カテゴリー「ブログ考」の21件の記事

2009/05/29

世界に羽ばたく?「たけくまメモ」

「Suzacu Late Show」という海外オタクの動向を紹介するサイトで、以下の記事が載りました。

http://suzacu.blog42.fc2.com/blog-entry-21.html
↑【海外オタクの反応】サルでもわかる竹熊教室

これは、「たけくまメモ」のエントリが海外サイトで紹介され、そこでの反応を翻訳して紹介してくださったものです。アメリカ人のkransomさんが拙文を翻訳してくれたもので、上のエントリで紹介された「第4回 マンガ版『ナウシカ』はなぜ読みづらいのか?」以外に、今では「第5回 反・物語作家としての大友克洋」も翻訳されています。

http://2chan.us/wordpress/2009/04/13/japanese-lectureblog-post-translation-the-space-between-anime-and-manga-4-why-is-the-manga-version-of-%E2%80%9Cnausicaa%E2%80%9D-so-hard-to-read-by-takekuma-kentaro/
↑welcome datacomp #4 Why is the Manga Version of Nausica So Hard to Read?

http://2chan.us/wordpress/2009/05/17/japanese-lectureblog-post-translation-the-space-between-anime-and-manga-5-katsuhiro-otomo-the-anti-story-author-by-kentaro-takekuma/
↑#5 Katsuhiro Otomo,the Anti-"Story"Author

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2009/04/06

ブログを毎日更新できるか

以前も書いたと思うんですが、この「たけくまメモ」は、三日以上間隔を空けずに更新することを旨としております。別にそのことで直接お金になるわけではないんですけれども(アフィリエイトがちょっぴり動いたりはしますが)、これ以上間隔を空けてしまうと、そのままズルズル更新しなくなる危険があるんじゃないかと恐れているのですよ。

ブログの世界で四番目にアクセスを集めるのは面白い記事を書く人です。面白さにもいろいろあるわけなんですが、とにかく笑えるとか、読んでためになるとかが基本ですね。「おもしろくてためになる」というのは講談社を創業した野間清治が掲げた社是ですが、明治の奇才出版人宮武外骨のキャッチフレーズ「過激にして愛嬌あり」と同様、娯楽の本質であろうと思います。これについてはいろいろ思うところもあるので、そのうち改めて書きたいと思います。

それで三番目に集めるのが、まめに更新する人。これも、俺みたいに2~3日にいっぺんというのは実はよくありません。毎日更新が人気ブログになる基本ではないかと思うんですよ。実際人気ブログを見ますと、本当にまめに更新しているところが多いですよね。

知り合いのアルファブロガーでも小飼弾さん(→★)とか、ネットゲリラさん(→★)なんて人は、毎日どころか一日三回は更新してますからね。とても別のことをやっているとは思えないんですが、今度時間があったらじっくり問いただしてみたいです。いったいブログ以外に何かやってるんですかと。もしかするとヒマなんですかと。

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2008/11/27

身辺雑記は苦手である

マンガ雑誌ネタの続きを書こうと思っているのですが、今度も長文になりそうで、なかなか書けずに滞ってます。今週は他の〆切りもあり、長い更新ができないかもしれないので、近況報告でお茶を濁そうかと。

と、書いて思ったんですけど、そもそも普通はブログって近況報告とか身辺雑記とか、今日は何を食べたとか飼い猫がどうしたとか書くことがほとんどですよね。俺みたいに必ずテーマやネタを考えないと書けないとか、長文を書かねばならないみたいな強迫観念にとらわれているブロガーというのはあまりいないかもしれません。

いや、いるかも知れないけれども、そういう人って「燃え尽き症候群」になったりするじゃないですか。ブログにばかり時間がとられて、そのうち本業の時間や生活時間を圧迫するようになって「燃え尽きて」しまう。しだいに更新が面倒になって、しまいにはそれが重荷となってブログから離れてしまう人が多いみたいです。

ブログについての心得とか読むと、燃え尽き症候群を防ぐためにも、短い身辺雑記で結構ですから毎日更新するようにしましょう、とか書いてあると思います。俺もそれはそうだよなあ、とは思うんですけどね。でも俺、前も書いたかもしれないけれど、日記とか身辺雑記書くことが苦手なんですよ。

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2008/07/31

竹熊さん、インターネットはヤバイですよ。

えーと、地デジ話の続きです。テレビ局や管轄官庁のお役人たちは、国民が「テレビを見なくなる」可能性をまったく考えてないのでしょうか。たぶん、ないんでしょう。しかしネットが発達している今、テレビから情報を得る必然性は相対的に低くなっているのは確かですよね。

