオッチラ行ってきましたよ。試写会は六本木ヒルズの東宝シネマズの一番広い劇場でやったんですけど、超満員でした。試写の前に蛙男さんやルー大柴さんの挨拶もあって盛況でした。
ちなみにルーさんは映画に出ているわけでもなく、なぜ来ていたのか謎でした。映画はいつもの蛙男節炸裂で面白かったです。5月24日に公開されるそうです。って、今日じゃないか。
http://roppongi.keizai.biz/headline/1483/
それで、上のサイトに試写会の模様が写真入りで載っているんですが、全員「鷹の爪」の赤いマスクをして「た~か~の~つ~め~」と叫んだんですね。ところが、中に一人だけマスクをしていない不届き者がいます。
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ネットで話題の「アリゾナの老人」を早速見てきました。YOUTUBEにディープなアニメ批評をアップしているアリゾナ在住の「グランピーじいさん」というのがその人で、日本アニメの大ファンらしく、YOUTUBEにもう50本くらいのアニメDVDの感想をアップしているのです。
http://jp.youtube.com/user/GrumpyJiisan
↑YOUTUBEのグランピーじいさんの投稿動画
http://www.j-cast.com/2008/05/16020057.html
↑グランピーじいさんのことを伝えるJ-CAST記事
見ると、毎回アリゾナの荒れ果てた砂漠にビデオカメラが設置されていて、向こうから白髪にヒゲモジャのじいさんがやってきて、「今日は涼宮ハルヒだ」とつぶやきながらDVDデッキにソフトを入れる。そして映像を眺めながら淡々とアニメのストーリーや、見所、自分の感想を語り出すのです。
たとえばハルヒのことは「バカげた内容のアニメだが、私は笑った。星4つだ」とニコリともしないで評価を下すのです。ニコニコ動画のほうに日本語字幕つきがアップされていました。そっちを見ても本当に最後まで作品を見て評価しているようで、技術的な解説を含めたコメントが的確なので、ネットには「アメリカの氷川竜介だ」「このおじいさん、萌える」と大人気になってます。
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長谷邦夫先生の『マンガ編集者狂笑録』、ようやく読了しました。大変面白い本です。『少年倶楽部』『漫画少年』の名編集者・加藤謙一氏から、浦沢直樹氏との名コンビで知られる長崎尚志氏まで、実在のマンガ編集者を主人公にした「小説集」なんですけど、編集者の視点からマンガ界について描かれた小説というのは珍しく、さすがは長谷先生というべきかもしれません。
「少年マガジン」の3代目編集長・内田勝氏と4代目編集長・宮原照夫氏には俺も会ったことがあるんですが、このお二人は盟友であったと同時に最大のライバル関係でもあり、そのお互いの内面にまで踏み込んだ描写には、「漫棚通信」さんも書かれていましたが「よく書いたな」と俺も思いました。
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_2297.html
↑漫棚通信ブログ版・マンガ編集者列伝より
ここで漫棚通信さんも触れてますが、もともと「編集者と作家は共犯関係」だと書いたのは俺です。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/03/post_2.html
↑「たけくまメモ・共犯者としての編集者」
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_6ff0.html
↑「たけくまメモ・長崎尚志さんに会ってきた」
俺が長崎さんにインタビューしたときに「共犯関係ってのは言い得て妙だね」と褒められたんですが、このときのインタビューは長崎さんの章に材料として使われていて、本書のオビにも「共犯者」という言葉が使われております。
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長谷邦夫先生の最新刊『マンガ編集者狂笑録』(水声社)が、昨日ようやく届きました。今、半分くらい読み終わったところです。
タイトル通り、過去から現在にかけて長谷先生が接したマンガ編集者9人を主人公にして書かれた「小説」なんですが、いやあ面白い。トキワ荘の丸さんこと丸山昭さんや、小学館を退社してフリーのマンガ・プロデューサーになった長崎尚志さんなんかが出てきます。長崎さんの章では俺まで登場するんですが、自分が他人の小説の登場人物になるというのはなんか妙な気分ですね。
まだ読みかけですので、読み終わったら改めて感想を書きます。紹介のタイミングが少し遅くなりましたので、とり急ぎご紹介まで。
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今月の17日にあの伊勢田勝行監督のイベントと新作上映を新宿ロフトプラスワンでやるそうです。先日、主催の映像温泉芸者社の人からメールがあり、俺もゲストで参加することになりました。
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おとといの晩にアップした「携帯コミックって読んでます?」のエントリが思いの外反響があって、ありがとうございました。コメント欄でもいろんな書き込みがあって、それへの返事として書いたものなんですが、アップしてから、これは普通のエントリにしようと思い直して、こちらにアップしました。
それから、前回のエントリを少し補足しますが、携帯マンガがバイブ機能と連動したから女性読者が増えたように誤解される書き方をしてしまったかもしれません。エッチ以外でも、主人公がショックを受けたシーンでバイブ機能が働くマンガもありますし、必ずしもエッチ目的と振動が直結している表現「だけ」ではないのです。でもどっちにせよ振動効果は携帯マンガならではの表現だよなあと思って、紹介したつもりであります。
◆以下本文です。
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いきなりですが、皆さんは携帯コミックって読んでますか? 俺はどんなものか確認するために数回アクセスしてダウンロードしただけで、あんまり読んでいません。俺の周りのマンガ好きに聞いても、熱心に読んでいるという人はほとんどいない。俺と同じで、何回か試しに読んでみただけで、それっきりという人が大多数です。
学校でマンガ好きの学生に聞いてみると、さすがに携帯そのものの所有率は100パーセントなんですけど、携帯コミックを日常的に読んでいるという人にはまだ会ったことがありません。きちんと統計をとったわけではないので実態はまだわかりませんけどね。とにかく世代を問わず、マンガ好きな人は当然のように雑誌や単行本で読むので、携帯で読もうという人はあんまりいないのだという印象があります。
ところが、プロの編集者の間では、どうも事情が異なるのですよ。最近は結構、プロ編集と顔を合わせると携帯コミックの話題になることが多いんですね。どうしてかというと、ここ10年、マンガ雑誌の部数の減少が深刻で、あまりいい話を聞かない中で、雑誌の売れ行きと反比例するかのように携帯コミックの有料ダウンロードだけは驚くほど伸びていて、ものすごく景気がいいみたいだからです。
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漫画家アシスタント物語 (SUN MAGAZINE MOOK)
以前ここでも紹介したイエス小池(yes-de)さんのブログ『漫画家アシスタント物語』が単行本になりました! 1974年に某マンガ家さんのアシスタントになったのをきっかけに、村野守美氏、かわぐちかいじ氏、そして78年にジョージ秋山氏のアシになってかれこれ34年もアシスタントを続けている著者の、赤裸々な記録であります。小池氏のブログは、俺も以前、ここで紹介したことがあります。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_745b.html
↑「たけくまメモ・全マンガ家志望者必見!」
小池さんも書かれていますが、本気でマンガ家になりたいなら、アシスタントは遠回りになることもあります。日々、先生の仕事を手伝ううちに、そのことに満足してしまい、自分の作品を描く意欲が失われていくのです。
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渋谷のシネマライズで現在上映中の『ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で』を見てきましたよ。試写会のお誘いもいただいてたんですけど、なかなか都合が合わずに映画館で見ることになりました。渋谷ではまだやるみたいですが、大阪梅田のガーデンシネマは今月18日までみたいなので大阪の人はお早めに。下の公式サイトで予告編も見られます。
http://henry-darger.com/
↑映画「非現実の王国で」公式サイト
映画は、幼くして天涯孤独の身となり、極度に内向的な性格から精神薄弱の施設に入れられた経緯、そしてそこを脱走して病院の清掃夫をしつつ膨大な「作品」を描き続け、81歳で没したダーガーの生い立ちを忠実に追っています。
数十年間一度も発表することなく、1万5千ページに及ぶ小説と挿し絵を描き続けていたダーガーの「妄想世界」。これと彼の実人生が寄せ木細工のように編集されているので、知識がないと最初は面くらうかも。でも彼の人生のほとんどすべてが「空想」で占められていたといっても過言ではなく、結局こういう構成にするしかないわけなのですが。
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昨日、中野タコシェで行われた山松ゆうきちサイン会に顔を出してきました。マンガ家生活40年目にして初のサイン会とのことで、ご本人は緊張されておりましたが、盛況でした。「俺は下描きしないと絵が描けないんだよ」とのことでしたが、まず「お手本」の絵を描き、それを見ながらサインすることでこの問題をクリアした模様。
マンガ家というと、何も見ないでサラサラと描けるものと世間では考えがちですが、そうとばかりは限りません。ちばてつや先生なども、下絵をまず描かないと色紙が描けないそうで、昔人気マンガ家で集まって合同サイン会をやったときなどは石ノ森章太郎先生が数十枚描く時間でちば先生は2~3枚というスピードで、行列が大変なことになったと白井元編集長に聞いたことがあります。
相原コージ君も下描きがないと描けないクチで、昔編集にスナックに連れて行ってもらったとき、マスターにサインペンだけ渡され、マンガの色紙をせがまれて困ったことがあるそうですが、根本敬さんが親戚の家に行って「ドラえもん描いて」と頼まれたことに比べれば、だいぶマシではないかと思われます。
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中野タコシェにて、今月23日15時から山松ゆうきち『インドへ馬鹿がやって来た』刊行記念サイン会があるそうです。
http://blog.taco.shop-pro.jp/?eid=379461
↑タコシェショップブログ「山松ゆうきち先生サイン会」
http://www.tacoche.com/
↑タコシェ公式サイト(道順などはこちらで)
それで、アマゾン見たら『インドへ馬鹿がやって来た』の予約受付を開始していました。発売は明日からみたいです。サイン会は、俺も出来る限り顔を出したいと思っています。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_6626.html
↑たけくまメモ「インドへ馬鹿がやってきた」
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マンガ家・山松ゆうきちさんの新刊『インドへ馬鹿がやって来た』(日本文芸社)が刊行されましたのでご報告します。
この「たけくまメモ」でもずっと前に紹介したことがあるんですが、山松さんがインドに半年間行って、そこで日本のマンガを出版しようとしたことがありました。ありましたではなくて、現在もその夢を諦めてはいないようなんですが。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/05/post_8380.html
↑たけくまメモ「山松先生に会ってきた」
山松さんといえばマンガの中の雨を「ざかざんざかざんざかざん」と降らせたり、田舎町を舞台にババアとヤクザが出てくる人情だかなんだかよくわからない話を描いたりする巨匠なのですが、50代も後半にさしかかったある日、突然「マンガの出ていない国はあるのだろうか」と疑問を持ち、調べてみたらどうもインドは出ていないようなので、海外経験ゼロで英語もヒンディー語もしゃべれず、現地に知り合いが一人もいなかったんですが、とりあえず飛行機に乗ってインドに行ったのです。(行ってみて、あちらにもマンガはあることを知ったそうですが)
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←能登の白クマうらみのはり手 (THE VERY BEST OF Tatsuhiko Yamagami)
山上たつひこの70年代最高傑作『イボグリくん』が小学館クリエイティブから復刻されました。本当はもっと早く書評すべきでしたが、今からでも遅くないので欲しい人はぜひどうぞ。
ただし書名は『イボグリくん』ではなく『能登の白クマうらみのはり手』という別短編のタイトルになってます。(もともと「イボグリくん」自体が正式タイトルではなく、シリーズ一本ごとに全部別のタイトルになっているんですが)
もちろんこちらも傑作ですが、俺が大ファンの「イボグリくんシリーズ」は、全部が収録されています。山上たつひこという「伝説のギャグマンガ家」がいったいどれほど凄かったのかは、代表作の『がきデカ』を読むより、この短編集を読むのが一番わかりやすいでしょう。まず現在では商業誌に掲載不可能ではないかと思えるような過激ギャグのオンパレードです。
『イボグリくん』は、『イガグリくん』という、山上さんが子供時代にヒットしていた柔道少年マンガのパロディなんですが、元ネタを知らないと笑えないような、よくあるパロディ物ではありません。実際俺がこれを読んだのは高校時代で、生まれる前の作品である「イガグリくん」を読んでませんでしたが、そんなことは関係なく大爆笑しました。
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あいかわらず忙しくて死にそうです。多摩美の採点はほぼ終わりました。明日の講義が今年度最後になりますが、講評をやりますので今日はそれ用の作品を選びに大学へ行ってきます。『サルまん』の締め切りも今週いっぱいといわれました。どうすればいいんでしょう。
それでもう昨年の話になりますが、31日のコミケ最終日に『ラブコメッサー』の伊勢田勝行監督のブースでご本人にお会いしてきたことを書きたいと思いました。どんな人かと思ったら、ごく普通の人でした。コスプレしてましたが、まあコミケですからそれを含めて普通です。当日は監督のマンガ同人誌と、膨大な伊勢田アニメと特撮のDVDを販売されてましたので、思わず1万円ぶんほど購入しました。
そしたら、「じつは竹熊さんにお渡ししようと思って」と渡されたのが『ラブコメッサー』の原画。監督の許可を得ましたので、ここにその一部を公開したいと思います。俺用にセレクトされたものだそうですが、かなりたくさんありました。
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森川嘉一郎・伊藤剛、竹熊の三人でやっている桑沢デザイン研究所「桑沢キャラクターメディア研究ゼミ」が、この冬コミもコミケに出品しますので告知します。
12/31月曜日、西館 "や"ブロック 15a
桑沢キャラクター研究会
今回俺は講師としてたいしたことをやってないんですけども、生徒がかなり優秀で助かりました。昨年はゲームとマンガの二本立てでしたが、今年はアニメとマンガが二本柱になっています。
本当は同人誌にアニメDVDの付録を付ける予定だったんですが、諸般の事情でアニメはWEB公開のみになりました。同人誌にはアニメ班の紹介記事とメイキングが載っています。
▼ショートアニメ「帰り道」
http://homepage2.nifty.com/akihabara/cmr/anima_web/index.html
↑クイックタイム再生です。ウィンドウズ環境の人は、アップルのサイトからクイックタイムのWIN版(無料)をインストールしてください。
▼桑沢ゼミ公式サイト
http://www3.to/kuwasawa/
かなりの力作揃いですので31日、コミケに行かれる人はぜひお立ち寄りください。当日は俺も顔を出します(たぶん午後に)
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※「伊勢田勝行監督の新作の一部が」のタイトル変更しました。
あの『恋戦士ラブコメッサー』の伊勢田勝行監督の新作(の一部)が、パソコンを持っていない伊勢田監督の許可を得てニコニコ動画にアップされましたのでお知らせします。 この冬コミ三日目に、伊勢田監督のサークル『嗚々~関学漫同伊勢田勝行支部』 が監督の自主DVDを販売するそうで、それのプロモーションだそうです。当日は伊勢田監督もコミケに来るそうですよ。ニコニコにアップされたのは今年の新作◆『風色スイーツ』(主題歌パートのみ)それと旧作の◆『ロザリオにおねゲッCHU!』(主題歌パートのみ) ◆『出前指令シャリダマン 』の三本です。完全版DVDは、コミケで販売されるそうです。
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http://www.fujitv.co.jp/cs/index2.html
↑フジテレビ公式
http://www.fujitv.co.jp/cs/program/7216_056.html
↑昭和アニメ伝説
本日からCSフジテレビ721+734で、テレビアニメ創世記を支えた「エイケン」(TCJ)の特番が放映されます。再放送もあるので、詳しくは上のURLをどうぞ。
エイケンといえば「サザエさん」の制作会社として有名ですが、アニメスタジオとしてはTCJ時代をふくめると虫プロと同じか、それよりも歴史が古く、「エイトマン」「鉄人28号」「パピイ」「遊星仮面」「サスケ」などをバリバリ作っておりました。資料をひもとくと、「え? これもエイケン? あれもエイケン?」てな感じでビックリさせられます。この会社、歴史が古い割にはこれまで語られることがなかったので、今度の特番はほとんど奇蹟に近い企画だと思います。
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小学館から書評用に一冊いただけることになっていましたが、なかなか届かないうちに発売されてしまいました。このたび刊行されました『漂流教室』完全版であります。
