カテゴリー「映画・テレビ」の68件の記事

2009/10/23

「グワシ! 楳図かずおです」予告編出来!

かねてよりお知らせしていた、伊藤弘二監督・撮影・編集によるドキュメンタリー『グワシ!楳図かずおです』が完成、11月23日より下北沢トリウッドで公開の運びとなりました。映画には俺もちょこっと出演しております。詳しくは映画特設ページをご覧ください。

http://gwashi.com/
↑「グワシ!楳図かずおです」公式

それからたけくま書店にて特製ウメズタオルと金子デメリン著『ウメゾロジー』を扱っておりますのでこちらもよろしく!

Tuuhango_2

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2009/10/14

吉祥寺アニメーション映画祭2009のご報告

ちょっと遅れましたが、今年の吉祥寺アニメーション映画祭の結果をご報告いたします。今年は過去最高の接戦で、審査員の間で票が割れて調整に苦労しました。また10分を超える長尺の作品が多く、ここまで長くなるとワンアイデアの思いつきやアニメーション技術だけで持たせるのは大変で、構成やストーリーがきちんと練り込まれたものでないとなかなかキツイものがあります。今回は時間的余裕がありませんので(今は京都のアパートでこれ書いています)、一般部門のグランプリとギャグ部門のグランプリのみをご紹介します。

●一般部門グランプリ『恋するネズミ』(ひだかしんさく)

20090831232924

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2009/06/14

「シニフィアンの過剰」

昨日、無事にTBSラジオ「ヱヴァンゲリヲン・破」深夜の緊急鼎談の収録を終えました。放送は今夜、日付変わって深夜1時半から4時まで放送されます。週明けに、ポッドキャストでもネット公開されますので、地方の方はそちらをお聞きください。

http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/post_119.html
↑TBSラジオ公式ページ

氷川竜介・宮台真司・俺の三人が雁首揃えて正味2時間のトークをしましたが、映画の中身について具体的なことは何ひとつ触れていない(触れられない)という、異様な鼎談になりました。まあ僕と宮台さんに関しては、試写会すら見ていませんからもともと「知らない」わけなんですが、今回はインサイダー的位置にいる氷川さんの口からも、具体的な情報はまったく出ていません。プライベートでの会話においてもそれは同じでした。

普通、公開前の作品について関係者と話していると、うっかり口が滑って「あ、今のは公開までは伏せておいてください」ということがあるものですが、今回はそれは一切ありませんでした。ただ氷川さんの「察してくれ」と言わんばかりの表情から考えるに、どうやらかつてないレベルの箝口令が敷かれている模様です。ここまで関係者の口が堅いと、かえって胸騒ぎがしますね。

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2009/03/21

【緊急告知】まことちゃんハウスのTV放映

うっかりしていましたが、本日朝9時半から11時までのワイドショー「サタデースクランブル」(テレビ朝日)で「まことちゃんハウス」が紹介されるようです。

それから3月23日の日本テレビ『NEWS リアルタイム』の芸能ニュースにて、やはりまことハウスが放映される模様。ぜひ皆さんで楳図先生自ら案内される新居をご堪能ください。(情報はウメズドットコム→★より。 )

0903201_2 ところで「たけくまメモ」では、この週末はまことちゃんハウスのおかげで、アクセスログがすっかり大変なことになっています。昨日(20日)はなんと、17時と18時のアクセスがそれぞれ1万を超え、アクセス画面のグラフレイアウトが崩れるという事態に陥りました。どうやらココログのグラフは、1時間あたり5桁に達するアクセスを想定していないようでして、23時台のグラフが別の表示に隠れてまったく見えません。

※17時台になっていきなり1万を超えたのは、どうやら2ちゃんねるのどこかにリンクが張られたからみたいです。

おととい昨日は、1日あたりの総アクセスも9万を超え、「たけくまメモ」の新記録を二日続けて更新。これはひとえに「まことちゃんハウス効果」だという他はありません。

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2009/03/11

『ヤッターマン』には困った

三池崇史監督の実写版『ヤッターマン』を見てきました。見たら、感想を書こうと思っていたのですが、正直、困りました。

http://www.yatterman-movie.com/
↑実写版『ヤッターマン』公式サイト

三池崇史は好きな監督です。俺と同い歳ですが、年に5~6本は監督すると言われる通り、すでに膨大な作品があって、すべてを見たわけではありませんが『極道恐怖大劇場・牛頭』は映画史に残る傑作だと俺は思いました。

アウトローを主人公にしたハードボイルドな娯楽作品が多いですが、ノリが良すぎる演出で暴走することが持ち味で、ひとたび暴走するとあり得ない超現実的な領域にまで突っ走るので、カルトなファンも獲得している監督です。時に「やりすぎ」と思えるサービス過剰な演出が、マンガ的だったりアニメ的だったりするので、『ヤッターマン』のオファーも来たのでしょう。

三池監督はかつて『ゼブラーマン』という「ヒーロー物」を撮っています。俺も見ましたが、いつもはカッコイイやくざ役の哀川翔が、気が弱くさえない教師を演じて、これが正義のヒーローになってムリヤリ怪獣と戦うというヒーロー・パロディ。たいへん面白かった覚えがあります。

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2009/03/09

祝・『北国の帝王』初DVD化!

Emperor_of_northdvd←北国の帝王 [DVD]

今日、町田のヨドバシでDVD売り場に行ったら、『北国の帝王』(ロバート・アルドリッチ監督、1973年)のDVDが新盤コーナーに並べてあり、雷に打たれたごとくに衝動買いしました。この映画、俺が48年の人生で見た中で、一番面白かった映画です。もちろん感動したとか感心した映画ならたくさんあるんですが、問答無用で面白かった映画を一本選べと言われたら、迷わずこれにします。

高校時代にテレビの洋画劇場で出会って以来、ビデオやLDが出るたびに即買いしまして、何度見返したかわかりません。ところが、DVDがなかなか出なかったんですよ。洋盤も探したんですが、アメリカのアマゾンを検索してもありませんでした。

最近ではすっかり諦めてしまって、半年くらいDVDの新盤チェックを怠っていました。そしたらちゃっかり出てやがんの。ヨドバシで発見した瞬間に心の中で悲鳴をあげてしまいましたよ。油断も隙もあったもんじゃない。

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2008/10/14

吉祥寺アニメ映画祭個人的“裏入選作”発表【グロ注意】

先日開催されました「第四回・吉祥寺アニメーション映画祭」ですが、俺は受賞作の発表の際、特別に「裏入選作」も発表するというようなことをチラリと書きました。それをこれから発表したいと思います。以下書く内容は、審査員の一人である竹熊の「独断」によって、あくまで「たけくまメモ」のみで発表するもので、吉祥寺アニメーション映画祭の事務局や他の審査員の意見とはまったく関係がないことを強くお断りしておきます。

●裏入選作『チェーンソー・メイド』(長尾武奈) ★グロ注意★

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2008/10/08

吉祥寺アニメ映画祭2008は今度の土曜日です

ええと、今度の土曜日、10月11日は吉祥寺アニメーション映画祭2008が開催されます。

●日時:10月11日 17:00より
●場所:吉祥寺ゼロワンホール

 →地図 http://www.musashino-cci.or.jp/images/map.gif
 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-10-7 武蔵野市立武蔵野商工会館6階
  交通: JR中央線吉祥寺駅下車 北口 徒歩5分
  TEL: 0422-22-3631(代)  FAX: 0422-22-3632
  E-mail:
webinfo@musashino-cci.or.jp  URL: www.musashino-cci.or.jp

●審査委員(団体):竹熊健太郎・氷川竜介・津堅信之・コアミックス・スタジオ4℃・スタジオディーン・ぴえろ・スタジオジブリ

そして今年のノミネート作品が公表されました。

http://www.kichifes.jp/animation/news.html
↑ノミネート作品

http://www.kichifes.jp/animation/home.html
↑映画祭公式サイト

今年もかなりレベル高いっすよ~。ご都合付くかたは、ぜひ。この映画祭の翌日は、代官山で平田先生のサイン会ですし(この映画祭とは関係ありませんが)。映画祭が終わりましたら、このブログでも俺の個人的な総括をするつもりです。