もちろん「地下鉄サリン事件」クラスの大事件が突如発生したら、俺も即行でテレビをつけて、映像で確認したいと思うでしょう。13年前のサリン事件のときは、俺は朝のワイドショーを見ていてあの映像が飛び込んで来たので、テレビによっていきなり「体験させられた」わけですけど。

でも、そこまでの出来事は何年に一度しかありませんしね。しかも今は、たぶん1時間としないうちにネットに映像がアップされる。 インターネットがなかったら、俺がこんなエントリを書くことはたぶんなかったでしょう。

出版や放送を含め、インターネットはあらゆるメディアの「既得権益の構造」を破壊しつつあるわけだけども、そうした人たちからの「ネット自体を規制しよう」という声は、思ったよりも少ない感じがする。あることはあるんだけれども。

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2008/06/10

個人・ブログ・組織

「マンガ界崩壊を止めるためには」の続きを今書いています。「ずいぶん、大きく出たタイトルだな」と知人には言われましたが、俺としては、現役のマンガ家が大手出版社を訴えるということは、もちろん前例がないことだし衝撃的ではあるのですが、雷句誠氏を擁護する形で書かれた新條まゆさんのブログエントリや松永豊和氏の内幕暴露小説など、「業界内部」からこうした声が「今になって」出始めたことに、「時代の動き」を感じて、このタイトルで書こうと思ったのです。

ところがどうも本日中に書き上がりそうもありません。明日は仕事があって、これからその準備をしなければなりませんので、「(2)」は明日の夜以降になってしまいそうです。必ずアップしますのでしばらくお待ちください。

ところで続編でもたぶん触れきれないので、今書いておこうと思うことがあります。それは、今回の裁判が、従来のマスコミ報道の範囲を超えて、当事者がブログで見解を表明し、支援者やギャラリーも、ブログや掲示板でこれについての意見をめいめい表明していることです。

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2007/11/07

【blog考】2-2「竹熊新聞」のこと(2)

●「国松新聞」と「竹熊新聞」

『ハリスの旋風』の中に、石田国松が学校新聞を作るエピソードがある。新聞部員でガールフレンドのオチャラが、野球部や剣道部での国松の活躍を記事にするため、彼にインタビュー試みるのだが、国松は記事に不満を抱き、勝手に自分一人で編集執筆した「ハリス学園新聞」を作ってしまう。

Shinbun1 ←『ハリスの旋風』ちばてつや ゴマブックス版第2巻より

 そもそも石田国松に新聞の公平性とか中立性という概念があろうはずもない。徹底的に自分を美化する一方、教師やライバルを茶化しまくった。当然学園中の大顰蹙を買うわけだが、なおも国松はめげずに「石田国松かべ新聞」を作って学校の廊下に張り出す。このときの内容は、自分と対立するボクシング部の主将をボロクソに批判したものである。今見ると素朴なパロディであるが、低学年の私は腹をかかえて笑った記憶がある。

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2007/11/06

【blog考】2-1「竹熊新聞」のこと(1)

●マスコミとミニコミ

 そろそろ「blog考」を再開する。ここからしばらくは第二部として、「私の個人メディア史」を綴っていきたい。子供時代の記述から始まるので、当然ブログや、パソコン&インターネットがこの世に存在しない時代の話から書くことになる。小学生時の個人新聞作りから始まって、高校時代のオフセット印刷によるミニコミ作り、「プロ」の物書きになってからのこと、パソコン通信とインターネットとの出会い、そして44歳でブログを始めるに至るまでの経緯を、やや駆け足で辿る予定だ。

 単行本にする際、ここの記述の扱いをどうするかは決めていないが、なんらかの形で重要な章として残したいと思っている。「たけくまメモ」は、四〇代になった私が新しく手に入れた「メディア」である。ブログは、個人による表現伝達手法としては、現時点(2000年代初頭)における最高のメディアであろう。表現を「千単位・万単位の読者」に届ける手段として、せいぜい一ヶ月数千円程度の、出版社を経営することに比べればほとんどゼロに近いコストで実現することができるからだ。これは私にとって、およそ40年間も待ち望んだ状況だったと言っていい。

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2007/09/20

【blog考10】 リンクをめぐる論争(3)

●「公園の出歯亀」は犯罪か?