これはスゴイです。完全版の名にふさわしく、これまで刊行されたバージョンからなんと181ページもの未収録図版が増えているそうです! 何が増えたのかといいますと、多くは毎週のトビラ絵だそうです。楳図先生のトビラ絵はそれ自体がアートですので、これは画期的なことだそうです。「そうです」ばかりで恐縮ですが手元にまだ本が届いてないのだからしょうがないそうです。しかし、これは告知せずにはいられませんそうです。
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本日、台風が接近する中を秋葉原エンタ祭りで著作権関係のシンポジウムが開かれたことは、今朝になって慌ててアップしたエントリに書いた通りです。俺は第一部の「創作活動と著作権 引用・パロディ・保護期間」のパネルに出席し、いつもながらの持論をくっちゃべっただけなのですが、たぶん当日来ていた人のブログにレポートが載るんじゃないかと思います。ちょっと今帰ってきたばかりで疲れていますので、詳細はそちらに譲ります(横着ですいません)。
http://www.st.rim.or.jp/~nmisaki/
↑当日来ていた人のブログ
会場は満員の盛況で、著作権問題に関する一般の関心の高さを改めて認識しました。俺の参加したパネルでは弁護士の福井健策氏と角川書店社長の井上伸一郎氏が出席し、井上氏は『ケロロ軍曹』のパロディの例をプロジェクターで見せるなどして聴衆は熱心に見入っておりました。
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先日の吉祥寺アニメーション映画祭にて、応募作品の中で超個人的に物議をかもした伊勢田勝行監督『恋戦士・ラブコメッサー』が監督の関係者の手でニコニコ動画にアップされましたので、さっそくお知らせします。
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土曜日に行われた吉祥寺アニメ祭の結果報告です。遅れてすいませんが昨日は吉祥寺に泊まったので更新できませんでした。
■第三回吉祥寺アニメーション映画祭2007 受賞結果報告
◆一般アニメ部門
●グランプリ
「THE CLOCKWORK CITY」 加藤隆
加藤隆さんは多摩美出身のアニメーション作家であちこちのコンテストで入賞している実力派です。この作品は24分と長いですが、長尺を持たせる画力と演出力が高く評価されました。お話は管理社会を風刺したもので、やや図式的ではあるんですが一般のお客さんにもわかりやすい作品になっていると思います。これはもともと卒業制作に作っていた作品らしいんですが、卒業してから完成させたものだそうで。これだけの作品をコツコツ作っていったのは大変なパワーだと思います。
※誤解を受けそうなので訂正。加藤氏は多摩美出身なのは間違いないですが、その後東京芸大の大学院に進み、多摩美時代に短篇として制作したこの作品を大学院の卒業制作として長時間版に作り直したものが今回受賞した24分版だそうです。
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かねて告知してあった「吉祥寺アニメーション映画祭2007」ですが、いよいよ明日に迫りました。場所は武蔵野市商工会議所4階ゼロワンホールにて、時間はノミネート作品上映が17時から、審査結果発表と授賞式が19時20分頃からです。下にノミネート作品のタイトルを掲載しますので、作者の方は可能な限り来るようにしてください。
▼吉祥寺アニメーション映画祭
http://www.kichifes.jp/wonderland/event/filmfestival.html
▼武蔵野商工会議所(一番下にアクセスマップあり)
http://www.musashino-cci.or.jp/sitemap/index.html
▼2006年(去年)の吉祥寺アニメ映画祭受賞作品
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_32e8.html
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ちょっと古くて平成15年の経済産業省の公文書なんですが、こんなのを見つけました。ちょうど『千と千尋の神隠し』がヒットしたあとのものみたいです。
http://www.meti.go.jp/policy/media_contents/downloadfiles/kobetsugenjyokadai/anime200306.pdf
↑経済産業省 アニメーション産業の現状と課題(pdf)
注意して読んで欲しいのはこのPDFファイルの5ページ目。「テレビアニメーション番組ビジネス(例)」の部分。一応「例」ってなってるんですけど、経産省のれっきとした公文書ですからね(上記ファイルから引用・左図)。有名な資料かもしれませんが、恥ずかしながらさっきネットサーフィンしていて初めて見ました。
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マイミクさんから教えていただいたんですが、まあ、なんてステキな土建屋さんなんでしょう。
この土建屋さんでは各種保険も取り扱っており、「守られてるってし・あ・わ・せ」な感じです。
「ご意見ご感想おまちしておりますわ」だそうなので、みなさんもご意見ご感想を出してあげたらいかがでしょうか。
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こちらではうっかり告知が遅れてしまいましたが、今年の10月13日に第三回吉祥寺アニメーション映画祭が開催されます。アマチュア中心の公募式映画祭で、去年はレベルの高い作品が集まり、たいへん盛り上がりました。もちろんプロの応募も歓迎してます。アニメであればアート系でも商業系でもなんでもいいです。他の映画祭に出品しているものもOK。ただし30分以内の作品に限ります。なお今年は武蔵野商工会議所内ゼロワンホールで開催されますのでお間違えなきよう。
▼吉祥寺アニメーション映画祭
http://www.kichifes.jp/wonderland/event/filmfestival.html
▼募集要項(9月18日までですが20日くらいでも大丈夫です)
http://kichifes.jp/animation/yoko.html
▼武蔵野商工会議所(一番下にアクセスマップあり)
http://www.musashino-cci.or.jp/sitemap/index.html
▼2006年(去年)の吉祥寺アニメ映画祭受賞作品
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_32e8.html
すでに作品が多数来ていますが、応募はまだ間に合います。なお翌10月14日には俺と『クレヨンしんちゃん』『マインドゲーム』の湯浅政明監督のトークショーがあります。(場所・吉祥寺美術館音楽室にて)
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http://www.tbsradio.jp/life/2007/09/post_31.html
http://www.tbsradio.jp/life/2007/09/post_28.html
http://www.tbsradio.jp/life/2007/09/post_29.html
9月3日未明にTBSラジオで放送された俺と宮台真司さんとの「ヱヴァ」トークのポッドキャスト配信が始まっている模様。音楽抜きですが、よければ聴いてください。長時間なので、全体を序・破・急に分割して配信するようです。
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本日早朝の宮台さんとのラジオの補足です。番組ではカットされた俺の発言なんだけど、個人的に残念だったので。もちろん編集権は局にあるのだし、カットしたことを問題にするつもりはまったくありません。ただ、自分の責任でこういうフォローができるのも、ネットの利点ではありますね。
最近、元公安調査庁長官が朝鮮総連ビルの買収(をすることによる総連救済)に一枚噛んでいた事件があったじゃないですか。「あれって、ゼーレと使徒が、実は裏でつながっているのと同じようなものですね」と俺、収録では言ったんですが、さすがにそこはカットされてました(笑)。少し残念ですが、これはしかたがないです。
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昨日収録した、宮台真司さんと俺の「ヱヴァ対談」が、今日の深夜1時40分からTBSラジオで放送されます。
http://www.tbsradio.jp/life/2007/08/post_24.html
http://www.tbs.co.jp/radio/present/0902_sun.html
実は収録前に別件で東浩紀氏と会っていたんですが、東くんは「僕は今度のヱヴァ、見たくありません」と言ってたんですよ。10年前にあれほど入れ込んだ作品だけに、いい思い出を壊されたくないという不安心理が働いたのでしょう。
その気持ちはわかります。「庵野監督が新会社を作って、ヱヴァの新作を作っている」と聞いたとき、一瞬「大人の事情か?」という疑念が頭をよぎりましたもの。会社を立ち上げて第一回の作品ですから外すことはできないですよ。確実に当たる作品といえば、庵野監督には今のところエヴァしかないわけで。でも旧『エヴァ』についていえば、その作られ方を含めて、あれくらい「大人の事情」から遠く離れた作品もなかったのは事実なので。なにせ、制作会社の監督とスポンサーサイドのプロデューサーが結託して、テレビ局をだまくらかして作っちゃった作品ですからね。放映したテレビ東京からすればテロに逢ったようなものですよ。
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昨日のエントリで「70歳で大成功する」と昔ある占い師に言われたことを書きましたが、実際問題として70歳でブレイクするようなことがあり得るのか? と長らく疑問に思っていました。ところが、こないだ「ある人物」のことにハタと思い当たりました。
やなせたかしがいるじゃないか!
あの『アンパンマン』の作者ですから、知らない人はいないと思いますが、昔読んだ『アンパンマンの遺書』というやなせ氏の自伝によると、戦時中は軍隊で、戦後になって三越の宣伝部に五年勤めて辞めて専業マンガ家になったはいいが、ずっと鳴かず飛ばずで、ようやく芽が出たのが40代になってから。週刊朝日の漫画賞をとったんですよね。
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もう日が改まって昨日ですけど、つい数時間前に五反田の○○○○でアレのマスコミ向け○○を見てきました。今度宮台真司さんとアレについてラジオで対談するので○○に行けることになったのです。
なぜこんなに伏せ字だらけなのかというと○○会社の人から○○終了後、「9月1日までブログ等には書かないでください」とお願いされたので、はっきりとしたことが書けないのです。
アレに関しては○○本人からは何もきいてはいないのですが、公式パンフの取材をされていた氷○竜○氏からは「すごいクオリティです。昔、不満を感じていたファンでも、俺たちこういうアレが見たかったんだ!というようなものになってます」と伺っていたのですが、なるほど確かにすごい完成度のアレになってました。しかも続編への布石も随所にあって、まさか■■■■が×××ではなくて△△△△▲▲▲となっているとは思わなかった。
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たった今、夏コミから戻りました。今年は三日間すべて行ってしまった。こんなのは初めてであるうえに、病み上がりで杖ついていたのでどうなることかと思いましたが、午後から行く、水分をとる、人混みに1時間以上滞在したら休憩する、知り合いのところだけ廻る、以上を厳守しましたので、大過なく過ごすことができました。
三日目は東浩紀氏や森川嘉一郎氏らインテリ組のブースに行きましたが、皆さんオタク丸出しで楽しそうに同人誌を売られていました。あとこないだメールをいただいた、BL作家の水戸泉さんのサークルにご挨拶してきたり。水戸さん、同人誌ありがとうございました。その場で読もうとしましたら「BL作家の目の前で同人誌を読むのは禁止」と言われましたので、これから読ませていただきます。
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昔の『サルまん』でも、実は一回「やおい」ネタやってるんですよね。91年頃ですが。作中の『とんち番長』が大ヒットして、担当の佐藤が野望の二人に「どうしましょうか?」と同人誌持ってくるんですよ。二人は、当時は作品が当たって余裕しゃくしゃくですので、タバコふかして「いーんじゃないの、ほっとけば」みたいなことを言う。で、ここにある『TONCHI伝説』、じつは俺がよくわからずに描いたんですよ。「こんな感じかな」と考えながら。
今もそうなんですが、やおいのことを何も知らずに描きましたので、「一冊読めば皆同じである」などと失礼なことも書いてます。今思うと、大変申し訳ありません。まあこの後、この二人はマンガ家として没落の一途をたどっていくわけですが。
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次の『サルまん2.0』では「やおい、腐女子」ネタを取り上げることを先のエントリで書きましたが、一応、知り合いに腐女子の中の腐女子というか、「貴腐人」みたいな人がいますので、その方にいろいろ教えていただくことにしました。
こないだ「ユリイカ」から「腐女子マンガ大系」という臨時増刊が出たんですけど、その監修をやられた法政大学非常勤講師の金田淳子先生です。
専門は社会学の学者さんなんですけど、これがもう年季の入った腐女子で、「やおい」の歴史や現状についてはたぶん日本有数に詳しい人かもしれません。2年くらい前、マンガ評論家のヤマダトモコさんの家で2日がかりで「初代ガンダムを全話鑑賞する会」というのがあったんですが、来たのが30~40代のものすごい腐女子ばかりでして、その中で金田先生が「シャア様~!!」と絶叫されていました。(※)
※本人からコメ欄で指摘がありましたが、彼女はシャアに「様」をつけないそうです。
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それも夏コミの1日目と2日目に。いつもは3日目に行って、批評系同人誌をあさることが多かったんですが。3日目も、いきたいのですけど、体力が持つか微妙。たぶん杖ついて行くことになるでしょうし。去年は入院して行けなかったので、コミケに参加するのは2年ぶりくらいかも。
1日目は、桑沢ゼミの連中がブース出してるし、終わってからゼミの会合も予定しているので、これは行くつもりなんですが。ちなみに桑沢ゼミのブースは下記の通りです。
金曜日、東地区、Oブロック、21a 「桑沢キャラクター研究会 フェスカン」
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気がついたらとっくに8月ですが、大学は夏休みであるものの、本業のほうが妙にあわただしくなってます。まず9月25日売りの「IKKI」で『サルまん2.0』が始まるんですけど、この原稿を今月いっぱいで入れてくれと言われている。
もちろん、こちらもそのつもりでいたんですが、9月1日に新作『エヴァ』が劇場公開されるじゃないですか。これでいくつかの雑誌やTV・ラジオから出演依頼がきていて面食らってます。なんでも制作が押しに押していて、監督もスタッフも、一切取材に応じていないとのことで。
それで俺みたいな部外者のところにまで取材がきている。10年前の「エヴァ」のときに監督のロングインタビューをやったせいでしょうか。ついこないだもCSのMTVが特番を組むというので、家にTVクルーが来たばかりです(放映日がいつだったかな。スタッフの人、ここ読んでらしたらコメント欄で教えてください)。
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ニコニコ動画に、動画じゃないんだけど、俺と東浩紀君が10年前(1997年)に出演したTBSラジオのトーク番組がアップされてました。懐かしさに思わず聞き入ってしまいましたよ。85分もあるんですけど。ひまがあれば聞いてみてください。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm492126
↑ニコニコ動画はメアド登録制ですが、無料で見られます。
放送されたのは97年8月16日。ちょうど『もののけ姫』と『新世紀エヴァンゲリオン』の二度目の劇場版(夏エヴァ)が公開された直後で、俺も東君もこのふたつについてかなり興奮してしゃべっています。正確にいうと、俺が東浩紀の10倍はしゃべってます。東君も本来、相当におしゃべりな人なんですが、俺はおしゃべりな上に人の話を全然聞いてません。
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さっき放映されたフジテレビの「プレミア5」という番組で「格差社会」の特集やってたんだけど、例によって「携帯で日雇い派遣」とか、いかにもオタク風な36歳の「ネカフェ難民」とか始まったんで、さっそく2ちゃんの実況板にアクセスしたんですよ。フジ専用の板に。そしたら、歳いったオタクの人が映ったのを見ながら、例の
オマエラキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
……は実はあんまりなくて、
おまいらキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
が連呼されてました。やっぱり「オマエラ」が「おまいら」になってましたねみんな。前にこのことに触れたエントリ書いたときも、「おまいら」じゃないのって指摘があったと思うけど、このAAがはじまった2年くらい前は「オマエラ」が主流だったように思う。まあ、そんなことはどうでもいいんですが。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_1c15.html(前のエントリ)
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ここんとこずっと9月25日連載開始予定の『サルまん2.0』について、「始め方」をどうするかと考えています。ある程度決まっている部分もあるのですが、全体としてかなり複雑な企画になると思うので、なるたけ慎重に始めなければなりません。
『2.0』というタイトルからもおわかりの方もおられるかも知れませんが、今回はwebとマンガを完全連動させて、いろいろ読者のご協力を仰ぎつつ展開させていきたいと考えてます。ウィキペディアほどではないですが、場合によってはwebで皆様のご意見や投票を募りつつ、展開が決まる局面もあるかもしれません。いずれも逐次「サルまんブログ」や「たけくまメモ」で告知しますので、そうなったらよろしくお願いします。ブログは連載にあわせて立ち上げるので、それまでは「たけくまメモ」を告知の中心にしようかなと思っております。