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2008/08/22

『ダークナイト』~苦悩映画の最高傑作

シリーズ物の娯楽映画の中にあって、「特別な作品」として突出してしまう一本がおうおうにしてあります。たとえば「007シリーズ」の『ロシアより愛を込めて』であるとか、「ルパン三世」における『カリオストロの城』のような作品です。シリーズというわけではありませんが、中川信夫監督の『東海道四谷怪談』も、芝居を含めて同じ原作が何百回もリメイクされている中での「特別な作品」だと言っていいでしょう。

いずれもシリーズ物に本来内包されている「設定とキャラクターの面白さ」に加えて、スタッフや役者の才能が絶妙のタイミングで絡み合って、シリーズでも二度と再現できないような、奇跡的傑作になってしまったものです。

現在公開中のクリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』もまた、「特別な作品」であります。『バットマン・ビギンズ』に続く、「新生バットマン」シリーズの最新作。これも60年代のTVシリーズや、ティム・バートン監督からの旧バットマン映画すべてをひっくるめた中にあって、たぶん誰もが認める「特別な作品」となりました。

特別な作品は、冒頭の5分くらいを見たらすぐにわかります。同じシリーズの他の作品と比べても、画面に流れる「空気感」が違うのです。今年の夏映画は『スピードレーサー』や『崖の上のポニョ』のような問題作が目白押しなのですが、どれも人にお勧めするには言い訳を用意しなければならない作品ばかりでした。

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2008/08/13

スピードレーサーはなぜ不入りなのか

またしても映画ネタで恐縮なんですが、昨日新宿で『スピードレーサー』見てきました。小飼弾さんのエントリがなかったら、正直、DVDが出てから見ようと思っていた映画でした。

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51093854.html
↑小飼弾「まさに動漫 - 映画評 - Speed Racer」

上のエントリで、小飼家では『スピードレーサー』が夏休み映画ダントツの第一位であり、まさに「動く漫画」なのだが宮崎アニメとは対極にあり、編集家を名乗る竹熊には見逃せない映画であるとまで挑発されては、見ないわけには行きません。

結論をここに書きますと、見てよかったです。小飼さんありがとうございました。今日見にいった新宿ミラノ座では、ミラノ座1の隣のゲーセンの4階にある一番小さい「ミラノ座3」という小屋でかろうじて上映していたのですが、俺以外に10人も入っておらずガラガラであり、これはもう上映打ち切りは遠くないと思いました。たぶん夏休み終了を待たずして劇場では見られなくなると思われますので、これ読んで気になった読者は、早めに上映館に行かれることをお勧めします。これは大きいスクリーンで見ないと価値が半減する映画だと思われますので。

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2008/08/11

パンダとポニョ(3)

Ningyo ←鳥山石燕『画図百鬼夜行』より

(※前回から続く)
ところで、以前のエントリ(→★)でも書きましたが、ポニョは「さかなの子」と主題歌で歌われているにも関わらず、とても魚には見えないという問題があります。どちらかといえばそれは、江戸時代の画にある妖怪の人魚にしか見えないわけです。(左図)

1620200_2 ←人魚図 江戸時代の瓦版 笹間良彦『図説・日本未確認生物事典』より

しかし、主人公の宗介はポニョを見て開口一番「あ、金魚だ」と言いますし、お母さんのリサも、保育園の友達も「可愛い金魚」と言います。このことから、私たち観客は、これは人間のような目鼻がついており、髪まで生えていてどうも金魚には見えないけど、そこは「マンガのウソ」というやつで、こう見えても金魚なのだろう。金魚に違いない。と、うっかり考えてしまいます。

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2008/08/10

パンダとポニョ(2)

(※前回からの続き)
なぜ宮崎駿に限って例外的な映画作り(極端な作家的独裁)が許されるのかといえば、もちろん大ヒットするからであって、それ以上でも以下でもありません。しかしなぜヒットするのか、その理由について、俺はこれまで納得のいく説明を読んだことがありません。絵が綺麗だとか、動きが素晴らしいとか、高いテーマ性があるからとか、音楽がいいとか、いくらでも説明はあるのだけれども、それだけが理由だとは、どうも思えないのです。

なぜなら宮崎アニメ以外にも、高いテーマ性をもっていたり、映像や音楽が素晴らしい作品はいくらでもあるからです。もちろん宮崎駿が天才であって、高い芸術性と娯楽性を併せ持った巨匠だということは分かっています。そんなこと、小学生でも知っている。しかし、具体的にどこがよくて、何がヒットの原因なのか説明しろと言われると、とたんによくわからなくなるのです。

宮崎アニメについては昔から言われていることがふたつあって、それは「プロット(物語の組み立て)が破綻している」ということと「プロットの破綻が気にならないほど映像が素晴らしい」ということです。ここでの「映像」には、キャラクターデザイン・背景美術・編集・そして「動き」が含まれます。

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2008/08/08

パンダとポニョ(1)

本日はまず『カンフー・パンダ』について書きたいと思います。先日、俺はこの作品について「見る気が起きない」ということをうっかり書いてしまいましたが(→★)、その後いろいろな人から「結構面白いですよ」とのご指摘があり、思い切って見ることにしました。

結論から言えば、見てよかったです。映画として面白かったことはもちろんですけど、それ以上に、『ポニョ』という作品を考えるうえでも『カンフー・パンダ』は見ておいてよかったと思いました。どういうことかといいますと、あらゆる側面から考えて、『パンダ』と『ポニョ』は正反対の場所に位置する作品だと思うからであります。

かつてレオナルド・ディカプリオが記者会見の席上、自分が出演した映画の話そっちのけで『千と千尋の神隠し』を絶賛したことがあります(横にいたスピルバーグ監督まで『千尋』を絶賛)。このときのレオ様の言いぐさが

「まるで別の惑星で作られた映画を見ているかのようだ」

というものでした。(→★)。

レオ様は、ディズニーに象徴されるハリウッド製アニメーションと、宮崎アニメとでは、作り方も内容もまったく異なる方法論に基づいていることを賞賛しているのです。その「あまりにも独特な作風」が、他ならぬハリウッドの中心に位置する俳優や監督の心を動かしたのでしょう。向こうの人は、それが「オリジナルなものであるかどうか」が、なにかを評価するときの中心にありますからね。

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2008/05/24

昨日、「鷹の爪」の試写会で・・・

もう昨日、いやおとといの話なんですけど、六本木ヒルズで蛙男商会さんの新作劇場映画『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II~私を愛した黒烏龍茶』の試写会が開かれまして、俺もエッチラオッチラ行ってきましたよ。試写会は六本木ヒルズの東宝シネマズの一番広い劇場でやったんですけど、超満員でした。試写の前に蛙男さんやルー大柴さんの挨拶もあって盛況でした。

ちなみにルーさんは映画に出ているわけでもなく、なぜ来ていたのか謎でした。映画はいつもの蛙男節炸裂で面白かったです。5月24日に公開されるそうです。って、今日じゃないか。

http://roppongi.keizai.biz/headline/1483/

それで、上のサイトに試写会の模様が写真入りで載っているんですが、全員「鷹の爪」の赤いマスクをして「た~か~の~つ~め~」と叫んだんですね。ところが、中に一人だけマスクをしていない不届き者がいます。

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2008/04/02

未映子さんとしょこたんと俺

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本日、フジテレビで毎週日曜朝にやっているトーク番組「僕らの時代」の収録で、三軒茶屋のネットカフェに行ってきました。

「三人ともブログをやっているので、ネカフェでロケなんかどうでしょう」と俺がプロデューサーさんに言ったら、それがすんなり通ってしまったものです。が、別にパソコンを三人で見ながらトークをするわけではなかったので、結局あまり関係なかったかも。

未映子さん、しょこたんさんとはほぼ初対面に近かったのですが(中川さんとは楳図先生番組でニアミスしたことはあり)、とてもシャイで礼儀正しい人で、川上さんは小説そのまんまの関西弁の気さくなお姉さんでした。今回は川上さんのたっての希望でこの顔合わせになったものですが、「時の人」であるお二人とどこの馬の骨かもわからぬオッサンの取り合わせは、おそらく二度とないだろうと思われます。放映日ですが、まだ未定みたい。たぶん4月下旬から5月にかけての日曜日にやると思います。渡辺篤史の「建もの探訪」よりは遅い時間ですがフジテレビの日曜朝7時からやる30分番組です。

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2008/03/01

『インランド・エンパイア』のDVDを

※以下、映画のストーリーに触れた部分がありますので、ネタバレを嫌う人はご注意ください。でもまあ、この映画はネタバレもへったくれもありませんけど。ストーリーは俺にもわかりません。