 「無断リンク否定派」「肯定派」の対立は、インターネットに載った自分のウェブサイトを「プライヴェート空間」と考えるか(否定派)、それとも「パブリック空間」と考えるか(肯定派)の違いではないかと思われる。無断リンク否定派にとって、ウェブサイトとは、自室や自宅の庭先に友人知人を呼んでパーティを開いているようなものだ。通行人が騒ぎを見て、通りから覗きこむくらいは構わないが、許しも乞わずに敷地内に入りこむことは困る、そういうイメージを持っているのかもしれない。

 一方「無断リンク肯定派」は、インターネットを「公園」だと考えている。あくまでそこは公共の空間で、誰の土地でもない。花見のシーズンには、サラリーマンが同僚と夜桜を楽しむためにブルーシートを敷いて陣地を作ることもある。しかしそれは一晩限りのことで、限定された時間だけ、ごく狭いスペースに陣取ることが「一般常識として」許容されているにすぎない。「無断リンク肯定派」にとって、ウェブサイトは、花見客が公園内に敷いたブルーシートみたいなものなのだろう。もともと誰の土地でもない場所に、陣地をとってそこに場所を示す看板としてURLをかかげる。リンクは、目的のURLに行き着くための方向指示版みたいなものである。

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2007/09/19

【blog考9】 リンクをめぐる論争(2)

「リンクをめぐる論争」ついて、先に私は、数年前までインターネットの世界では「無断リンク肯定派」と「無断リンク否定派」に別れて、激しく対立していたと書いた。前回・前々回のエントリはそれなりのアクセスを集めていたことから見ても、現在もこれは「本当は解決していない問題」としてくすぶっているのだと私には思われる。

 この論争が特に激しかったのは、90年代末から2003年頃までである。その後に普及したブログと、mixiに代表されるSNSサービスの登場、そしてgoogleなどのロボット型サーチエンジンの爆発的普及が、「リンク論争」を過去の問題として、事実上「うやむや化」しつつある。論争に決着がつかないままに、人々のリンクを張ることに対する抵抗感が、薄れて来ていると私は実感するのだ。

 なお、こうした「リンク論争」は、日本特有の議論だという意見がある。欧米圏ではリンクを無断で張るのが常識で、気にするのは日本人だけだというものだ。興味深い指摘だが、私は欧米のネット事情に詳しくないので、今は判断を保留しておく。

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2007/09/16

【blog考8】 リンクをめぐる論争(番外編)

 今回は番外編で、前回の訂正と補足を行う。前回「リンクをめぐる論争(1)」をアップしたところ、いくつかの反響をいただいた。私が「あ、そうか」と思った意見のひとつが後藤寿庵氏のコメントで、

「インターネットの最初期はむしろ“リンクフリー”であるのがネットユーザーの常識だった。WWWというメディアの最大の特徴はリンクにあり、それを否定するのはWWWの否定に他ならなかった。竹熊が書いたような“リンクに許可を求める”という風習が出てきたのは、むしろインターネットが発展期に入ってから以降のこと」(要約竹熊)

というもの。同様の意見は、PC技術畑出身の氷川竜介氏からもいただいた。

 これは私の書き方がまずかったかもしれない。インターネットそのものは95年のウィンドウズ95発売以前からもちろん存在していた。我々が現在に続くインターネットと見なせるものが出現したのは、1991年にWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)というハイパーテキストシステムが登場して以降のことである。

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2007/09/15

【blog考7】 リンクをめぐる論争(1)

 ブログが普及して以降、ネット状況に大きな変化があったとすれば、その最たるものが「リンクを張る行為に気兼ねがなくなったこと」ではないだろうか。ここ2、3年内にインターネットを始めた人には、あるいはピンとこないかもしれないが、ほんの数年前までは、自分のウェブサイト(ホームページ)から他のウェブサイトにリンクを貼ることは、けっこう敷居の高い行為だったのだ。

 現在でも、「無断リンク禁止」「ページにリンクを張る際には、当方にメールで連絡してください」と書かれている個人ウェブサイトをよく見かける。いや個人サイトばかりではなく、たとえば「社団法人 著作権情報センター」のような法律の専門家によるサイトですら、「リンク登録フォーム」などという不可解なものを設けていたりする。

http://www.cric.or.jp/index.html
↑社団法人 著作権情報センター
http://www.cric.or.jp/cgi-bin/link_app.html
↑著作権情報センターのリンク登録フォーム

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2007/09/05

【blog考6】 ブログを始める(4)

 そこで思いついたのが、その年の9月にmixi日記で発表していた「手塚伝説」を再掲載することであった。これは雑誌「SPA!」の「有名人伝説特集」で編集部の求めに応じて集めたネタ集なのだが、紙幅の都合でそのほとんどがボツになってしまった。せっかく集めてもったいなかったので、ボツになった部分をmixiに発表したものだ。