ただ「ネット連動型企画」というのは、どれも「商売の仕掛け」がほの見えることが多いですよね。あらかじめ用意された「仕掛け」にそのまま乗せられるというのは、俺自身も抵抗感があるし、ネットユーザーも白けてしまう可能性があります。
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5月13日に神田で平田弘史先生のサイン会が行われましたが、それにはフランスのテレビ局の取材が入っていました。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_aaa3.html
↑平田先生サイン会のことを書いたたけくまメモ
で、その番組ができて、仏国営テレビ・France 2でこないだ放映されたんですが、フランスのユーチューブみたいな「DAILY MOTION」にアップされているのを日本の関係者が教えてくれましたので、ここにもアップします。会員登録もなく、そのまま見られるようです。フラッシュは入れておく必要があるかも。二つに分割されてますが、フルに見られます。
http://www.dailymotion.com/video/x2exmj_mangasfr2envoye-specialpart12_creati
http://www.dailymotion.com/video/x2eyf2_mangasfr2envoye-specialpart22_creati
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秒速5センチメートルとは、桜の花びらが散る速度なのだそうです。
昨日は桑沢ゼミの帰りに、渋谷の映画館で新海誠の『秒速5センチメートル』見てきました。俺がまだ入院していた3月に公開された作品なので、なんとなく見逃した気になってたんですが、たまたま劇場前を歩いてて「まだやってたんだ」と気がついたしだい。それまでDVDが出たら見ようと思って、忘れてました。
結論からいって、劇場で見ておいてよかった。過去の新海作品すべての中で、個人的にベストでした。画面も劇場でみるべき密度に仕上がっていたと思う。思春期の男女の伝えきれない気持ちがテーマという意味では、『ほしのこえ』と同じところがあるんだけど、今度はSF的な仕掛けを一切使ってないぶん、監督のリリカルでセンチメントな資質がストレートに伝わってきたと思います。青春映画として傑作でしょう。
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が来ました。この7日に行われた「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会」を傍聴してきたそうです。詳しいレポートが三崎尚人氏のサイト「同人誌生活文化研究所」6月8日付け日記にあげられています。俺は行けなかったんですが、さすがは三崎さん、律儀な方です。ありがとうございました。
●同人誌生活総合文化研究所
http://www.st.rim.or.jp/~nmisaki/
上記を読めばおわかりですが、「非親告罪化」について取り上げられたのは2時間の会議の30分程度だったそうです。レポートを読んだ俺の感想ですが、委員会としてもこの問題は議題に取り上げてはみたものの、対応に苦慮している印象を受けました。詳しくは三崎さんのレポートをお読みください。
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前のエントリのコメント欄で話題になったんですけど、WEB2.0という言葉も旬が過ぎているし、『サルまん2.0』というタイトルは古いのではないか? というご意見が寄せられました。
俺も「古い」と思うんですけど、そこはわざと狙いたい気持ちもあったのです。ただ2.0という表現はネットをやってない人にとってはまだ「新しい」と思うので、その意味では中途半端かもしれません。でも考えるのが面倒なので、まあこれでいいか、とも思っています。
前にも書きましたが、今度の野望の二人は現実の相原・竹熊と同じ年齢という設定にしますので、中年男の悪あがきをどう表現するかがポイントになります。とにかく出だしは、とことん追いつめられた二人の姿を描かなければなりません。
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になる模様。本日小学館IKKI編集部で打ち合わせがあり、編集部の都合で開始予定が少し延期になったと知らされました。
前にここのコメント欄で「7月から」と答えてしまいましたが、そのときは正式決定でなかったのを俺が勘違いしてそう書いてしまったようです。謹んで訂正させていただきます。
正式タイトルは「サルまん2.0」でほぼ決まったみたいです。延期にはなりましたが、本日はなかなか密度の濃い打ち合わせができました。「本当にそんなネタができるのか?」と自分でも疑問に思う話もでました。相原君も編集部もやる気まんまんですので、なにとぞご期待ください。
とりあえずサルまんの二人が再び没落したところから始まる予定。前の「サルまん」でも二人はホームレスにまで墜ちてましたが、今度は真綿で首を絞めるようなイヤ~な没落ぶりになりますのでご期待ください。その後の展開は……まあ、ご期待ください。
詳しいことは夏くらいからお知らせできるかもしれません。ご期待ください。なお、今度の表紙ではスク水は着ません。たぶん。
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←サイン中の先生。左は奥様。(撮影・大牧北斗)
本日、おっともう昨日になりましたが、神田小川町にある時代劇グッズ専門店「時代屋」にて、先日告知した平田弘史先生の大サイン会が盛況のうちに終了しましたのでご報告します。時代屋って初めて行きましたけど面白い店ですね。小説や漫画、時代劇文献だけでなくDVDやフィギュアなど、マゲモノならなんでも揃う感じ。マンガ家のほりのぶゆきさんとか大喜びじゃないかな。もう行ってるかもしれませんが。
サイン会終了後、青林工藝舎と「もののふ」が合同で進めていた「平田先生・古希のお祝いの会」へ直行。60年代70年代の歴代の平田番編集者や辰巳ヨシヒロ・みやわき心太郎・池上遼一・みなもと太郎各氏、高信太郎氏(司会)といった錚々たる大御所も集まって、思い出話に花が咲くにぎやかな会となりました。
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この5月13日(日)、東京・神田小川町にある「時代屋・神田小川町店」にて平田弘史先生の大サイン会が開催されます。すでに青林工芸舎(協賛)のサイト等で告知されており、ご存じの人もいるでしょうが、まだ整理券(100名)に若干余裕があるとのことで、たけくまメモでも告知することにしました。
生の平田先生が見られる滅多にないチャンスですので、なにとぞ時代屋にて予約券(整理券)を入手のうえ、ふるってご参加ください。なお、サインは当日も販売されている平田先生の単行本(またはもののふ謹製平田Tシャツ)を購買の人に限られるそうです。お問い合わせは時代屋フリーダイヤルまでどうぞ。
※追記:整理券は時代屋店頭で平田グッズを購入した人のみに配布するそうです。ただし、フリーダイヤルで整理券の配布状況を問い合わせることはできます。
0120-37-5460(時代屋神田小川町店)
http://www.jidai-ya.com/index.html(時代屋公式サイト)
http://www.jidai-ya.com/contents/kyanpen.html(時代屋・平田弘史フェア告知)
http://www.jidai-ya.com/contents/store.html(時代屋アクセスマップ)
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こないだの月曜、新宿で『パプリカ』観てきたんですが、すぐに感想が書けませんでした。
それで今日、二回目観たのですけど、ちょっとこれ原作読まねば…という気分に。それで、今読んでいるのです(映画館のロビーで原作も売ってた)。「映画と原作は別物」と普段考えている俺にしては、珍しいことです。
いや映画は、嫌いではないんですよ。むしろ好きだと言ってもいい。ただ引っかかる点があって、手放しで誉める気持ちになれないのです。そういう場合、俺は無視することが多いのだけれど、それもできないという奇妙な感覚。
かなり好きな映画で、傑作という言葉が喉元まで出かかっているのですが、それにしては「引っかかる」ことがいろいろあって、言葉にできない。もう少し考えてから、感想書きます。明日は締め切りが一個あるので、しばらくお待ちを。
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ある人からメールで教えてもらって知ったんですが、2004年に「PCで漫画を製作する方法」の特許が下りたんだそうですけど、これって本当? それとも手の込んだフェイクなんだろうか。
http://banba.de-blog.jp/wadachi/2006/08/post_d8e5.html
http://banba.de-blog.jp/wadachi/2006/11/post_fad3.html
↑のWADACHIさんのブログで紹介されてます。特許庁の公式サイトでちょっと調べてみたんですが、よくわかりませんでした。検索方法が悪かったのかな。
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杉浦茂先生については、俺も毎年、多摩美の講義で必ず紹介するんですけれども、ここにきて青林工藝舎から素晴らしい復刻がでましたよ。杉浦先生が一番脂の乗りきっていた時代(1950年代)に「漫画王」や「少年画報」に連載されていた、『怪星ガイガー』『八百八狸』がそれです。特に『怪星ガイガー』は、このたび直筆のオリジナル原稿が発見され、それを収録した奇跡の復刻です。過去に出ていた杉浦漫画の文庫本などは、原稿が紛失していることが多く、掲載された雑誌や単行本などから複写するしかなかったわけですよ。
なにしろ50年代というのは俺が生まれる前ですので、ほとんどの杉浦作品は後追いで読むしかなかったんですが、それでも一度はまると病みつきになる変なパワーが杉浦漫画にはありました。時代に関係ないというか……。
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さっき帰りました。本当の打ち合わせは来週なんですが、とりあえず今日も小学館まで行って、担当者と話してきました。と、いうことで、もう薄々おわかりの人もいたと思いますが『サルまん』を来春から新連載します。掲載誌は「IKKI」で、断定はできませんが、たぶん4月号か、5月号から始めることになると思います。
実は今日の段階で発表できるのはここまでです。「なんだあ」とガッカリする人がいるかもしれないので、チョッピリ補足しますと、今度やる『サルまん』は、おそらく過去最大のスケールになります(月刊ですが)。ページ数ではなく、ネタ的にです。ただし、本当にそれが可能なのかどうか、相原君、編集部ともども、よく相談しなければなりません。そんなわけで今はすべてをお話しできません。詳しい発表は後日になると思います。それまで、皆さんで想像を巡らせてください。
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かねてから出るぞ出るぞと噂されていた『現代漫画博物館』が、ついに出ました。発売元は小学館であります。
扱う対象は1945年から2005年までの漫画、そこから約700作品を厳選して紹介しています。いわば時代時代を象徴する作品で綴った戦後漫画史と呼べる内容。全作品の図版も豊富に収録されてます。巻末に「作品索引」「作家索引」、別冊付録で「漫画史年表」「作家解説」がついているのも実用性が高いです(資料集である以上当然だが、意外にこういう部分がしっかりしてない本が多い)。
こういう仕事は漫画への広くて深い知識・見識が必要になるうえ、ひたすら手間暇がかかる地道な作業です。しかも「この作品が入って、なぜあれが入らない」という読者のクレームも覚悟しなければなりません。
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そういえば告知し忘れてましたが、現在、草思社の「WEB草思」というサイトで、ノンフィクションライターの大泉実成さんからインタビューされてます。テーマは「オタクとは何か?」ということで、久しぶりに大泉さんとオタク談義をしてしまいました。
http://web.soshisha.com/archives/otaku/index.php
大泉さんは、エホバの証人の内部に潜入取材をしてまとめた『説得 エホバの証人と輸血拒否事件』や、オウム真理教にやはり「入会」して内部から取材した『麻原彰晃を信じる人びと』などの著書で名をはせた硬派社会派ライターであるだけでなく、俺と一緒にエヴァンゲリオンにはまって庵野監督にロングインタビューを行い、『スキゾ・エヴァンゲリオン』『パラノ・エヴァンゲリオン』という共著を出すなど、アニメやマンガに関するルポも多い人なわけです。
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なんか、すごくヤバイものを見た気がする。
これは……もしかして有名? 削除されるかもしれないのでお早めに。
(アクセス殺到? のせいかかなり重いです)
変な裏ビデオよりもショッキングでした。
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明日の吉祥寺アニメーション映画祭のノミネート作品と詳細が決まりましたので、再度告知します。なお整理券は出しませんので、なるべくお早めに会場までお越しください。
●第二回吉祥寺アニメーション映画祭
●日時:10月13日(金) 17:00~21:00くらいまで
●場所:吉祥寺シアター
●料金:無料 (ただし先着200名様で入場を締め切りますのでお早めに来場してください)
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7日午後1時30分から3時まで、港区元麻布の善福寺にて故・米澤嘉博氏の葬儀・告別式が執り行われました。前日のお通夜は台風にもかかわらず1200名が焼香に訪れたそうですが、本葬のこの日もおそらく2000名を越えると思われる人々が焼香されました。
善福寺の参道にはコミケスタッフがズラリと並び、ありし日の米澤さんと奥さん(ベルさん)との仲むつまじい写真を手に持って、われわれ参列者を出迎えてくれました。予想通り大変な人出でしたが、さすがコミケ準備会、行列捌きは手慣れたもので、混乱もなく葬儀はすみやかに進行しました。参列者の多くにとってコミケは青春そのものだと思われ、その中心人物であった米澤さんの人徳に、あらためて一同感じ入った次第です。
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そうそう、舞子さんだけではなくて、本日はTBSラジオ初日じゃないですか。予定では7時半から「あべこうじのポッドキャスト番長」という番組が始まって、その中のワンコーナーが俺の「たけくまラジオ」ですよ。
ところが俺、考えてみたらラジオを持ってないことにさっき気がつきました! ダメダメじゃん!もう何年もラジオなんて聞いてないし、一台あったポータブルラジオも、部屋のゴミの山に埋もれてどこかにいってしまいましたよ。
そんなわけで、俺もポッドキャストから聞くことにします。予定では、下記URLの「あべこうじ」さんのところでダウンロードできるはずだと思います。よろしくお願いします。
http://www.tbsradio.jp/
http://www.tbsradio.jp/pod/
ええと、俺のは今夜9時すぎにアップされるそうですよ。
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既に報道でご存じの人も多いと思いますが、マンガ評論家で、コミックマーケット代表であった米澤嘉博さんが亡くなられました。
http://www.asahi.com/obituaries/update/1001/001.html
特別、親しい間柄というわけではありませんでしたが、何度も仕事でご一緒したことがあり、今回の訃報はショックです。多彩な仕事をされていたので、彼の活動の全貌が発掘され、真の評価がまとまるまでには、少し時間がかかるかもしれません。
コミケが始まったのが1975年、米澤さんがコミケの主催者になったのは80年ですが、現在のコミケがここまでの規模になったのは、なんと言っても米澤さんの力でしょう。
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毎日新聞が発行している「まんたんプレス」というフリーペーパーがありますが、これのWEB版であった「まんがたうん」がリニューアルされて「まんたんウェブ」となってます。実はこの7月から公開されていたんですが、旧「まんがたうん」もついこないだまで表示されてましたので、一部の方に混乱を招いていたようです。
ここに俺の「たけくま月評」がフリーペーパー版と同じ内容で連載されていたのですけれども、「いつまでたっても更新されない」と苦情のメールが俺のところに来まして、それでちゃんとした告知をしていなかったことに気がつきました。「たけくま月評」の過去ログも、すべて新サイトに移行して連載継続してますのでご安心を(今確認したところ、旧サイトはすでに接続できなくなってました)。
新しい「まんたんウェブ」のTOPページと、「たけくま月評」のバックナンバーページは下の通りです。
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/
↑まんたんウェブTOP
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/category/cat11/cat26/
↑たけくま月評
今後もよろしくお願いします。
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えと、だいぶ遅れてすいません。当日、プロカメラマンの吉澤士郎さんが撮影した写真をようやく入手できましたので、その一部を公開します。一応、吉澤氏より「転載自由」との確認を得ていますが、使うのであれば「撮影・吉澤士郎」というクレジットと、このエントリへのリンクを貼っていただくと有り難いです。
で、当日のレポートなんですが、すでに多くの人が各自のブログでアップされておりますのでそちらをご覧ください(もはや俺が書くまでもない)。まあしかし、齢四〇を越えたオヤジがスク水の間から肉を突出させてチャーシュー然とした浅ましい痴態を晒したり、ヒゲ面でメイドになるのも、これすべて日本征服&子供を上の学校にあげてやるためかと思うと、身が引き締まる(締まってないけど)思いがするものですな!