買いました。昨日藤沢のビッグカメラ行ったら売っていたので。ちと高かったがドキュメンタリー付きの2枚組のほうを。

これ去年公開されてたんだけど単館ロードショーだったんで見逃していたんですよね。でも日本人女優の裕木奈江がホームレス役で出るとか、とにかくわけがわからんとか評判は聞いていました。リンチの映画は映像とムードを楽しむものだから、ストーリーのネタバレってあまり関係ないのが多いですよね。実際ネットの感想見てても、案の定ストーリーは紹介不可能みたいで、「とにかく見て」とか「お勧めできないけど、私は楽しめた」とかそんなのばっかり。

ただまあ、リンチファンとしては、「どんだけわけわかんないか見てやろう」と思うわけですよ。そのわりにはロードショー見逃していたんですが。まあDVD買いましたし、高い方のを買ったんで許してください。

それで早速見ましたよ。我が家のプロジェクターで。3時間もあるんですが、最後まで見ました。いや本当にわけがわからなかったです。

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2007/11/02

「見ザル言わザル聞かザル」の謎

51qgp38h04l_ss500_←尼僧物語

昨日、アマゾンから取り寄せたオードリー・ヘプバーン主演の『尼僧物語』を見ていたんですよ。1930年代のベルギーで、アフリカで看護婦をやる目的で修道院に入門して尼僧になる女性の物語で、実在の人物をモデルにした小説が原作らしい。監督が名匠フレッド・ジンネマン、オードリー入魂の演技もあってなかなかの傑作でした。映画会社(ワーナー)も「尼さんの映画なんて誰が見る」と最初は乗り気ではなかったみたいですが、脚本を読んだオードリーが出演を熱望したため、しぶしぶ製作を許可したところ、この時点(1958年)でのワーナー史上最大のヒット作になってしまったらしい。残念ながら前のDVDは品切れみたいで、マーケット・プレイスで購入したんですが、この12月に再発売になるみたいなので見てください。撮影が非常に美しい作品です。

それで本題なんですが、この映画の中で、アフリカに行ったシスター・ルーク(ヘプバーン)が結核にかかるシーンがあるんですよ。ピーター・フィンチ演じる無神論の医者が治療にあたって、彼女に金粉を飲ませる。

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2007/09/08

『恐怖奇形人間』GET!!

Kyoufukikeiningendvd←Horrors of Malformed Men 恐怖奇形人間(東映)

生きてて良かった! と心の底から思える今日この頃。あの、永遠に入手不可能かと思われた、石井輝男監督の『江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』DVDをついに入手できました! 確か10年ほど前でしたか、この映画が東映からビデオ化されるってんで、心待ちにしておったんですよ。それがタイトルと内容が何か問題あったのか、オクラ入りになってしまったんです。

すごくガッカリしたんですが、このまえ町山智浩さんのブログでアメリカでDVDになったと知り、あわてて注文したら、あっけなく届きました。町山さんのエントリはこちら。

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20070815

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2007/09/03

「ヱヴァ」ラジオの補足

本日早朝の宮台さんとのラジオの補足です。番組ではカットされた俺の発言なんだけど、個人的に残念だったので。もちろん編集権は局にあるのだし、カットしたことを問題にするつもりはまったくありません。ただ、自分の責任でこういうフォローができるのも、ネットの利点ではありますね。

最近、元公安調査庁長官が朝鮮総連ビルの買収(をすることによる総連救済)に一枚噛んでいた事件があったじゃないですか。「あれって、ゼーレと使徒が、実は裏でつながっているのと同じようなものですね」と俺、収録では言ったんですが、さすがにそこはカットされてました(笑)。少し残念ですが、これはしかたがないです。

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2007/09/02

今夜「ヱヴァ」ラジオ

昨日収録した、宮台真司さんと俺の「ヱヴァ対談」が、今日の深夜1時40分からTBSラジオで放送されます。

http://www.tbsradio.jp/life/2007/08/post_24.html
http://www.tbs.co.jp/radio/present/0902_sun.html

実は収録前に別件で東浩紀氏と会っていたんですが、東くんは「僕は今度のヱヴァ、見たくありません」と言ってたんですよ。10年前にあれほど入れ込んだ作品だけに、いい思い出を壊されたくないという不安心理が働いたのでしょう。

その気持ちはわかります。「庵野監督が新会社を作って、ヱヴァの新作を作っている」と聞いたとき、一瞬「大人の事情か?」という疑念が頭をよぎりましたもの。会社を立ち上げて第一回の作品ですから外すことはできないですよ。確実に当たる作品といえば、庵野監督には今のところエヴァしかないわけで。でも旧『エヴァ』についていえば、その作られ方を含めて、あれくらい「大人の事情」から遠く離れた作品もなかったのは事実なので。なにせ、制作会社の監督とスポンサーサイドのプロデューサーが結託して、テレビ局をだまくらかして作っちゃった作品ですからね。放映したテレビ東京からすればテロに逢ったようなものですよ。

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2007/08/29

“アレ”を見てきた

もう日が改まって昨日ですけど、つい数時間前に五反田の○○○○でアレのマスコミ向け○○を見てきました。今度宮台真司さんとアレについてラジオで対談するので○○に行けることになったのです。

なぜこんなに伏せ字だらけなのかというと○○会社の人から○○終了後、「9月1日までブログ等には書かないでください」とお願いされたので、はっきりとしたことが書けないのです。

アレに関しては○○本人からは何もきいてはいないのですが、公式パンフの取材をされていた氷○竜○氏からは「すごいクオリティです。昔、不満を感じていたファンでも、俺たちこういうアレが見たかったんだ!というようなものになってます」と伺っていたのですが、なるほど確かにすごい完成度のアレになってました。しかも続編への布石も随所にあって、まさか■■■■が×××ではなくて△△△△▲▲▲となっているとは思わなかった。

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2007/08/21

正しい自主映画

ニコニコ動画で発見。もう一部で話題になってるみたい。見て、俺の高校時代に文化祭でやってた、映研の奴らが作っていた『太陽にほえろ!』のマカロニ刑事ことショーケンの殉職、ジーパン刑事こと松田優作殉職シーンをただ真似しただけの映画とか、『燃えよドラゴン』を真似しただけのチープな8ミリ映画を思い出してしまいました。

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2007/08/10

ティファニー2度目

本日、何の気なしに『ティファニーで朝食を』の2回目を見たんですが、2度見るとずいぶん印象が変わる映画ですね。たぶんセリフや演出が暗喩に満ちているからでしょう。

セリフの裏を読んでいくと、相当にきわどい内容なんですね。これをロマコメ仕立てにすること自体、観客へのいい意味での目くらましになってるというか。この映画が「名作」と呼ばれている理由も、なんとなくわかってきました。

オードリーが頭のイカれた売春婦であるだけでなく、一見まともに見える作家役のジョージ・ペパードも、金持ちマダムの愛人やって生活してるし。そういえば昔、知人の画家のタマゴで、やはり大金持ちの奥さんのツバメやってる奴がいたんですが、あいつのことを思い出してしまった。

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2007/08/09

ティファニーで朝食を

このあいだふと魔がさして『ティファニーで朝食を』を買って見てしまいました。小説のほうではなくて、オードリー・ヘプバーン主演の映画のほう。じつは俺、これまで一度も見たことなかったんですよ。

子供の頃からタイトルと主題曲は知ってたんですが、ティファニーってずっと大衆食堂だと思いこんでました。「ヘイ、グモーニン、ジム!」と呼びかける薄らハゲの気さくな店長がいて、スクランブルエッグが名物だったりするような。いやまあ、大きくなってからニューヨークの有名な宝石屋だってことを知ったんですが、なんで宝石屋がスクランブルエッグ出すのか、長らく疑問でした。

で、見たら食堂でもなんでもないことが納得できたんですが、ヘプバーンがメンヘラの売春婦役で、しかもコメディ映画だとは不覚にも知りませんでした。

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2007/07/22

ボブの絵画教室とニコニコ動画

ここに来てニコニコ動画大ブレイクですね。最初はYOUTUBEの日本版くらいに思っていたら、見てる人が勝手に字幕コメントいれて自由に突っ込めるというのが、2ちゃんねる世代にジャストフィットしました。まあ運営を2ちゃんの管理人である西村博之氏の会社(ニワンゴ)がやっているわけですから、2ちゃんっぽくて当然なんだけど。2ちゃんの実況板と、YOUTUBEが合体したらこうなるって感じですかね。