 だがみなさんもご承知の通り、mixiは所詮「内輪向け」である。私は当時mixi日記を「全体に公開」としていたので、たぶん三百人くらいは読んでいただけたと思うが、どこまでいっても会員の範囲で読まれたにすぎない。その点ブログには読者の範囲に制約がないわけである。

 私が「手塚伝説1~4」を「たけくまメモ」でエントリ化したのが、12月19日のことであった。もう一度その日のURLを載せる。

▼手塚伝説
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2004/12/post_22.html

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【blog考5】 ブログを始める(3)

 切込隊長の宣伝効果があって、「たけくまメモ」は開設4日目にしてトータル4585アクセスに達した。正確な記録を残してないので残念だが、それ以前が一日200アクセス前後だったから、いきなりアクセスが20倍以上もはね上がったことになる。ちなみに、切込隊長の当該エントリは04年12月17日のもの。以下にリンクを貼っておく。

▼切込隊長ブログ「俺様キングダム」2004年12月17日
http://kiri.jblog.org/archives/001269.html

 切込ブログの2004年の平均アクセス数を正確には知らないのだが、当時からかなりの人気ブログだったことは間違いない。昨年のデータになるが、個人ブログ対象に人気ランキングを毎年発表している「アルファブロガー・ニュース」によれば、「切込隊長ブログ」の2006年度人気順位は12位である。

▼アルファブロガー・ニュース「アルファブロガー2006 結果発表」
http://alphabloggers.com/modules/news/article.php?storyid=5

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2007/08/17

【blog考】4 ブログを始める(2)

 ともあれ私は、その年の12月14日にココログの無料サービスに申し込み、よくわからぬままに「たけくまメモ」を開設した。驚くほど簡単だった。ブログサービスはどこでもそうだが、フォーマットがすべてシステム側で用意されているので、プログラムやHTML、CSSなどの専門知識は必要がない。掲示板やメールを書くのと基本的に変わらないのである。その数年前、HTMLの参考書と首っ引きで「ホームページ」を作成しようと悪戦苦闘し、あげく放り投げてしまったのがウソみたいだった。

 初期からパソコンに触れていた人の中には「自分でプログラムが書けなければ、真にPCを使っているとは言えない」と主張する人もいる。私がPCをいじりだして間もない頃、90年代初頭に岩谷宏氏の『ラジカルなパソコン入門』を読んだら、まさにそのようなことが書かれてあった。岩谷氏は「ロッキングオン」の創刊メンバーで、もとはロック評論家だったが後にパソコン評論家に転身したというユニークな人である。プログラミングに関する著作も多数ある。

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2007/08/16

【blog考】3 ブログを始める(1)

 六本木にGLOCOM(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)という社会文化研究機関があって、2004年11月、私はここにゲスト講師として呼ばれた。「マンガ文化の現状と展望」について話してくれということだった。GLOCOMについては、当時は東浩紀氏が助教授(現在は辞職)になっていて、サブカルチャーやネット社会に関するシンポジウムをよく開いているという以外、詳しいことをよく知らなかった。今もよく知らない。マンガの現状と展望に関しても、いつもの持論を述べたくらいで、たいした話はできなかった。

 その打ち上げの席上、私は声をかけられた。眼鏡をかけたその青年の顔はなんとなく見覚えがあり、誰だったかなと考えていたら、彼は自分から「山本一郎です」と名乗った。

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2007/08/05

【blog考】2 mixiはパソ通の再来だ

 話がだいぶ横道に逸れた。とにかく44歳になる1ヶ月前に、私はmixiに誘われたのだった。ネットをやっている人にとっては自明のネットサービスであるが、これはネット未経験者や慣れてない人も読者に想定した文章なので、最低限の説明を加えたい。

 mixiは、SNSと呼ばれるネットサービスの一種である。あらかじめ入会している人が、自分の友達に声をかけて登録用の招待メールでURL(ネットアドレス)を送る。送られた人はそのURLをクリックして、「はい」を押すだけで簡単に無料でmixi会員になることができるのである(サービスを拡張した有料コースもあるが、無料でもほとんどの機能を使うことができる)。

 mixiの会員同士でも、別の会員を招待して「マイミク」登録をすることができる。こうして次々に「友達の輪」を広げていくというサービスである。

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ma【blog考】1 私が「ホームページ」を敬遠していた理由

 2004年7月、ある人からmixiに参加しないかという誘いを受けた。mixiはその年の2月にオープンしたばかりで、すでにネット内では話題となっていた。私も名前くらいは知っていたが、mixiに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)というものがどういうものか、いまひとつわからぬまま、誘われるがままに入会してみた。