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皆様のお陰をもちまして、このたび『サルまん』の重版が決定しました。
現在またしてもアマゾンが「1~2週間待ち」の表示になってますけど、これでしばらくは入手が容易になりそうです。とはいえ、そんなメチャクチャ刷るわけではないのですが。まあ、定価からすれば、これはかなり頑張った成績だといえるのではないかと思います。事前に「ブログ効果」による売れ行きが予想できてれば、もっと安い価格で多く刷ることができたわけですが、これはもう、結果論としか言いようがないでしょう。
本当に、有り難うございました。
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さっき町田で昼飯を食べて今帰ってきたんですが、ネットを見たらアマゾンでの『サルまん』が「24時間発送」になっていました。週明けに入荷があると小学館の人が言っていましたので、ようやくですね。営業さんの話によれば、週末までにアマゾンには800セット=1600冊が入荷したことを確認しておるのですが、有り難いことにそのほとんどが捌けた格好になります。追加は100セット200冊だそうで、これもどうなるか予断を許しませんですよ(と、さりげなく宣伝をかましておく)。
ちなみに相原コージは現在、1時間おきにアマゾンの順位をチェックしている模様。
前にも書きましたが、スク水表紙がネットで話題となったためか、『サルまん』はネット書店での出足が異常によかったわけです。それに比べるとリアル書店での動きがもうひとつの印象がありました。が、それも最初の3日間くらいで、この土日には紀伊国屋書店で完売したのを皮切りに、リアル書店の在庫も急激に乏しくなってきたようです。
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実はこないだ8月31日に、お茶の水にあるデジタルハリウッド東京本校で「インディーズアニメ進化論」というトークイベントが行われました。俺もゲストで登壇したのですが、『サルまん』イベントがらみでゴタゴタしてうっかり書くのが遅れてしまった次第。
当日デジカメも持って行き忘れたし、どうしようかなあと思っていたら、「アニメ!アニメ!」さんがうまくまとまったレポートをブログに掲載してくださいました。ちょっと横着してリンクを貼らせていただきます。
http://animeanime.jp/report/archives/2006/09/post_38.html
↑アニメ!アニメ!より
当日はだいたい上の通りだったんですが、俺としては「たけくまメモ」その他で書いてきた持論を述べたにすぎません。
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先日もお知らせした、来たる9月2日・池袋ジュンク堂での『サルまん21世紀愛蔵版』サイン会ですが、なにやら店員の田中さんがいろいろ画策しているようで、床にゴザ敷いてコタツを用意し、野望の二人のむさ苦しい四畳半を再現してそこでサイン会をやるとか考えているようです。
それとは別に、これはジュンク堂が頼んだわけではありませんが、当日、なんとあの人がスペシャルサプライズゲストとして様子を見に来ることが消息筋より判明! 誰が呼んだわけでもないのに、どうやら勝手に来るみたいです。
ある意味、俺と相原君のツラ見るよりレアですよ。あの人には連載中からお世話になりましたが、昨年暮れ、帝国ホテルで開催された某社の忘年会では、開会のスピーチをこの人がやったんですけど、そこで「来年は『サルまん』も出ますので…」と口走ったため某社としてはこんな売れそうもない『サルまん』を本当に出すはめになったという、こちらにとっては非常に有り難い援護射撃をしていただきました(実話)。
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えーと、本日が『サルまん』の正式発売日であります。なんだかここしばらく、秋葉原での「IKKI」スク水表紙完売にはじまり、『サルまん』の当ブログからの予約注文が昨日の時点で530冊を超えるなど、派手な話が続きましたのでうっかりしてましたが、
リアル書店ではこれから
ですのでよろしくお願いしたいと思います。
「裏日本工業新聞」のタニグチリウイチさんの8月29日付け日記によると、彼は『サルまん』が売り切れるといけないと思い、昨日の朝一番に池袋ジュンク堂に駆け込んだら意外にすいていてサイン会の整理券番号が8番だったと、なんだ全然買えるではないか、みたいなことを書かれていました。
http://www.asahi-net.or.jp/~WF9R-TNGC/nikko.html
しかし、今日が正式発売日ですので、現時点で売り切れたらそのほうが異常です。
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どうやら今朝からアマゾンで『サルまん』が発売開始されましたが、
たけくまメモからの予約だけで520冊
出ていたため、発売即品切れとなっている模様。大変、有り難く嬉しいことですが、「たけくまメモ」以外での宣伝をまったくしていなかったため、こんな事態になるとは俺もアマゾンも小学館も予想していませんでした。だいたい、かりに大規模書店であっても、ひとつの店舗でせいぜい200冊も仕入れれば多い方ですから、予約がそれ以上あればこうなるのも当然であります。
昨日の段階で品切れになると思った俺は、早速小学館に連絡して大阪屋(アマゾンに納入している取次会社)への優先的配本を提言しましたが、やはり間に合わなかったようです。本日は一般書店もぼちぼち扱いを開始するはずですが、「こんな古い作品は売れんだろう」と会社に判断されていたせいか、初版部数をかなり絞られていたため、当面は品薄状態が続く可能性があります。
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まさか、と思いましたが『月刊IKKI』の俺と相原くんのスク水メイド表紙の号(最新10月号)が売れているみたいだ、とアキバブログさんが報じておられます。
http://www.akibablog.net/archives/2006/08/post_712.html
世の中物好きが多いというか、いや、ただでさえそんなに売れてないIKKIが、あれで致命傷になるかもしれない、と密かに危惧しておりましたが、いい意味で裏切られたようでよかったです。確かにアマゾンでは現在売り切れになっておりますね。それにしても早速マーケットプレイスに中古が出ていて、2000円近いプレミアがついてますけど何考えてるんだかわかりません。
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25日の深夜12時から翌朝5時半まで、六本木ヒルズ内映画館にて開催された蛙男商会の「ギヒルズナイト」に行って参りました。この春、初のFLASH地上波30分帯番組として放映されて話題となった『ザ・フロッグマンショー』のDVD発売および劇場版製作発表会およびファンの集いとして開催されたものです。
いや~、いくら夜の町六本木とはいえ、FLASHだけで5時間におよぶオールナイト上映というのは体力が持つかな、と心配でしたが、4時半くらいに落ちそうになったものの『ゲド戦記』のように寝ないですみました。
六本木ヒルズ内TOHOシネマの最大の映画館(600人収容)が満員でしたが、女性ファンが多かったのが普通のアニメ上映と違う点でしょうか。総統や吉田くんのコスプレしてる人もいました(いずれも女性)。
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『サルまん21世紀愛蔵版 上・下巻』発刊記念
相原コージ・竹熊健太郎 サイン会
「サルまん21世紀愛蔵版 上・下巻」の発刊を記念して、相原コージ・竹熊健太郎のサイン会が行われます。
日時:9月2日(土)13時~
ジュンク堂書店池袋本店B1F コミック売場
サイン会のお問い合わせ先:
ジュンク堂書店池袋本店 TEL03-5956-6111
・「サルまん21世紀愛蔵版」上・下巻ご購入者
限定100名様に整理券配布。
書籍販売&整理券配布開始日:8月29日(火)開店時より
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そんなわけで再びお目汚しで恐縮ですが、明日(25日)発売の漫画雑誌「IKKI」(小学館)にて、俺のスク水姿と相原君のメイド姿のコスプレが表紙になっております。デザインは祖父江慎。
「IKKI」の編集長が『サルまん』初代担当ということもあって、今回の復刻版の宣伝も兼ねてこうなったわけですが、これが「IKKI」の致命傷になりはしないかと心配です。
俺の股間部ではみ出ていた毛は、CG修正でなんとかするかと思いきや、なんとスピリッツ創刊編集長にして現小学館筆頭専務・白井勝也さんの写真をはめ込むという荒技で処理されてます。さすがに講談社と覇権を争う日本最大級の出版社である小学館の現役筆頭専務をむさいオッサンの股間にレイアウトするというのは、いくら祖父江さんとはいえ、どうかしているのではないでしょうか。
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※註 このエントリ、原因不明の理由で一度消えてしまったのですが、幸いYahooの検索キャッシュに残っていたので再度アップします。TBも消えてしまい、URLも変わってしまいますがご容赦ください。コメント欄も再現できません。どうもすいませんです。
ちょうど今、テレビで「ゲド戦記」のテレビCMやってるでしょう。ウサギが出てくるスポットCM。菅原文太が実写で登場するやつを始め、「ゲド」のCMはもう何バージョンもあるけど、それの最新バージョンです。
ウサギっていうのは「ゲド戦記」に出てくるキャラクターで、ねずみ男から愛嬌だけ抜いたような、下品でいじましい小悪党なんですよ。それでも無個性で陰気なキャラしか出てこない「ゲド」の中では、せこいながらも欲望全開で動き回るぶん、まだしもキャラが立っている(ような気がする)唯一のキャラなわけです。
それでこいつが15秒間、最初から最後まで出ずっぱりで、うひゃ、うひゃひゃひゃ、げへ、ぐふふふふ、ぐわっはっは、てな感じで笑っているわけ。本当にそれで終わっちゃう。見た人も多いでしょうけど。
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←世界中のアニメ映画祭で賞を総なめの『頭山』。落語の「頭山」が原作で、あのシュールな世界を見事にアニメ化。製作に丸6年かけたという根性と、高度なアニメ技術もさることながら、めちゃくちゃエンターティメントしているので、いわゆる「アート系」に抵抗ある人こそ見るべし。アニメの見方が変わるはず。それ以外にも山村浩二の代表作が網羅されていてお得なDVDです。
昨日、国際交流基金の企画でアニメーション作家の山村浩二さんと対談してきました。いわゆるガチンコの「アート作家」と、面白ければなんだっていい俺みたいなのの対談は結構珍しいことです。いろいろ話がはずんだんですが、明日夜にはグアムに旅立たねばなりませんので、詳しいことは雑誌が出るタイミングでまた書きます。山川出版社から出る『遠近(おちこち)』に載るそうです。
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…まずい、途中で寝てしまった。
1時間くらいは意識がはっきりしていたと思うんですけど。ゲドと誰だっけ、主役の少年。アランだっけアレンだっけ、あれが金髪の女の家行くまではなんとか意識があったんです。あそこであれ、あの赤アザの暗い少女。あれと再会するとこまでは覚えている。それからどうなったのかよくわからんのですが、気がついたら魔女の城にいて、なんか『長靴をはいた猫』のクライマックスみたいなあれになって、よくわからんうちに終わってしまいました。結局あの竜はなんなの?
本当によくわからないのですが、結局、アランの父親殺しはどうなったんですか。もう一回観るとわかるのかな。
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時そば、じゃなかった「時かけ」観てきましたよ。テアトル新宿、超満員でした。ひさびさに映画館から「熱気」みたいなものを感じましたですね。30年前、同じ新宿の東映パラスで劇場版「宇宙戦艦ヤマト」の初上映を見に行ったときにもすごい熱気でしたけどね。アニメで行列できたのはあれが最初ですよ。まああれと比べるのもなんなんですが。「時かけ」は入れ替え制だったんで行列こそできませんでしたが、こう、お客さん全員の顔に期待の色が浮かんでいるアニメも久しぶりでしたよ。
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/
↑映画公式サイト
まあ大作じゃないんですけどね。なんですか「ゲド戦記」、まだ観てませんが大作らしいじゃないですか。それに比べると、「時かけ」は人類の存亡をかけた危機も出てこないですし、まあ、死にそうな友達を救う話はあるんですけど、そのくらいで、後は結構恋愛映画というか、爽やかな青春映画でしたよ。
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こないだばるぼらさんに会ったときには、「夏前には出ます」って話だったもんで、どうせ来年発行だろう、くらいに思っていたんですよ。なにせあのばるぼらさんのことだから。そしたら、本当に夏に出たのでビックリしました。やればできるじゃん。
そんなわけで『ウェブアニメーション大百科』ですが、この2006年7月という時点においては、ネットで見られる個人アニメーションの決定版的ガイドブックとなっております。
さすがは『教科書に載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』を書いた人だ。ご本人はいろいろ不満もあるようですがなかなかどうして、よくできてますよ。
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ええと、またしても『サルまん』がらみのネタで恐縮であります。俺たち作者二人にとって、『サルまん』は自慢であり誇りでもあるのですが、どこが自慢で誇りかと申しますと、それはもう、ひとえに『サルでも描ける』というタイトルをつけたことであります。
まじで三日三晩かかりましたから。この間も、相原くんが保存していた当時のタイトルメモが出てきたんですが、2人で頭をひねって出したタイトルが、およそ300くらいありましたよ。
その中で、最後に残ったのが『仁義なきマンガ教室』と『サルでも描けるまんが教室』の二つだったのです。なにしろ業界に対する嫌がらせみたいな作品でしたので、本当は『仁義なき』のほうが内容には会っていたんですが、略した時の語感が『ジンマン』より『サルマン』のほうがいいという、それが決定打となりまして、目出度く『サルまん』に落ち着いたのでありました。
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『サルまん』の製作進行状況ですが、現在までのところは一応順調に推移しております。とはいえスケジュールを確認したら締め切りまであと1週間ちょいしかなくガクゼンとしてしまいました。
●名称 『サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版』(全2巻)
●題字 平田弘史
●判型 A5判ソフトカバー箱入り(結局A5になりましたが、箱入りで愛蔵感を出す一方、ソフトカバーで読みやすさも追求しました。)
●定価 各1600円(やや高いですが紙質とボリュームは過去最高ですのでお許しください。非常にいい紙を使いましたのでツブレもなく印刷できるはずです。ただし本の厚みが前より薄くなったのは驚きましたが。でも2冊で46ページも増えてるんですよ)
●発売 8月28日
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ホントはもっと早く取り上げるべきでしたが、ニュースが流れたのがちょうどココログのメンテ中だったので、タイミング悪いですが今取り上げます。
皆さん報道等でご存じの通り、1953年に公開された名画『ローマの休日』の「無認可」DVDが、東京地裁の「すでに著作権は失効している」との判断で、本来の権利元であるパラマウントだけでなく、他の業者が販売していた格安DVDの存在を認める判断をしました。
http://www.sankei.co.jp/news/060711/sha069.htm
↑産経WEB 7月11日付よりhttp://plusdblog.itmedia.co.jp/koderanoblog/2006/07/post_d64c.html
↑関連:コデラ ノ ブログ
著作権には有効期限があり、映画の著作権については、2003年12月31日までは“公表後50年”が有効期限でした。現在は2004年1月1日より「公表後70年」に著作権法が改正されております。
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蛙男商会さんが、なにか痺れを切らしたのか、作者みずからYouTubeに「ザ・フロッグマンショー」をアップし始めたようです。以下の蛙男ブログから飛べます。
http://kaeru01.blog52.fc2.com/blog-entry-51.html
http://www.kaeruotoko.com/contents.html
↑普通に再生ボタン(▼)を押してみると…。
著作権者が自分でアップしてるのですから、著作権的にはまったく問題ありません。この調子で、ガンダムとか、ハルヒとか各製作会社さんはバンバンアップして欲しいものですね!(無理か…)
それから、「やわらか戦車」のラレコさんのほうも、先日から「やわらか戦車連合軍ブログ」というのを作って、キャラクター商品のメーカーさんを巻き込んで「商品化の経過報告」を中心にユニークな広報活動をはじめています。
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吾妻氏の新刊「うつうつひでお日記」、正式発売日は週明け10日なんですが、すでにアマゾンや一部書店でも入手できるらしい。今見たらアマゾンで42位と、さっそく売れているみたいです。よかった。
ただ、前のエントリのコメント欄でも書きましたが、本書は『失踪日記』の正式な続編ではありません。続編は、アルコール中毒の闘病をテーマにした『アル中病棟』で、前作と同じくイーストプレスから出版されます。角川から出た今回の『うつうつ』は、地獄の闘病生活から脱出した後の「平穏」な日々をしたためたマンガ日記でありまして、一度作者自身が出した同人誌を中心にまとめたものです。まあ、主人公は同じですので続編といえば続編なんですが、エキセントリックな描写は今回ほとんどありませんので、注意してください。
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http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20060629/105360/?P=1
「蛙男商会」のその2がアップされてます。全部で4回あるので、この後は7月6日と7日に出るそうです。なにとぞよろしく。
ついでと言ってはなんですが、蛙男さんの『菅井君と家族石 The Perfect 』『THE FROGMAN SHOW TV SOUNDTRACK』も公表発売中であります。
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吾妻ひでお氏の『うつうつひでお日記』(角川書店)が7月10日に刊行されます(amazonで予約受付中)。アル中での闘病生活を送った後、『失踪日記』で大ベストセラーを飛ばすまでの間の鬱々な日々を淡々とつづった日記であります。
地獄からの生還は果たしたものの、吾妻先生に安心はなかなか訪れない。全盛期の仕事量とは比べるべくもなく、半ばリハビリを兼ねるかのように自分を騙し騙し仕事をしながら数年が過ぎ、刺激的な出来事は何も起きないかわり、鬱な気分もぜんぜん晴れません。が、その煉獄のさなかに『失踪日記』のベースとなる原稿を執筆していたわけで、吾妻氏の脳裏には、いろいろと期するものがあったのだと思われます。
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ちょっと告知が遅れてしまって、もうご覧になっている方もいるかもしれませんが、本日未明から「日経ビジネスオンライン」にて「談話室たけくま」がオープンしています。
第一回は、地上波進出も成功裏に終わった蛙男商会さんと、製作母体DLEの椎木社長との座談会であります。『ザ・フロッグマンショー』のビジネス面における舞台裏があますところなく開陳されてます! 読む人が読めばここで語られている中身には慄然とすることでしょう!
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20060628/105283/
後半は7月初頭にアップされます。今のところ不定期連載ですが、すでに次のゲストも決まってますので、お楽しみに!