それで、ニコニコ動画で、昔NHK-BSでやってたボブ・ロスの『ボブの絵画教室』が大量にアップされてたんで、思わず見入ってしまいました。

『ボブの絵画教室』は今、DVDボックスで発売されてますけど、俺、この日本版スタッフからコメント依頼されていたことを思い出しました。去年、発売前にメールもらってたんですよ。受けたはずなんだけど、そのあと長期入院しちゃったのでウヤムヤになったんですが。

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2007/07/01

平田先生、仏国TVに登場

Hiratahiroshi03 5月13日に神田で平田弘史先生のサイン会が行われましたが、それにはフランスのテレビ局の取材が入っていました。

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_aaa3.html
↑平田先生サイン会のことを書いたたけくまメモ

で、その番組ができて、仏国営テレビ・France 2でこないだ放映されたんですが、フランスのユーチューブみたいな「DAILY MOTION」にアップされているのを日本の関係者が教えてくれましたので、ここにもアップします。会員登録もなく、そのまま見られるようです。フラッシュは入れておく必要があるかも。二つに分割されてますが、フルに見られます。

http://www.dailymotion.com/video/x2exmj_mangasfr2envoye-specialpart12_creati
http://www.dailymotion.com/video/x2eyf2_mangasfr2envoye-specialpart22_creati

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2007/06/29

ようやく「大日本人」見たけども

こないだ見そびれた松本人志の『大日本人』、今日多摩美の帰りに橋本のシネコンでようやく見ました。しかし感想の書きにくい映画だなあ。松本もインタビューで「どういう映画か内容が言いづらいんですよ」と言ってたけど、ホントその通りでしたね。

駄作とも傑作ともいえない。かといって凡作でもない。なんとも言えない。その意味ではこんな映画見たのって初めてであります。ダウンタウンの漫才やしゃべくりを見ているこっちとしては、100%ピュアモルツな「松本人志の世界」に違いなく、その意味での完成度はとても高かったと思います。

ただ、えんえんと続く「ボケ」の映像を見ているうちに、「浜田はどこにおる?」と思ってしまったのも事実。これまで、あまり浜ちゃんのことを面白いと思ってなかったんだけど、松本のボケは、浜田のツッコミがあって初めて生きるのだなあ、という事実を思い知らされました。

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2007/06/21

秒速5センチメートル

秒速5センチメートルとは、桜の花びらが散る速度なのだそうです。

昨日は桑沢ゼミの帰りに、渋谷の映画館で新海誠の『秒速5センチメートル』見てきました。俺がまだ入院していた3月に公開された作品なので、なんとなく見逃した気になってたんですが、たまたま劇場前を歩いてて「まだやってたんだ」と気がついたしだい。それまでDVDが出たら見ようと思って、忘れてました。

結論からいって、劇場で見ておいてよかった。過去の新海作品すべての中で、個人的にベストでした。画面も劇場でみるべき密度に仕上がっていたと思う。思春期の男女の伝えきれない気持ちがテーマという意味では、『ほしのこえ』と同じところがあるんだけど、今度はSF的な仕掛けを一切使ってないぶん、監督のリリカルでセンチメントな資質がストレートに伝わってきたと思います。青春映画として傑作でしょう。

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2007/06/19

たけしは何度自殺すれば気がすむのか

昨日は終日ヒマだったので、映画でも見ようと思い、南町田のシネコンで『スパイダーマン3』と北野武の『監督・ばんざい!』を見てきました。本当は『監督…』と松本人志の『大日本人』を見ようと思ったんだけど、松本のは時間が合わずに断念。

『スパイダーマン3』ですが、特撮はさすがによく出来ているんだけれども、シナリオがちょっと生煮えな感じ。2本の映画を無理矢理1本にまとめたみたいな印象でした。監督は前2作と同じサム・ライミだけど、次は別の人が監督したほうがいいんじゃないかなあ。ライミは好きな監督だけに、もっと他の作品も見てみたいです。

それで『監督・ばんざい!』なんだけども、俺がこう書くのもなんなんですが、サルまん』みたいな映画でした。少なくとも俺や相原君が最初の『サルまん』に持ち込んだコンセプトを、映画で展開したらこうなるのか、という作品になってます。まあ、たけしさんにその意識はないでしょうが。

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2007/06/12

ゾンビと年金問題

また暗い話題で恐縮です。ここんとこテレビで年金の話ばっかりやってますが、この前「TVタックル」見ていて、ふと既視感に襲われました。

http://www.youtube.com/watch?v=pmiXA3bgAE4
↑「年金」でYOUTUBE検索するとこんなのがたくさん出てきます。

既視感というのは、俺の好きなロメロの「ゾンビ」(Dawn of the Dead)を見ているような感じがしたんですよ。見たことある人はわかるでしょうが、あれの冒頭のほうにテレビスタジオのシーンがあって、立派な有識者たちが口角泡を飛ばして「なぜ、ゾンビが町中に溢れているのか?」ってことを果てしなく議論してるんですね。

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2007/05/17

「鷹の爪」と「バベル」

GW前から見よう見ようと思っていたこの二本を見て参りましたよ。

蛙男商会さんの『秘密結社鷹の爪・劇場版』、明らかに短編向きの作者に劇場長編はどんなものかな、と危惧していましたが、それは杞憂でした。長編であっても、まんま蛙男節全開で、しかも面白い。主要部分はちゃんとフラッシュで作られていて、ところどころに凝った3DCGが出てくるんだけど、「凝ること」じたいがギャグになってる。

画面の横に「予算メーター」というのが表示されていて、オープニングが押井守『イノセンス』OPのパロディなんですが、ここだけでメーターが半分に減っていて笑った。アニメ作画も声優も、全体の80パーセントくらいを蛙男さん本人がやっているのも相変わらず。間違いなく、劇場アニメ史上もっともお金のかかってないアニメでしょう。この記録は今後破られることはないのではないでしょうか。

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2007/01/29

まだ最悪ではない

たぶん俺は楽天的性格なのだと思う。昨年暮れ、2度目の脳梗塞を発症して開頭手術を行い、意識を取り戻して、最初に思ったことが「まだ最悪ではない」という言葉だった。なぜかといえば、とりあえずはまず、生きているということ。これだけでもう最悪ではない。そして病気は俺から歩行の自由を奪い発語もやや不自由になったが、それでも他人と不都合なく話せるし、論理的思考にも問題はなさそうだ。目も見え、手先も一応動くので、ワープロを打つこともできる。つまり俺にとって、、仕事やブログに復帰するための障害は何一つないということである。

こうなると、俺のもともとの性格である楽天性が首をもたげる。その次にかんがえたことは、なんとかして「たけくまメモ」を再開できないかということと、自分の病気をギャグにできないかということだった。ブログで「脳梗塞のラブリーな言い替え方募集」をしてみようと思ったり。俺もちょっと考えたが、「脳づまり」とかそういうくだらない言葉しか思いつかなかった。

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2006/11/29

『パプリカ』2回目観てきた

こないだの月曜、新宿で『パプリカ』観てきたんですが、すぐに感想が書けませんでした。

それで今日、二回目観たのですけど、ちょっとこれ原作読まねば…という気分に。それで、今読んでいるのです(映画館のロビーで原作も売ってた)。「映画と原作は別物」と普段考えている俺にしては、珍しいことです。

いや映画は、嫌いではないんですよ。むしろ好きだと言ってもいい。ただ引っかかる点があって、手放しで誉める気持ちになれないのです。そういう場合、俺は無視することが多いのだけれど、それもできないという奇妙な感覚。

かなり好きな映画で、傑作という言葉が喉元まで出かかっているのですが、それにしては「引っかかる」ことがいろいろあって、言葉にできない。もう少し考えてから、感想書きます。明日は締め切りが一個あるので、しばらくお待ちを。

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2006/10/01

【告知】第二回吉祥寺アニメーション映画祭

今年も恒例の吉祥寺アニメーション映画祭が近づいて参りました。名称だけは一人前ですが、実は商工会議所が主催する「吉祥寺キャラクターワンダーランド」という秋祭りの一環でありまして、少数のスタッフと低予算で頑張っているのです。そのため告知が不十分な点が多々あるのですが、にもかかわらず今年はかなり審査しがいのある、ハイレベルな作品が集まりました。お楽しみに! 