 実はその時点で、私はブログはおろか、普通の個人ウェブサイト、いわゆる「ホームページ」もやったことがなかった。パソコン通信を含めたネット歴はそれなりに長く(91年から)、95年のwindows95発売を契機にインターネット時代に突入してから90年代終わりまでには、同業者の多くが個人サイトを開いていたのに、私は仕事でメールを使うことと時々掲示板に書くことを除いては、ずっとROM(リード・オンリー・メンバー)であった。ずいぶんと長く、自分でサイトを開くことに躊躇していたものだ。

  個人サイト運営に興味がなかったわけではない。むしろその反対である。ネットに興味がありすぎたがゆえに、中途半端なサイトは作りたくなかったというのが正しい。

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2007/08/04

【blog考】0 つれづれなるままに、開始

某社から「ブログについての書き下ろし本を頼む」と言われて、もう2年になります。1年目は、俺はなにしろブログ初心者だったので、経験を積むことに精一杯で、とても本を書く余裕はありませんでした。

去年の秋くらいから「そろそろ書けるかな」という気になったのですが、暮れになって、脳梗塞で倒れて春まで入院するハプニングに見舞われ、ブログの本以外にも、いくつかの単行本作業をペンディングせざるをえませんでした。その影響は今も続いていて、他の会社にも迷惑かけてますが、そちらも少しずつ進めたい…と思ってますのですいませんです。

「ブログ本」に関しては、本当は「論」として目次や構成をかっちり決めて書き出すつもりだったんですが、それだと手をつけるだけでも大ごとになってしまうので、とりあえずエッセイ形式で、書きたいことからアトランダムに書くことにします。不定期に「たけくまメモ」に連載して、読者の反応等があれば適宜修正を加え、最終的には編集・加筆して本にしてみたいと。

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2006/06/04

「たけくまメモ」の文体について

昨日の朝カル「ブログ論」の講演、お陰様で盛況のうちに終了しましたが、言い残したことがありましたので、忘れないうちにメモしておきます。

「たけくまメモ」の文体についてなんですが、当ブログの「です・ます調」は、もちろん意識的にやっております。理由は、以下の3点です。

(1)話し言葉に一番近い

 ブログに最も適した文体は、可能な限り話し言葉に近い口語体が適当だろうと俺は考えてます。ブログは、不特定多数を相手にしたマス・メディアの側面がありながら、読者との距離が近い感覚があります。その意味ではラジオの深夜放送のようなもので、できるだけ普通の、身近に感じる書き方をする必要があるのではないかと。普通の会話で「で・ある調」で話す人間はまずいませんので、より自然な「です・ます調」にしておるわけです。まあ、さらに親しい人には、「~じゃんか」とか、もっとくだけた口調も現実には使いますが、不特定多数を相手にする以上、よほどの芸がなければ避けたほうが無難でしょう。

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2006/06/01

【レジュメ】朝カル「ブログ論」(2)

◆ブログによる生活

 ●インターネットの奇妙な世界

  ▲個人の声がマスとなる可能性と問題点
   →紙メディアは、制作・流通に金がかかる一方、ネットははじめから「流通込み」であるから、究極の個人メディアになりうる。
   →ただし編集的センスがなければ、独善的表現に陥る危険も。
   →また、個人メディアにおける言論・表現の責任は、すべて自分個人がとらなければならない。じつは、出版の隠れたメリットのひとつが、この責任の分散にある(執筆責任と編集責任の分離による、個人リスクの低減)。
   →したがって、個人メディア運営者は、自己表現(発言)のリスクを十分に認識する必要がある。

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【レジュメ】朝カル「ブログ論」(1)

※この土曜日に行う朝日カルチャーセンターで使用するレジュメです。参加希望者は下記URL参照のこと。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_9f5d.html

■パーソナル=マスメディアとしてのBlog

※於・朝日カルチャーセンター新宿校(6月3日)

◆出版の耐えられない「遅さ」

 ●ミニコミからマスコミへ

  ▲80年代初頭のミニコミブームについて
   →「自分メディア」の希求。70年代末から80年代初頭にかけて、大学生を中心に全国的なミニコミブームが起きた(コミケとは別の現象)。
   →ブームはやがて終息したが、当時の有名ミニコミ編集・執筆者の多くがマスコミ進出を果たす(例。田中康夫・神足裕治・えのきどいちろう・中森明夫・いとうせいこう、等)。彼らはやがて80年代以降のカルチャーの担い手となっていく。
   →竹熊は、1978年、高校2年時にミニコミ「摩天楼」を創刊。200部ほどのものだったが、編集・執筆を通じて、メディア作りの面白さに目覚めた。

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