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http://www.youtube.com/watch?v=9-JuSY0Qycg
↑今ネットで話題の映像がユーチューブにアップされてました。これ…もしかして長谷邦夫先生も出演された「トキワ荘」ドキュメンタリー番組の冒頭では? ここに手塚賞受賞直後の荒木利之(飛呂彦)と手塚治虫先生の会話が出てくるんですが、荒木さんが宮城県出身と聞いて先生、
手塚「東北から出る人(マンガ家)ってね、少ないんですよ」
荒木「石森章太郎先生が…」
手塚「うーん、だからまあ、ああいう程度のものでね」
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昨日のエントリ「全マンガ家志望者必見。」でご紹介したアシスタント歴30年のyes-de1(イエス小池)さんですが、氏はブログとは別に「WEB漫サイ」というサイトも運営されていまして、そこに氏が20年前に発表された『雨のドモ五郎』(1987年ヤングジャンプ青年漫画大賞準入選)が掲載されてます。
●WEB漫サイ
http://www.webmanga.jp/
↑TOP
http://www.webmanga.jp/webmanga1/webmagga.1.open.html
↑雨のドモ五郎
なんというか、イエスさんの長いアシスタント人生で培われた執念というか怨念がたたきつけられたかのようなモノ凄い作品でしたので、出来る限り多くの人に読んでいただきたいと思います。俺は感動しました。
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マンガ家のアシスタントをかれこれ30年以上やっておられる方の回想ブログ。2005年4月から始まって、現在も継続中です。
●漫画家アシスタント物語
http://blog.goo.ne.jp/yes-de/
この間、あるマンガ家の人からメールで勧められて読んでみたんですが、身につまされる内容が多々。メールをくれたマンガ家さんは、すでにメジャー誌でも活躍している人なんですが、「とても考えさせられる内容でした」とありました。
このブログの主であるyes-de1さん、70年代に「ほんの1、2年のつもり」でアシスタントをはじめたが、気がつけば30年、というパターン。才能がなくてはこんなに続けられるものではないので、彼には「先生運」と「才能」があったのだと思う。ただし、
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今出てる「週刊ファミ通」に載ってます。相変わらず内容はまったくありません。この11年の違いは、羽生生くんの絵がオールデジタル化してキレイになってます。でも色使いは年少読者を無視したようにシブイです。「ガンジス」もあります。
それから、この11年の歳月を強調するように、俺の似顔絵が中年太りしてます。実は俺、下書きまではチェックしたんですが、完成版は雑誌になってはじめて見ました。芸が細かいですね~。それから「新連載」となっていますが、これは俺が勝手にそうしてしまっただけで、これ一回でおしまいです。一応「マジで連載希望の方は、ハガキで編集部まで送れ」と欄外に書いてありますが、編集部も本気ではないでしょう。
関連URL
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_1aae.html
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/23_ebe5.html
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俺は『どくだみ荘』が好きだという女に会ったことがない。一体そんな女性が存在するのかどうかすら、とんと見当がつかぬ。だが男はどうか。熱狂的な『どくだみ荘』ファンだという男を、俺は少なくとも二人、知っている。彼らはなにか悪い宗教に取り憑かれたかのような熱い目をして『どくだみ荘』の素晴らしさを語る。しかしその言葉を聞いていると、彼らが『どくだみ荘』を好きなことだけは痛いほど伝わるのだが、その「良さ」はさっぱりわからないのだ。
『独身アパート・どくだみ荘』は、「モテナイ男=喪男」の大宇宙である。主人公・堀ヨシオは地方から上京して定職につかぬまま、饐えた匂いのするどくだみ荘で貴重な青春を無為にすごしている。70年代における「喪男アパートマンガ」の代表作『男おいどん』(松本零士)の場合、主人公には、たとえ押し入れが洗濯前のサルマタの山でそこにキノコが生えようとも、「いつか大物になる」という志があった。
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たけくまメモ大プッシュ中の蛙男商会作品『ザ・フロッグマンショー』(テレビ朝日水曜深夜26時40分)でありますが、いよいよ今夜が最終回であります(関西ABCは一週遅れなので来週)。
http://www.kaeruotoko.com/
↑蛙男商会公式
低予算のFLASHアニメが地上波で流れるというので、放映前は不安視する向きも多かったこの番組、フタを開けてみれば2ちゃんのアニメ板で「今期最高!」の声も上がる大傑作となり、萌えとはまったく無縁な内容ながらも、オタクを含めた視聴者のハートをガッチリ掴んだようであります。また、たった3人のスタッフで30分番組を1週間以内で作ってしまうウルトラ優良進行で、テレビ朝日も大喜びですたい!。
それで、昨日DLEの谷プロデューサーからメールがあり、本日は最終回なので、番組にあわせて流しているネットラジオ(蛙男さんも出演)に「ぜひ、出てください」とのことでしたが、今から原稿を書かねばならず、どう計算しても深夜2時までに麹町のDLE本社まで行けそうもありません。
http://kaeru02.radilog.net/
↑ちなみにネトラジはこちらから
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話が前後しますが、先週土曜日にファミ通編集部の会議室にてマンガ家の羽生生純くんとネーム打ち合わせをおこない、ネタ出しから開始して順調に3時間半くらいでネームが完成しました。現在は羽生生くんが下描きに突入しておるはずです。
掲載号は、6月23日(金)発売の「ファミ通」になりましたので、よろしく。
最初は月末って話だったんですが、片山まさゆきさんのが月末30日掲載になったので、一週早まりました。まあいいんですが。作業は懐かしかったですねえ。ネーム作業は当時のままで、俺が羽生生くんとバカ話をしながらコマを割ってセリフとマルチョン式でキャラを入れていくというもの。いわゆるネーム原作という形式です。全部俺が描くのではなく、ちょっと面倒なラフ絵はその場で羽生生くんに描いてもらったりもします。
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毎日新聞のフリーペーパー「まんたんブロード」の仕事で本日、丸山薫さんにお会いしたのでありますが、ウギャー! 俺すっかり日付を勘違いしていて、担当川中氏の電話でようやく気がつき、待ち合わせ場所に1時間も遅刻!
丸山さん、川中さん、本当に申し訳ありませんでした。
ええと、丸山薫さんがどういう人かご存じない方は、ご本人のサイトをご覧になってください。昨年のJAWACONで発表されてネット内外で話題になったフラッシュアニメ『吉野の姫』の作者さんです。
http://maruproduction.com/
http://maruproduction.com/flash/yoshino.html
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実はですね。『サルまん』の後、俺が「週刊ファミコン通信」(現ファミ通)で羽生生純と組んで連載した『ファミ通のアレ(仮題)』というマンガがあったわけですよね。連載第一回から最終回まで、ついに(仮題)で通したへんな作品なんですけど。
これが、6月の末くらいに「ファミ通」本誌で一回だけ復活するんです! なんでも今年は「ファミ通創刊20周年」なのだそうで、その記念企画の一環であります。それを言われたのがつい先週で、もっと早く言ってくれ、て感じなんですけど、まあ1回ならなんとかなるかもと。
それで、こないだ羽生生くんと新担当であるファミ通の後藤聡子さんと最初の打ち合わせをしたわけです。具体的なネーム作業は、羽生生くんの別仕事の締め切りが過ぎたあたりでやろうということなんで、まあ来月頭ですか。一日どこかに缶詰になって、二人でネームやりたいと思っております。
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ちょっと春からそのままになっていて、一部では「どうなっているのか」とヤキモキさせていた『サルまん』復刊ですが、ようやく刊行時期が決まってきましたので取り急ぎ連絡します。正式アナウンスはもう少し後になりますが、現在決まっていることのみお知らせしましょう。
刊行時期は、8月末になりそうです。それで7月半ばにはすべての作業を終えようということで、「萌え企画」を始め、そろそろ再起動させなければなりません。
それから判型なんですが、すみません、いろいろあって結局A5判の2分冊になりました。97年に出たA5新装版のフィルムを流用するのが一番安上がりであることと、スタッフ一同の「やはりB6では見にくい」という声が強かったからです。小学館的にも、A5サイズで行こうという判断です。それって結局、
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「少年マガジンのトラウマ広告」が思いの外好評でしたので、調子に乗って「マガジン・トラウマシリーズ第二弾」をお送りします。今回は広告ではなく、あの「大図解」をとりあげたい。
マガジンの巻頭カラー大図解といえば、「ウルトラ怪獣大図解」に始まる大伴昌司企画・編集による一連のシリーズが有名です。架空の存在である怪獣の身体の中を「図解」するという、アタナシウス・キルヒャーもビックリのアイデアは、「おたくの父」大伴昌司の傑作でありますけれども、大伴は別に怪獣だけをやっていたわけではありません。
「大特撮」「CM幻想の世界」みたいな特撮メイキングものから、「大空襲」のような戦時ドキュメントもの、1968年の「情報社会」ではファクシミリや小型コンピュータ、人体情報であるDNA改造による人造人間の予言など、あまりにも早すぎた啓蒙図解グラビアを次々に企画構成し、オタク第一世代の基礎教養を築き上げてくれたのです。
大伴さんは70年頃からイラストではなく写真を使った図解を多く企画するようになり、72年にマガジンから手を引くわけですけど、マガジンとの関係が徐々にクールダウンしていった71年くらいから、何がなんだかわからない図解をするようになりました。本日はその中でも特にトラウマチックな大傑作をご紹介します。
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子供の頃ですから、今から30~40年くらい前のことです。俺は「少年マガジン」を愛読しておったわけですが、後ろのほうのページに、なんかもの凄くトラウマチックな広告が載っておりましてね。正直、見るのもイヤだったですよ。
それがですね、なんと「まんが上達のヒミツ」という通信教育の広告なんです。なんですか、ひとめ見て、こんなところで絶対習いたくない、と個人的には強く思わせるものがありましたです。理由は広告に載っている「作例」のせいなんですけど。「つづきをクリック」すると見れますけどね。できればクリックしてほしくないですよ。
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ネットのFLASHアニメがその形のまんま地上波進出したということで、その驚異のコストパフォーマンスとジブリやIGにも負けない面白さで、業界を震撼させている「ザ・フロッグマンショー」ですが、初放映時の視聴率がなんと1.9%を記録したとかで、予想以上の健闘ぶりにテレビ朝日も驚いているそうです。1.9という数字は一見少ないようですが、なにしろ深夜2時40分から放映なので、実はこれ、かなりの数字なのだそうです。
(f・Д・)f たーかーのーつーめー
それで最近はマスコミでも取り上げられて知名度も徐々に浸透しておりますけど、俺は俺で先週、日経BP社の取材で製作母体であるDLEに行って参りました。社長の椎木さん、プロデューサーの谷さん、そしてフロッグマンこと蛙男商会さんに話を伺ってきましたよ。
媒体が日経BP社のウェブサイトなので、DLEとフロッグマンさんが今後どのようなビジネス展開を考えているのかが中心の、やや堅い話でありますが、いろいろ野望が聞けて興味深かったです。詳しい掲載日時がわかったら再度告知しますが、今月末か来月頭くらいになるみたい。
(Γ・∀・)Γ たーかーのーつーめー
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昨日の日記で桑沢でやるゼミについていくつか質問が寄せられましたので、ここに改めて詳しく説明してみます。なにぶん実験的なゼミですので、森川・伊藤両氏とは細かい部分で認識を異にする点もあるとは思いますが、だいたいは次の内容で一致しております。
ゼミで作ってもらう同人誌に関しては「“キャラクター”をテーマにした雑誌」になります。昨日のガイダンスで森川さんは「漫画同人誌」と表現しましたが、正確にはこうなります。従って、それがマンガでも、キャラクターグッズを作ってもらっても(ただし一般に販売するものについては、版権物は除外されます。あくまでもオリジナルを学生には作っていただく)、あるいはキャラクターをテーマにした論文執筆でもいいわけです。
即ち、デザイン・レイアウトから、写真撮影(たとえばグッズのページを作るのならそれを撮影する)、文章執筆、印刷屋との交渉、売り子、関連するウェブサイト制作を含めてです。
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今週は桑沢と多摩美がふたつとも初日を迎えるのですが、一足早く、今日は桑沢デザイン研究所の初日でありました。研究所、となってはいても実体は専門学校であります。ただし大学並みの入学試験があり、東京造形大学の母体でもあるからややこしい。
それで、前にもちょこっと書いたかもしれんですが、桑沢では今年からゼミをやるのです。しかも俺と一緒に森川嘉一郎、伊藤剛と三人でひとつのゼミを受け持つという、あまり例のない形式です。
一応「キャラクターメディア研究」となっておるのですが、その実態は俺と森川さんと伊藤君で学生にコミケ同人誌を作らせるというもので、なんというか、もう大変です。しかも選抜がありまして、先着で30名ほど集まった生徒を、面接で20人に絞って俺と森川さんと伊藤君で徹底指導します。目的が同人誌なので、われわれは講師というより編集者の役割に近いです。
こういうのはやったことがないので、どうなるかは見当もつきませんが、さっそく一部の学生は大喜びでした。しかし、かつてないほどハードで実践的なゼミになる予定なので、喜んでいるのもいまのうちでしょう。
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今週からまた多摩美が始まるわけですが。今年はどんな学生が集まるのかドキドキしますね。例年ですと700人くらい来て、もうなにがなんだかわからない感じですけど、今年から金曜日に移りましてね。同じ時間帯にやはり数百人集まるという高橋周平先生の人気講義があるので、学生の数がぐっと減るのではないかと戦々恐々であります。
そこで多摩美新年度スタート記念としまして、昨年の学生作品で以前「たけくまメモ」でもちょこっと紹介したら予期せぬ大反響を巻き起こした、文乃 綺(ふみの・あや)さんの『城』完全版を公開します。前回紹介したのは実は完成してなかったヴァージョンだったのですが、春休みに一所懸命描いてくれて完成させたものです。なかなかよい心がけだと思います。
↓前のエントリ
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_3ac3.html
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Invitation (インビテーション) 2006年 05月号 [雑誌]
こないだ告知しましたが、俺の「長崎尚志インタビュー」が掲載された月刊誌「INVITATION 5月号」(ぴあ)が明日発売になりますのでよろしく。
冒頭企画は「浦沢直樹×宇多田ヒカル」の対談記事、特集は長崎氏インタビューや「MMR」「金田一少年の事件簿」の樹林伸氏インタビュー、「デスノート」担当編集者インタビュー、ヤンジャンの制服グラビア撮影の裏側、佐々木倫子と綾辻行人『月館の殺人』のメイキング秘話など、えんえん50ページにわたって「裏方から見たマンガ界」というか、変わった切り口のマンガ特集になっております。正直、近年のマンガ特集記事では一番面白かった。
実はこの雑誌の編集者(加藤氏)から「そのうちマンガ特集やりますのでよろしく」と連絡をもらったのが一年くらい前。それからも時々メールが来たんですが、なかなか決まらないのでこれはお流れかな、っと思っていたんです。そしたら昨年暮れのメールで「企画が通りましたので、やります」と。それで長崎尚志インタビューをお願いしたいというので、うむむ、なかなかやるなと思っていたわけです。
ひさびさに編集者の執念を感じました。こちらも気持ちよく仕事ができましたね。
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←「やわらか戦車」ラレコ/ネトアニ
会ってきましたよ。なんというか、一応性別年齢不詳ですので表現に苦慮しますけれども、とても素敵なナイス●●●でした。
http://anime.livedoor.com/theater/2.html
↑ネトアニシアターのラレコさんのページ
例によって毎日新聞のフリーペーパー「まんたんプレス」の仕事ですので、今月末発行のやつに載ると思います。そんなわけでインタビュー内容には触れませんが、昨日は昨日で蛙男商会さんの『ザ・フロッグマンショー』の地上波進出第一回だったこともあり、どうやら今年は本格的な「フラッシュ元年」になるような気配。
蛙男さんと、この「やわらか戦車」のラレコさんは、現状「商売にもなるフラッシュ作家」の双璧であると申せましょう。実際、ラレコさんのもとにもいろんな企業からのオファーが殺到している模様。その数、数十社はくだらないとか。
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「たけくまメモ出張版」というコラムが始まりますので大阪の人はよろしくお願いします。毎週木曜日、4人のライターによる持ち回りで、俺は第一木曜担当。俺以外には宮田珠己氏「手のひらを太陽の塔に」、浜野保樹氏「コンテンツ.jp」、吉田豪氏「芸能界最強列伝」というのが始まります。全国の皆さんよろしく……といいたいところなんですが、東京の産経新聞では数年前から夕刊が廃止されてるんですよね。残念。
で、そのコラムでも触れたんですが、いよいよ今夜2時40分から例の『ザ・フロッグマンショー』が始まりますね。産経夕刊は6日付けのなので、ちょっとタイミング的に第一回は間に合わなかったか…と思っていたら、なんと
大阪のABC朝日放送では第一回が4月12日から
なのだそうで、セーフでした。大阪の人、12日には『ザ・フロッグマンショー』のほうもよろしくお願いします。