Amazon.co.jp: ザ・フロッグマンショー:秘密結社鷹の爪 第1巻: DVD: ザ・フロッグ・マンショー

そしてもうひとつ、特別ゲストに『ザ・フロッグマンショー』のDVDも好調な、今をときめく蛙男商会さんの参加も決定! 過去の傑作選上映および、来年公開の劇場長編の話などを1時間、俺と一緒にトークします。詳しい告知は以下の通り。



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2006/09/28

「酒のうえでのことですから」

Amazon.co.jp: 増補・アル中地獄(クライシス)―アルコール依存症の不思議なデフォルメ世界: ホーム: 邦山 照彦←俺が過去読んだアル中本で、もっとも描写がえぐかった「アル中地獄」。今見たら増補版になってたので、また買おうかな

ここのところ「飲酒運転事故」に関係する報道が多いじゃないですか。朝のワイドショーとかでは、やれ何人轢いたとか、何時間経過したらアルコールが抜けるのか実験しましたとか、そんなのばっかりです。

いや、もちろん飲酒運転は大迷惑ですよ。とくに俺は酒に弱いですから、迷惑以前に、飲酒する心理そのものが理解できないところがあります。つきあいで酒を飲むことは多いんですけど、ビール一杯が限度で、あとはウーロン茶の人間ですから。基本的には俺、酒を「うまい」と感じたことが、これまでほとんどないんですよ。

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2006/09/16

ソクーロフの『太陽』

タブーは、それがタブーであると口にするのも憚られるからこそ、タブーなのである。それは、必ずしも隠蔽されたものばかりではない。むしろタブーと呼ばれるものの多くは、誰もが日常的に知っているものなのだ。我々は、タブーを前にしたとき、あたかもそこにタブーなど「ない」かのように、振る舞わなければならない。その場合には、特定の「文脈」があるのが普通である。「文脈」を越えて、それが語られることはない。その「文脈」以外で語られたとき、たちまちそれは「タブー」の正体を現すからだ。

アレクサンドル・ソクーロフ監督のロシア映画『太陽』をようやく見ることができた。敗戦前後の昭和天皇を主人公にした作品で、日本では当初、公開不可能と言われていた。それが関係者の尽力で、単館ロードショーの形で都内でひっそりと公開された。しかしそれだけでは終わらず、噂が噂を呼び、作品の完成度の高さもあって、単館公開としては異例のヒットになった。そして驚くべきことに、今では近所のワーナー・マイカルでもやっているこれでわざわざ都内まで足を運ぶ必要がなくなったのは、個人的には喜ばしい次第である。

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2006/09/04

インディーズアニメ進化論

実はこないだ8月31日に、お茶の水にあるデジタルハリウッド東京本校で「インディーズアニメ進化論」というトークイベントが行われました。俺もゲストで登壇したのですが、『サルまん』イベントがらみでゴタゴタしてうっかり書くのが遅れてしまった次第。

当日デジカメも持って行き忘れたし、どうしようかなあと思っていたら、「アニメ!アニメ!」さんがうまくまとまったレポートをブログに掲載してくださいました。ちょっと横着してリンクを貼らせていただきます。

http://animeanime.jp/report/archives/2006/09/post_38.html
↑アニメ!アニメ!より

当日はだいたい上の通りだったんですが、俺としては「たけくまメモ」その他で書いてきた持論を述べたにすぎません。

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2006/08/27

ギヒルズナイト

Frogmanp1010306 25日の深夜12時から翌朝5時半まで、六本木ヒルズ内映画館にて開催された蛙男商会の「ギヒルズナイト」に行って参りました。この春、初のFLASH地上波30分帯番組として放映されて話題となった『ザ・フロッグマンショー』のDVD発売および劇場版製作発表会およびファンの集いとして開催されたものです。

いや~、いくら夜の町六本木とはいえ、FLASHだけで5時間におよぶオールナイト上映というのは体力が持つかな、と心配でしたが、4時半くらいに落ちそうになったものの『ゲド戦記』のように寝ないですみました。

Frogmanp1010309 六本木ヒルズ内TOHOシネマの最大の映画館(600人収容)が満員でしたが、女性ファンが多かったのが普通のアニメ上映と違う点でしょうか。総統や吉田くんのコスプレしてる人もいました(いずれも女性)。

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2006/08/23

【再掲】「ゲド戦記」のCMは面白い!

※註 このエントリ、原因不明の理由で一度消えてしまったのですが、幸いYahooの検索キャッシュに残っていたので再度アップします。TBも消えてしまい、URLも変わってしまいますがご容赦ください。コメント欄も再現できません。どうもすいませんです。

ちょうど今、テレビで「ゲド戦記」のテレビCMやってるでしょう。ウサギが出てくるスポットCM。菅原文太が実写で登場するやつを始め、「ゲド」のCMはもう何バージョンもあるけど、それの最新バージョンです。

ウサギっていうのは「ゲド戦記」に出てくるキャラクターで、ねずみ男から愛嬌だけ抜いたような、下品でいじましい小悪党なんですよ。それでも無個性で陰気なキャラしか出てこない「ゲド」の中では、せこいながらも欲望全開で動き回るぶん、まだしもキャラが立っている(ような気がする)唯一のキャラなわけです。

それでこいつが15秒間、最初から最後まで出ずっぱりで、うひゃ、うひゃひゃひゃ、げへ、ぐふふふふ、ぐわっはっは、てな感じで笑っているわけ。本当にそれで終わっちゃう。見た人も多いでしょうけど。

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2006/08/19

吐き気がするようなリアルさ

ここ一週間ほど続いていた多忙地獄も、4つばかし仕事を片付けたら、だんだんスッキリしてきました。そんなわけで、メシ食うついでに見てしまった「ユナイテッド93」。例の9・11同時多発テロの時に、唯一目標(ホワイトハウス)を逸れて地上に激突した飛行機がユナイテッド93で、それを管制塔と機内の様子に焦点を合わせて(ほぼ)リアルタイム進行で撮っているわけです。

いや、凄かった。いわゆる「ドキュドラマ」(ドキュメンタリーの手法で製作されるドラマ)で作られているというのは知ってたんですが、ここまで徹底しているとは。いままで見た中では『ありふれた事件』とか『ブレアウィッチ・プロジェクト』みたいなのを一瞬思い出した。でもあれらは「完全なフィクションを、さも本当の話のように」見せるためにドキュメンタリー風を装っているので、『ユナイテッド93』のように「本当の話を、本物そっくりに撮る」のとは違うんですけど。

「タイタニック」みたいに、いわゆる「実話に基づくドラマ」というのとも、これはちょっと違う。あれは、時代背景とか、タイタニックの設定や沈没の様子は事実に基づいているけれども、お話じたいは完全にツクリでしょう。

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2006/08/03

「ゲド戦記」、観に行きましたが

…まずい、途中で寝てしまった。

1時間くらいは意識がはっきりしていたと思うんですけど。ゲドと誰だっけ、主役の少年。アランだっけアレンだっけ、あれが金髪の女の家行くまではなんとか意識があったんです。あそこであれ、あの赤アザの暗い少女。あれと再会するとこまでは覚えている。それからどうなったのかよくわからんのですが、気がついたら魔女の城にいて、なんか『長靴をはいた猫』のクライマックスみたいなあれになって、よくわからんうちに終わってしまいました。結局あの竜はなんなの?

本当によくわからないのですが、結局、アランの父親殺しはどうなったんですか。もう一回観るとわかるのかな。

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2006/08/01

「時かけ」観てきました

時そば、じゃなかった「時かけ」観てきましたよ。テアトル新宿、超満員でした。ひさびさに映画館から「熱気」みたいなものを感じましたですね。30年前、同じ新宿の東映パラスで劇場版「宇宙戦艦ヤマト」の初上映を見に行ったときにもすごい熱気でしたけどね。アニメで行列できたのはあれが最初ですよ。まああれと比べるのもなんなんですが。「時かけ」は入れ替え制だったんで行列こそできませんでしたが、こう、お客さん全員の顔に期待の色が浮かんでいるアニメも久しぶりでしたよ。

http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/
↑映画公式サイト

まあ大作じゃないんですけどね。なんですか「ゲド戦記」、まだ観てませんが大作らしいじゃないですか。それに比べると、「時かけ」は人類の存亡をかけた危機も出てこないですし、まあ、死にそうな友達を救う話はあるんですけど、そのくらいで、後は結構恋愛映画というか、爽やかな青春映画でしたよ。

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2006/07/18

【ネタバレ】日本沈没【ネタバレ】

Amazon.co.jp: 日本沈没: DVD: 小松左京,橋本忍,森谷司郎,小林桂樹,藤岡弘,丹波哲郎,二谷英明,いしだあゆみ

この夏の話題作『日本沈没』を見てきました。

以下は重大なネタバレが含まれますので、すでに見た人、または読んでもいい人だけ読んでください。これから観る人は決して読まないでください。








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2006/07/15

「ローマの休日」における著作権者敗訴について

Amazon.co.jp: ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 (初回生産限定版): DVD: オードリー・ヘップバーン,グレゴリー・ペック

ホントはもっと早く取り上げるべきでしたが、ニュースが流れたのがちょうどココログのメンテ中だったので、タイミング悪いですが今取り上げます。

皆さん報道等でご存じの通り、1953年に公開された名画『ローマの休日』の「無認可」DVDが、東京地裁の「すでに著作権は失効している」との判断で、本来の権利元であるパラマウントだけでなく、他の業者が販売していた格安DVDの存在を認める判断をしました。

http://www.sankei.co.jp/news/060711/sha069.htm
↑産経WEB 7月11日付よりhttp://plusdblog.itmedia.co.jp/koderanoblog/2006/07/post_d64c.html
↑関連:コデラ ノ ブログ

著作権には有効期限があり、映画の著作権については、2003年12月31日までは“公表後50年”が有効期限でした。現在は2004年1月1日より「公表後70年」に著作権法が改正されております。

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2006/07/09

作者が自分でYouTube

蛙男商会さんが、なにか痺れを切らしたのか、作者みずからYouTubeに「ザ・フロッグマンショー」をアップし始めたようです。以下の蛙男ブログから飛べます。

http://kaeru01.blog52.fc2.com/blog-entry-51.html
http://www.kaeruotoko.com/contents.html
↑普通に再生ボタン(▼)を押してみると…。

著作権者が自分でアップしてるのですから、著作権的にはまったく問題ありません。この調子で、ガンダムとか、ハルヒとか各製作会社さんはバンバンアップして欲しいものですね!(無理か…)

それから、「やわらか戦車」のラレコさんのほうも、先日から「やわらか戦車連合軍ブログ」というのを作って、キャラクター商品のメーカーさんを巻き込んで「商品化の経過報告」を中心にユニークな広報活動をはじめています。

http://yawaraka.tv/

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2006/06/14

【業務連絡】蛙男さん、ゴメン行けそうもない

Amazon.co.jp:THE FROGMAN SHOW TV SOUNDTRACK: 音楽たけくまメモ大プッシュ中の蛙男商会作品『ザ・フロッグマンショー』(テレビ朝日水曜深夜26時40分)でありますが、いよいよ今夜が最終回であります(関西ABCは一週遅れなので来週)。

http://www.kaeruotoko.com/
↑蛙男商会公式

低予算のFLASHアニメが地上波で流れるというので、放映前は不安視する向きも多かったこの番組、フタを開けてみれば2ちゃんのアニメ板で「今期最高!」の声も上がる大傑作となり、萌えとはまったく無縁な内容ながらも、オタクを含めた視聴者のハートをガッチリ掴んだようであります。また、たった3人のスタッフで30分番組を1週間以内で作ってしまうウルトラ優良進行で、テレビ朝日も大喜びですたい!。

それで、昨日DLEの谷プロデューサーからメールがあり、本日は最終回なので、番組にあわせて流しているネットラジオ(蛙男さんも出演)に「ぜひ、出てください」とのことでしたが、今から原稿を書かねばならず、どう計算しても深夜2時までに麹町のDLE本社まで行けそうもありません。

http://kaeru02.radilog.net/
↑ちなみにネトラジはこちらから

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2006/04/05

【業務連絡】明日の産経夕刊大阪版で

「たけくまメモ出張版」というコラムが始まりますので大阪の人はよろしくお願いします。毎週木曜日、4人のライターによる持ち回りで、俺は第一木曜担当。俺以外には宮田珠己氏「手のひらを太陽の塔に」、浜野保樹氏「コンテンツ.jp」、吉田豪氏「芸能界最強列伝」というのが始まります。全国の皆さんよろしく……といいたいところなんですが、東京の産経新聞では数年前から夕刊が廃止されてるんですよね。残念。

Coffy_1 で、そのコラムでも触れたんですが、いよいよ今夜2時40分から例の『ザ・フロッグマンショー』が始まりますね。産経夕刊は6日付けのなので、ちょっとタイミング的に第一回は間に合わなかったか…と思っていたら、なんと

大阪のABC朝日放送では第一回が4月12日から

なのだそうで、セーフでした。大阪の人、12日には『ザ・フロッグマンショー』のほうもよろしくお願いします。

ここで蛙男商会のサイトをリンクしようと思ったら、またサーバーがダウンしているようですのでとりあえず止めておきます。かわりに「山陰の元気人」というネット記事を見つけましたのでどうぞ。

http://www.tm-21.com/genkijin/kaeru/index.htm

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2006/04/03

ドンキでディズニーの「無認可版」が

Donkidisneyp1010046 普通に売られているのを見て、思わず買ってしまいましたですよ。町田のドンキホーテで確認したのは『ファンタジア』『バンビ』『ダンボ』『シンデレラ』『ピーターパン』の5作品でしたが、この調子だと『白雪姫』や『ピノキオ』もあるんじゃないでしょうか。発売元は有限会社アプロックという聞いたことのないメーカーで、すべてがディズニーの「無認可版」。

「海賊版」と書かないのは、これらは日本の法律においてすでに著作権の有効期限を超過していて、著作権が失効したパブリック・ドメインと見なせるからです。全部のパッケージの裏面に、その旨が表記してあります。たとえば『ダンボ』のパッケージには、こうあります。

《この作品は、1941年にディズニーによって製作されたアニメーション映画ですが、日本においては著作権保護期間を終了し、パブリック・ドメイン(社会全体の公共財産)になっています。そこで今回、映像や音楽は昔のまま、弊社で新たに翻訳・吹込み等を行い日本語吹替え版を製作したものです》

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2006/03/28

【蔵出】黒澤映画を「聴く」!

Amazon.co.jp:七人の侍: DVD

久しぶりに「蔵出しシリーズ」であります。以下の原稿は、1999年に「サウンドパル」(小学館)という雑誌で連載した原稿の一部です。当時俺はAV(オーディオビジュアル)にハマッておった時期でして、こんな仕事もやってたんですね~。テーマは「黒澤映画の音の悪さについて」。

 「巨匠」と呼ばれるからには、画面を一目見ただけで「あ、あの人の作品だ」と瞬時に理解できる「スタイル」が必ず、あります。

たとえば小津安二郎の極端なローアングルの構図とか、キューブリックの広角レンズを多用したパン・フォーカス(画面の手前から奥までピントが合っている撮影法)なんてのがそうです。

 ちなみに広角レンズ+パン・フォーカスという技法では背景と役者が「等価な存在」として融合するので、非常に「冷たく整然とした印象」の画面になります。キューブリック作品の、あの神の視点で愚かな人間を意地悪く見つめるようなクールな印象は、この撮り方からも来ているわけですね。

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2006/03/26

個人アニメとエージェントの時代

ishihara←実行委員長・石原慎太郎東京都知事

そういえば今度の東京アニメフェアでは、個人作家のブースがえらい増えていて、あちこちで商談が始まっていましたよ。それも大資本が青田買い、というイメージではなく、小資本のマネージメント代行業、いわゆるエージェント会社が昨年あたりからたくさんできているようです。俺も最近ウェブアニメについてあちこちで書きまくっているせいか、いろんな人に声をかけられました。ありがとうございます。

前エントリでは蛙男商会さんの地上波進出を取り上げましたが、今、個人アニメが注目されている背景には、BS、CS、ケーブル、ネット局の数が増えているばかりでなく、携帯向けコンテンツ需要の増大があるんじゃないかと思います。この状況がいつまで続くかはわかりませんが、個人作家にスポットが当たることは、少し前までは考えられませんでした。いずれにせよチャンスには違いない。面白い時代になったものです。

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2005/12/19

キングコング凄ぇ!

クリスマスまでに締め切り3本と課題採点もあり、また26日には初のOFF会もあるというのに、うっかり『キングコング』を見に行ってしまいましたよ!