ここで蛙男商会のサイトをリンクしようと思ったら、またサーバーがダウンしているようですのでとりあえず止めておきます。かわりに「山陰の元気人」というネット記事を見つけましたのでどうぞ。
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普通に売られているのを見て、思わず買ってしまいましたですよ。町田のドンキホーテで確認したのは『ファンタジア』『バンビ』『ダンボ』『シンデレラ』『ピーターパン』の5作品でしたが、この調子だと『白雪姫』や『ピノキオ』もあるんじゃないでしょうか。発売元は有限会社アプロックという聞いたことのないメーカーで、すべてがディズニーの「無認可版」。
「海賊版」と書かないのは、これらは日本の法律においてすでに著作権の有効期限を超過していて、著作権が失効したパブリック・ドメインと見なせるからです。全部のパッケージの裏面に、その旨が表記してあります。たとえば『ダンボ』のパッケージには、こうあります。
《この作品は、1941年にディズニーによって製作されたアニメーション映画ですが、日本においては著作権保護期間を終了し、パブリック・ドメイン(社会全体の公共財産)になっています。そこで今回、映像や音楽は昔のまま、弊社で新たに翻訳・吹込み等を行い日本語吹替え版を製作したものです》
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俺が『大塚康生インタビュー』(大塚康生&森遊机・共著)の書評書いてます。内容は雑誌を買うなりして欲しいわけですが、結構面白い本でしたのでこちらでもご紹介。
書評では触れ切れませんでしたけど、森の専門的&マニアックな質問が凄い。もともとこの人はアニメというより実写映画の研究家なんですけど、俺と同い年(45歳)…ってことは、テレビアニメ第一世代でオタク第一世代ということだな。インタビュー現場におそらくビデオデッキ持ち込んで、具体的に「あのアニメの何話のどのシーン」を一緒に見ながら話を聞き出してます。
それも大塚康生が原画を描いたカットだけではなく、「このカットは誰がやった」みたいな話もたくさんあって、こういうのは現場の証言がないと後世に伝わらないので、純粋に資料として貴重だと思う。
なるほど。アニメーターに対するインタビューの手法としても面白いです。でもこれは最初から書籍化前提で進めているから、タップリ時間もあったんだろうなあ。うらやましいやり方です。
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そういえば今度の東京アニメフェアでは、個人作家のブースがえらい増えていて、あちこちで商談が始まっていましたよ。それも大資本が青田買い、というイメージではなく、小資本のマネージメント代行業、いわゆるエージェント会社が昨年あたりからたくさんできているようです。俺も最近ウェブアニメについてあちこちで書きまくっているせいか、いろんな人に声をかけられました。ありがとうございます。
前エントリでは蛙男商会さんの地上波進出を取り上げましたが、今、個人アニメが注目されている背景には、BS、CS、ケーブル、ネット局の数が増えているばかりでなく、携帯向けコンテンツ需要の増大があるんじゃないかと思います。この状況がいつまで続くかはわかりませんが、個人作家にスポットが当たることは、少し前までは考えられませんでした。いずれにせよチャンスには違いない。面白い時代になったものです。
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蛙男商会のサイトのつながり具合がまだ不安定なようです。聞くところによると、昨夜はピーク時で1時間に1万アクセスが殺到したとか。どうやらヤフーニュースで紹介されたのが原因みたいですが、驚きです。皆様におかれましては、何度もクリックせず、一度クリックして画面が表示されなければ、しばらく時間をおいてから再度接続なさることをオススメします。(写真は向かって右がFROGMAN氏。タニグチリウイチ氏撮影)
先日も速報でお伝えしましたが、TAF(=東京国際アニメフェア/主催側代表・石原慎太郎)でのFROGMANさんの地上波進出第一弾『ザ・フロッグマン・ショー』製作記者発表の模様をお知らせいたします。まずは番組データから
『ザ・フロッグマン・ショー』
●4月5日深夜2:30よりテレビ朝日(大阪朝日放送)にて
●毎週水曜(深夜なので実際は木曜)全11回放送
●内容 FROGMAN脚本・監督・作画・編集・声の出演による『秘密結社鷹の爪』『古墳GALのコフィー』
●製作 蛙男商会/DLE
前回のエントリを少し訂正。基本的に蛙男商会作品は、FROGMANさんの個人FLASHアニメなのでありますが、今回はテレビ地上波での毎週30分番組という非常事態もあり、アシスタントを2名、入れたとのこと。
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先日お伝えしましたように、個人FLASH作家からアレヨアレヨと地上波テレビ(テレビ朝日)進出を果たしてしまったFROGMANこと蛙男商会さんですが、昨日の東京国際アニメフェア(主催者側代表・石原慎太郎)にて制作発表会が行われました。夕方6時には各メディアが記事をサイトにアップしましたが、その直後、蛙男商会のサイトにアクセスが殺到、めでたくサーバーダウン(通称・鯖落ち)と相成りました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/24/news086.html
↑当日の模様を報道する記事
一夜明けた午前9時現在も、つながりにくい状況が続いているようです。負荷を少しでも軽減するためここではURLを表記しませんけども、これはこれで話題を集めているということですから、さい先のいいスタートと言えるかもしれません。
なお『ザ・フロッグマン・ショー』記者発表の模様は本日中にアップします。
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(C)蛙男商会/DLE
例の石原都知事の肝いりで始まった「東京国際アニメフェア」ですが、24日のビジネスデーでの特設ステージで、WEBアニメ作家として著名な蛙男商会さんのイベントに不肖竹熊がゲスト参加することになりました。
蛙男商会といえば、「菅井くんと家族石」「古墳GALのコフィー」といったショート・アニメを多数制作し、WEB上で公開して好き者の間でバカ受けしておられる作家さんです。島根県に居住して幾星霜、完全な個人制作による超低予算リミテッド作品ながら、抜群の「会話のセンス」と編集テンポの良さで傑作を作ってしまう才人。
かねてより知る人ぞ知る才能として注目されておりましたが、なななんと、この4月からテレビ朝日で『ザ・フロッグマン・ショー』という深夜の帯番組を持たれることになりました。24日はその発表会ということです。
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昨日は午後2時から5時まで吉祥寺で「PCで作るアニメーション&2006年アニメ最前線」、それから新宿に移動して朝日カルチャーセンター「僕のインタビュー術」、これが6時半から延長して9時15分まで、計約6時間しゃべり続けでさすがの俺も疲れ果てました。
どちらも満員で、来てくださった皆さん、ありがとうございました。
吉祥寺のほうは、第1部でPIXのうもとゆーじ氏が自作やPIX作品を中心にCGアニメの最前線をレクチャー。PIXは「プロ作家の自主制作集団」という珍しい形態で、全員がゲームやCF、劇場アニメの最前線でCGを担当しているプロ中のプロ。レベルが高いのは当然なのですが、それぞれ手弁当で制作しているところが面白いです。
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こないだオリンピックで金メダルとった荒川静香選手の番組見てたんです。それまでフィギュアスケートなんて全然興味なかったんですが、荒川さんの演技見ているうちにすっかりハマッてしまいまして。うっかりDVDまで注文してしまったくらいです。
それはともかく、荒川さんといえばイナバウアーなんですけど、番組でアナウンサーがですね、「出た必殺技・イナバウアー!」って叫んでいたわけです。確かに
「イ~ナァ~・ヴァゥウ~ワアアアアアー!」
とか絶叫すれば必殺技っぽいんですが、実際はそういうわけではなくて。
普通に「必殺技」って言ってる。これに違和感がありましてね。細かいことかもしれないですが、別にイナバウアーって人を殺すワザではないでしょう。せめて「必勝ワザ」と言えばいいじゃないですか。いや、イナバウアーって実は得点にならないそうなので、しいて言えば「得意技」ってだけ。「印象技」とかね。なのになんで必殺技なのか、と考えてみたんですが、たぶん何も考えずにこの言葉を使ったとしか思えない。そのほうが格好いいから、なんとなく言っちゃったんでしょう。
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昨日のことですが、たぶん日本で唯一「マンガプロデューサー」を名乗っている長崎尚志さんに会ってきました(いや、大塚英志がいたか?)。80年に小学館に入社してから、いきなり手塚治虫、さいとう・たかをなど超大物の担当を歴任、そして浦沢直樹氏の才能を見いだしたという業界ではかなり有名な人です。
現在も浦沢氏の創作パートナーとして『20世紀少年』のストーリー協力や『プルートゥ』をプロデュースしたり、他にも東周斎雅楽などの名義で「漫画脚本家」としても活躍されております(氏は原作者という言葉を好まない。このへんはさいとう・たかを流)。
長崎さんはこれまであまりマスコミには出なかったので、いろいろ謎も多い人だとされていました。今も「原作者」なのか「編集者」なのかよく分からない人と言われますけど、俺に言わせれば氏もまた「編集家」であります。会社員時代から、非常にクリエイティブな側面で作家と対峙する人だったわけです。まあそもそも、マンガ編集者とは作家と一緒にネタを考えることが重要な仕事の一部でありまして、他の出版分野(文芸など)に比べても特に高いクリエイター的能力が要求されるのは確かなんですけど。
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告知が遅れて申し訳ありませんでしたが、3月18日の午後2時から、吉祥寺にある武蔵野商工会議所内ゼロワンホールでイベントがあります。毎年秋にやっている吉祥寺アニメ映画祭の関連イベントなんですが、スタッフは同じものの厳密には東京都主催のアニメフェアの関連企画であります。(秋のは吉祥寺の商店街が主催)
3月18日(土)13:30開場 14:00~17:00 入場無料
武蔵野商工会館4F ゼロワンホール
第一部:「PCで作るアニメーション」
第二部:「2006年アニメーションの最前線」
講師:うもとゆーじ(アニメーション作家)、
竹熊健太郎(多摩美術大学)、氷川竜介(アニメーション評論家)
第一部に登場するうもとゆーじさんは、プロのCG作家でゲームやCM方面でご活躍ですが、彼が中心となってPIXという「プロCG作家による自主制作団体」を結成して精力的に活動中です。今回はPCによるアニメ制作を、一般にもわかりやすく解説していただきます。PIXの作品も多数上映しますので、ぜひお越しください。詳しくは下記URLにて。
http://kichifes.jp/index3.html
http://kichifes.jp/animation/news.html
↓PIX公式サイト
http://www.pixlabel.net/
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2月26日に「俺と萌え(番外)萌えとフェチは違う?」でちょこっと触れた斎藤環氏の発言に関し、俺が若干誤解したまま書いてしまった部分があり、それに対し翌27日、俺のmixi日記のコメント欄で氏から「真意の説明」がありました。
いまさら解説するまでもないでしょうが、斎藤環氏は『社会的ひきこもり』(PHP研究所)などの著作で著名な精神科医であります。またラカン派心理学者の立場から、『戦闘美少女の精神分析』(太田出版)『博士の奇妙な思春期』(日本評論社)『フレーム憑き』(青土社)などでマンガやアニメにおける「おたくと萌え」の問題に対し自説を積極的に発表されている論客であり、俺と同世代の友人であり、そして立派な「おたくオタク」(オタクに対してオタク的に追求する、ある意味典型的なオタク)でもあります(笑)。
医学者としての氏が「オタク」に注目した理由は、臨床の現場で日々「ひきこもり」の人たちと接するうち、それとは親和性が高いものの異なる存在である「オタク」の生き方に注目し、ひきこもりを「治療」する極めて実践的な方法論として、彼らに「オタクの勧め」を説いたところにあります。氏は「趣味の場やインターネットを通じたオタクのコミュニケーション能力」に触れ、これが「ひきこもり」との決定的な差異だという考え方をもたれています。
斎藤氏のユニークさは、世間で言われるようにオタクは決して非社会的な存在ではなく、むしろ「社会的な存在なのだ」と主張したところにあります。これは多くのオタク論の盲点を突いた視点であると言えます。
ところで俺はこのブログとは別に友人知古限定のmixi日記をやっております。始めたのは「たけくまメモ」より古く、初期は「たけくまメモ」と同じような内容を書いていました。今はこちらのブログ更新で手一杯で、「たけくまメモ」のURLリンクを貼って友人向けのコメントをもらうだけという、手抜き状態に陥っております。しかしmixi備え付けの別ブログリンク機能を使わず、URLをいちいち貼っていますので、mixiのコメント機能は独立して使えるメリットがあります。
斎藤氏は、最初は「たけくまメモ」にコメントをつけようかと思ったそうですが、こちらのコメント欄の流れに遠慮してmixiの方にコメントしてきました。一読して斎藤氏の立場がよくわかる重要な文章だと思いましたので、斎藤氏の許可を得てこちらに転載するものです。
以下、当該エントリに今一度目を通されたうえで、斎藤氏と俺のやりとりをお読みください。自分のコメントに手を加えたい欲求にかられましたが、氏のコメントは原文ママですので、誤字を除いては俺のも原文ママで行きます。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_6392.html
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前回のエントリのコメント欄で、「くろいぬ」さんが、「たけくまさんが言っている“動き萌え”はフェチのことであって、本当の萌えとは違う」というようなご意見を書かれ、ご自分のブログでもエントリ化されています。
●くろいぬの矛盾メモ(「萌え」とは「特定のキャラ属性を持つキャラへの受動的な全肯定」)
http://d.hatena.ne.jp/shields-pikes/20060225/p1
実は精神医学者の斉藤環さんからも似たようなこと(フェチと萌えは違う)を言われたことがあって、ただそのときは特に議論を深めるまでもなく、それっきりになっていました。斉藤さんの真意はよくわからないんですが、今度会ったら聞いてみたいと思います。(※註)
正直、「(露骨な)エロと萌えは違う」というのは、わかるんですけど。あるいは「可愛い」と「エロ」の中間に「萌え」があるというなら、わかる。ただ俺には今でも「フェチ」と「萌え」の本質的差異がよくわからなかったりするわけです。たとえば「メガネっ娘」に萌えるとか、ネコミミなどに萌えるっていうのは「フェチ」とどこが違うのかとか。
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この一連のエントリ、じつは構成をキッチリ決めて書いているわけではありません。俺が過去に感じた「萌えみたいなもの」、あるいは「萌えのルーツ」について、知りうる範囲を、多少とりとめのないまま書くつもりなのであります。
ちゃんと考えが整理されているわけではありませんし、そもそも俺が書いている「萌え」は、現在使われている「萌え」とは違うものかもしれません。それでもどこかで繋がっていると思いますので、一種の思索のたたき台として、話を続けます。
◆
「萌え」について語る人は現在、無数にいますよね。ネット内の皆さんはもちろんのこと、アカデミズム系論客などでも。伊藤剛くんもその一人だし、東浩紀、斉藤環、森川嘉一郎氏なんかがそうですね。つーか、全員俺の知り合いですけど(笑)。
これから俺が書くことは、彼らには何の責任もないのだけれど、以前からひとつだけ気になって仕方がないことを指摘しようと思うわけです。それは全員が「静止画の萌え」しか語っていないということです。これは別に彼らに限った問題ではないんですが、俺的にはけっこう気になることなんですよ。
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今回のエントリ、もともと『サルまん・萌えプロジェクト』とは別に考えていたものでして、実は昨年春に一度予告もしていたやつです。その後『サルまん』の萌え企画が生まれましたので、そちらに合流させようとタイミングを伺ってきました。ようやく書けてほっとしてます。
◆
これまで俺は「萌えがわからない」と言ってきたんですけど、じつは厳密にいうなら「萌えがここまでメジャーになっている事態がよくわからない」と言うほうが正しいかもしれないです。俺自身、胸に手を当ててみるなら、萌えにまったく縁がないわけでもない。2次元キャラに疑似恋愛感情を抱くようなことは、俺などにもあったわけですし。
俺の世代は別名オタク第一世代とも言われますけど、この世代が支えた70年代末のロリコン=美少女マンガブームは、「萌え」の直接的ルーツと言っても異論はないのではないかと思います。まあ俺自身には、特にロリコン趣味はないんですが、しかし80年代には『漫画ブリッコ』なんて雑誌で連載もしていたくらいで、結構そういうのは身近でありました。周囲にもロリコン同人誌作ってる奴がたくさんいましたし。
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昨日の相原コージ先生の萌え絵に早速皆さんのツッコミ、否、懇切丁寧な添削が送られてきました。その一部をご紹介したいと思います。相原先生はこれを見て勉強してみてください。
さて実は一番最初にお送りくださったのが、『漫々快々―みんなのマンガがもっとよくなる』でもおなじみのマンガ家・菅野博之さんからでした。以下メールの一部と一緒に引用させていただきます。
《私の絵自体、萌では無いので赤ペンも萌を語るのもおこがましいのですが修正を入れた感想としては、「エラ」が最大のネックではないかと思いました。萌絵の顔面は骨格無視なので、あごを意識しすぎると「エラ」になってしまうような気がします。エラをなくして絵的に調整すると、あごの位置がしゃくれて感じるので少し耳側にずらすとよいようです。(菅野博之)》
SOUさん(左図)は、特に目の描き方についてご指摘くださいました。ただこれは、特に萌えだけではなく昔ながらの少年マンガ的な描き方にも通じるものがあるかもしれませんね。手塚系アニメ絵→少女マンガ経由→萌え絵、という流れがあるような気がします。
萌え絵のルーツの一端は、待ちがないなく手塚治虫経由のアニメ絵に求められると思いますが、現在の萌え絵に至る描線の発展史は、一度追求する価値があると思います。これについては今度エントリを改めてやってみたいと思います。
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相原コージ先生が忙しい合間を縫って可愛い「萌え絵」を描いてくださいましたYO!