いやあ凄かった。俺もこれまでに相当な数の映像を見てきたつもりですが、ひさびさに圧倒的な、言葉で形容できない何かを見せられた感じがしました。

これを作った人は正直、キチガイだと思いました。

いやまあ、中身はキングコングですからね。だいたいまあ皆さんご存じの通りの展開なんですけども、子供の頃から大のコング・マニアで、12歳の頃に自主映画でリメイクまで試みたというピーター・ジャクソン監督の「わてコング好っきや~、コング撮れたらもう死んでもええねん!」という魂の叫びが全カットに炸裂する、気合いの入りまくった一作に仕上がりました。まさに「漢の映画」です。

本来90分くらいでできるような話を、186分(3時間6分)に渡って超大作化したわけなんですけれども、全編トイレタイムがまったくないというか、非常にとんでもない映像のてんこ盛りでカツドンとビフテキと鰻丼をノンストップで食べさせられるような、画面に溺れ死ぬみたいな体験を味わうことができます。特に開始1時間でようやくコングが登場してからは、「なんじゃこりゃあ」の連続でした。TVCMでもいろいろ流れていますが、あれでは凄さはわからない。これこそ映画館の大画面で見るべき作品の筆頭といえるでしょう。

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2005/11/13

TAKESHIS’を観てきた

フラクタル改めTAKESHIS’。なんだ面白いじゃないか。ハイパーアマチュア監督によるプライヴェート映画の金字塔。たけしの人生のもろもろをフリーズドライ化してメチャクチャに。でもひとつひとつのイメージはわかりやすいつーかベタすぎ。つきまとっている岸本加世子がカミさんで、京野ことみは愛人で。戦メリから座頭市までどこかで観たよーなフラッシュバック。もう邪推しまくってくださいとばかりにこれでもかと。どこが難解なんだよこれ。でもお客を楽しませる以前にこれは北野武のための映画だから、そういうのに慣れてない人は金返せかも。たしかに場内ガラガラでした土曜なのに。でもそんなのおそらく百も承知。人間一度ここで死んでおかないと先に進めないということもある。作家自身の仮想臨死体験。臨死の途中で観た走馬燈。つか、ここまで好き放題撮れたら、もう死んでもいいんじゃないの。ゲージツ映画としてはある意味サービスしすぎなくらいのいいご臨終でした。

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2005/11/10

ハイパー・アマチュアの時代

Amazon.co.jp:惑星大怪獣ネガドン: DVD惑星大怪獣ネガドン(DVD予約受付中!画像をクリック!)

昨日、念願の「惑星大怪獣ネガドン」を無事に鑑賞して参りました。やはり大画面で見といてよかったです。あらかじめ送られていたサンプルのビデオ画面では、ロボットのデザインが妙に近代的な感じがして、じつは不満だったのですが、クリアな大画面で見ると細かいディティール、特に鋲を打った足の感じがジャイアント・ロボだったりして納得。すげえこだわりです。

最初に予告編見たときはもっとパロディ臭いのかと思っていましたが、本編を見ると怪獣特撮の基本を押さえた生真面目な造りで、ここまで正攻法で迫られると言葉もありません。パロディではなく、オマージュ・アートの傑作というべきでしょう。

http://www.h2.dion.ne.jp/~magara/project.html(ネガドン公式サイト)

昨日は客層も妙に高年齢(30~40代が多そう)で、俺の周囲でもネガドンに興奮しているのは40代が中心。これは珍しいことです。「俺たち、これが見たかったんだよ!」という中年オタクどもの声なき声が聞こえてくるようです。

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2005/11/03

『REM』上映会・極私的80年代の想い出

rem-tirashi こないだ中野を歩いていたら人に呼び止められましてね。何かなと思ったら、現代映像研究会ってのをやっておられる人でした。昔の自主映画なんかの上映会をやっている団体らしい。

で、いきなり「じつは今度、太田達也監督の『REM』を上映するんですよ」と言うから、思わず俺、のけぞりました。『REM』といっても、ほとんど誰も知らないでしょう。80年代の8ミリ自主映画で、当時小演劇界のアイドルだった美加理さんや阿部能丸さん、手塚眞さんなんかに混じっても出演していたりするわけです。俺、映画に出たのはそれ一度きり。んで、まともに上映されるのってたぶん20年ぶりくらいじゃないですか。俺も84年の完成時に一回観たっきりなんですけど。

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2005/10/18

【業務連絡】「クイズ五人の壁」

umezu-P1000422 前にもちょこっと宣伝しましたが、今度の日曜にBSフジの「クイズ五人の壁」という番組に出演します(放映は10月30日午後10時から)。なんで俺が呼ばれたのかというと、お題のひとつが「楳図かずお」でありまして、まあ楳図ネタを使った「カルトQ」みたいな感じ。こないだ、たまたま楳図先生と対談させていただきましたので、その縁で呼ばれたみたいです。俺以外では元祖オタドルとして著名な中川翔子さんも呼ばれているみたいです。もちろん楳図先生ご本人も。

http://www.kyodo-tv.co.jp/ja/var/index.html(番組HP)

それはともかく中川翔子さんが描く楳図調マンガが激ウマ! 内容も楳図マインドを正しく継承している感じで物凄いですわ。翔子さんとは親友だという喜屋武ちあきさんもそうでしたが、最近のアイドルはどうにかなってますね。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Spotlight/2422/(公式)
↑翔子さんの漫画は、公式トップにある楳図調の猫の絵をクリックすると読めます。

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2005/10/13

黒澤・手塚 幻の合作映画

1107128847-10906krsw_7 「『テヅカ・イズ・デッド』を読む(4)」のコメント欄で、いつの間にか黒澤明の話になり、「そういえば…」という感じで俺が「昔、黒澤明と手塚治虫が映画を合作する話があった」ということを思いだし、その旨を書きましたら漫棚通信さんがブログでこれを取り上げていただきました。

 http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/

 当方のはコメント欄でのやりとりであり、しかもエントリの本筋とは関係ない話です。このまま埋もれてしまうにはもったいないネタなので、改めてこちらにアップします。コメントの詳しい前後関係は、当該のコメント欄を参照してください。

 まずはAaさんの「黒澤明が大平洋戦争中にディズニーの『白雪姫』を見た」というコメントを受けて、俺がこのようなレスを返したところから始まります。

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2005/08/25

やる気のないベイダーの元ネタ

Amazon.co.jp: 音楽: ウクレレ・フォース~スター・ウォーズ ベスト・カバーズ~ウクレレ・フォース~スター・ウォーズ ベスト・カバーズ~

ええと、オタク老人ホームの話の前に、「やる気のないダースベイダーのテーマ」の元ネタというか、曲が発売されていたので皆さんにお知らせします。22日のエントリ「夏ばてベイダーと米国の眼鏡っ娘」でTOSHIさんが教えてくれたので、アマゾンで検索したらありました。まさかCDになってるとは思わなかった。早速、注文したいと思います。

↓ちなみにどんな曲か知りたい人は下のフラッシュ参照
http://mask-of-genta.heavy.jp/flash/gallery/gallery3.html

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2005/08/19

そろそろゾンビの季節ですが

GeorgeRomero2

←久々のリビングデッドものに気合い十分!のロメロ監督(C)2005 Universal Studios

この27日に待望のロメロゾンビ新作「ランド・オブ・ザ・デッド」の公開ですね。結局試写会も見てないし、事前情報はほとんど入れてないんですが、うっかりなんかのリンクを辿っていたらフランスの関連サイトに行き着いてしまった(アメリカ映画ですが)。

http://choc.fr/temporaire/lod/select_video.html

フランス語がわからないので「予告編かな」と思ってクリックしたらとんでもない! 冒頭10分くらいが丸々見られますよ! 最近はこういう手法の宣伝が流行ってるのかな?

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2005/08/10

【アストロ】これがジャコビニ流星打法だ!!!!

astoro-003 この文章を書いているのは10日の午前3時なんですが、明日の今頃にはテレビ朝日で『アストロ球団』が放映開始されておるはずです! すでにスカイパーフェクTVでは先行放映されているのでもう見た人もいるかもしれませんが、関係者の許可をいただきましたので景気づけにご紹介いたしましょう!

astoro-002 のっけにヤクルトの古田敦也が登場し、彼のお世辞にも上手とはいえないナレーションで始まりますので、最初はどうなることかと思いましたが、西新宿の都庁裏の工事現場で沢村栄治の銅像が発掘されるあたりで画面はただならぬオーラを発し始めます!

astoro-007 そして病床の老いた千葉真一、いやアストロ球団の元オーナー兼監督であるJ・シュウロが古田に向かって伝説を語り始める……正直、千葉ちゃんが出た瞬間、その圧倒的存在感によって作品の成功は約束されました! 球一役をはじめ主演の若手イケメン俳優には悪いがこれは誰がなんと言おうと千葉ちゃんのドラマなのです!

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2005/06/26

今週は本業強化週間につき…

よくいるじゃないですか。俺の同業者とかが、ブログで忙しさ自慢するようなの。いかに自分が忙しいかを縷々、書いたあげく、「そんなわけでしばらく更新できません」とか言い訳するようなやつ。ああいうのはみっともないし、なんかブログ読者に対して失礼だと思っていたんですよ。

それだけは、俺はやるまいと。たまに忙しいときは、愚痴ったりしますけども。

そんなわけで、おかげさまでここんとこ本業が忙しく、今週も毎日、どこかの取材(されるんじゃなくて、するほう)か締め切りが襲ってきて大変なんですが、こうなると反対に意地と申しましょうか、なにがなんでもブログを更新し続けてやろうと思うから不思議です。

俺に原稿を発注している編集さんは、気が気じゃないかもしれませんけど。

そんなわけで、本日もこれから某氏の取材に向かうんですが、

帰りに『スターウォーズ』を観に行ってブログのネタにしようとか、夢にも考えたことはありません。

ついこないだも『バットマン・ビギンズ』を観に行ったんですけど、以下多少ネタバレ含むなので観てない人は決してクリックしないで欲しいんですが、とにかくあの渡辺…

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2005/06/15

本田君、すまん

本田透君には誠に申し訳ないというか、これで俺は裏切り者かもしれませんが、昨日レイトショーで『電車男』の映画を見てきました。

いや、全然期待してなかったんですが、それがよかったのか、意外と面白かったんですよ。

例の、2ちゃんねるの匿名集合仮想空間をどのように映像化するのか、そこに興味があったんですけど。文章では説明しにくいんだけども、なるほど、うまい処理がされてて感心しました。基本はガンダムみたいな画面分割手法なんだけど、観客が混乱しないように配慮されてるし、2ちゃん語やAAもうまく画面に取り入れている。それでいてテンポがいい。この監督、テレビ出身らしいが才能あるかも。

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2005/06/07

デジタル清順

seijyun-tanukigoten えと、昨日は昼イチに新宿で打ち合わせをした後、まだ見ていなかった鈴木清順の『オペレッタ狸御殿』を鑑賞。近所の映画館ではやってなかったので、今日まで延び延びになっていたのです。

一言で言うなら、傑作なのですが、なにしろ特殊監督の特殊傑作ですから、当然のごとく場内ガラガラ。こりゃ打ち切りも間近と思われ、間に合ってよかったです。チャン・ツイイーのご威光も清順師匠の前では形無し、というか、いついかなる時でも清順は清順なので、これでいいのです。

内容は、意外と狸御殿もののパターンに忠実でした。まあオリジナルからしてテレビなき時代の『新春かくし芸大会』みたいなものですから、リアリズムもへったくれもないわけで、その意味ではアンチ・リアルの清順映画としては「珍しく違和感なく」見られる作品になっております。出演者全員が幻覚キノコやLSDを服用した『かくし芸大会』だと考えてください。

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2005/05/13

【アストロ】期待していいのか?期待するよ?

本日、庵野秀明本紙秘密特派員からメールがありまして、某所でテレ朝『アストロ球団』のシナリオを読む機会があったとのこと。庵野特派員によれば、

●脚本は原作に驚くほど忠実。テンポもよい。

●キャラ描写・台詞も合格点

●巨人軍が完全に悪役。川上が悪のボスキャラに。

ということで、非常に高い評価でした。少なくとも脚本レベルでは合格点なようです。これは…マジで期待していいんですか? いや、まだシナリオなので本番でどうなるかはわかりませんけど……期待しちゃうよ?

ちょっとこれから急用で出かけなければならないので、本日はもう更新できません。

取り急ぎ。

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2005/04/20

アストロ球団公式サイトの

コンテンツがいつのまにかできてるようです。

http://www.tv-asahi.co.jp/astro/

↑ご意見ご要望を受け付けるそうですよ。ダメもとでなんか書いてみるか。

俺としては、どうせテレビなんだから特撮やCGが多少へぼくても許す。問題はキャスティングと俳優のテンションだ! この際、出演者全員に覚醒剤の投与を許可! アストロ球団なんだからこのくらいは超法規的措置でしかたがない! あとコメディ演出は絶対不可! ほんの1ミリ秒でもオチャラケた瞬間に作品は崩壊する! 全員、瞳孔が開きまくりの血走った目で日常演技もこなしてほしい! まあアストロ世界に日常もへったくれもないわけですが! つまんなかったら関係者全員切腹! それ以前に全員廃人になっているかもしれませんけど。

それから西新宿の東京都庁の土地は、本当ならアストロドーム(15万人収容)が建っているはずなので、新都庁はなかったことにしてアストロドームを建設してください! 

とかいろいろ書きたいことがありますので、みなさんも勝手な要望を出しましょう。

それからジャニタレ絶対不可

※関連記事→

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2005/04/16

【告知】「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」は

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教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

5月9日刊行だそうです。こないだ編集者さんから書影のメールが来たので、こちらでも紹介。

う……オビの俺の名前がこんなに大きく? これじゃまるで俺が著者に見えてしまう…ってことはないか。もちろん俺は中身にはまったく関係しておりません。著者はばるぼらさん、解説は大森望さんであります。

それにしても、こと日本のインターネットに関することならなんでも載っている印象です。WAREZ、いわゆる「割れ物」(不正コピーのプログラム等)の歴史まで載っているのには感動すら覚えます。ボリュームもすごいです。A5版で500ページにビッシリ!

ちょっと気になるのは、定価が改定(予告より値上げ)されているので、アマゾンなどで予約されている人は注意してください。俺はオビ書いただけですので、文句は翔泳社にお願いします。

あと詳しい内容はこちらを参照(担当編集者氏のブログです)。

http://d.hatena.ne.jp/mohri/20050414

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2005/04/14

今年はアストロの年になるというのかッ?

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昨日のテレビ朝日「スーパーベースボール」見た人います? 途中からでなくて、最初から見た人であれば、その人は信じられないものを見たことになります。

そう、昨日から始まった新オープニングが『アストロ球団』のアニメ! しかも制作がプロダクションI.G!!!なんじゃそりゃ! しばらくこのOPで行くらしいので次回も期待です。はっきり言ってムチャクチャカッコイイです!!!

それはそれとして、あくまで風の噂なんですけど、今年はこれだけではないみたいですよ。ちょっとにわかに信じられないのですが、『実写版・アストロ球団』のドラマ化も進行しているそうで……主演は誰とかまだよくわからないんですが、少なくともアストロ球団のオーナーである謎のフィリピン人大富豪・シュウロ役は世界の千葉真一先生で決定しているとか。

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2005/03/22

【告知】第2回吉祥寺アマチュアアニメーション映画祭の応募要項

昨日のトピックでも少し触れましたが、ここに改めて告知させていただきます。

今年の10月に予定されている、第2回吉祥寺アマチュアアニメーション映画祭についてです。ちょっと正式名称が長いので、なんかいい略称とか愛称がないものか、考慮中です。

これは99年から始まった武蔵野市商工会議所主催の「吉祥寺アニメワンダーランド」という企画の一環として、昨年から始まったイベントです。ただ昨年は準備期間がほとんどとれなかったので、俺の知り合いの美大生に声をかけて作品をかき集めて上映したので、完全にアート寄りの無料上映会となりました。賞も参加賞を全員に手渡すというもので、コンペもやりませんでした。まあ、第一回は事実上のプレ企画で、今年が本番だと考えてください。

それで今年から作品を公募することにしました。賞金も出るようですが、額についてははっきり決まったら告知できると思います。

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2005/02/28

デビルマンのあの人が

さっき目が醒めて、TVニュースで知りましたが、『デビルマン』の那須監督がお亡くなりになったそうで。なにしろ遺作があれなもんですから、こんな複雑な死もありません。いや死そのものは万人に平等なのですけども。でもある意味、最後の最後で「その年一番の話題作」を発表して亡くなったわけですからね。『ピンチランナー』が最後にならなくてよかったのかもしれないです。

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