「一応、メイドでツインテールでメガネっ娘にしてみました。アホ毛っていうんですか? 頭頂部にもオバQみたいな毛を2本入れてみたのがチャームポイントです。個人的にはとても気に入ってるんですが、いかがでしょう。息子が来年受験で何かとお金もかかりますし、この際、思い切って萌えマンガ家に転向して収入拡大の道を考えてます」(相原コージ・談)
ということなんですが、萌えについては俺も相原先生とどっこいどっこいの初心者なので同じく不安であります。そこで親切かつ腕に覚えのある読者の皆さんのご意見を伺いたいところです。『サルまん』の描き下ろしが成功するか否かは、相原先生の萌え絵にかかっていますので。
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前回のエントリでは『サルまん』の作り方と称して、アイデアの生成過程について述べましたが、これは実は『サルまん』独自のものでもなく、多くの創作の過程にも通底するプロセスであったりします。ここではその補足として、もうひとつ、これをやればより『サルまん』らしくなるというポイントを付け加えてみたいと思います。
それは「作中の二人は、売れている(はやっている)物を絶対肯定する」であります。
『サルまん』の基本プロットは、マンガ家の卵である「相原」と「竹熊」がいろいろやって「売れっ子マンガ家」となり、最終的には「日本を征服する(つもりでがんばる)」というものです。ですから、とにかくそのときに売れているマンガを全肯定し、その「売れるポイント」を抽出して応用することで、より「売れるマンガ」を描こうとするのがそのあらましです。
個人の趣味やマンガとしての善し悪しはこの際関係ありません。とにかく売れてもうかればいい、というドライなホリエモン的価値観が、作中の二人を支配しているわけです。
もちろんあの二人のことですから、その課程でさまざまな勘違いやボケが発生し、最終的には気が狂った作品になることで読者の皆様にお笑いいただかなければなりません。目的はそこなんですが、しかし、そのためにも一度真面目に対象ジャンルを考察しておくことが必要になります。
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『サルまん』プロジェクトを再開するにあたり、重要なことを確認しておきます。これから我々は「萌え」をテーマに『サルまん』を一本仕上げてみようというわけです。しかも可能な限りその一部始終をネットで公開しようというのですから、このブログをご覧のみなさんも心得ておいて損はないでしょう。すなわち「サルまんの作り方」と申しますか、あの作品を作るための秘訣をこれから書きたいと思うわけです。
もちろん『サルまん』を『サルまん』たらしめる要素はいくつかあるわけですが、かつて我々が連載していたときには、1本仕上げるうえで必ず踏襲するプロセスがありました。それを出来る限り順番を追って、忠実に整理してみたいと思います。
(1)テーマを決める
これはどんな作品でもそうでしょうが、まず最初に「何をモチーフやテーマにするか」から始まります。『サルまん』の場合、「マンガの描き方のパロディ」というコンセプトが大前提にありますので、当然、さまざまなマンガのジャンルや、マンガと強く関係する事象が対象になります。今回はとりあえず「萌え」を扱うことは決まっていますので、(1)のプロセスは終了しています。
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年末年始はなんだかんだでスルーしてしまいましたが、ぼちぼち「サルまん・萌えプロジェクト」を再開します。それで昨日、相原くんと担当の天野さんとで打ち合わせを再開したのですが、例の「判型」の件で、また新しい動きがでてきました。判型をどうするかについては、すでに当ブログでも議論しています。詳しくは以下のURLをみてください。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/post_3f9d.html
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/post_5c6e.html
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/post_4b68.html
↑んで、俺的には「ここは思い切ってB6にしてみようか」と思っていたところ、このたび小学館から別の提案が出てきました。要するに判型はA5に戻して2分冊とし(97年に出た新装版と同じ)、その代わり思い切ってハードカバーにする。全体を厚めにして、単行本未収録原稿や、描き下ろし部分を含めて「豪華愛蔵版」として出す、というものです。
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またまた告知ですが、来たる3月3日のひな祭りの日、恵比寿の東京都写真美術館で「FLASHアニメーションの進化」というイベントが行われます。
http://www.cgcarnival.com/index_j/special2006.html
参加メンバーを見るとPOEYAMA、大沢駿、512kb、蛙男商会、ルンパロといった面々で、実を申せば昨年大阪で行われたJAWACONと同じメンバー。昨年暮れにはJAWACON東京大会も行われたわけですが、それを見逃した方、今度は事実上のJAWACON東京大会リターンズといった趣ですので、ぜひとも見に行くべきではないでしょうか。不肖竹熊もトークゲストみたいな感じで参加いたします。しかも入場無料!
クオリティは保証つき! たぶんFLASH分野に関しては日本で最高水準のイベントになると思いますのでぜひ会場にお越しください。ただし入れるのは先着200名様ですのでお早めに会場にお越しくださいとのことです。
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昨日の多摩美学生の耽美イカマンガ「城」ですが、なんかこっちの予想を上回る反響でネットでプチブレイクしている模様。俺のmixiページ(内輪だけに限定公開)でも紹介したら、マイミク仲間の吉田戦車・古屋兎丸両氏をはじめプロ作家・編集者諸氏から好意的な評価をいただきました。
また本日(13日)の「たけくまメモ」は3万アクセスに達しそうな勢いです。ここは作者に成り代わりまして御礼申し上げます。
実はこのマンガ、そう長くないので全部公開しようか迷いましたが、部分的に未完成だったのでサワリだけ紹介したのです。これ以外にあと数ページぶんありますが、掲載部分だけでもだいたいどんな作品かはわかると思います。本人も「必ず完成させる」と申しておりますので、この春立ち上げる別サイトで、他の優秀作品と一緒に公開する予定です。
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映像の一部をまだ残してますが、多摩美課題の採点もほぼ終わり、昨日、なんとか講評会にこぎ着けることができました。
今年は全体に低調だったという意見は変わりませんが、最終的には何本か評価しうる作品に遭遇することもでき、ほっとしております。面白いもので、毎年同じ課題(マンガかアニメを作って提出)を出しているんですが、その年ごとの「傾向」があるんですよね。
たとえば最初の年は、ドラえもんとかジョジョのパロディが悪目立ちしたりとか、それを注意したら、今年はパロディ系がぐっと減ったかわりに、自殺ネタが目立ちました。
アレですよ、青春の苦悩を抱えた主人公が、短い人生を回想しながら身投げしたりする。青春の一ページとはいえ、みんなそんなに死にたいんでしょうかねえ。首つりは大小便垂れ流しになりますし、飛び降りは痛いですよ~。
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いや~寒いっすね~。
全国至る地域が大雪で大変みたいですが、東京なんて雪も降らないのにメチャクチャ寒いですよ。明日から三連休なんで今日中に銀行行こうとして、表に出たら後悔しました。なんかダイヤモンドダストが見えた気がしますがよく見たら雪でした。すぐ止んで、あとはひたすら底冷えがジンジンと…。
それはそれとして、年も明けたのでそろそろ『サルまん・萌え企画第二弾』に突入しようと思うんですが、11日に大学最後の講義があるのでそれまで待っていただけるとありがたい。今度は相原コージくんにも協力してもらいますから。今考えているのは、相原くんに萌えイラストを描いてもらって、それをネット内の萌え絵添削サイトに応募するとかはどうでしょうかね~。本人死ぬほど嫌がるでしょうね~。
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昨日の日曜日、さっそく「B6縮小判サルまん」(中身はバガボンド・20世紀少年・ケロロ軍曹)を持ってジュンク堂池袋店に行ってまいりました。いきなり行ったのでコミック売り場のTさん(♀)もビックリしていました。なんでもその日はちょうど青池保子先生のサイン会があるとかで、準備に大忙しの最中なのに余計なお願いをして申し訳ありませんでした。
ジュンク堂池袋店→MAP
ジュンク堂は全国にチェーン展開する大規模書店なのですが、まさしく「本好きのための本屋さん」と呼べる数少ない店。平台よりも棚差しに力を入れたユニークな店の造りで、印象はまるで図書館のよう。もちろん棚差しのほうが量を置けますので、その在庫量はまさに圧倒的です。棚の分類なども痒いところに手が届く感じで、店内には机と椅子を用意して「座り読み」のできるスペースもあり、本との「出会い」を大切にしているお店の方針がうかがえます。池袋店は地下一階の全フロアがコミック売り場になっていて、現在流通しているマンガのすべてを置く方針とのこと。本好きであれば、一度足を踏み入れたらリピーターになること請け合いであります。
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←写真左からB5(週刊誌サイズ)、A5(教科書サイズ)、B6、新書、文庫
「サルまん」来春発売にあたりまして、描き下ろし以外にも決めておかなければならないことがあります。そのひとつが判型(本のサイズ)なんですが、最終決定の参考にしたいと思いますので、皆様、特にこれを読まれている書店員の方にご意見をお伺いしたい。
最近まで俺はよく知らなかったんですが、今のマンガの売れゆきに極めて重大な影響を与えるものに「判型」があるのだそうですね。先日池袋のジュンク堂に行った際、地下のコミック売り場で名物店員のTさん(♀)と立ち話をしておりましたところ、Tさんから「書店の希望としては、新たに出る『サルまん』は、できればB6にしてほしい」と言われたんですよ。
こちらとしてはそれまで「オリジナルのB5(雑誌サイズ)が理想なんだけど、定価が高くなるからやはりA5(教科書サイズ=新装版のサルまんがこのサイズ)かなあ」と漠然と考えていたわけです。そしたらTさんが「いや、今はB6以外は全然売れない」のだとおっしゃるわけです。
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そんなわけで、楳図先生幻のデビュー作「森の兄妹」、「底のない町」(岬一郎シリーズ第一弾)のカップリング復刻に続きまして、岬一郎シリーズ第二弾『姿なき招待 正・続』が二巻組で出ちゃいます! この作品はこれが約50年ぶりの初復刻! 絶賛発売中ですよ!
現代日本におけるもっともマニアックな版元と呼ばれる小学館クリエイティブの仕事だけあって、またもや完璧に当時のままの造本を再現! 初期のB6サイズ貸本漫画の息吹を今に伝える匠のワザにオジサン連中も感激です! なお今回は不肖竹熊も解説文を書く栄に浴しまして誠にありがとうございました。
それで『姿なき招待』なんですが、個人的には『底のない町』をさらにしのぐ傑作なのではないかと思いますよ。絵柄こそ後のタッチとは違いますが、内容的な面において「楳図世界」が確立したのはこの作品からなのではないかとひそかに考えておるわけです。
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天才は思わぬところにいるのだということを、このページを見てつくづく思い知りました。
これなんだと思います? 弁当ですよ弁当!
普通のご家庭の主婦が、高校生の次男坊のために毎日毎日心を込めて作っている愛情弁当(次男坊が学校で恥ずかしい思いをするため、彼女は虐待弁当と呼んでいる)の記録写真なのです!
http://blogs.yahoo.co.jp/kasumin_yorosiku/GALLERY/gallery.html?fid=&m=&p=1
(↑★彡高3次男へ虐待弁当?キャラ弁★彡のページ。上記図版はすべてここから引用。弁当製作=霞んさん)
近年これだけ感動したことはありませんでしたので、皆様と感動をともにするべく、ここに謹んでご紹介いたします。写真集出たら買うな、俺は。つか一度食ってみたい。
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その後もロドリゲス奈々子こと「バカなあたし」の萌え画像が届いておりますので、ここらでまた公開いたしましょう。まず左の図は無七志さんのカラー版バカなあたしなんですが、俺の絵をベースにパステル調にカラーリングしていただきまして、なんか色彩は完全に「萌え」のような気がします。無七志さんは、これのヴァリエーションで「SONOKOエフェクト」版も投稿していただきました。
これがそうですが、俺としてはここまでやらなくとも、上の図でもじゅうぶん萌える気がします。やはり萌え絵はパステルカラーですよね!
萌えといえば、あの夏目房之介さんも自分のブログで「萌えについての断章」を書かれていました。なんかここに来て「萌え世代」以外から「萌えとは何か」を考察する動きが始まってきたみたいです。こうなると必ず若い世代から「けッ、オヤジに萌えの何がわかるっていうんだよ!」というボヤキが聞こえてきそうですが、それだけ萌えが無視できない現象になってきたということなのでしょう。
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/004000.html
(夏目さんのブログ)
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さっそく、読者のみなさんから「バカなあたし」の萌えバージョンが続々送られてきて嬉しい限りです。
作者は、一番左から俺(オリジナル版)、豆たろうさん、SOUさん、永田電磁郎さんの4名。みなさんなぜかツインテールメガネメイド版ではなく、オリジナル版から描かれてますね。
以降、投稿する人や、前エントリのレスもこちらにお願いします。いろいろな「萌え」の形から、勉強したいと思いますので、腕に覚えのある方はよろしくどうぞ。
それから、早いうちに別掲示板を作ったほうがいいかもですね。ココログのコメント機能は貧弱すぎるので。(つづく)
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『サルまん』復刊に当たり、今となってはもう古くさくなっている部分を点検してみました。でもやるんじゃなかった。ページをめくる度に古い箇所が続々と発見されております。たとえば左のウンチク部分とか。俺が担当したコラム(イラスト含む)ですが、エロコメの回ですね。
そうそう、エロコメってのは「エッチ系ラブコメ」みたいな意味の造語で、サルまんで流行らせようとして考案したんですけど、イマイチ流行りませんでしたね。まーそれはともかく、ここで俺は「昔のエロ劇画」と「現在のエロコメ」マンガを対比しているんですが、「現在」の部分が決定的に古くなって目も当てられません。これだと、だいたい80年代初頭のエッチマンガの感覚ですかね。エロまでは行かないような。でもこれ描いた時期は90年初頭で、そもそも連載当時から古かった…んですけど、まだ遊人とか国友やすゆきさんなんかが全盛でしたからね、かろうじて許容範囲でした。この頃はまだしも。
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こちらは家の近所にあった自動車修理工場なんですが。ここの社長は確実にオタクなんだろうなと思いました。
http://www.ac-bu.info/02.wmv(ダウンロード可)
ザマギとかいう変な名前のバンドのプロモアニメらしい。
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いや~復刊ブームですなあ。先日の楳図先生デビュー作といい結構なことであります。関係ないけど俺の『色単』もデビュー作なのでしたそういえば。「編集家」としての仕事第一号ですね。アマゾンではいつまでたっても予約扱いですが、今週中にはいいかげん買えると思いますのでよろしくお願いします。
それで田中圭一さんなんですがね。彼の初期代表作というか、初連載作品の『ドクター秩父山』が堂々復刊ですよ。それも「正編」にあたる『ドクター秩父山』がアスペクトから、続編の『ドクター秩父山だ!』がぶんか社から同時刊行という、極めて珍しいパターン。そんでもってメジャー連載『昆虫物語・ピースケの冒険』も併せて三冊ドーンと出ましたです。
田中さんといえば、あの小池一夫御大の劇画村塾出身。デビューも「Comic劇画村塾」だったと記憶しておりますが、一貫してシモネタを描き続けていたためか、劇画村塾の同窓会にも呼ばれないのだそうですよ。知らないうちに卒業生リストから抹消されていたんだとか。
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今年は画業50周年ということで、もうマスコミに出まくりの楳図かずお先生ですが、これから来年に向けても、復刻企画が続々と実現していくとのこと。
そんなわけで先日の『へび女』『ねがい』『蟲たちの家』(以上小学館)に続き、今度は小学館クリエイティブからななななんと、楳図先生の処女作品『森の兄妹』、そして幻の貸本サスペンス『底のない町』が出ました!出ました!出ました!出ました!
これはすごいことですよ。『森の兄妹』はヘンゼルとグレーテルを原作にした童話なんですけど、これを描いたときの楳図先生、なんと14歳! 習作として描かれたものでしたが、その後18歳のとき(1955)に、東京のトモブック社から立派な本となって出たのであります。
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なんかここ数日の「某マンガ家の盗用問題」にはじまる一連のエントリにおいて、コメント欄が爆発してしまい、もはや全部読むのも大変な状況になっております。一応俺のほうは「フォトライブラリ構想」まで含め、この件に関する意見は一通り述べたつもりです。が、皆さんもご指摘の通り、コストの見積もりを含めて、非常に穴だらけの構想ではあります。
ひとつ書いておくと、俺のライブラリ構想は、出版界は長年マンガで儲けてきたのだから、多少は創作現場の利便性のために利益を「還元」してもバチは当たらないのではないかと思ったことがきっかけなわけですね。また写真トレスなどで生じる著作権侵害問題は、マンガ界長年の宿痾でもあったわけで、こうしたライブラリを設けることで「訴訟リスク」が少しでも軽減できれば…と考えたからでもあります。
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一連のエントリのまとめとして、エントリやコメント欄でも話題になった「マンガ家用のフォトライブラリー」について、再度書いてみたいと思います。
現代のマンガ表現において、マンガ家が作画参考用に写真を使用することは、ごく当然の行為になっています。まあ『フリテンくん』とか『ぼのぼの』のような作品でどれだけ使うかは疑問ですが、リアリスティックな描写を要求する劇画やストーリーマンガでは、写真は、まず必須の作画資料と言っていいでしょう。
さてこうした写真を作家がどう調達するかというと、たいていは、あらかじめ用意しておいた雑誌写真のキリヌキや、写真集などを使うことが多いわけです。ここで写真はあくまで参考にして、十分な程度のアレンジを加えることができれば、著作権的な問題は生じにくいわけですが。
しかし「単純トレース」から「創作性を持ったアレンジ」までの間には巨大なグレーゾーンが存在するのは確かで、本人はアレンジしたつもりでも他人はそう思わないケースもあり、これこそがまさに、マンガ家がしばしば写真家などから訴えられる土壌になっているわけです。ちなみに資料が写真でなく絵画であった場合でも、考え方としては一緒です。
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前エントリで、「竹熊はトレースと模写の違いを混同して議論している」というような疑問が寄せられました。具体的にはおがたさん、fineさん、ニュー速+住人さんなどからの書き込みです。まずおがたさんが、
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例の少女マンガ家による「スラムダンク」の構図盗用問題について、「竹熊の意見が聞きたい」という声があちこちから寄せられるようになりました。著作権問題についてはかねてから関心のあるところであり、この際「報道から知りうる範囲」を材料にして、自分の意見を述べてみたいと思います。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0510/18/news099.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051019k0000m040140000c.html
http://www.kodansha.co.jp/info.html(←講談社お詫び文/現在削除)
http://www.kodansha.co.jp/betsufure/(←編集部&著者お詫び文)
http://cabin.jp/k55yuki/(←ネット上で設けられた検証サイト)
意見を述べる前に、最初に確認しておきたいことは、今回の問題、現時点では「著作権侵害事件」ではないということです。というのは、著作権侵害は「親告罪」ですので、著作権者、すなわち今回の場合は「スラムダンク」の著者である井上雄彦氏が「エデンの花」作者である末次由紀氏を裁判所に訴え出ない限りは、罪を構成しません(※)。
※この文章を読んだ法学部の学生さんから指摘があり、「親告罪で告訴がなくとも、理論的には犯罪を構成する」とのこと。が、「現実に告訴がない限り、裁判にはならない」のだそうである。
これを書いている時点で、井上氏が末次氏を公式に訴えたという話は聞きませんから、今回の末次氏の謝罪、そしてそれを受けての版元の「全作品絶版回収」は、あくまでも「道義的な責任」を感じての「自主的な行為」だということです。これを最初に確認したうえで、以下、私見を書きたいと思います。
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前にもちょこっと宣伝しましたが、今度の日曜にBSフジの「クイズ五人の壁」という番組に出演します(放映は10月30日午後10時から)。なんで俺が呼ばれたのかというと、お題のひとつが「楳図かずお」でありまして、まあ楳図ネタを使った「カルトQ」みたいな感じ。こないだ、たまたま楳図先生と対談させていただきましたので、その縁で呼ばれたみたいです。俺以外では元祖オタドルとして著名な中川翔子さんも呼ばれているみたいです。もちろん楳図先生ご本人も。
http://www.kyodo-tv.co.jp/ja/var/index.html(番組HP)
それはともかく中川翔子さんが描く楳図調マンガが激ウマ! 内容も楳図マインドを正しく継承している感じで物凄いですわ。翔子さんとは親友だという喜屋武ちあきさんもそうでしたが、最近のアイドルはどうにかなってますね。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Spotlight/2422/(公式)
↑翔子さんの漫画は、公式トップにある楳図調の猫の絵をクリックすると読めます。
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「『テヅカ・イズ・デッド』を読む(4)」のコメント欄で、いつの間にか黒澤明の話になり、「そういえば…」という感じで俺が「昔、黒澤明と手塚治虫が映画を合作する話があった」ということを思いだし、その旨を書きましたら漫棚通信さんがブログでこれを取り上げていただきました。
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/
当方のはコメント欄でのやりとりであり、しかもエントリの本筋とは関係ない話です。このまま埋もれてしまうにはもったいないネタなので、改めてこちらにアップします。コメントの詳しい前後関係は、当該のコメント欄を参照してください。
まずはAaさんの「黒澤明が大平洋戦争中にディズニーの『白雪姫』を見た」というコメントを受けて、俺がこのようなレスを返したところから始まります。
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続きを書こうとまごまごしている間に、あちらこちらで『テヅカ・イズ・デッド』の感想がアップされはじめているようであります。ことにすがやみつる氏のブログ「すがやみつるの雑記帳」では、『テヅカ…』の「キャラ論」について、先に感想を書かれてしまいました。今回の当エントリの内容とかなりダブるのですが、めげずに書くことにします。すがや氏のブログはマンガ表現・マンガの歴史について自らの経験をもとにした非常に有益な内容が書かれているので、ぜひ一読をお勧めします。
http://www.m-sugaya.com/blog/archives/000256.html
(3)「キャラ」と「キャラクター」の分別・1
以上の考察を経て、伊藤はいよいよ、マンガにおける「キャラクター」の問題へと論旨を進めていく。第三章「キャラクターとは何か」がそれで、本書の中核といえる部分だ。これからその部分を紹介するが、正直、かなり高度な議論を要求する微妙な領域の話なので、竹熊の理解不足のところがあるかもしれない(あったら、ご指摘をお願いしたい)。
従来のマンガ表現論では、マンガの基本構成要素として「絵」「コマ」「言葉」に分別されることが多かった。しかし伊藤は本書でこれを「キャラ」「コマ」「言葉」に分別する。通常の読者心理として、マンガを読むということは、ただ絵を見るというより、「キャラクターの行動」を(感情移入しつつ)追っていく、という意味合いが強いからである。
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『テヅカ・イズ・デッドを読む(2)』のコメント欄で、マローさんが次のようなコメントを投稿されました。
《思いつきですが・・・強いライバルが次から次へとというジャンプスタイルって、かつて手塚先生がライバル視していた福井英一さんのスタイルのような気がするのですが・・・いやイガグリくんとか知らないのであくまで推測なんですけど。》(マロー)
これへのレスを書いていたら、長文になり、しかも重要な内容を含んだと思いましたので、改めてエントリとして独立させます。
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←伊藤剛氏から提供された表紙原画(画・和田洋介)
話を『テヅカ・イズ・デッド』に戻す。今までの文章をふまえて本書の論旨を私なりにまとめると、だいたいこのような展開になっている。
(1)マンガはつまらなくなった言説の検証
前回までのエントリでも述べたように、90年代に入り、団塊の世代(50代~)からオタク第一世代(40代~)にかけての論客の多くが、どうしたわけか口々に「マンガはつまらなくなった」と言い始めた。しかし現行のマンガは、一時ほどではないにせよやはり売れているし、伊藤からみて面白いマンガはたくさんある。必ずしもマンガ表現総体が衰弱しているとは思えないのだが、先行世代の論者は意識的にか無意識的にか「今のマンガ」を無視しているように見える。これはなぜか。
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ちょっと伊藤本からは外れますが、手塚治虫関連の話題です。東京都の女子大生、M泉さんから昨夜次のようなメールをいただきました。
> 竹熊先生、
>
> はじめまして。いつも先生の日記や数々の著作を、
> 拝見させていただいております。
> 私は都内に住む大学生でM泉N子と申します。
> 本日は竹熊先生に教えて頂きたいことがあり、メールさせて頂きました。
> 先生は手塚治虫の『七色いんこ』に頻出するギャグ、
> 「日本の国土ッ!」という言葉の意味をご存知でしょうか?
> 自分なりに色々と調べてはみたものの、どうしてもわかりません。
> 「もうこれを聞けるのは竹熊先生しかいない。。。」と思い、
> このようなメールを送ってしまいました。
> お忙しいのに、申し訳ありません。気が向いたときに返信を
> いただけたら幸いです。
>
> M泉N子
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さて、伊藤剛の「つまらなくなった言説批判」であるが、伊藤がどこまで意識したかは知らないが、かなりの部分私(竹熊)にも当てはまる耳の痛い批判にもなっている。というのは、そもそも私が相原コージと『サルでも描けるまんが教室』(復刊計画が進行中。続報は後日!)を始めた最大の動機が、まさに「最近のマンガはつまらなくなった」という実感にもとづいているからなのだ。
そこでマンガの「様式」をパロディ化することで、この際一度、徹底的にマンガを解体してしまおう、というのが私と相原の共通認識であった。当時進行しつつあった商業主義的マンガ状況に対し、相当の悪意を持って始めた連載だったのである(しかもそれをスピリッツという「100万部の商業雑誌」で描いたところがミソ。よくあんな不届きな連載をさせてくれたものだと、編集部には感謝している)。ちょうど手塚治虫が死した8ヶ月後に『サルまん』の連載を開始したという事実も、偶然とはいえ、今となっては感慨深いものがある。
断っておくが、べつに私は「手塚が死んだ」から「マンガはつまらなくなった」と考えていたわけではない。ただ「ストーリーマンガ」が、総体として、80年代に入ったあたりから急激に「つまらなくなった」と感じていたことはまぎれもない事実である。具体的にはある時期から『少年ジャンプ』が読めなくなったことが大きい。
『ドラゴンボール』が天下一武闘会をはじめたあたりで、世間の人気とは裏腹に、私は作品に対する興味を失っていった。こういう試合試合で引っ張っていく作劇は、遠くは『アストロ球団』に始まり『リングにかけろ!』で完成したジャンプ・スタイルである。『アストロ』は今でも好きな作品だし、『リンかけ』まではまだシャレとして楽しめたのだが、アンケート主義とあいまって、あらゆる連載が毎回試合を行うことで「強いやつのインフレ現象」を示すに及んで、私ははっきりついて行けないものを感じた。それはもはや、少なくとも私の考えるストーリーとは呼べないからである。
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以下の文章は先頃刊行された伊藤剛の著作『テヅカ・イズ・デッド』を読んでの感想であります。とはいえ書き始めたらとまらなくなり、内容紹介を含めて相当な分量になってしまいました(しかも、まだ書き終わっていない)。マンガ論としては久しぶりに出た本格的な理論的著作であり、2年半に及ぶ本書の「産みの苦しみ」のプロセスを友人として端から見ていただけに、個人的にも感慨深いものがあるのは確かであります。
マンガ表現やマンガ史における新見解をいくつも含んだ野心作で、かなり専門的な内容(価格も専門書的)ですが、難解な用語をことさらに駆使しているわけではなく(むしろそれは最小限に抑えている感じ)、マンガ表現に関心のある人なら、一度は目を通して損はない出来だと断言できます。この感想はまだ執筆途中ですが、なかなか終わらないので「短期連載」にしました。本書における伊藤くんの論旨には私自身のマンガ観にも反省を迫る部分があり、したがって単なる紹介を超えた「俺語り」の部分が出てしまったことを、最初にお断りしておきます。
●
書き下ろしのマンガ論としては、近年まれに見る快著が出た。伊藤剛の『テヅカ・イズ・デッド~ひらかれたマンガ表現論へ』(NTT出版、2400円)がそれだ。実は版元の好意で発売前に著作を入手していて、本来ならすぐにでも紹介記事をアップするつもりだったのだが、今日まで延び延びにしてしまった。それというのも、本書は「マンガの見方」に関する新見解や、先行世代の評論家(もちろんそこには竹熊も含まれる)への本質的な批判が含まれているので、とても高見に立って気楽に感想を書ける種類の本ではなかったからだ。
本書の第一の目的は、戦後の「マンガ史」や「マンガ語り」を無意識的に支配していた「起源=神様としての手塚治虫」という呪縛を、主にマンガ表現論の手法を駆使して解くことにある。同時にこれは「(手塚中心史観を離れた)ありのままのマンガ観」がどこまで語れるか? という本でもある。このありのままのマンガ観、本書のサブタイトルに倣えば「ひらかれたマンガ表現論」には、当然手塚マンガそのものも含まれる。その意味で、手塚マンガや手塚本人を貶めるものでは決してない。
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こないだの土曜日、漫画史研究会の面々で「谷岡ヤスジ展」に行ってきました。その入り口にあった記念撮影用鼻血ブーの前で。ちなみに夏目房之介ヴァージョンはこちら↓。
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/003829.html
あと展覧会の告知ページはここ↓。
http://mitaka.jpn.org/calender/gallery/065.shtml#g1
↑10月23日までやっているようです。展示では、原画もさることながら谷岡さんのスケジュール表が圧巻でした。毎日締め切り状態が何年も続いている。俺なら逃げます。
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以前、当メモでご紹介した「第2回吉祥寺アマチュアアニメーション映画祭」の開催日が近づいて来ましたのでお知らせします。開催日は10月9日です。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/03/post_18.html(前回の記事)
●告知ページ
http://kichifes.jp/animation/news.html
http://kichifes.jp/index3.html
たくさんのご応募ありがとうございました。今回はコンペの他に「出張JAWACON」としまして、JAWACON参加作家の作品上映会も併せて企画しております。我が国フラッシュムービーの最前線が堪能できます! すべて入場無料です。
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ここのところ友人知人の新刊ラッシュであります。昨日は本田透君の『電波大戦』を紹介しましたが、今度は津堅信之さんだ。
津堅さんは本格的なアニメーション史の研究家であります。オタクとかマニアとかコレクターとか職業批評家・宣伝家はたくさんいますが、本格的な歴史研究者というと数が少ない。なぜか。マスコミ的な需要が少ないからです。
当たり前の話ですが、マスコミは商売でマスコミをやっているので、読者の需要がない=商売にならないという論理で、専門的な文章は敬遠されるきらいがあります。まあそれは、オスカー・フィッシンガーとかノーマン・マクラレンとかUPAとか久里洋二の素晴らしさをいくら述べたところで、そういうのを好むのはそういうのを好むマニアだけなので、作品はDVDにならなかったり、なってもバカ高かったりでそもそも見ること自体に敷居が高いわけです。
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《どうも竹熊さんの論旨に違和感を覚えるのですが、
A) 元絵を下に敷いてトレースして描く
B) 元絵を隣において描く
C) 元絵を思い出しながら描く
の3つは分けて考えるべきではないでしょうか?
今回の事件はAですよね。竹熊さんが論じているのは主にC、ひょっとすればBも入る程度で、Aは入っているのかな?
もちろん、じつはこの3つ、境界線は曖昧であったりするのですが、
すくなくともBとCの地点から見れば、これらとAとの距離は非常に遠いものがあるように思います。》
と書き込まれ、ついでfineさんが、